2022年秋ドラマ-自転車屋さんの高橋くん一覧

自転車屋さんの高橋くん 8話(最終回) 感想|バナナで繋がっていた2人

 

 

最終回にして初登場の朋子の父・志朗(近江谷太朗)。

3話の感想で「誰からも愛される良い子でいなさい」といつも言っていた件について、

ある種の"縛り"のようにも思えた事から、罪な人だなぁ…と書いていたんですが、

実際の父はTシャツの通り「LOSER」でしたね…(苦笑)

あたかも熱心に育ててやった風の言い方でしたが、朋子(内田理央)が小さい時に

親権を手放した以上は、もう口出しする権利はない訳で。

なぜ離婚したかは、拓郎の態度で一目瞭然でしょう。

今は彼に賛同している様子の再婚相手も、そのうちストレスが積もり積もって

離婚を申し出る時が来るんでしょうねぇ…。

 

それで、あのエピソードで1つ何となくでしか分からない所があったんですけど…

隼人(武知海青)って、志朗と再婚相手との子供で合ってますよね?

つまり、朋子とは親戚のようなもの??

(たもつの散歩は、朋子の代わりに手伝ってくれていた?)

最終回で父の家庭関係を盛り込んだのは、

遼平(鈴木伸之)との関わりや、聡子(濱田マリ)と向き合う事で強くなれた

朋子の成長を示すのに必要なエピソードだったとは思いますが、

30分×8話で締めるのには、いろいろと駆け足だったかなぁ…という気はしましたね。

 

惣司(斉木しげる)にしても、単純に、居場所がなくなった遼平を拾って

父代わりに育ててくれた関係性かと想像していたのが、まさかの訳あり&病気持ちだったので、

やっぱり、遼平との馴れ初めから現在に至る話を掘り下げて欲しかった感はありましたし。

本当の父とも完全に話し合えていないままですし。

退職した貴美子(長井短)が今どうしているのかも、ちらっとでも見てみたかったです。

あと4話くらいあったら、ちょうど良い感じに収まったのかもしれません。

 

まぁでも、いつもの交差点で朋子を見送ってから、

自販機で三ツ矢サイダーを買って一服する遼平の姿がラストシーンになっていたのは、

中々粋な見せ方でしたね。

数年後に飛んで、同居生活を始めた2人…という、

恋愛ドラマにおいて"分かりやすい"進展を見せて終わるのもアリですが、

本作の場合は、最後まで「なんでもない日常の中にある小さな幸せ」を描く事を

大切にしていた作品だったと思います。

 

また、ラブシーンをストレートかつロマンチックに魅せていたので、

キュンキュンしながら楽しむ視聴者も

多かったかもしれませんが(私も遼平の言動にはキュンとする時はありましたw)、

個人的にはどちらかと言うと、ちょっとだけ抜けていたり、不器用だったりする人たちが

どうやって互いを"補填"し合っていくのか?を、回想も交えながら多面的に描く

「成長物語」として見ておりました。

朋子も遼平も、聡子も山本(瀬口黎弥)も…

みんながみんな「完璧」「良い人」ではない事を示す人物描写が丁寧で、

だからこそ、自然と自分を重ねて、共感出来て、応援したくなれたんだと思います。

 

遼平がカラオケで愛を伝えようとしたら、きっとこんな感じなんだろうなぁ…と思える

鈴木伸之さんの真っ直ぐで誠実な主題歌も良かったです。

岐阜のロケーションも含めて、じんわりと温かい気持ちになれる作品でした。

 

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自転車屋さんの高橋くん 7話 感想|2人の関係性に点滅信号が?

 

 

祖母・清子(大澤洋子)と山本(瀬口黎弥)のエピソード…

30代手前か30歳の子供に対して、両親が結婚を望む話は何度も見てきたけれども、

おばあちゃんが…っていうのは珍しいですね。

おばあちゃんの立ち位置からしたら、

孫がすくすくと育っているだけで十分微笑ましいはずなのに。

まぁ、孫が可愛いからが故の思いやりなんでしょうけど。

でもねぇ…「両親」じゃなくて「おばあちゃん」から言われるからこそ

中々しんどいものがあって、

実家を出るまでずっと一緒に住んでいたのか、

両親どちらかの実家に遊びに行く時だけ会っていたのかは分かりませんが、

教育も学費も将来の事も何もかも面倒を見てくれていた両親と違って、

おばあちゃんとなってくると「子供の時に可愛がってもらった記憶」がこびりついているために、

物事をガツンと言いづらい山本の気持ちにも共感出来てしまうんですよね。

 

世代が前であればあるほど、多様性に触れる機会がなかった事から来る発言にも

かなりキツいものがありました。

「良いお医者さん知ってるから。必ず治してくれるから」には、

率直な想い過ぎて、ひえぇ…ってなりましたね。

自分には納得しがたい・受け入れられそうにないからって、

自分の望む形へと当てはめようとしてしまうのは、

その世代だけとは限らず、どの人にとってもあるあるだと思います。

そんなシリアスな雰囲気の中、隣のテーブル席でずっとそばにいてくれた

遼平(鈴木伸之)の存在が救いでした。

 

遼平って…今更なんですけど、"物理的な"距離感は確かに近いものの、

"心理的な"距離の取り方には長けているんですよね。

自分がどのタイミングで介入して、どのタイミングで一歩下がるべきか?の

加減を分かっているというのか。

そこが魅力的だなぁと思ってます。

 

例えば5話での、たもつに会わせるために

朋子(内田理央)を実家に送り届けたエピソードにしても、

聡子(濱田マリ)との関係性を既に聞いていた分、

途中までは心配そうに後ろから見守っていたんですけれども。

聡子が泣いている朋子に近寄って、肩を支える様子を見た途端、

「もうこの2人なら大丈夫かもしれない」と確信したかのように

外に出てもらい泣きをする…というのには優しさを感じさせたのです。

 

そして今回では、山本が清子の手をとって向き合おうとしているのが分かった途端、

少し体の向きを変えて1人ジュースを飲んで、

あくまでも「1人で過ごしてますよ」という体(テイ)を作る。

でも、体を作りきれていないっていうのがまた良くて、

ジュースを多く口に含んで、その後は減っている様子が見受けられないのも、

席を外そうとしないのも、

山本が無事に最後まで自分の言葉を伝えられるかどうか、

彼の立場になって内心ドキドキしている遼平の気持ちが伺えるようで

印象に残るシーンでした。

 

唐突な「こうちゃん」呼びも、

張り詰めた空気を和らげてくれる良いアクセントになっていましたし(笑)

そんなギャップがあるから、朋子が惹かれてしまうのも頷けるんですよねぇ。

でも…今まではサブタイトルが「パン子、〜」から始まっていたのが、

今回だと「遼平、〜」になっていたのと、

後半の遼平のエピソードに朋子が絡んでいない辺りに、

2人の距離が離れつつある"サイン"を感じ取れてしまって、切ないものがありましたね。

中華屋からの帰りで、2人を引きで撮るカットが差し込まれていましたが、

その隅に映っている照明が1個だけ点滅していたのが…

まさしく2人の現状を物語っていたとも思います。

 

朋子は左の方向へと歩き、遼平は右の方向へと歩く。

引っ越しと「プレゼント何しようかな〜」で、考えている事も全然違う。

最終回では、このすれ違った状態を解決するのはもちろん、

山本の変化を目の当たりにした遼平が

父と再び向き合おうとする話も描かれるんでしょうし、何やら朋子の父も出てくるようで…?

30分でまとまるのかどうかはちょっと心配ではあるんですが、

果たしてどんな着地に収まるんでしょうかね。

 

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自転車屋さんの高橋くん 6話 感想|ちょっとだけ変われた山本に救われる

 

 

※12/9放送分です。いつも投稿が遅くてすみません…^^;

 

まさか、山本(瀬口黎弥)があんな形でナイスアシストしてくれるとは思わなんだ。

前回の、同僚の遅刻の件で一刀両断する朋子(内田理央)の様子を

目の当たりにする姿が記憶に残っていて、

これを機に彼も変わり始めていくのかもしれないな…とは察してはいたけれども、

そこで得た"気づき"を、しかも「輩」呼ばわりした事にも触れながら

行動ではっきり示してくれたのには、グッとくるものがありました。

 

でも、相手にとっては「え?」と思われているのを自覚していない所は

相変わらずって感じでもあり(笑)

見違えるほど変わったんじゃなくて、ちょっとだけ変わった…

この変にドラマチックにしないさじ加減が良いんですよねぇ。

朋子の言葉「大切にすべきなのは、世間や周りの目じゃなくて、自分の気持ちなんだって」

を聞いて、顔を逸らして少し気まずそうにする山本も印象的。

自分がいかに世間に囚われながら生活しているかハッとさせられて、反省して、

また成長していくんでしょうね。

 

そして…今回の内容で、個人的に最も好きだったのは、

遼平(鈴木伸之)の部屋で朋子と2人で話している時に、

風で揺れているカーテンの様子も画面の左側に収めたカメラワーク。

本当にささやかだし、考え過ぎかもしれませんが、

それが何だか「苦しんでるのになんでクソ上司を庇おうとするんや」

「遼平くんの事が心配で言ってるのに、なんで分かってくれないの」って、

最初は自分の想いでガッチガチに塗り固めていたお互いの心を解かしてくれる

隙間風のように映って、不思議と温かい気持ちになれたのです。

窓に映っている外の木々も揺れていた辺り、恐らく自然に吹いた風だと思われます。

カーテンがひらひら揺れるごとに、2人も打ち解け合っていくというシンクロ具合…

どこかの回の終盤にあった、夜風で髪がなびいている朋子のカットもロマンチックでしたが、

本作、風をかなり味方につけている気がしますね。

 

おしゃれな店で服を買い、開放的な美容室でパーマに挑戦し…といった一連の流れで、

そう言えば制服姿の朋子ばっかり見ていたっけなぁとも思い知らされました。

だからか、凄く新鮮です。

特に美容室に関しては、今まで我慢し続けてきた彼女なら選ばなそうな内装で、

あそこを選んだ辺りに、自分を変えたい、変わりたいという意志を感じさせました。

 

山本や貴美子(長井短)との交流を通して、2人が自分を見つめ直すまでの過程を

じっくり描いたお話だったと思います。

「俺の事嫌いになったけ?」はピュアさが滲み出ていてめちゃくちゃ可愛かったです(笑)

恋愛モノのこの手の内容は、"すれ違い"を意識し過ぎなのか、

本音を共有して仲直りするという

先が読める展開を意図的に引き延ばす事が多いので、あまり惹かれはしないのですが、

次週を跨がず今回で解決させたのにも安心しました。

 

まぁ、次回は次回で、また何かありそうですが…

退職して岐阜にいる必要がなくなったという設定を活かしての、

最終回直前では定番の「遠距離問題」を描いていくのかもしれませんね。

 

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自転車屋さんの高橋くん 4・5話 感想|遼平くん、パン子を頼むぞ!

 

 

4話「パン子、遼平に電話をする」

 

劇中でも言われていましたが、

朋子(内田理央)、確実に遼平(鈴木伸之)の影響を受けて行ってますねぇ…。

分かりやすいのがちょっと可愛い(笑)

まぁでも、貴美子(長井短)が職場を離れてしまうのを日に日に実感し、

「1人で何とかしなくちゃ!」という引き締まった気持ちがあっての

あの無意識の言動だったんでしょうねぇ。

 

遼平を「輩」呼ばわりする山本(瀬口黎弥)のシーンが描かれた分、

同じ第一印象でも、「イケメンじゃん」が先行する貴美子の優しさが沁みます。

前回の感想でも書きましたが、やっぱり、周りに囚われない

自分の考えをしっかり持っている所は、遼平と似ていますね。

そして、共通点と言えば…

朋子と後輩の河村(寺本莉緒)も、ちゃっかりしている者同士っぽい。

ギリギリであろうが遅刻しそうであろうが、朋子には朝食が欠かせない代わりに、

河村はメイクが欠かせない。

(おまけに、有給をとれる裏技を後輩の方が知っている辺り、世渡りは上手そう(笑))

登場人物にそんな人間臭さが含まれている方が、共感度が増して、魅力的に見えるのです。

 

朋子と聡子(濱田マリ)の親子関係の描写も、中々リアル。

2人とももう上手くいっていなくて気まずい状態にあるし、

たもつを飼うのは元々乗り気ではなかったんなら、

わざわざ報告せずに自分で看取って終わり…なんて事も出来たはずですが。

電話してきたって事は少なからず、娘が大事にしていたんだから伝えなくちゃ

という想いはある訳で。

その気持ちや行為から、娘との関係の修復は難しいと分かっていながらも、

でも修復を諦めきれていない…

そんな葛藤が覗き見えるのが、もどかしい気持ちにさせられるんですよね。

 

5話「パン子、居場所を見つける」

 

同じく好んで見ている「silent」にも当てはまる事ですが、

本作って、主人公だけでなく脇役も丁寧に描いてくれる所が好きなんですよねぇ…。

今に至るまでにどんな辛い想いをしてきたのか?どんな葛藤を抱えているのか?を

回想で時間をかけて見せているから、日常的に行われる会話だけでも、

登場人物のその場その場の心情や

画面上では描かれていない想いまで伝わってくるというのか。

原作があるとは言え、役者さんの演技も含め、繊細に作られている作品だと思います。

 

今回は、たもつとのお別れが描かれました。

たもつが当時の朋子にとっては唯一の心の拠り所になっていて、唯一心を許している存在で…

嬉しそうにはしゃいだり、本音をこぼしたりしながら一緒に過ごしてきたエピソードが

冒頭で明かされたお陰で、たもつにプリンをあげるシーンには

思わずもらい泣きをしてしまいました…。

 

下手したら本当に疎遠になっていたであろう朋子と聡子を、

たもつが繋ぎ止めていてくれたんですね。

最後まで毛並みが綺麗でした。15歳まで健康体でいられたのも、中々ない事でしょう。

犬種はグレートピレニーズだそうで、大型犬な上に、あんなに白くて長い毛なら

手入れもかなり大変かもしれないのに、

朋子が帰ってくるいつ何時でも健康で清潔な状態を保ち続けていた辺りに、

親子の関係の修復は難しいと分かりきっていても「朋子にとって大切な存在だから」

せめて元気でいさせてあげたい…という不器用な母なりの愛情が窺えました。

 

聡子の不器用な性格を、朋子と2人っきりでいる時に

あえて目を合わせないようにしながらも、ぽつりぽつりと自身の抱えていた想いを吐露する

という演技で魅せた濱田マリさんは流石でしたね。

たもつ役のわんこも、特にあのお見送りのシーン…

体が自然と前に動いて初めて吠えるくだりなんかは、かなりの名演技でした。

いつもは一緒にいるから吠える必要はなかったけど、

離れると分かったから「心からの叫び」をした…そういう事なんでしょう。

もし演技指導が入っていなかったんだとしたら(入っていたとしてもタイミングが凄いけど)

相当賢い犬なんだろうなぁと思います。

 

終盤のシーンの、送別会と誕生日会の会場が同じ!っていうイッツアスモールワールドな所は

いかにも漫画らしい展開ではあります(笑)

でも、セクハラ上司を注意しても無駄だと諦め、そそくさと逃げる女性社員たちに対して、

殺意をむき出しにしながら乱入してくる遼平の対比や、

彼のあまりの果敢ぶりに呆然としている構図には、物騒ではありつつも笑わされました。

このまま上司をやっつけてもらいたいもんですが、

朋子にとっては今回の件が恥ずかしくて、後の喧嘩へと発展してしまうんでしょうね。

 

それにしても…水木金と、先週は4本のドラマでプリンが出てくるという(笑)

(「作りたい女と食べたい女」「silent」「クロサギ」で本作。3作品とも後々感想投稿します

土曜日のおやつにととうとう買っちゃいましたよ。

スーパーにもある生クリーム入りプリン…久々に食べたら美味しかったです。←なんで報告?w

 

 

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自転車屋さんの高橋くん 3話 感想|「ぷりちー」の破壊力

 

 

※3話(11/18放送分)の感想ですm(_ _)m

 

父からいつも言われる言葉「誰からも愛される良い子でいなさい」を

守り続けてきた子供時代かぁ…。

一回なら分かるけど、幼さ故に気持ちをまだ上手く言語化出来ない、

周りを観察して学んでいる段階で何度も言われるとなると、

そんなつもりはないと理解しつつも、お父さんも中々罪な人だなぁ…と思っちゃいますね。

「自分が跳び箱失敗して笑われたらどうしよう」じゃなくて

「先生が悪いって笑われたらどうしよう」という考えが

先に来ちゃうのが朋子(内田理央)らしいというか。

笑われた事でいずれ責めてきそうな先生も、いつも怒っている母親も、

子供の頃の朋子にとっては大人がみんな怖い存在に映って、

そんなある種の"トラウマ"を今でも抱えて生きているんだろう…

というのが伝わるアバンから、今回の物語は始まりました。

 

叱られそうだから「大人が怖い」と何となく思い続けてきた中での、

貴美子(長井短)との出会いだったのでしょう。

彼女は誰に対しても飾らないし、良い意味でサバッとした性格。

意見をちゃんと言えない事に対して注意するんではなく、

むしろ、自分を尊重する言葉をかけてくれたのが、

朋子にとっては救われた心地だったんだと思います。

そして今ではもう1人…遼平(鈴木伸之)という、一緒にいてハッとさせられる人がいます。

 

我が道を貫く・"気づき"をくれる・頼り甲斐がある・でも実は繊細な面も持ち合わせている

(貴美子の場合、会社を辞めると事前に決めていた辺り、

誰も知らない所でストレスを溜めていたんだろうなと)。

貴美子と「キミちゃん」「パン子」と呼び合える関係になるまでの過程を描いたお陰で、

貴美子と遼平の共通点も見えてきましたし、

その上で、なぜ朋子が、自分とは正反対の立ち位置にいる遼平を好きになってしまうのか?も

同時に描かれていて。

回想をミルフィーユ状に重ねながら、

心情変化をじっくり追おうとしている作りには、大変好感が持てました。

 

栄養満点でもどことなく食べた気はしないカロリーメイトを昼ご飯にしていた貴美子に、

見た目も食べ応えも満点のポテサラサンドを渡す。

遼平が通っている中華屋さんを「汚い」とは全く言わず、

気持ち良いくらいに料理を平らげる。

そんな朋子の大らかさが、誰かにとっては"癒し"になる変化にも触れているからか、

今回は2人の関係が一気に進展したのには驚きつつも、遼平にとって朋子の存在が

いつしか心の拠り所になってるんだろうなぁ…っていうのが見て取れます。

 

ただ、現時点は朋子視点で話が紡がれていっていますが、

遼平視点での話も見たい気もしています。

親父と2人暮らしとか、自転車屋になるきっかけとか、まだまだ謎な部分がありますしね。

まぁでも…「自転車屋さんの高橋くん」というタイトルが、

"相手から見た主人公"という体でつけられているようにも思えるのを踏まえると、

基本的には、彼女主体の話を描く姿勢を貫き通すのかもしれません。

 

職場の唯一の同期である貴美子がいなくなると知って心細くなり、

どんどん孤独を感じていく彼女に対して、

「うちで働くか?」「その方がともちゃんのためになるやろ」

とか言って引き抜いて転職…という流れにもなりそうですが、

それは"ドラマ"でしか起こりえない奇跡であって。

多分朋子は、職場を辞めたいと思いつつも、結局辞めはしないんだろうなぁと想像しています。

本作は日常生活での出来事がベースになっていて、奇を衒う展開はほとんどしてこないので。

遼平の支えもあって、ノーと言えない朋子がちょっとだけ強くなる…

現時点でのバックボーンの積み重ねを見ていると、

心の成長も描いてくれそうだとつい期待してしまいますね。

 

で、最後に余談…可愛いを「ぷりちー」って言う遼平の方がぷりちーな件について(笑)

朋子もそうですが、彼の発言も中々聞き逃せなくて、

そういう意味でも惹かれてしまう作品ですw

 

 

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自転車屋さんの高橋くん 2話 感想|飯テロ要素もあるのがテレ東らしい。

 

 

会って間もない相手に「ともちゃん」呼びはびっくりしますって!

めっちゃ距離感詰めてくるじゃないですか(笑)

でも、言葉っていうのは不思議なものでね…

照れ隠しのつもりの「あんた」「お前」呼びよりも、

いきなりちゃん付けする方が、甘えているようにも感じられて

可愛らしく見えてきちゃうんですよねぇ。

 

他にも、何か話しかける時の距離が近かったり、

朋子(内田理央)が酔った勢いで遼平(鈴木伸之)の肩にもたれかかったり…

胸キュン演出はある事にはあるんですが、本作に関してはなぜか嫌にはなりません。

むしろ、見ていて心がほっこりするというのかな。

それは…あくまでも恋愛が主軸に置かれてはいるんでしょうけど、

「朋子はなぜこんな性格になってしまったのか?」「朋子はなぜ遼平に惹かれるのか?」

といった人物の背景を丁寧に掘り下げていっているのが大きいんだと思います。

 

その決め手となったのは、朋子と母・聡子(濱田マリ)のエピソード。

放送開始日が遅かったので全何話あるかは分かりませんが、

主要人物と親との間にある"隔たり"を2話から描いていくのが、個人的には珍しいです。

朋子が言うには、自分が小学校に上がった頃には父には愛人が出来て、

さらには子供を作ってしまったのがきっかけで

母はシングルマザーになると決意したのだそう。

 

「女手一つで私の事育ててくれた」という台詞があったように、

母には本当に恩義を感じてはいるんでしょうけど。

それが、わがまま言って迷惑かけちゃいけない…

仕事を増やして負担をかけさせたくない…

だから母の前ではとりあえず合わせたい…という想いに変わって、

そんな風に自分の気持ちに蓋をする日々が蓄積していった結果、

今の朋子の人格が形成されていったのだと察せられる内容になっていました。

 

同じコップを使っている所は"家族""親子"らしくても、

朋子のコップは空で、聡子のコップにはお茶が入っているという対比も

2人の関係を表しているようで切なかったです。

ご飯中にお茶をおかわりして、自分のペースで飲む聡子。

「私にも注いで」と言えずに、空っぽになったままご飯を食べ続ける朋子。

食卓のシーンだけでも、朋子がいかに周りに気を遣いがちな人かが読み取れます。

この"前提"があるからこそ、

居酒屋で升に入ったお酒を1人グビグビと飲む姿に共感したくなるし、

唯一飲みに誘える遼平の存在が微笑ましく思えるんですよね。

 

2人とも、中華料理屋では脇目も振らず、ご飯を次々口に運んで

美味しそうに食べていましたからね。

そういう意味でも、本質的には似た者同士で、波長が合うんだろうなぁと。

料理のシズル感も、目の前で餡がかけられるライブ感も、

2人が夢中になるのには説得力が抜群で

見ていてお腹が空きましたし、

あのぷりっぷりのエビチャーハンを食べたくなってしまいました(笑)

いやはや、美味そうでしたなぁ…。

あそこは、今まで飯テロドラマを作ってきたテレ東だから活かせる良さですね。

 

人の機嫌ばかりを気にして、空気が悪くなっちゃいそう…とか考えちゃって

中々断れなかったり(そして適当に済ませる嘘も下手)。

本当はもっと食べたい気持ちを抑えて周りに譲ったら

「遠慮しないで良い」「食べて良いよ」って言われて嬉しさが顔に出ちゃったり(笑)

朋子の様子が自分と重なる部分も多いので、つい親近感を覚えてしまいます。

恋愛ドラマは「登場人物を応援したくなるか」が大事だと思っているので、

今の所、出だしは好調なんじゃないでしょうか。

 

 

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自転車屋さんの高橋くん 1話 感想|不思議ちゃんな2人にクスリ

 

 

鈴木伸之さん、最近は本当に役に恵まれてますねぇ。

不器用な男性を演じたら右に出る者はいない役者さんだと思っております。

本作の主人公もヤンキーって事で、

「恋です!」の獅子王や「お茶にごす。」のまーくんのように、

どこか可愛げがあって愛着の湧くキャラになるんだろうなぁ…と期待して

初回視聴を決めましたが、予想通り、そうなって行きそうです。

 

ぶっきらぼうだけど実は優しい一面も…という設定自体は、

近年増えつつある"ツンデレ"が主流のラブコメと同じ部類ではあります。

でも、本作の場合はちょっとだけ違っていて。

"ツンデレ"のギャップで魅せるとなると大抵は、

ツンツンツンツンツンツン…そして唐突のデレ…みたいに、

前半はとにかく相手側をドSキャラとして露骨に描きがちなんですが。

遼平(鈴木伸之)に関しては、

見た目やあまり聞き慣れない岐阜弁が怖いと感じさせるだけで

基本ずっと"良い人"なので、不快感を覚える事がないんです。

個人的には、最初の印象が最悪だと、それだけで視聴意欲は下がって、

後でイメージアップを図ったってもう無理だから…と若干冷めた目で見てしまうタイプなので、

初回から好感が持てるように描いていってくれたのには安心しました。

 

愛称が「パン子」の朋子役の内田理央さんも、

元々のおっとりした自由奔放な感じがしっくり来ています。

というか…2人とも変わり者で、何だか惹かれてしまうんですねぇ。

修理が終わるまでに時間がかかるから映画でも見てれば…以前に、

初対面の相手を自分の部屋に案内出来る、遼平の度量の大きさも面白いですし、

図書カードとかRPGの住人とか、朋子の独特な感性も楽しい(笑)

遼平もそうですが、朋子の人柄が「仕事は安定、運命の出会いを夢見がちな女性」

ではないのも珍しい気がします。

上手い断り方が出来なくてついつい誘いに乗っかってしまうんだけれども、

バナナを全部食べたり、映画でくつろいだり、ご飯代でチャラにしてもらったり…

相手の優しさには思いっきり甘えるアンバランスさなんかは人間臭さがあって、

そこも共感出来るのでした。

 

「距離感の近さ」が今後強調されていって、

あざとい演出が増えないかどうかだけは気がかりではあるんですが、

とりあえず、初回は「2人をもっと知りたいし、恋模様を見てみたい」

という気持ちの方が勝ちましたね。

演出も、1つの場所を長回しで撮ったり、ロケーションによる"画的な美しさ"を優先させて

極端な引きの映像でメリハリをつけたりと、目を引くものになっていました。

 

登場人物の動機付けにも無理がなく、

朋子が普段行く店はこんな店じゃないと察したのは、

あの映画のくだりで人となりが分かったからなんだろうな…というのが理解出来るように

説明台詞を入れずに描かれていた辺り、

心情変化の速さにモヤモヤする事もないのかもしれません。

次回も視聴してみようと思います。

 

 

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