2020年夏ドラマ-半沢直樹一覧

半沢直樹(2020) 10話(最終回) 感想|愛と正義の物語…おしまいdeath!

 

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あーーーーー楽しかった……。終わっちゃいましたね。

あれだけの濃さなら、最終回も25分拡大して全然OKだったのに(笑)

でも、満喫させていただきました。

 

盛り上がりどころは色々あったけれど、それは後で書くとして…

まず個人的に一番アガったのは、花ちゃん(上戸彩)が白井大臣(江口のり子)や

半沢(堺雅人)を後押しするシーン。

久しぶりに彼女の頼もしいキャラクターっぷりを感じられて嬉しくなりましたよ。

本作が始まる前の総集編で、数々のエピソードの中でも

半沢の家に家宅捜査した際の国税の失礼な態度に「銀行員の妻をナメんなよ!」と

啖呵を切ったシーンが特に印象に残っていたから、

またあのような大々的な活躍を見せる時が来ないかなぁ…とウズウズしていたんですよね。

最終回まで待ちに待ち続けました。

彼女の見せ場を最後までとっておいたのが

半沢側による怒涛の反撃戦の起爆剤として意味をなしていて、

この"焦らし作戦"、かなり成功したんじゃないかと思います。

 

他にも、中野頭取(北大路欣也)の曖昧そうな表情から優柔不断と思わせてからの、

実は後先の事も考えて動いていたというギャップの強さで驚かせたり。

恩を受けた瀬名(尾上松也)と森山(賀来賢人)が半沢を叱咤激励するシーンがあったり。

そして、初心にかえって寝返る白井大臣だったり、

「聞こえないね〜」返しする大和田(香川照之)だったり…

いろんな意味で「そう来たか!」と、今までの流れがひっくり返るような

サプライズが満載で、飽きさせない内容でした。

 

以前、土下座を軽視しているといった発言をしていたのもあり、

超高速で済ませた箕部(柄本明)にはムキー!とはなったけれど。

彼にこそ前回の組体操をやって、強制的に長く謝らせて欲しかったけれど…(笑)

でも、前シーズンでの大和田の土下座時間の対比にもなっていて、

これはこれで面白いのかも…と思います。

すぐさま逃げ去る時の子供みたいな腕の振り方は中々滑稽でしたしw

 

前シーズンの大ヒットを受けて似たような作品が増えたのもあり、

人気作とは言えもうあの衝撃を超える事はないのだろう…と思っていましたが、

いざ蓋を開けてみたら軽々と超えてきました。

「続編になると面白くなくなる説」を見事に打ち破ってくれました!

半沢を支える仲間たちに愛着を持たせたのがやはり大きいのかも…ですね。

メインは勧善懲悪でも、裏を返せば強火半沢担によるラブストーリーでしたから(笑)

そして、まさに勧善懲悪の"生みの親"とも言える池井戸班だけが持っている強みを活かして、

全体図のわかりやすさや熱い演出、

歌舞伎役者には歌舞伎っぽい演技をやらせて盛り上げようといったエンタメ性など、

約6ヶ月という長い年月でここまで精度を上げてきた作品を見られた事に、

感謝してもしきれません。

 

原作はついこの間新作を出したみたいですから、

またどんなに年数が経ったとしても続編を待ち続けます。

シーズン1から見ていた視聴者にとっても、きっと待った甲斐がある出来でしたよね。

楽しかったdeath…

いや、"最高に"楽しかったdeath!!

 

 

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半沢直樹(2020) 9話 感想|土下座という名の組体操www

 

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ツーショットを撮る時になぜか親指を立てる半沢(堺雅人)、

なぜか社員の手帳のサイズまで把握している福山(山田純大)の有能っぷりだけでも

クセの強さ満載だったのに…

黒崎(片岡愛之助)まで再登場するんですもん。ズルいですわ〜!(笑)

前回でてっきり退場したのだと思い込んでいたから、

半沢の助太刀としてやって来た時には気持ちが高ぶってしまいましたよ。

何度も書いているかもしれませんが、本作のスタッフはどのキャラを

どこのタイミングで投入させれば良いか…っていうのがよく分かっていますよねぇ。

 

さて、最大の"掴み"となっていた予告の「3人まとめてーー!」の件。

3人とは誰の事を指しているのか。その後に続く言葉は何なのか。

箕部(柄本明)は勿論、頭取の中野渡(北大路欣也)も入ってくるんだろうとは

思っていましたが、ここに大和田(香川照之)も参加していた事がまた

どんでん返し的な面白さを引き立てていましたね。

私も最初は「え…?」と思いましたさ。

でも、冷静になって3人の立場を考えてみると、完全に箕部が悪の権化で、

頭取は以前も優柔不断な一面を見せていたように、ただ振り回されただけ。

大和田に至っては裏切り者じゃなくて保身に走っただけでしょう。

今までのニコイチな関係を見ていれば分かる。

あの組体操みたいな土下座だって…友達の半沢がこれ以上窮地に陥って

失業する事のないように…という"愛"から来ているかもしれませんよ。

(と同時に、本心ではどかされて「それでこそ半沢だ!」と褒め称えたい

葛藤もあったかもしれませんけど♪)

それにしても…本作に密対策など視野に入れていない事は前々から承知してますが、

このご時世でよくもまぁ、あんなに体をベッタリくっつけさせるもんですな(笑)

"笑っちゃう"土下座シーンは貴重かも。

しかし、堂々と演じられているから、ネタとして全然受け入れられてしまいます。

 

役者に関してもう一つ言及すると、個人的に新たな発見を得たのは、

大嶋…じゃなくて児嶋一哉さんが意外と(と言うのは失礼かもしれませんが)

暑苦しい半沢ワールドに馴染まれているという事。

他のドラマだとちょいボケ役での出演が多かった事から、

どこか抜けているようなのほほんとされているイメージがありましたが、

本作ではアクの強い面々に負けじと、強面な顔つきと鋭い流し目線で

物語の盛り上げにしっかり一役買っている所に

"役者"としての凄味を感じさせられました。

こんな渋い顔立ちだったっけ…どアップのカットをまじまじと見ちゃいましたね。

 

 

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半沢直樹(2020) 8話 感想|大嫌いは大好きの裏返しって言うよね〜

 

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なんだあの、「後はお前に託した。成功を祈っている」みたいな少年漫画的ラストは…

半沢(堺雅人)LOVEな黒崎(片岡愛之助)のキャラクターは元から好きだったけど、

彼にかける言葉も、去り際の後ろ背中もあまりにも男らし過ぎて

なんか胸がジーンとして来ちゃいましたよ…(泣)

そして、噂を聞いて真っ先に駆けつける半沢にも萌える。

あれだけ本気でやり合っているうちに、いつしか敵対関係を超えた友情のようなものが

芽生えてしまってたんですねぇ。

 

半沢サイドからしたら、黒崎はねちっこくてウザったい敵キャラではあったけれど、

よくよく考えたら立場が違うだけで、黒崎も黒崎で常に不正を暴くために行動する

正義感の強い人である点は共通していた訳で。

お世話になった金融庁に向かって深くお辞儀する姿からも、

彼がどれだけ仕事に打ち込んできたのか…という誠実さが感じ取れて良かった。

Paraviで配信されるみたいに、日曜劇場「黒崎駿一」も

スピンオフで見てみたい気持ちにさせられました。

 

睨みつけた表情で急に大声で恫喝する箕部(柄本明)は厄介ですが、

紀本(段田安則)も中々一筋縄では行きませんねぇ…。

追い詰められた時はただ怯えっぱなしじゃなくて、

サラリーマンらしい真っ当な返しをして反撃してくる所に

今までの悪役とは違うぞ!という凄みを感じます。

 

今回は最終回前に相応しい、

言わば「ぐぬぬ…」といったやり切れなさしか残らない"溜め"の回でも、

相変わらず最後まで飽きさせない構成ですね。

「おねしゃす」などのネタを盛り込んだ前半で楽しませ、

そうきたか!という意外性を持たせつつ、

"ザ・ラスボス"の風格を漂わせる柄本明さんの佇まいでビビらせながらも、

ラストは黒崎の花道を飾って、別れを惜しむ形でしっかり余韻も残す。

半沢直樹の世界のキャラクターが視聴者のみんなに愛されている」

そんな自信と誇りがなければ、多分あのような逞しくもあり切ない展開は作れなかったと思います。

本当に隙のない1時間だわ…。

 

 

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生放送!!半沢直樹の恩返し 感想|最終回前にまた特番が見たい!

 

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あ〜面白かった!

まさにタイトル通り「恩返し」でしたね。

放送日に間に合わなくて延期…となれば、

本来ならこの1時間分を撮影に回したり、役者さんなら大事をとって休ませたりする

貴重なお時間になるんですけど、それをわざわざ主要キャストを揃えて生放送企画を立てて、

しかも過去の製作秘話だけじゃなくDVDの特典でしか見られないような

非公開シーンまで見せて下さるんですもん。贅沢の極みだ。

冒頭の茶番劇も非常にメタメタしくて、もう掴みから爆笑でした!

 

先週までのあらすじもダイジェスト版風の短い動画を用意していたのもそうですが、

ああ…本当に視聴者を楽しませる事を第一に考えて

みんなが一丸となって作品づくりに励まれているんだなぁ…という気合いが

この生放送を通じてビシビシ伝わってきて、

やっぱり、役者さんも作り手も、心からイキイキされているのが見える作品が好きだと

改めて感じた時間でもありました。

 

しかしまぁ…黒崎(片岡愛之助)が「マンマンよ!」と言った時の鼻息が

かかっている顔をしていたという半沢(堺雅人)だとか、

ちん…ぼつ!がお気に入りの様子の堺雅人さんとか、渡真利(及川光博)の実態とか、

本編だけなら絶対聞けないような面白話&ネタがいっぱい飛び交ってきたので、

1時間じゃあ足りなさ過ぎましたよ…

及川光博さんも仰っていたけど、視聴者の質問…多分応募がきた内の1,2割くらいしか

答えられてないですよねぇ(笑)

安住アナと久本雅美さんは「ぴったんこカンカン」の組み合わせ。そしてヒロミさん。

安住アナは進行係として必要なので…バラエティ班からゲストを呼ばなかったら尺が増えて、

もっといろんな視点から話を掘り出せたんじゃないかとも思います。

 

欲を言うなら、最終回前に、例えば19時からの2時間SPの形で

またこのような特番をやって欲しいなぁという気持ちがあります。

 

それにしても…膝の上に広げた手をびったり乗せながら座る堺さんが可愛らし過ぎたわ…。

香川さんは最後まで"大和田"感が出てらして、

座り方でそれぞれの個性が見えるのもまた面白い。

NGは出さない。ぶっつけ本番で、それもアドリブを入れるタイミングを考えながら

演じているっていうのも尊敬でしかない。

 

TBSなら、運動させる事で役者の素顔を見せる

東京フレンドパーク」という特番もありますけれど、

今回のようにその時その時のシーンに込めた想いを語らせて

役者の"こだわり""考え方"を覗き見る番宣があっても良いよなぁ…とも思うのでした。

 

 

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半沢直樹(2020) 7話 感想|もはや漫才でもやりそうな半沢と大和田

 

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もはや仲良しか!ってくらいの半沢(堺雅人)と大和田(香川照之)の掛け合いを堪能。

ネクタイの柄も黒地に白のドットでお揃いでしたしねぇ(笑)

あの関係になれたのも、前シーズンで二人の間にある過去の因縁を描ききったからで、

そういう意味では続編をやる意義がしっかり感じられる出来になっています。

 

敵同士だったのが、今では一丸となって政府という巨大な存在に立ち向かう…いやぁ熱い。

200万本以上のネジの一本一本の大切さを熱弁する半沢も、

半沢からの教えを受け継いでいるのが伝わる森山(賀来賢人)の姿勢も、

どこもかしこも胸を熱くさせるエピソードばかり。

中でもネジのエピソードは「下町ロケット」と通ずるものがあり、

今回はその池井戸作品の真骨頂である「小さな積み重ねがあるから今がある」

という作風が強く効いたお話でした。

 

半沢と大和田で「ですdeath!」や「さぁ、さぁ、さささささぁーーー」などのプチ漫才で

笑かしつつも、裏切り者の紀本(段田安則)を炙り出した流れは流石。

しかし、そんな彼と白井議員(江口のりこ)を裏で操っていたのは、箕部(柄本明)と

優柔不断な演技をしていた頭取(北大路欣也)だと分かる。

残りの1分も惜しまない、視聴者を驚かすのに心血を注ぐラストの作りも素晴らしい。

二人も一本のネジでしかなかった訳で、白井もただの票集めのためのマスコット的な

役割にしか過ぎなかったと考えると、少し気の毒だったかなぁ…。

(コテコテの画の中に唯一新風を吹かせるような、動じない肝っ玉キャラは好きでした。)

 

ボスの存在の他にも、女将(井川遥)が元銀行員で頭取側についていた…と。

クライマックスに向けて、徐々に謎が解けてきました。

顔芸と面白台詞の充実感は勿論ですが、

ストーリー自体も面白味が増してきて満足満足!でした。

 

 

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半沢直樹(2020) 6話 感想|紀本さんも怪しいが女将が一番怪しい。

 

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曽根崎(佃典彦)の、半沢(堺雅人)を見る時のにかーっとなった顔芸がさ…

前編の諸田(池田成志)みたいで笑っちゃいましたよw

「俺、実は企んでるんだぜ〜」なんてドヤ顔キメてるつもりなんでしょうか。

でも最後はあっさり土下座。

思ったよりも小物でしたな(笑)

 

あんな嘘をついてしまったら半沢がピンチになるだけじゃなくて、

会社全体の信用問題にも関わって来る訳で、

本作、そんな人が多過ぎ案件ですよね…なんて思って見てましたけど、

今回に限っては流石に社内の処分では収まりきらなかったようで。

 

スリードで誘導するにしてはちょっと演出が弱い気がするんですが、

黒幕は大和田(香川照之)ではないでしょう。

前回の道場でのシーンで「半沢が結果残せば、大和田の手柄になる」

みたいな事を言っていた紀本(段田安則)だと予想してます。

でも、それ以上に怪しいのは女将(井川遥)。

そもそも大勢の客がいる中で、しかも実名を出しながら

仕事の話題を出すんじゃない!って話なんですけど、

明らかに動揺していましたしねぇ。

「名前」に反応って事は…いずれ近いうちにキーパーソンになるはずなんですね。

 

今回は内容に関しても、今後の逆転劇に向けての準備回といった印象で、

ラストの頭取室でのやり取りも演出家が変わったのか

「勧善懲悪」の見せ方も今までとは盛り上がりに欠ける感じだったかな?

しかし、「ファイトまん!まん!」の「まん!」から

興奮が収まらない様子が伝わる黒崎(片岡愛之助)の言い方とか、

OP映像前の半沢の笑い堪えてそうな顔とか、

前半パートが楽しかったからそれで良いかなぁとも思います(笑)

 

 

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半沢直樹(2020) 5話 感想|探偵にもゲスニックにもなる半沢

 

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第1章は銀行vs証券会社が軸となる話だったため、

銀行用語が飛び交う所に個人的にはどうしても小難しい印象があり

(それでも「ここが山場だ!」というのが上手く調理されていたと思うけど)、

その分役者陣のクセの強い顔芸を増やす形で、本作なりの"エンターテインメント"を

作り出していっているんだと思いながら見ておりました。

 

しかし、今回の第2章になってからは、より全体像が掴みやすい工夫が施されていた気がします。

まぁ、再建モノなので複雑な設定や用語は減りはするのですが、

テンポの良い演出に合わせて、半沢(堺雅人)・銀行・帝国航空の3つの関係性と立ち位置を

余計な説明台詞を入れずに明瞭に描き分ける事が出来ています。

そして、ターゲットが同業者ではなくなった事で主人公の存在感が増し、

「"集団"の抱える問題に"一匹狼"の半沢がどう切り込んでいくのか」という見所が追加され、

女将(井川遥)の不審な行動、乃原(筒井道隆)と繰り広げられるだろう対決も含めて

今後の展開がますます楽しみになった点では

良い新章スタートを切れたのではないか?とも感じさせられました。

 

回を重ねるごとに探偵でも恐喝でも何でもありの主人公になってきていますが、

ただの悪党ではない「目の前の仕事に本気で取り組んでいる熱い部分」も

しっかり描かれているので、ここはもう好きにやってしまえー!という気持ちです(笑)

現実世界にいる私たちには、大勢の部下を味方につける機会も

「見くびらないで頂きたい!」なんてぶちまける機会も多分ない。

だからその代わり、半沢に"こうでありたい"という理想を重ねて見てしまっているから、

相手を論破した時の痛快感も強いんですよねぇ。

 

「あなたからは腐った肉の臭いがする」も名言だったけど…

近づくな近づくな言われて結局近づけないままやられてしまった

山西惇さんがツボだったかな(笑)

 

 

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半沢直樹(2020) 5話 感想|探偵にもゲスニックにもなる半沢直樹。

 

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第1章は銀行vs証券会社が軸となる話だったため、

銀行用語が飛び交う所に個人的にはどうしても小難しい印象があり

(それでも「ここが山場だ!」というのが上手く調理されていたと思うけど)、

その分役者陣のクセの強い顔芸を増やす形で、本作なりの"エンターテインメント"を

作り出していっているんだと思いながら見ておりました。

 

しかし、今回の第2章になってからは、より全体像が掴みやすい工夫が施されていた気がします。

まぁ、再建モノなので複雑な設定や用語は減りはするのですが、

テンポの良い演出に合わせて、半沢(堺雅人)・銀行・帝国航空の3つの関係性と立ち位置を

余計な説明台詞を入れずに明瞭に描き分ける事が出来ています。

そして、ターゲットが同業者ではなくなった事で主人公の存在感が増し、

「"集団"の抱える問題に"一匹狼"の半沢がどう切り込んでいくのか」という見所が追加され、

女将(井川遥)の不審な行動、乃原(筒井道隆)と繰り広げられるだろう対決も含めて

今後の展開がますます楽しみになった点では

良い新章スタートを切れたのではないか?とも感じさせられました。

 

回を重ねるごとに探偵でも恐喝でも何でもありの主人公になってきていますが、

ただの悪党ではない「目の前の仕事に本気で取り組んでいる熱い部分」も

しっかり描かれているので、ここはもう好きにやってしまえー!という気持ちです(笑)

現実世界にいる私たちには、大勢の部下を味方につける機会も

「見くびらないで頂きたい!」なんてぶちまける機会も多分ない。

だからその代わり、半沢に"こうでありたい"という理想を重ねて見てしまっているから、

相手を論破した時の痛快感も強いんですよねぇ。

 

「あなたからは腐った肉の臭いがする」も名言だったけど…

近づくな近づくな言われて結局近づけないままやられてしまった

山西惇さんがツボだったかな(笑)

 

 

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半沢直樹(2020) 4話 感想|本人公認の従兄弟漫才祭り、完結?

 

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第一部完結回。

うん、いろ〜んな意味でクライマックスな回でした。

どの場面を切り取っても瞬間最高視聴率になりそうなくらい

盛り上がり所が沢山ありました(笑)

 

2話での「お・し・ま・い・Death!」という大和田(香川照之)の顔芸と動作、

実は香川さんのアドリブだったらしく、堺雅人さんも撮影が終わった途端大笑いしたとの事。

あんなシーンは笑わずにはいられませんし、

完全に笑わせる気満々の演技があちこちで披露されているにもかかわらず、

堺さんだけでなくどの役者さんも途中で吹き出す事なく

徹底して"役"を演じ切られているのには、本当に尊敬しかないです。

 

スタッフ自身も前シーズンよりそういったネタ要素を濃くするために、

従兄弟をキャスティングしたり、過激な方向になるよう演技指導したりという

"狙い"はあったでしょうけど、

元々はここまで予定していなかったんじゃないかなぁと思います。

香川さんが大和田と伊佐山(市川猿之助)との関係性の事を

Twitterで「従兄弟漫才」と表現されているくらいですし、

役者陣がどんどんアイデアを重ねて膨らませていったのかも。

これは考え過ぎですけど、コロナ禍でストレスの溜まった私たちを元気付けようとか、

振り切った演技で自分達も心の底から楽しめば良いとか、

そういう気概で本作に挑んでらっしゃるんですよね。多分。

 

しかし、顔芸ばかりだけでなく、時折挟み込まれる半沢(堺雅人)の台詞に

明日(明後日)から仕事をする活力をもらえる熱さが込められている所も

本作の魅力の一つ。

「ひたむきで誠実で働く者が救われる」

それをまさに体現しているのが半沢直樹(前回のデータ隠しの件は置いといてw)

勝ち組負け組という言葉は嫌いだと言うけれど、今日も今日とて

自分の仕事に誇りを持ちながら、目の前の敵に対してどうやって倍返ししていくかという

"勝ち"にこだわり続ける所も、実に人間臭くて好きなのです。

 

次回からは国家権力との闘いへ。

大和田は「君が真に優秀な人材だから」が口癖の

おちょくりポジションに回るんだろうなぁ(笑)

土下座は見られなかったけど、前シーズン最終回の大和田と同じような処分を下された

伊佐山はもう出番なしな感じですかね。

…いや、サイドストーリーとして「逆襲編」も始まるか?

 

 

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半沢直樹(2020) 3話 感想|大和田不足は次回で補いましょ。

 

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堺雅人さんが「ぴったんこカンカン」で

初回放送延期決定前の本作の撮影は2話途中までだったと仰られていたので、

今回が実質、撮影再開後の最新作。

でも、その情報を忘れるくらい通常通りの仕上がり。

いきなり奇声を上げるし、顔と顔の距離は相変わらず近過ぎるし…で、

やはり飛沫感染とは程遠い世界にいるようですw

 

目の前でフォルダを削除するくだりは犯罪行為に近いでしょうし、

仕事をサボってまるで劇場鑑賞みたいに大勢で見守る所とかも

ツッコミどころ満載なんですけど、何故か普通に楽しく見られる魅力があります。

あ!でも…黒崎(片岡愛之助)が7年前にもやっていたあの必殺技は

もうやめた方が良いと思うけれども(苦笑)

7年前は受けたかもしれませんけど、今はセクハラパワハラに敏感な世の中なので…

時には時代に合わせるのも大事なんす。同性なら良いって事もないし。

2回やらせるのも「これが面白いんだろ?」感があってあざとかったですしね。

 

しかし、本作は勧善懲悪の元祖だと思いながら見ている分、

落として、上げて、また落として…なんて視聴者を翻弄させる展開のメリハリのつけ方は

流石の安定感があります。

「誰が味方で誰が敵か」という簡単そうで実は難しい相関関係の見せ方を

カメラワークの切り替えで補えている所も凄い。

モニター上に映し出される結果をみんなでドキドキしながら待つシーンは

池井戸潤作品の定番演出ですねぇ。

 

歌舞伎枠が増えて確かに顔芸要素が濃くなったんですけど、

堺雅人さんと賀来賢人さんでバランスが取れている所も良い。

賀来さんは終始スマートで落ち着きがある。

堺さんは歌舞伎枠同様にメラメラと燃えたぎる熱い一面も見せるんですが、

その根底に"柔和さ"が備わっているのが伝わる演技なので、暑苦しさを感じさせません。

ソフトな声も効いているのかも。

 

最初は脚本家が変わって少々不安でしたが、

キャストも揃っているし、今後も安泰でしょう。

次回はクライマックスとの事で、また二部構成になるのかな?

大和田(香川照之)不足だった分来週には期待していますが、

多分、調子に乗り過ぎて墓穴を掘る展開だと予想します(笑)

 

 

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