2022年夏ドラマ-初恋の悪魔一覧

初恋の悪魔 3話 感想|"意図"が見えてきた気がしないでもない?

 

 

これまでも書いているように、本作の内容にまだイマイチハマりきれておりません。

仮にそれが「坂元作品が苦手だから」という理由から来ているのなら

元々嗜好に合わない…で済むのかもしれませんが、

そうではないから、ちょっとした悔しさが残るんです(笑)

ここ何年かで見た坂元作品をどれも好んで見てきた自分としては、

本作があの展開で何を描こうとしているのか掴み取りたいし、好きになりたい…というのも

正直な気持ちではあるんですよね。

 

で、いろいろポジティブに捉えて今回を視聴して思ったのは、

ED映像に映っているルービックキューブが、

本作がどんな物語であるかを象徴しているのではないか?と。

もっと細かく言うと…ミステリーに重きを置くよりも、

物語を通して、人が潜在的に内包している多くの性質を

どれだけ浮かび上がらせる事が出来るのか?

実験的に描いているんじゃないかという気がしています。

 

例えば、いろんなドラマを見ていると、登場人物をある程度決めては、

「この人はこんな性格」「この人には〇〇な印象を持たせたい」などと

各々のキャラクターを設定づけて、初めて内容を成立させる作品も散見されますよね。

1人1人に"役割"を与えれば、その枠から基本はみ出す事はないから、

プロットが組みやすい…という利点があるかと思います。

でも、本作の登場人物は"役割"をガッチリと固めていません。

最低限の性質は持っているし、そこから来る傾向もあるんだけれども、

その人となりを掘り下げて行くと、決して一面だけではないのかもよ?という事を

ずっと描き続けているような気もするのです。

こう考えると、まあまあ好意的に見られるようにはなりました。

 

ただ、そうであっても…

あとはやっぱり、4人の背景と事件パートの結びつきがもっと強ければ

ちぐはぐ感が薄まるのになぁ…という惜しさは残るんですよね。

「私の中に肉じゃがとコロッケがいる」など、今回は台詞や所作の節々で

星砂(松岡茉優)の多重人格を匂わせる内容になっていただけに、

どうせなら事件パートも、人格が入れ替わった事による記憶違いをオチに使ってみても

良かったのかもしれません。

まぁでも、その展開にしてしまうと、スーパーで万引きGメンとして配置されている

星砂の立場が危うくなって、警察から追い出されてしまう…なんて事になって、

「警察署に勤めているものの、捜査権のない4人が集まった」というコンセプトから

大きく外れるから、普通の事件解決に落ち着いた可能性もあるんでしょうけどね。

 

でも、今まで4人とは何の関連性もない事件だったのが、

今回は星砂の日常と絡んだ事件になっていただけ、大分見やすくはなりました。

4人のパートと事件パートに特に"繋がり"がないと、

1時間内で2つのドラマを見ているようなぎこちない感覚に陥ってしまっていたので…(汗)

 

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初恋の悪魔 2話 感想|事件パートに必要性を感じないのがなぁ〜

 

 

初回にあった初期設定の紹介がなくなった分、

4人でのやり取りにも台詞の面白味が増して、キャラクターも大分色づいてきて

ほぼほぼ"形"が出来上がった感じですね。

話の流れは前回と似たようなものだけれども、

少なからず、本題に入るまでの"回りくどさ"は緩和されたような気がします。

今回の内容を見る限りは、今後もあのスタイルで行くんでしょう。

 

ただ…世間的に好評な中で書くのは忍びないんですが、

個人的には、正直まだハマれていないんですよねぇ。

理由は何となく分かるんです。

捜査権のない4人が事件を解決する斬新さを描きたいのか、

それぞれ過去に傷を負っている4人が互いに寄り添い合い支えられていく"変化"を描きたいのか…

今はそのどちらにも絞りきれていない中途半端さを感じるから、

どういう物語として見たら良いのか困惑するんだと思います。

 

例えば…冒頭では、事件現場での様子を一部チラ見せしてきましたよね?

それを見たら、今回取り上げるのはこの事件で、

それを4人が推理していく事になるんだろうな…という"導入部分"だと思うじゃないですか。

でも、実際は、そういった展開で、あたかも事件の解決をメインにしているように見せて、

あくまでも4人の背景(今回だったら"兄弟の後悔")とやんわりリンクさせるためだけの

役割として終わっており、

結果、群像劇"もどき"の仕上がりになってしまっている。

だから、結局、真相がどうだったのか、犯人が誰だったのかもぼやかされて、

消化不良感が残るんです(汗)

葬式でのくだりだの、オープンマリッジだの、1話完結型の事件とは無関係の

登場人物にまつわる物事の描写が多すぎるのも、話をややこしくさせている気がします。

 

これ、思うんですけど、登場人物の過去や秘密の深堀りを控えて、

舞台ならではの面白さに特化した会話劇で楽しませる、シンプルな作りのミステリーにするか、

「事件を解決していく」というコンセプトはナシにして、

第一線にはなれなかった者たちの不条理さやもがきを描いて共感を誘う

ヒューマンドラマにするか、最初から片方だけで良かったんじゃないですかね。

悠日(仲野太賀)と星砂(松岡茉優)の川辺でのシーンも、"単体"として見たら、

最も"坂元裕二脚本らしさ"を感じさせてうっとり見入ってしまいましたが…

"連続ドラマ"として見たら、たったの2話で

あそこまでむき出しの感情を吐露する展開が来るのには少し唐突感を覚えました。

 

なんか、全体的にしっちゃかめっちゃかになっていて勿体ないです。

同じような事を書きそうになったら、もしかしたら感想をやめる可能性も出てきましたな…(汗)

 

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初恋の悪魔 1話 感想|坂元作品にしては薄めかも…

 

 

私自身、坂元作品の根強いファンって訳ではないのですが、

これまで見てきた「最高の離婚」「いつかこの恋を思い出して〜」

「カルテット」「anone」「大豆田とわ子と三人の元夫」は

どれも波長が合うなぁとは思っていて。

だから、坂元裕二さんの描かれる脚本は間違いないと踏んで

本作にも期待していた部分もあったし、

上記で挙げた作品に共通した「初回から目が離せない会話劇」

「"陰"が見え隠れしてどこか放っておけない人物像」で

また楽しませてもらえるんだろうなぁというワクワク感もありました。

しかし、いざ初回を見てみると、こう書きたくはなかったんですが…

坂元作品にしては、物語の方向性、人物のキャラ付け、会話劇、

あらゆる方面において薄味に終わってしまったような気がします。

 

まず、何と言っても、形が整うまでが遅すぎたんですよね。

物語がどんな方向に行きたいのかが何となく掴めたのは、

放送してから約30分後というテンポの悪さ。

本作のテーマは「小洒落てこじれたミステリアスコメディ」だそうですが、

「ミステリー」と「コメディ」という、本来相容れないようなジャンルを上手く消化しきれず、

コメディを淡々とシュールに見せる前半と

4人で謎解きをして真相を掴んでいく後半とで乖離していて、

「結局、何がメインなの?」と思わずにはいられない

どちらも中途半端な作りになってしまっていたのが残念でした。

 

まぁ…初回には初期設定の紹介が付き物とは言え、

せめて、本筋とは無関係な要素をもう少し端折るか、

4人のキャラを濃くして、聞いているだけでいちいちツボを突いてくる

会話劇が全体的に散りばめられていたら、この違和感も減ったのかもしれません。

うーん、どちらにせよ、本筋に突入するまでのやり取りが

あまり楽しめるものではなかった…というのが、

初回で惹かれなかった一番の原因ではありますかね。

 

そして、坂元作品はただでさえ視聴者をふるい落とす作品なのに、

昨今でブームになっている「真犯人は誰か?」で

SNSで盛り上げさせる"考察"要素が盛り込まれているのがまた

コメディの歯切れの悪くして、難解さを生むんだと思います。

あとは…劇伴担当・SOIL&"PIMP"SESSIONSだとお馴染みの

サクソフォン(?)風の音楽が、

"小洒落ている"イメージを強く押し出しすぎているために、

涼しい顔で淡々と"物語をこなしている"ような感覚を覚えてしまう気もします。

誤解して欲しくないのは、

決して、ご本人の音楽スタイルが微妙って言っている訳ではないんです。

単に、本作が目指す方向と相性が"今回は"合っていなかった…それだけなんです。

…もう言っても、しょうがないっちゃしょうがないんですけどね。

ここは慣れるしかないんでしょう。

 

個人的には、今まではどれも初回から「面白そう!」と思えた作品が多かったので、

今回はレアケースでちょっと困惑しています。

回りくどい人物説明が減った分、次回から見やすくなると良いんですが…

 

 

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