2025年08月一覧

19番目のカルテ 3話 感想|正しさは多種多様だからこそ、対話する。

 

 

放送前から分かってはいたけれど…田中泯さん、やっぱり凄いなぁ。

ご登場するだけで、雰囲気がパッと華やかになりますね。

しかも今回演じる赤池という人物は、お茶目な一面を時折見せてくれるので、

大御所俳優なのに自由で大らかなギャップを感じさせつつ、

でも、ベテランが故に言葉1つ1つに温もりと説得力もあって、より魅力的に映るんです。

 

赤池が滝野(小芝風花)に言っていたのは「3つの柱」。

1つ目の柱はゲートキーパーで、問診から病態を特定・診断する。

2つ目の柱はファミリーメディスンで、地域と連携し、病院から出た後の患者の生活を考える。

3つ目の柱はコンダクターで、専門家の先生と連携して、患者の治療をする。

この3つが総合診療医のお仕事なんだそう。

 

徳重(松本潤)が外科との話し合いで悩んでいる際に現れているので、

都合の良いタイミングと言えばそうなんですけど。

まだ視聴者が定着化しきっていないであろう3話までの段階で

今までの回想を挿入し、見て分かりやすく編集した上で「3つの柱」を提示した事で、

総合診療医とは何なのかが、ストンと腑に落ちた気がします。

1話からの2話だと、そんなアプローチもあるんだ?と思う所もありましたからね。

 

で…3話はコンダクターを取り扱った内容。

今回は今回で、今までとはまた導入部分が異なり、

既に病名が判明し、治療方法も確定していて、

患者との対話よりかは、医者との対話をメインに話が繰り広げられていきます。

 

外科医・康二郎(新田真剣佑)の言葉を聞いていて意外だったのは、

彼自身の考えにもちゃんと共感出来た事なんですよね。

…いや、私が今まで見てきた医療ドラマで描かれる外科医って、

お金のためとか、院長の座を狙うためとか、

そういった悪の手に染まりがちな人物が多かったので、←凝り固まり過ぎ?(笑)

主人公と対等の"正義"があり、あくまでも患者のためを想って動いている

真摯な姿勢が見えた所に新鮮味を感じたのです。

それで言えば、父・東郷(池田成志)もキャラのクセの強さに引っ張られがちですが、

患者が少しでも健康で退院出来るようになって欲しい願いは同じで、

もしかしたら「典型的な悪役」ではないのかもしれません。

 

がんが悪化する前に早めに手術をした方が、

患者もその家族も、絶望感を覚える可能性は低くなる。

しかし、声に誇りがあり、生業にしてきた者が

「後遺症」「職場復帰出来ないかも」というネガティブなワードを聞いたら

中々一歩が踏み出せない…が、解決方法は手術しかない。

 

「表はニコニコしてるけど、内面はバチバチに燃えている」という言葉の通り、

徳重の佇まいからは、医者と患者が双方納得する道を歩むためなら

自分が折れる事はしないし、相手の話もきちんと聞いて尊重する

意志の強さがひしひしと伝わってきました。

康二郎との2人の対話は青い火花が散っているようで、

自分はこうやって患者を救いたいという感情は込めつつも、冷静さを失わない話し合いは

見ていて気持ちが良かったです。

 

徳重はひたすら相手の話に耳を傾け、

康二郎は「手術の腕には自信があります」と言ってみせる。

最終的にそれぞれの方法で、患者の不安を和らげる姿は

プロフェッショナルを感じさせました。

 

今回のゲストにもやっぱり触れておきたくて、

声で活躍の幅を広げてきた津田健次郎さんが演じられるからこそ、

ああ、どうか声が失われないで欲しい…と切実な想いで見てしまっていましたね。

もし現実でも…と考えてしまう瞬間があったくらいには(泣)

 

終盤を見る限り、声は出せるようですが、職場復帰出来るかまでは分からず。

"その後"がどうなったかは、医者は患者がまた病院に来ない限りは当然知る事はありません。

ですが、総合診療科の場合、徳重が堀田(津田健次郎)に

「どの道を選択されても、最後まで堀田さんの隣にいると約束します」とは言っていたので、

今までの患者も含めて"その後"の話もちょっと見てみたいんですよね。

内容はほぼ原作通りなのでしょうか。

 

 

↓前回の感想はこちら↓

 

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