2020年冬ドラマ-コタキ兄弟と四苦八苦一覧

コタキ兄弟と四苦八苦 8話 感想|ローマは案外近くにある?

 

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昨日見たドラマに続いて、こちらでも役者さんの素晴らしさを堪能した回。

いや、本当…見ながら「すげ〜!」って何度連呼した事か(笑)

兄弟が入れ替わっても元の顔が浮かんでくるようだし、あれ?元に戻ってる?ともすぐ気付ける。

二路(滝藤賢一)さんは普段眉間にシワを寄せる表情なんて絶対しないし、

一路(古舘寛治)さんは斜めの角度で相手を見たりだとか、

あんな口の形もしないって分かるもんねぇ。

そこにさっちゃん(芳根京子)が加わって、ますますカオスになる。

入れ替わりネタだけでも十分見応えがある話。

 

しかし、カオスの中にも現代ならではの要素がしっかり織り込まれていました。

さっちゃんが同棲していた過去。ちょっとした自分探しの旅に出ていたんですね。

「"あなた" という存在は、"あなた" が "あなた" だと思うから "あなた" なのであり、

誰かが "あなた" を認識したから "あなた" なのです」はちょっと哲学的ですが、スッと刺さる。

Y字路の右側が「行ってはいけない道」だと教わったさっちゃんと、

コタキ兄弟の住む家がある事がそんな形で関わってくるのか!という面白さもあり、

世にも奇妙っぽい不思議な世界観ながらも、いや、逆にその世界観だったからこそ?

想像した以上に、案外身近に自分の存在を認めてくれる人がいるもんなんだな…という

心温かい気持ちで見終える事が出来ました。

 

さっちゃんが子供の頃に出会った2人が

コタキ兄弟だったとは覚えていないみたいだけれど、

知らない所で出会っていた運命的な3人の関係…ああ…良いなぁ…と羨ましくなってしまいますし、

今喫茶店で再会出来たのも、きっと神のお告げによるものなんだろうとさえ思えてしまいます。

 

さっちゃんの回想シーンで「もしかして?」と頭をよぎりはしましたが、

分かりやすく言葉に表さなくとも それだと分からせるジェンダーの絡ませ方は流石の脚本。

彼女の背景が知れた事で、いつも哀愁を漂わせる主題歌もより心に沁みました。

 

ところで、三河屋のわかめ押し売りに関しては…

3箱とは言え2万2千円もするって、ある意味詐欺じゃないですかね?(笑)

 

 

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コタキ兄弟と四苦八苦 6話 感想|世間という名の地獄

 

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世間縛苦(せけんばっく)。

これが一番身近で、生きていく上で一番多く経験する苦しみ。

 

「お兄ちゃんだから」という生き方を貫き通したが故に、

居場所を失ってしまった過去を持つ一路(古舘寛治)。

よく知らない人から社会不適合者だと言われようが、

愛する娘を大事に育ててきた事を誇りに思う二路(滝藤賢一)。

自分の環境を「変だよ」と友達に言われるハナ(川島鈴遥)。

ママは子供を教育すべき、パパは仕事するべきという風潮に

苦しめられてきた妻・有花(中村優子)。

それぞれの心の訴えを、シビアになり過ぎないように、

時に字幕演出などのユーモアを交えながら

「こんな心境を抱えて生きてきたんだよ」と優しく描いてくれたお話でした。

(もしかしたら、タワマンの住人にも、周りに取り残されないようにしようと

空気を読んでいる人がいるのかも?なんて。)

 

娘が初めて歩いた日、学芸会の練習で一緒に歌った歌、

今でも全部覚えているパパちゃんは凄い。

ぐうたらに見えても、実は主夫としての役割を全う、

いや、"役割を全う"以上に娘の面倒を見てくれていたんだと

奥さんが気付けたのは良かった。

娘がとても良い子で、幸せに育っているのが、この家族にとっての正解だとも思う。

でも、旦那の印象が変わった、奥さんも彼のどこが好きだったのかを思い出した、

じゃあ寄りを戻してみようか…というドラマらしい希望のある終わり方ではなく、

結局は「世間からどう見られるか」を基準にしてしまうオチに妙な余韻が残りました…。

 

人の数だけ何に苦しめられてきたのか、何に悩んできたのかも違うし、

そんな世間縛苦の中で、私たちは生きている。

日々を過ごして膨らんでいく"どこかモヤっとした気持ち"を具現化してみせたような脚本。

 

兄弟を通してしんみりさせられたと思ったら、次の回ではクスッとさせられてしまうし、

また次の回では共感してしまうし…で、

野木亜紀子さんの引き出しの多さに、改めて驚かされます。

 

 

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コタキ兄弟と四苦八苦 5話 感想|アンジャッシュ祭りでも何故か共感。

 

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今回はほぼ喫茶店内で繰り広げられるワンシチュエーション構成で、

コタキ兄弟とさっちゃん(芳根京子)がそれぞれに思考を張り巡らせる…という内容。

いやー、徐々にアンジャッシュの勘違いネタになっていく様が面白かったわ。

すごい、平和だったわ(笑)

大きな事件が起こっていなくても見入ってしまうのは、

芸達者な3人だからこそ為せる技…ですね。

 

けれども、ただのコメディで終わらせない所がよく出来ているなぁとも思わされます。

ノローグ展開が続く作りで、結末をどう落とし込むのか

先が読めないワクワク感を持たせながらも、

最後にはお金を思わぬ形で失ってしまう一路(古舘寛治)の悲劇を描く事で、

きっちりと本作らしい「不器用な大人達による人生のほろ苦さ」を映し出す

話に仕上がっていたのがお見事でした。

一路ほどではないものの、考え込み過ぎたが故に

相手に誤解をさせてしまう経験は日常生活でもあるあるで、

身につまされる想いで見てしまってもいました。

 

思い込みの激しい一路、

コナンを全巻読んだと言いながら物事を深く推理しない二路(滝藤賢一)、

現代っ子らしいちゃっかりした性格のさっちゃんと、

ノローグだけでも3人の個性の違いをしっかり浮き彫りにした所も良かったですが。

ビスケットの歌が実は伏線だったり、

のほほんとしているおじいさんが実は店主で相談依頼主だったり…と、

所々のネタも楽しみました。

(ビスケットの歌が子守唄になっちゃうのも、地味にフフッとさせられました(笑))

 

 

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コタキ兄弟と四苦八苦 2話 感想|何かを犠牲にしてでも欲しかったモノ

 

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豪勢で賑わった結婚式のようで、実は新郎も友達も

レンタルおじさんだったというトンデモ設定。

けれども、そんな手鞠(岸井ゆきの)が逞しく、かっこいい女性に思えてしまいます。

ここ最近の岸井ゆきのさんは、ゲストとしても脇役としても、

視聴者の目に止まる存在感を着実に発揮されていて良いですね。

 

いつも"クソ"が付くほど真面目で、人の気持ちには鈍感な一路(古舘寛治)が

最後に「何もない日という事は、何かが始められるという日でもあるという事」と

励ましの言葉を送れたのも、親を幸せにしたいという手鞠の確固たる意志に、

ほんの少しでも感情を揺さぶられる部分があったからなのかもしれません。

 

前回では、何事にもまずはアクションでしょ!といった

"動"だからこその良さを二路(滝藤賢一)が見せた一方で、

今回では、踊らずにただその人のそばにいてあげる…といった

"静"だからこその良さを一路が見せる。

「兄弟それぞれの魅力」が解決シーンでも対比の形で提示されている所がまた面白い。

 

構成的には、「何かを犠牲にしてでも欲しかったモノ(物・者)」を共通点として、

恋人や夢、理想よりも家族の幸せを一番に選んだ新婦を描く前半と、

地位や周囲からの期待よりも自分らしさを選んだ二路を描く後半で

二部構成に分かれていた印象。

手鞠さんにはいつか嘘をつく必要がなくなるほど幸せになって欲しいな…と

思わせてからの、たった1つのモノすら手に入れられない二路のほろ苦さが

何とも余韻の残るお話でした…。

 

兄弟2人の行動にハラハラクスクスさせられつつ、

最後にはちょっとした温かさと切なさを醸し出す「人間賛歌」を思わせる作りは、

去年の同じ時期の「フルーツ宅配便」にも通ずるものがありますね。

 

しみじみ、良いドラマです。

 

 

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コタキ兄弟と四苦八苦 1話 感想|オチがない?あるのかも?な兄弟の話

 

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深夜ドラマが何たるかを、よく分かっている作品だなぁ…というのが第一印象。

バイプレイヤーの古舘寛治さんと滝藤賢一さんのキャスティングも、

そこに芳根京子さんのツッコミが加わる事によって生まれるやり取りの愉快さも、

内容がありそうでなさそうなユルさ加減も、ノリノリで踊るOP映像も…

どれをとっても好き。久々にこの枠「ドラマ24」らしさを見た感じ。

 

ギャグや小ネタはなく、喫茶店というワンシチュエーションでただただ喋るだけ。

離婚届にサインをするか?しないか?をめぐってのお話…というだけ。

しかし、そんな単純な設定の中でも、兄・一路(古舘寛治)が屁理屈を言って渋る一方で、

弟・二路(滝藤賢一)は何も考えずにすんなりサインをしてしまうなど、

行動や発言で兄弟のキャラクターが描き分けられているのが

やっぱり凄いなぁと思わされます。

 

その"さり気なさ"は、二路がユカの離婚届を出したラストにもかかっていて。

「怨憎会苦」の意味、「他人のならサインできるんだけどな」という台詞から、

自分は上手くいかない分、同じ状況下の静子(市川実日子)には幸せになって欲しい…と

考えてあの行動に出たのだと思っていますが、彼の意図を台詞で分からせるのではなく

「もしかして?」と視聴者に想像させる含ませ方も良かったです。

 

1時間1000円の胡散臭そうなレンタルおじさんに依頼しちゃうくらいだから

本当に困っているのに、説教をし始める一路は正直向いていない。

二路は基本的に真面目に対応してくれない(笑)

けれども、一路は向かないなりに、相手を困らせている社会の現状も

相手の気持ちも理解して行くのかもしれませんし、

二路はちゃらんぽらんな自分だけど、相手にとっては必要とされていると

勇気付けられて行くのかもしれません。

 

そんな感じで、1話ごとに曲者なお客と関わって行くユルコメディがメインテーマならば、

訳あり兄弟の成長物語が裏テーマなんじゃないかな?という気にもさせられた初回でした。

 

これから、どんな物語を二人が見せてくれるのか、楽しみです。

 

 

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