2025年08月一覧

しあわせな結婚 5話 感想|ネルラに振り回される男たち

 

 

ネルラ(松たか子)の周りにいる男性陣って、

彼女に振り回されている人たちばかりだよなぁ…とつくづく思える回ですね。

私がドラマを見る時は、答えが合っていても違っていても、

場面場面の登場人物の表情から今どんな気持ちなのかを想像する事も楽しみの1つなんですけど、

ネルラの場合は何を考えているのか本当に読めないんですよね。

 

幸太郎(阿部サダヲ)のメールにも気づかず

(↑まぁ、緊急性が低い内容だから分からんでもない…)

レオ(板垣李光人)と考(岡部たかし)に連絡を求めていた事。

黒川(杉野遥亮)の乗っている車から出てきたのを見かけた事。

そしてなぜか寛(段田安則)の搬送に黒川が付き合っていた事。

なんで俺じゃなくて黒川なんだ…と落ち込む彼の心境は理解しつつも、

松崎しげるさんの歌唱シーンが割と長い尺だったのも含めて、

思いっきり食らっている泣き顔を見ていたら不覚にもニヤついてしまったんですけど(笑)

その様子をテレビで見ているネルラの、真顔でじーっと見つめる表情に切り替わった途端、

一気に不穏な空気に変わるんです。

 

黒川との関わりにしたってそうで、自分を犯人に仕立てて捜査中の刑事に向かって

「好きなの?」は中々言えないでしょう。

私だって、布勢(玉置玲央)の弟でも親友でもなければ、

何をそんなに再捜査に執着しているんだろうとは疑問でしたけれど、

恋愛対象の話題を一度出されたら、嫌でも彼女を意識してしまう訳で。

これも、自分が重要参考人から逃れるための計画なのかな?と思ってしまいました。

布勢がダメダメになっていったのも、彼女と出会ったからでは…。

 

敵対同士にあった人々が、真相を見つけ出す共通目的のもと結託するという展開は、

意表を突かれる感覚が楽しく、いつ見ても面白い。

「好きなの?」「これから惚れた女のために一緒に戦いましょう」と2人に言われてから、

冷静さを保とうとするため食事に集中するも、逆にどんどん頭の中から離れないでいる、

そんな"迷い"を覗かせる黒川の様子を見ていたら、

「良い…!」という感情が押し寄せてきちゃいました。

 

次回から第二部開幕で、恐らく事件パートの描写が本格的になるからか…

今まではホームコメディとサスペンスの二本立てで、分離してなくはないものの

どちらをメインで押し出していきたいのかがやや不明瞭な印象だったのですが、

今回は最初から、15年前の事件を集中的に描いた事で

サスペンスという軸をしっかり感じさせる内容になっていた点でも、興味深く見られましたね。

 

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19番目のカルテ 4話 感想|相手の話に耳を傾けるって、案外難しい。

 

 

赤池田中泯)や徳重(松本潤)に影響を受けて総合診療科に転科したものの、

患者に感情移入し過ぎるきらいがある滝野(小芝風花)。

一方、ミスをした時の対処法も機嫌の取り方もものにするほど

自分自身をよく知っているからこそ、

難しい事・出来ない事はすっぱり諦め要領良く生きようとする鹿山(清水尋也)。

そんな両極端な2人に「人を診る」が出来るのか気になって見ていましたが…

今回も徳重の存在感は確かに残していましたね。

 

「極端に強い面が表に出てる人ほど、その裏に隠された『何か』がある事は多い。

患者さんと向き合う時、一生懸命になればなるほど、

視野がせま〜く、ミクロなレンズで物事を捉えがちになる。」

この言葉がきっかけで、諦めかけていた2人が

まるで舵を切るように変化し、同じ方向を進み始める。

本当に魔法みたいでした。

手で表現する動作も、視野がいかに狭くなるかが目に見えて分かりやすかったです。

 

今回は今までと違い、若手メイン回ではありますが…

滝野と鹿山の医者としての苦悩を描いた上で、

徳重が上記のようなアドバイスを適度に投げかけてあげる立場に回る事で、

総合診療科の仕事や「人を診る」とは?が理解しやすいだけでなく、

テンポも生み出していた気がします。

 

夫婦に関しては個人的にはどっちもどっちで、

医者の目の前で「ラスボス」とか言っちゃう妻・早智(倉科カナ)は

自分の意見をガンガン押しつける所があるし(栄養面で努力してるのは分かるけど)、

夫・耕太(浜野謙太)は妻にもクライアントにも気を遣う八方美人で、

両親の現状を見ているにもかかわらずダブルランチ、しかし妻には怒って欲しくないから

1人で抱え込むという、なよっとした性格ではあるんですよね。

 

でも、夫婦がそうなってしまったのも、徳重の言う通り、

「病気になった時に、気持ちや考え方は揺れ動く」から。

しかし、結果的に離婚せずに済んだのは、

滝野と鹿山がお互いに相手の妻or夫に対するありのままの愛を聞き出す事が出来、

滝野がもう一押しをしてくれたから。

 

徳重からは、2人を静かに見守り、2人がつまづいている時には手を差し伸べてあげる

ささやかな頼もしさを感じさせましたが。

滝野は滝野で、何とかして患者夫婦の気持ちに寄り添いたいという真摯さが

彼女の良さだと思っていますし、

鹿山も普段からメモをとる習慣をつけていなければ、

患者のモヤモヤを可視化し、原因に辿り着くまでが中々難しかったかもしれません。

それぞれの良い所が束となり、患者夫婦の"病い"を治す事が出来た。

素敵なチームでしたね。

 

前回気になっていた堀田(津田健次郎)の現在も、少し触れてくれて嬉しかったです。

「最後まで堀田さんの隣にいると約束します」と言ったからには、

その責任を感じさせる描写がどこかには欲しかったんですよね…。

しかも驚いたのは、徳重がネットニュースで彼の記事を見て

頑張っている旨を言及していた所。

今回の見せ方で、患者が今どんな悩みを抱えているのかに耳を傾け、

治療に繋げる事だけが総合診療科の仕事ではないという、

今までの医療ドラマとは違う新しい作品を作るのだという制作陣の本気が伝わってきました。

今後も、今回のようなプチ情報で良いので、

今まで関わってきた患者の"その後"、見てみたいです。

 

 

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しあわせな結婚 4話 感想|黒川(杉野遥亮)はアラフォー?

 

 

最初に個人的な好みを言ってしまうと、匂わせる演出・描写ばかりで

視聴者に"考察"を促そうとするドラマは苦手です。

 

例えば、同じ放送局で事件を取り扱ったドラマで、今期は「誘拐の日」もありますが、

そちらは謎が増える一方で整理される事なく進むストーリーになっているのと、

提供クレジットで「衝撃」煽りした割には

な〜んだ…か、またこれか…とズッコケる展開が続いたため、

ズルズル引っ張られてしまう前にすっぱりリタイアしたんですね。

 

しかし、"考察"させる要素が盛り込まれている事、

冷静に見れば、話が進んでいるのか進んでいないのか曖昧な状態になっている点では

本作も共通しているのに、なぜ好意的に見られているのか?

それは、幸太郎(阿部サダヲ)やネルラ(松たか子)を始めとした

鈴木家1人1人の個性が強く、家族パートだけでも密度の濃いエピソードが詰まっているのと。

前回も書いた通り、サスペンステイストの中でも"夫婦の愛"が軸にあると感じられるから、

近年のサスペンスやミステリーには当てはまらない作品として楽しめているんだと思います。

 

でも、前回を見てそう確信したのに…

今回でまた視聴意欲が、わずかにですが下がってしまいました。

 

弁護士・内藤(小雪)は1話きりの登場だと思っていたので

再び出番があるのは意外でしたが、

彼女は彼女で個性的なキャラクターで、幸太郎とのやりとりを見ると

事件よりも今その場で起こっている出来事の方に意識が行きがち。

しかも今回は適度なタイミングで

事件とは特に関係のない彼女のサブエピソードが挿入されたため、

あれ?もしかしてこの手法で真相を引き延ばしてる?感は否めません。

黒川(杉野遥亮)の見解を聞けば、進展はないとは言わないんですけど…

序盤ならまだしも、別にもう幸太郎との付き合いもないんだし、

わざわざ新しくエピソードを作る必要はあるのかどうかも疑問でした。

 

演技力のある俳優も揃っていれば、キャラクターも際立っている。

そしてベテラン脚本家作品。

だからやっぱり、風変わりのホームドラマでも十分面白そうなのに、

サスペンス要素を盛り込んでしまったばっかりに…という勿体ない気持ちが

また復活しつつあります。

今回は話を引っ張ろうという"意図"が見える内容になっていたので少し残念でしたが、

次回に期待させていただきます。

 

ところで…1話から気になっていた事ですが、黒川って何歳の設定なんでしょうか。

中の人の杉野遥亮さんは、今年で30歳。

なのでてっきり、15年前となると中高生くらいだろうから

布勢(玉置玲央)の歳の離れた弟かな〜?と思っていたんですけど、

血の繋がりもなければ、推理もただの勘らしく(当時交番勤務)。

35歳なら…ギリギリそう見える?

 

 

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19番目のカルテ 3話 感想|正しさは多種多様だからこそ、対話する。

 

 

放送前から分かってはいたけれど…田中泯さん、やっぱり凄いなぁ。

ご登場するだけで、雰囲気がパッと華やかになりますね。

しかも今回演じる赤池という人物は、お茶目な一面を時折見せてくれるので、

大御所俳優なのに自由で大らかなギャップを感じさせつつ、

でも、ベテランが故に言葉1つ1つに温もりと説得力もあって、より魅力的に映るんです。

 

赤池が滝野(小芝風花)に言っていたのは「3つの柱」。

1つ目の柱はゲートキーパーで、問診から病態を特定・診断する。

2つ目の柱はファミリーメディスンで、地域と連携し、病院から出た後の患者の生活を考える。

3つ目の柱はコンダクターで、専門家の先生と連携して、患者の治療をする。

この3つが総合診療医のお仕事なんだそう。

 

徳重(松本潤)が外科との話し合いで悩んでいる際に現れているので、

都合の良いタイミングと言えばそうなんですけど。

まだ視聴者が定着化しきっていないであろう3話までの段階で

今までの回想を挿入し、見て分かりやすく編集した上で「3つの柱」を提示した事で、

総合診療医とは何なのかが、ストンと腑に落ちた気がします。

1話からの2話だと、そんなアプローチもあるんだ?と思う所もありましたからね。

 

で…3話はコンダクターを取り扱った内容。

今回は今回で、今までとはまた導入部分が異なり、

既に病名が判明し、治療方法も確定していて、

患者との対話よりかは、医者との対話をメインに話が繰り広げられていきます。

 

外科医・康二郎(新田真剣佑)の言葉を聞いていて意外だったのは、

彼自身の考えにもちゃんと共感出来た事なんですよね。

…いや、私が今まで見てきた医療ドラマで描かれる外科医って、

お金のためとか、院長の座を狙うためとか、

そういった悪の手に染まりがちな人物が多かったので、←凝り固まり過ぎ?(笑)

主人公と対等の"正義"があり、あくまでも患者のためを想って動いている

真摯な姿勢が見えた所に新鮮味を感じたのです。

それで言えば、父・東郷(池田成志)もキャラのクセの強さに引っ張られがちですが、

患者が少しでも健康で退院出来るようになって欲しい願いは同じで、

もしかしたら「典型的な悪役」ではないのかもしれません。

 

がんが悪化する前に早めに手術をした方が、

患者もその家族も、絶望感を覚える可能性は低くなる。

しかし、声に誇りがあり、生業にしてきた者が

「後遺症」「職場復帰出来ないかも」というネガティブなワードを聞いたら

中々一歩が踏み出せない…が、解決方法は手術しかない。

 

「表はニコニコしてるけど、内面はバチバチに燃えている」という言葉の通り、

徳重の佇まいからは、医者と患者が双方納得する道を歩むためなら

自分が折れる事はしないし、相手の話もきちんと聞いて尊重する

意志の強さがひしひしと伝わってきました。

康二郎との2人の対話は青い火花が散っているようで、

自分はこうやって患者を救いたいという感情は込めつつも、冷静さを失わない話し合いは

見ていて気持ちが良かったです。

 

徳重はひたすら相手の話に耳を傾け、

康二郎は「手術の腕には自信があります」と言ってみせる。

最終的にそれぞれの方法で、患者の不安を和らげる姿は

プロフェッショナルを感じさせました。

 

今回のゲストにもやっぱり触れておきたくて、

声で活躍の幅を広げてきた津田健次郎さんが演じられるからこそ、

ああ、どうか声が失われないで欲しい…と切実な想いで見てしまっていましたね。

もし現実でも…と考えてしまう瞬間があったくらいには(泣)

 

終盤を見る限り、声は出せるようですが、職場復帰出来るかまでは分からず。

"その後"がどうなったかは、医者は患者がまた病院に来ない限りは当然知る事はありません。

ですが、総合診療科の場合、徳重が堀田(津田健次郎)に

「どの道を選択されても、最後まで堀田さんの隣にいると約束します」とは言っていたので、

今までの患者も含めて"その後"の話もちょっと見てみたいんですよね。

内容はほぼ原作通りなのでしょうか。

 

 

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しあわせな結婚 3話 感想|3話にして早くも別居…

 

 

ネルラ(松たか子)の事、鈴木家の事について「知る」「触れる」回でしたね。

 

まず、お仏壇に飾られていた2柱の位牌は、

6歳の時に海で亡くなったもう1人の弟・五守のものだと判明。

五守の死以降、残ったレオ(板垣李光人)をどんな事があっても守らなければならないと

家族間で誓い合ったという話を聞いて、だから、週1回の食事会やマンションなど

家族ぐるみでの付き合いが多いのかと腑に落ちたんですけど…

中でも印象が変わったのは、次に書くネルラにまつわるエピソードです。

 

歌と踊りが得意だった子供の頃。

宝塚にハマってからは自分磨きを始めた中学時代。

今度は絵に夢中になって芸大一発合格した話。

弟の死を機に大学を休むも、何とか説得して復学させた話。

あの事件が起きてから心を閉ざしてしまった時の話。

そして、幸太郎(阿部サダヲ)と出会ってから生き返りつつある現在。

 

温泉に行こうとする幸太郎を呼び止めて2人きりになり、

娘が今に至るまでのエピソードを丁寧に語って、

「(ネルラの変化に対して)そんな事は、考えられない事なんだ。君のお陰だ…。」と話す

父・寛(段田安則)の嬉しそうな表情を見ていたら、

ああ、本当に幸太郎を信じているんだな…というのが伝わってきますし。

父の愛情たっぷりな語りで聞くネルラのエピソードから想像するに、

前回では半信半疑だった彼女の告白も、頭を打って記憶が飛んだ話も

あながち嘘ではないんだろうなと、考えを改めたくもなるんですよね。

 

寛に感謝された上に今後を託され、鈴木家の密で強固な繋がりを知った幸太郎は

今自分が置かれている状況に酔いしれてしまったのか、

終盤では感情が先走り、ネルラが思い出した内容を弁護士の聞き取り調査のごとく

根掘り葉掘り追及した後、すれ違いから家を出て行ってしまう事に。

 

「…信用されてない弁護士ほど、みじめなものはないんだよ」「……弁護士なの?」

この2人のやりとりにもあったように、今の幸太郎は大切な人に恋しているんじゃなくて

恋に恋している状態になっているんじゃないかなって。

彼女自身を見るというよりかは、家族に大事にされ、壮絶な人生を送った人を

何としても守らなくちゃ!という使命感でいっぱいいっぱいなのかもしれません。

冒頭で言われていた「法律家の仕事」が、終盤で残念な形で返ってくるとはね…。

 

しかし、今回でようやく、本作の"芯"が見えてきた気がします。

サスペンスが好みの視聴者からしたら、

話が進まない!という感想が出てくる方も多いかと思われますが、

真相を知るのが視聴の第一目的ではない私にとっては、

コメディ部分でもサスペンス部分でも一貫して

夫婦のやりとりや互いが相手を想う姿が描かれていて、満足度は高めでした。

これは大雑把な例えですが、きっと、大人のラブストーリーなんですよね。

公式が「妻が抱える《大きな秘密》を知ったとき…

“僕は…彼女を愛し続けることができるのか?” 夫婦の愛を問うマリッジ・サスペンス」と

うたっている通り、どんな試練が訪れても"愛の力"で乗り越えられるのか?

そんな覚悟を問い、過程を見守り続ける作品なんじゃないかと思えてきました。

 

 

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