2021年春ドラマ-大豆田とわ子と三人の元夫一覧

大豆田とわ子と三人の元夫 10話(最終回) 感想|"後悔" "喪失"も愛に変えて

 

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キャッチコピー「ひとりで生きたいわけじゃない」で始まって終わる。

でも…その言葉に対する印象は、最初の頃と今とでは全く違う。

どんな経験を味わおうと、とわ子(松たか子)は一貫してとわ子のままだったし、

三人の元夫とも相変わらず一緒にいる。

こう書いたら何も変化がなかったとも捉えられるでしょうが、

彼女の中では「誰かとの恋や結婚をまだ諦めない」人生ではなく

愛する人との思い出や日常を愛し続けたいから、それが結果的にひとりを選ぶ事になる」

人生を歩んでみるのもアリなのかも…という、

いろんな人々との関わりを通してそう決心するまでの過程が

地道に描かれていたと思っています。

 

 

旺介(岩松了)はとわ子に自転車の乗り方を教える事は出来なかったけれど、

目の前で網戸の直し方を見せる事が出来た。

母・つき子の恋文が「夫と娘の面倒を見るだけの人生なんて」で止まっていたのは、

マーさん(風吹ジュン)に向ける感情と家族に向ける愛情が

並行していた矛盾に気づいたからであって、

最終的には家族を守る道を選び、あえて書きかけの状態にして送らないままでいた。

自分のした事に時に後悔しながら、

人はそうやって無意識に誰かのために生きている生き物なのだと気づかされた最終回。

 

つき子の恋はとわ子の母親らしかったし、

唄(豊嶋花)の恋もまさしくとわ子の遺伝子を受け継いでいる…とも言えますね。

そう考えると、西園寺は三人の元夫のように

最初は面倒臭そうに見えてもだんだん愛らしく思えてくる人になるのかもしれないし、

唄もきっと、母と同じく、転んだ時には起こしてくれる人達に愛される日々を送る事となる。

とわ子とマーさんの背中を見る彼女のシーンが印象的でした。

前回の内容が"今"の話なら、今回の内容は"これから"の話だと感じられました。

 

坂元裕二さんが描くキャラクターは、基本的に何かを失っている者ばかり。

でも、それは"欠落"や"欠損"ではなく、"喪失"を指していて。

ぽっかりと空いた穴を時間ごとに埋めようとする所から生まれる想いとか、記憶とか、幸せとか…

そういうものがかけがえのない思い出に変わっていって、

その経験値が大きければ大きいほど、辛かった出来事もやがて愛せる広い心が育まれるし、

自分を動かすバネにもなる。

作風は新しいようで、普遍的な幸せを見つめる大切さを教えてくれた作品だったと思います。

 

好きな作品を見終えると、

「続編やって欲しい!」か「もうこれで完結したのかもしれない」の

2パターンに分かれるのですが、これは後者の方ですね。

冒頭にも書いた通り、とわ子の中である程度の結論がついたように感じられましたし、

4人の関係性を見ていたら、

これからもみんなで助け合っていくんだろうな〜…という未来が見えたのでね。

それに、台詞や心情から滲み出てくる"何か"を自分なりに感じ取って、

その意図を考える楽しさも含まれている作品だから、

富士山でのキャンプの様子を脳内で想像してみるのもアリなのかもしれません。

 

最後はシナモンロールを食べる大豆田とわ子…からの、

「大豆田とわ子と三人の元夫、ありがとう!」で締めるのも乙なもの。

最終回で感じた内容を、どうやって言語化しようか、

どうやって感想をまとめようか時間がかかり過ぎて、上げるのが遅くなってしまいましたが、

それだけ充実した時間を過ごす事が出来ました。

こちらこそ、素敵な作品をありがとうございました〜!!

 

 

P.S. 「着飾る恋には理由があって」は木曜未明に上げます(謝) 上げました!

 

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大豆田とわ子と三人の元夫 9話 感想|やっぱり最強なのはSeason1なんだな。

 

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ずるいよ…ずるいでしょ…

あんなの、心掴まれるに決まってるじゃん…

見終わった後にぶわっと襲ってきた感情、なんて例えたら良いんだろうなぁ。

分からなくなってしまった。

とわ子(松たか子)と八作(松田龍平)は再婚する事はなくて、でも互いを想い合ってて、

でももう叶いもしない"もしも"の世界を語り合っているから

今も相手への未練たっぷりなのね…って切ない気持ちになった訳でもないし。

感動ともちょっと違う。

何と言うか、「心が軽くなった」という表現が一番近い気がしています。

それにしても…結局最後に勝つのはSeason1なんだなぁ。

ドラマやアニメでいう、シーズンが増えて行くにつれてどんどん見栄えを豪華にしていくんだけど、

やっぱり無印が一番面白かったよねっていうのと同じ原理だ。原点こそ最強。

大史に向けて言っていたであろう

慎森(岡田将生)の「あいつは最悪」「髭をちゃんと剃らない人」は、

図らずしも八作にもかかっていたのだ…と気づかされて、ちょっとニヤリ。

 

三人の元夫ととわ子との関係性は点と線みたいなもので。

7話で大史(オダギリジョー)が言っていた持論をまさに体現している回でもありました。

彼女の存在は三人の元夫にとっては、ずっと頭の片隅に残しておきたい"点"で、

離婚しても同じ時間を共にしたこれまでの過程は"線"。

大史と再婚する疑惑を知って、自分と彼女を繋ぎとめていてくれた線が

彼に奪われてしまうと察した三者三様の行動が、

何だか"らしい"なぁと思えて、これもまた面白い。

 

かごめ(市川実日子)に想いを伝えられる事のないままとわ子との結婚を選んだ過去のある

不器用な八作は、「結婚出来て幸せでした」「ありがとう、幸せになって下さい」と、

下手したら死ぬのか!?とも取れるような意味深な感謝の言葉を伝えに行く。

鹿太郎(角田晃広)は、まぁ、実際は中の人の仕事が忙しくて出番が減ったって所でしょうけど、

バッティングセンターでの争奪戦に参戦しなかったり、

リモートでしか登場しなかったりした事から踏まえると、器の小さい彼だから、

とわ子が自分の知らない誰かと幸せそうな様子を見たくなかった=現実逃避

を物語っているようにも見えます(笑)

で、1聞いたら10返すほど理屈っぽい慎森は、第四の夫が大史だと気づいた途端

猪突猛進と言わんばかりに自宅にズカズカ入り込んで、本心を聞き出そうとする。

個性…ありまくりだったなぁ。

慎森に関しては他人の目線で見ているから可愛い!ってなるんだけど、

とわ子目線だったら面倒臭い人でしかないんだろうなぁw

 

しかし、最終的には、大史はSeason4候補から外れる事になった。

別れる前に存分の愛を与えて、一本の道を真反対の方向に進み出すシーンだけで

「あ、別れたんだな」と思わせるなんて…

まさに大人だけの極上なラブストーリーを見せてもらえているんですね。贅沢だわ〜…。

でも、誰かと結ばれる結末じゃなくてホッとしました。

大史が本当に良い人か探りながら観察していたのもあり、

そんな事も知らずとどんどん深みに嵌っていってしまうとわ子を

素直に応援出来ない状態でいましたから。

 

独りでも幸せになれる、あなたを選んで独りで生きる事にしたとも言っていたけど、

「3人で生きていこうよ」

が、個人的には本作を象徴するメッセージだと思っています。

冒頭に戻りますが、私が「心が軽くなった」のはこの台詞にあるんですよ。

幸せを追い求めるのは2人でも、もちろん1人でも良い。

でも、"独り"になるとどうしても心が折れてしまう時がある。

だから、そんな時は幸せだった思い出に縋ったって、

もう夫でも友達でもないけど今でも付き合いのある相手と

共存していく選択をとったって良いのだと…

とわ子だけでなく、八作の、鹿太郎の、慎森の、そして視聴者の

肩をポンと押してくれるような優しさが、この台詞に詰まっているように感じられました。

 

公式が「最終回らしい内容」とうたっていた通り、

結論は既に出ちゃっている気がするんですけど、最終回はどう締めるんでしょうかねぇ?

次回予告を見ると、またしれっと新しい男性が登場しているし…

本当、どうするんだろう。謎!

 

 

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大豆田とわ子と三人の元夫 8話 感想|Season4にはならなそうな気がしてきた。

 

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「人生がなかった期間」か。凄い台詞だな。

17歳から31歳じゃあ…損失はかなり大きいですよね。

その期間中に訪れるであろう「青春」や

「大人とは?」「社会で生きていくとは?」を知る過程など、

そういうターニングポイントになるものがごっそり奪われてしまう事になる。

当時は苦しかったが今となっては良い経験になったとか、被介護者への感謝の気持ちとか、

"時間が経って丸くなったからこそ分かる"みたいに今までの人生を美化するんじゃなくて、

自分にとっては辛くて闇だったとはっきり言葉にしてしまう。

この台詞に救われたヤングケアラーの視聴者、いっぱいいるだろうなぁ…。

 

大史(オダギリジョー)は今の社長に拾われ、どうしたら良いか分からなかった自分に

人生観や仕事を手取り足取り教えてくれた事を嬉しそうに話すんだけれども、

それは逆に、自分を犠牲にして誰かに依存する生き方しか出来ない、

与えられた課題を全うするマニュアル主義な習性が染み付いてしまっているのを

物語っているようで切なくなります…。

 

前回であんな衝撃的な場面を見せられたのにもかかわらず、

なんでとわ子(松たか子)は彼に惹かれてしまうんだろうって気になっていましたが、

彼を"自分と同じ側の人間"だと思う部分があったんですよね。

大史はカレーに囚われていて、とわ子はかごめに未練が残っている。

かごめの存在で思いついたけど、大史は社長の言う通りにやってくれるものの、

基本的に命令がないと動けないという"カゴの中の鳥"状態な一方で、

かごめはどんなに反対されようが自分らしい生き方を決めて実行してみせた

"カゴから解放された鳥"状態だったという意味では、真逆の関係性なんですね。

 

まだそんなに彼の事を深く知らないし、信用しづらい相手なのに、

彼を解き放ってあげたい気持ちが勝って

その場の勢いでカレーを食べさせに家に連れてきちゃう流れは、なんか妙にリアルで。

人間、全ての事柄に結論を出してから前に進めるほど完璧な生き物じゃないし。

行動してもしなくても時間は過ぎていく訳で、

ある種のモヤモヤを抱えながら毎日を過ごしていかなければならない…と感じさせる

生々しさがあのシーンにはありました。

 

ただ、今回の件が恋愛、結婚に直結するか?って言われたら、

違うんじゃないかなぁ…と。

なんというか、一緒に愛を育むというよりかは、

とわ子が一方的に気づいて、一方的に愛を教えてあげる…

つまり"育てる"みたいな関係性に近い気がしています。

今は、三人の元夫とは違うタイプの人間だから惹かれているのかもしれないけれど、

「リモコンのボタンを押すことだけに疲れる」といった台詞があったように、

彼がSeason4になったら、とわ子に負担がかかりそう…。

 

そう言えば、八作(松田龍平)は大史があの場にいる事に気づいてましたよね。多分。

本当は何を言いに来たんだろうか。

次回予告ではプロボウラーと結婚するらしいし…彼の心境の変化も気になりますよ。

 

 

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大豆田とわ子と三人の元夫 7話 感想|Season4候補との出会いは地獄の始まり…かも

 

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前回から1年後。

勉強を放棄してメイクに励んでいた時期があったが、

いつの間にか学業に専念していた唄(豊嶋花)。

娘だけでなく、誰に対しても健康を気にするようになり、

今までやらなかったインスタやペット育成アプリにも手を出し始めたとわ子(松たか子)。

主語に必ず「好きな人」を入れて話す慎森(岡田将生)。

「元気?」「ごめんね」「ありがとう」の八作(松田龍平)。

 

前回の感想で「本人が思い出したくない事があれば深堀りはしないだろう」と書いたけれど、

まさしくその通りになり、"何かしら"の想いを抱えながら過ごしているであろう

それぞれの日常が、サラッと描かれていったお話でした。

にしても、告白しているのに「野菜ちゃんと食べてね」「ちゃんと睡眠とってね」って

返されちゃう慎森はちょっと切ない。

それが、大切な人の死から影響していて、

彼=人生のパートナーも失いたくない寂しさから来ている言葉っていうのは

視聴者側からしたら分かるんだけど、本人には完全に届いていないっぽいのがね…(泣)

 

現実世界では、死は何の前触れもなく唐突にやってくる事の方が多いのに対して、

ドラマという作り物の世界では、あくまでも作者によって考えられた"フィクション"だから、

故人の生前の視点(回想)を取り入れたり、

整理中に出てくる「生きた証」から本人の想いを知り、安堵の気持ちにさせたりして、

視聴者に全てを明かそうと思えばいくらでも表現出来てしまうのですが、

本作の場合はちっとも経緯を教えてくれません。

それが逆に、かごめ(市川実日子)の損失の大きさを感じさせました。

と同時に、衝撃的な展開を食らいっぱなしにされたお陰で、

思いっきり悲しむ間もなく、誰かに心境を打ち明けるタイミングを逃したまま1年が過ぎると、

気づいたら心に膿が溜まった状態になってしまう…という

とわ子の様子を体感する感覚も味わえました。

今まで「心情を描くから、登場人物に共感出来て面白い」と思っていた部分がありましたが、

「何も書かない」が同じ面白さに繋がる事もあるんですね。

いやぁ…凄いなぁ…。

  

「時間は過ぎていくものじゃなくて、場所っていうか、別の所に存在するものだと思う」

「5歳 10歳 40歳 その時その時を懸命に生きていて、それは別に過ぎ去ってしまったものじゃない」

点と点を結んで線になり、そうして今の自分が出来上がる…

みたいな理論を唱える小鳥遊(オダギリジョー)。

論理的思考を持つ彼がとわ子を励ますのも、

とわ子が初めて会った彼にやっと想いを伝えられたのも、自然な流れ。

 

歩幅は一緒だし、独自の考えを持っているし、

自分にとって知らない人の話もしっかり聞いてくれるし…

中盤まで描かれた三人の元夫が良い人過ぎたから霞みそうだと思っていた分、

結構素敵な人じゃん…この人ならSeason4でも全然アリじゃないか…と

今後に期待を膨らませていたら、最後の最後で地に落とされた気分です(笑)

しかも恐ろしいのが、ビジネスマンとして登場させて終わりじゃなくて、

その後でまた、"良い人"という印象しかなかった、さっきまでの姿を見せて終わり。

そうですよね。ただの優しいオダギリジョーさんという訳にはいきませんね。

 

私情を職場に持ち込む門谷(谷中敦)は嫌な奴だったけれども、

二重人格かのようにビジネスとプライベートを切り分ける小鳥遊は、それはそれで怖い。

厄介そうなのは名前からも漂っていて…

三人の元夫は「田中」「佐藤」「中村」という普通の苗字なのに対して、

「小鳥遊」は難読漢字。

三本の矢じゃないけど、元夫が三人集結しても彼には太刀打ち出来なさそう…と思わせる

ネーミングが上手いです(笑)

 

最後に…余談ですが、1話のゲストとして登場した斎藤工さんが詐欺師役だったのと、

今回から物語のキーパーソンとなるオダギリジョーさんの組み合わせ&ポジションで

「刑事ゆがみ」を思い出してしまいましたね。

(そっちでは、斎藤工さんは下着泥棒=ちょい役。

オダギリジョーさんは、終盤での事件と繋がる「ロイコ」の作者。)

そう考えると、ロゴマークのぐるぐるも、シナモンロールも、

小鳥遊が登場する前触れとも言えるのか。

かたつむりは…あの作品を知ってて取り入れられたのかどうか。知りたいですw

まぁ、偶然でしょうけども。

 

 

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大豆田とわ子と三人の元夫 6話 感想|突然のオダギリジョー。いろんな意味でカオス!

 

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放送開始前、私は本作を「3回も離婚した大豆田とわ子ってどれだけ面倒臭い人なのか

見て確かめよう!」という気持ちで見始めましたが、まさかこんな展開になるとは。

 

回を重ねるごとにとわ子(松たか子)よりも三人の元夫の方が面倒臭そうなのが分かって、

今回の前半部分では、三人の元夫が可愛く思えてくるぐらい

彼らに近づいては構ってアピールをする女性達の方が面倒臭そうで。

でも、(特に心を悩ませる意味合いで)人生において一番面倒臭いのは

人間には抗えない"運命"だった…という三段オチときた。

 

開始から41分まで予告&妄想以外で一切現れなかったのにもかかわらず、

餃子パーティのシーンでは、自身の経験談を女性同士で愚痴り合うくだりだけで

「とわ子は良い人だった」という彼女の"像"を浮かび上がらせ、

その場にいなくても存在感を静かに残した描写は面白いなぁと思っていたし。

他にも数分に一回は笑えるレベルの充実した内容を見させてもらえたから

色々書きたい所はあったんですけど…最後が衝撃過ぎて色々と吹っ飛んでしまいましたよ。

あ、でも…「こんな恋人、どこ探したっていないよ」は

今後の人生で絶対言う事はないだろうし、言う人も見かけない自信がある!!!

とは書き残しておきたいです(笑)

 

それにしても、とわ子が登場する前の魔の41分間のお陰で、

前回のラストから今回のラストまでが全く繋がらなくなってしまいましたねぇ。

門谷(谷中敦)に拉致されたのを回避した件は、

「親友に関する連絡が病院から来て心配になったから、

自力で何とか抜け出したって事にしておいてね」みたいな感じで

視聴者に委ねるだけで終わりそう。

かごめ(市川実日子)に何があったのかだけは知りたいのですが…

もしかしたら、こちらも詳しく描かれる事はないのかも。

 

1つ考えるとしたら、かごめが今までしてきた事は、自分の周りを整理するための

ある意味での"終活"のようにも見えるし。

一緒にやろうと言っていた漫画も1人でやると決めたのは、

その覚悟に対してとわ子を巻き込まないようにしようと

腹を据えている部分もあったんじゃないか…とは捉えられるけど、

これも想像にしか過ぎない。

本作はあくまでも「とわ子と三人の元夫が送ってきた人生を覗き見"させてもらう"ドラマ」

だと思っているから、本人の中で思い出したくない出来事があれば

その気持ちを考慮して"あえて"深掘りはしないスタンスをとっているんですよね。きっと。

 

何も分からないまま1年が過ぎてしまったけれど、本人の事情は本人にしか知りえない。

自分は大豆田とわ子ではないので、とりあえず本編で描かれる内容を見届けるしかないんだな。

ポッと現れたオダギリジョーさんが第四の夫になるのか?友人になるのか?

楽しみですね。

 

 

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大豆田とわ子と三人の元夫 5話 感想|知りたくなかったサプライズ

 

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前回同様、途中で三人の元夫の動向が挟み込まれた構成でしたが、

今回は特にごちゃごちゃしているとは思わなかったですね。

多分…それぞれのエピソードが「サプライズ」に因んだテーマである事が

掴みやすかったからかな?という気がしています。

そう感じたきっかけは、CMが入るまでの約20分間の流れ。

序盤の段階でとわ子(松たか子)が自分のサプライズパーティの準備を

しているのを知ってしまったシーンに畳み掛けるように、

かごめ(市川実日子)に靴下をプレゼントして喜ばせられなかった切なさを味わう

八作(松田龍平)のシーンが早々に描かれたのが、

今回はいろんな形で「サプライズ」が伏線回収されていくのだと、

今後の展開を想像させられるワクワク感がありました。

 

しかし、とわ子の方は悪いサプライズばっかりでしたねぇ…。

Season1の好きだった相手に気づいてしまった直後に、

今やって欲しくなかったと願わずにはいられないバースデーケーキでのお祝い。

かと思いきや、仕事が白紙になりそうで、

おまけに門谷(谷中敦)に拉致(?)される始末。

まさか「消えた大豆田とわ子」のナレーションで締めるとは…。

 

今まではストーリーがあるようでないような作りで、

劇中で繰り広げられる元夫同士のやり取りや小洒落た会話を

ニヤニヤしながら楽しむスタンスで本作を見てきただけに、

今回の「そろそろ緩急をつけないと"ドラマ"らしくないでしょ?」と言わんばかりのオチには、

本作の世界観に既に慣れていた自分がハッと目を覚ます感覚を覚えました。

 

自宅感覚でとわ子の家にフラっと遊びに来る三人の元夫は、

劇中で言及されていた信号機というよりかは、

何だか白雪姫の小人っぽく見えて可愛らしくて。

八作は(かごめにあげるつもりの靴下も入っていたけど)とわ子にプレゼントを渡し、

ゲスな仕事相手の話も彼女を心配する形でしっかり聞いてくれた。

鹿太郎(角田晃広)と慎森(岡田将生)は誕生日当日にメッセージ動画を残してくれた。

離婚した今もとわ子を人生のパートナーとして愛しているのが伝わるエピソードでしたし、

離婚した回数を自慢としか捉えていない上に、自分の考えを聞き入れない門谷に対して

「ホラーだ。これはホラーだ。」とバッサリ言えるほど今を前向きに生きている様が

とわ子から感じ取れただけに、

今回の事で心が折れて欲しくない…どうか無事に戻ってきて…と思えてしまいます。

そして、2人の残した動画もどこかで見てくれたら嬉しいなぁ…。

 

1話の斎藤工さんと同じくちょい役だと思っていたスカパラ谷中敦さん、

ファンから嫌がられるんじゃないかってくらいの爪痕を残されていましたね。

頷くだけで絵になる容姿とは裏腹に、言葉から醸し出される胡散臭さ…

印象に残るキャラクターでした。

正直、ちょっと棒っぽい所も…逆に胡散臭さが増して良かったのかも←こらw

 

次回は三人の元夫と三人の女性による餃子パーティ。

この枠×食べ物で思い出されるのは、某ドラマのカルパッチョなので…

どうしても期待が高まってしまいまして(笑)

来週も楽しみです。

 

 

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大豆田とわ子と三人の元夫 4話 感想|八作回パート1…って事で良い?

 

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台詞の1つ1つややり取りは相変わらず面白いんですけど… 

今回に関しては正直、30分過ぎまで「で、結局何が描きたいんだろう?」なんて

困惑した気持ちで見てました(汗)

 

八作(松田龍平)のかごめ(市川実日子)に対する

「かごめちゃんに彼女を紹介してもらった」発言でようやく内容が掴めたので安心しましたが、

それまでが、かごめの紹介ととわ子(松たか子)との関係性の他に、

八作と早良(石橋静河)+俊朗(岡田義徳)、鹿太郎(角田晃広)と美怜(瀧内公美)、

慎森(岡田将生)と翼(石橋菜津美)といった元夫三人の進展など、

個々のエピソードが 場面が切り替わる形で入り組んでいた構成になっていたために、

心に刺さるよりかは複雑で見づらかったという印象の方が勝ってしまった感じです。

かごめの人生観、恋愛観に多くの女性視聴者が頷ける"深い"話に見えて、

実はそんな彼女に片思いし続けている八作回だった…の種明かし的オチには意表を突かれただけに、

もうちょっと整理整頓してみても良かったのでは?と思ってしまいました。

 

しかし、八作回とは言えども、

三人の元夫の中で唯一、とわ子に未練がなさそうな態度だった理由が判明しただけで、

好きではないと分かっていながらなぜ唄(豊嶋花)という子供を儲けたのか?

そもそもなぜ結婚したのか?はまだ分かっていません。

鹿太郎や慎森のような馴れ初めも描かれないので、謎は深まるばかり…。

次回は「離婚した理由」に触れるとの事で、

幾重にも重なっている彼のベールを少しずつ剥がしていく展開になって行くのかもしれません。

 

そこに鹿太郎、慎森と"厄介そうな女性"の行方と、四人目の夫のくだりも盛り込んできて

また今回のようにごちゃごちゃした構成になりそうな気がしないでもないですが、

折り返し地点だけに大きな爆弾を投下してくるだろうと踏んで、来週に期待してみます。

 

 

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大豆田とわ子と三人の元夫 3話 感想|全視聴者が角田さんにキュン!…した魔法の時間

 

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今回はシーズン2・鹿太郎(角田晃広)のとの馴れ初めと現在の話。

元夫達にガシガシツッコんでいる時の鹿太郎はもろ角田さんで、

良い意味で東京03のコントを見ているような感覚に陥るんですが、

そんな彼でもかっこいい…と思える構成の妙。

 

最初は「この器の小ささなら離婚するだろうな」って納得していたのに、

過去を知れば知るほどどこに惚れたかが分かってきて、

でもそれは、たまに受ける"愛情"がとわ子(松たか子)にとっては"ご褒美"みたいなもので。

やっぱり誰かと寄りを戻すよりも、元夫達3人といた方が

彼女には丁度良いんだろうなぁ…と、前回に引き続き、今回もそう思わせてくれる内容でした。

 

これからの長い人生を共にする選択をとると、互いの嫌な部分も、見たくなかった部分も

見えてきちゃって、せっかくの素敵な思い出が霞んでしまう恐れもありますからね。

(まぁ、霞んでしまったから離婚の道を選んだんでしょうけどね。)

前回の慎森(岡田将生)には「一緒に生きている仲間」と例えたけれども、

鹿太郎とは、2人にしか分からない苦い過去があるからこそ腹割って話せて、

相談相手にもなって…言うならば「腐れ縁」のような関係が合っているのかもしれません。

 

しかし、とわ子がいてくれたお陰でファッションカメラマンへの道を歩めた鹿太郎が、

今度はそのご恩にと、社長業が向いていない事に悩むとわ子の気持ちを

軽くさせる一連の行動には胸がときめきましたねぇ…。

器は小さいとは言うけれど、それは逆に、

自分らしさを常に忘れないという意味でもあるんですね。

普通だったら、大人だから場をわきまえなくちゃと遠慮するであろう社交ダンスinオフィス。

ストレートに喜ばせる豪勢な花束。

「花束を抱えてるようです」「この花もきっと君の事好きだと思ったから」

当時から変わらない、浴びてみたい言葉をきちっと浴びせてくれる安心感。

洒落たEDも含めて、

これぞ大人のロマンティック・コメディ!

らしい雰囲気を堪能しました。

ていうか…ラップ、しっくり来過ぎじゃない!?

 

こんなに面白いのに視聴率が低い!と噂になっている本作ですが、

元々脚本家の作風の癖が強いので、大衆受けしないのは無理ないのかなと。

時間帯も21時よりも22時か、もっと遅い時間っぽいですし…

家族よりかは、録画で1人でじっくり見る方が多そう。

でも、別に良いのです。

本作以外では"いつもの"芸人の角田さんでも、

私達はイケメンな角田さんを知っている!!という優越感に浸れるから(笑)

 

 

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大豆田とわ子と三人の元夫 2話 感想|面倒臭いけど憎めない人の為の処方箋

 

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もうこれはまんまと術中にハマっているのだろうか(笑)

途中までは、1聞いたら10の屁理屈を返す慎森(岡田将生)…

いくらイケメンでも超めんどくせー!って思っていたのに、

公園で愚痴るシーン辺りからあまりにも憎めなくて、頭を撫でたい衝動に駆られましたよ。

変な走り方で警察署まで行くのも、

「友人です」じゃなく意地はって「離婚した元夫です」であくまでも"夫"を強調して

まだ未練がある感じを仄めかすのもまるっと含めて可愛い。

で、本作は新しい形の"胸キュン"だなぁ…とも感じられます。

 

ここ最近の作品は良くも悪くも「〇〇キュン」を文字ってそれを公式が推して、

2人の距離が徐々に近くなっていく過程を描いたり、はたまたあざとい演出で

視聴者をメロメロにさせるのを狙ったりして作るタイプの作品が多いけれども、

本作が描いているのは"終わった恋"。そこから何も発展はしない。

でもまだ好きで、まだとわ子(松たか子)の愛に触れたくて、

もう別れたはずなのについおでこを合わせて充電してしまう姿は、

側から見たら彼の想いがストレートに伝わってドキドキして、なんか可笑しくて、

こんな事しても元の関係には戻れない切なさもあって…。

離婚した人々の話なのに

1つのシーンだけでいろんな感情がうごめいてしまうの、今までになかったかもしれません。

 

「別れたけどさ、今でも一緒に生きてると思ってるよ」

とわ子が慎森に言ったこの台詞も、潔さがあって好きです。

本作がどんな内容なのかを物語っている台詞だとも思います。

別れた夫でも、友人に戻るでもない、いろんな形を集約した"パートナー"…

最後に彼がちょっとだけ変われたのも分かる気がしたなぁ…

いちごのタルトのくだりも、伝わらないようで何となく伝わる。

とわ子を「女は強い」の象徴として描くのではなく、

ドジっぽい部分もあって、時に弱くて、でも基本的には自分らしく生きようとする

正直な性格の女性として描く所も心地良い。

 

小洒落た台詞のオンパレードでも酔っている感じがしないのは、

言葉に翻弄されて、人と付き合う事が何かが分からなくなって…という

人間関係の難しさが潜在的に表現されているから。

かと言って湿っぽくならず、「みんな、こんな人生を笑ってくれ!」なんて軽さがあります。

可笑しさの中に応援したくなる魅力がある…

ED映像の世界観にうっとりし、登場人物まとめて愛おしく思える作品です。

 

 

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大豆田とわ子と三人の元夫 1話 感想|坂元裕二節爆発!やっぱり期待を裏切らない。

 

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坂元裕二脚本の連ドラは「anone」以来、3年3ヶ月ぶり。

本作の前にもSPドラマや映画の脚本は描かれていましたが…

久々の連ドラで張り切ったのか、もう初っ端から"坂元節"が爆発してましたね。

面白いと感じる人だけが見続ければ良い!というスタンス。

TBSの金10っぽくも思えたけれども、挑戦的な作品の多い火9枠にはぴったり。

特に、何でもかんでも語尾に「〜する大豆田とわ子」をつけるくだりには死ぬほど笑いましたw

伊藤沙莉さんのアニメ口調(?)っぽい特徴的なナレーションも癖が強かったけれど、

多分、仲良さそうに見えて微妙に拗れている"人間関係のギクシャク"を

表現しているという解釈も出来るのかも。

ああ、まだ週末まで遠くて憂鬱気味な火曜日に、

これだけエネルギーと人間臭さを吸収出来る作品を毎週味わえるんだな…なんて幸せか。

 

 

物語自体は、初期設定らしくとわ子(松たか子)と三人の元夫が久々に再会して、

三人の元夫の方にも何やら新しい出会いがあって…といった内容で、

よくよく考えてみたら、進んでいるようでジリッとしか進んでいません。

しかし、坂元先生の場合は、会話劇だけで"物語"を展開させる魔力があるので、

それが面白ければオールオッケー。

少し詩的でさりげない台詞からあぶり出される、

何となく気づいているけど上手く表現出来ない"潜在的なあるある"に、

日常生活のあるあるに、「シーズン2」といった言葉遊びに…

何から何まで見応え&聞き応えあって。延長したのを全然感じさせません。

 

とわ子が三人と別れた理由は、やり取りで何となく分かる気がしたし、

多分田中(松田龍平)との付き合いが一番長くて自然体でいられて、

でも彼は誰にでも優しく接しそうな性格だから

「一人でも大丈夫だけど大事にもされたい」という望みには合わなくて、

今度は違ったタイプと、また違ったタイプと付き合ってみたら

やっぱりシーズン1が一番良くて…という所なのかもしれないけれど。

一方で、彼女の元にある日突然王子様が現れるように、

人生には予測不可能な様々な出会いや出来事があるから、

分かっているようでまだいろんな原因が隠されているんじゃないかな〜と思えたりもします。

 

でも、少なからず、誰か一人といるよりも三人といた方がとわ子には合っているのかも。

そして、公式HPのイントロに「四人はそれぞれの幸せを見つけることができるのか?」と

書かれている通り、誰とヨリを戻すとかくっつくとかそういう話じゃなくて、

四人で長所も短所も洗いざらい共有する事で、最終的には自分らしい生き方を選択していく

前向きな話になるのかもしれません。

 

さっき「進んでいるようで…」とは書いたけれど、

裏を返せば、どんな展開になるのかが読めない可能性を秘めているともとれます。

四人による"模索"の人生…見守っていきたいです。

 

 

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