2022年秋ドラマ-PICU一覧

PICU 小児集中治療室 11話(最終回) 感想|何もかも欲張り過ぎ…に尽きる。

 

 

あれだけ引っ張った割に、圭吾(柊木陽太)…最後にはあっという間に元気になってましたね。

本来30分拡大で想定していたのが、急遽予定が変更になって

通常時間内に収めなければならなくなった結果、急いで巻きが入った感が凄い。

手術から回復までの間がなさ過ぎて、一瞬、もしもの世界かと思えてしまいましたよ…(汗)

っていうか、そこまでやるんだったら、

どうせなら優里(稲垣来泉)と教会で再会するシーンを盛り込んでも良かったような。

あえてそういった"ゴール"を設けなかったのは、

続編を作りたいから…という意図もあるんでしょうけども、

それにしても、消化不良で終わってしまった気がします。

 

「今期ナンバーワン!」「命の尊さや医者の葛藤を丁寧に描いた秀作だった」といった

絶賛コメントが多く散見された本作ですが、

個人的には、最後まで評価をするのが難しく思える作品でした。

…今までの感想を読んで下さった方なら分かっていただけるかと思いますが、

決して微妙って訳ではなく、基本、好意的には見ていたのです。

同じ「医療ドラマ」でも、スーパードクターが活躍する物語よりも

医者の等身大な部分を描く物語の方が好きですし、

微妙な印象の方が強いのなら、こうして感想を書き続ける事もなかったですからね。

でも…秀作と言いたくても言い切れなかったのは、

登場人物の多さと、設定の整理整頓不足…この2点が原因だったと考えています。

 

前回の感想でも書いた通り、最初から4人の青春群像劇として本作を描けば、

何を主体とした物語なのか曖昧に映る事もなかったんじゃないでしょうか。

そうすれば、最終回あるあるの大規模災害エピソードも、

結果的に植野(安田顕)を残留させるため"だけ"に用意されたものには

見えなかったのかもしれませんし、

「子供に向き合う姿を描くドラマでどうしても盛り込む必要があるの?」という

あざとさも感じさせなかったのかもしれません。

 

綿貫(木村文乃)の裁判の件もすっかり忘れているくらいで…

渡辺(野間口徹)が急に改心していたり、

裁判の結果が台詞でさらっと済まされたりしていた辺り、

渡辺のPICUを巡る陰謀論も、綿貫と渡辺の因縁の関係も、

なくても成立出来る話ではありましたよね。

放送してから約24分後の、1台のスマホに各々の食べている姿が4分割で映される形で

「みんな闘っている」を静かに表した演出が印象的だった分、

あんな風に"絆"や"もがき"の表現に工夫を凝らせるのならなぜ…とも思えてしまったのでした。

 

他のドラマにも触れちゃいますが…

本作だけに留まらず、「ザ・トラベルナース」や「祈りのカルテ」も同じで、

今期の医療ドラマはどれも欲張った結果、本末転倒で終わってしまったような気がします。

前者は本作と同様、描くべき登場人物を増やし、

主役ではない静の存在感と凄味を強調し過ぎたが故に、

主人公の成長ぶりにイマイチ実感が湧かず、

当初にはあったコンビでの痛快劇も薄まってしまった。

で…後者は、研修医ドラマならではの青臭さや未熟さ、親子での心温まる物語が

本来の「カルテから謎を読み解く」というコンセプトを食ってしまったのかなぁと。

 

何を1番の見所にしたいか?を設定する。

厳しい事を書かせていただきますが…医療ドラマだけでなく、

最近のドラマはそれが出来ていない作品が多いように思うんです。

本作だって、初期設定さえ定まっていれば全然印象が違っていたんですけどね…

う〜ん…登場人物は好きだっただけに、残念感が残りますね…(泣)

 

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PICU 小児集中治療室 10話 感想|ラストはフジ医療ドラマあるあるの展開に?

 

 

今まで以上に、武四郎(吉沢亮)・悠太(高杉真宙)・桃子(生田絵梨花)・舞(菅野梨央)

による、幼馴染の間にある根強い絆や友情が描かれた今回。

 

当時武四郎に助けられた悠太だからこそ言える「俺だけは、お前に絶対に気づくべきだった」

といった台詞があったように、

本作って、ドラマを魅せる上で重要だと考えている"人間"や"人間模様"の描写に関しては、

合格点を余裕で通過するくらいにはよく出来ているのです。

山田先生(イッセー尾形)のささやかな鼓舞も、純粋に胸を打たれましたしね。

ただ、それだけに、今回の内容を見ていて思うのは…

最初から4人の青春群像劇をテーマにした作品にしておけば、

PICUが出来るまでを描いて…主人公の成長期も描いて…

朝顔」を彷彿とさせる家庭パートも描いて…医師のちょっとした陰謀論も描いて…と、

結局何を主軸にしたいのかが曖昧な印象を持たずに済んだのではないか?という事。

 

というのも、今回だけに関係なく「幼馴染4人組」が強調される事が度々あるんですよね。

今では桃子以外の3人が同じ丘珠病院に勤めているとは言え、

当初は悠太は別の病院の人間だったし、

桃子は変わらず、医療に全く絡んでいない職に就いている。

なのに、PICUでの患者エピソードと並行して、それぞれの絡みも描かれている。

個人的にはそこがずっと引っかかっていて、

「PICUって、小児科の病院でしょ?」なんて、幼馴染の描写に

あまり必要性を感じていなかったのです。

 

PICUの医療体制がどうとか、ドクタージェットの常駐がどうとか、

そういった"未完成"の設定は取っ払って…いや、そもそもPICUを舞台にするのもやめて。

4人とも同じ病院に配属されている事にして、

自分たちより長く生き、人生経験が豊富な母親のふとした言葉に時に影響を受け、

先輩医師たちや先輩看護師たちに見守られながら

一人前の医師になるべく奮闘する新人群像劇に仕立て上げていたら、

"連続ドラマ"としては十分に成立したと思っています。

もちろん、4人の出番が平等だと散漫になりがちなので、

あくまでも武四郎をメインにする形でね。

 

作り手はきっと、4人をどう活かすかでずっと迷われていた事でしょうけど…

どこに重きを置くかを考え直してみるだけで、

同じスタッフや役者さんでも、全く別作品に仕上がったのかもしれませんね。

こんな事言うのもなんですが、「人間ドラマ」としては素晴らしい部分もあっただけに、

整理整頓が出来ていないまま、全て使っちゃえ〜!感が内容に滲み出ていたのが惜しい…

そんな印象が残る作品でした。(もう総括っぽくなってしまってますが(笑))

 

で、ラストの展開は…ちょっとやり過ぎじゃないですかねぇ。

最終回直前に災害を盛り込んで大規模な内容にするのは

フジテレビの医療ドラマあるあるではありますが、別に救急医でもあるまいし…(汗)

圭吾(柊木陽太)の手術の成功を感動的に見せるため…なのと、

大勢の患者を救って渡辺(野間口徹)率いる北海道の医療団体に評価され、

植野(安田顕)を存続させるためのエピソードなんでしょうけど、

突然異物が混ざり込んできたようで、困惑してしまいましたよ…。

 

 

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PICU 小児集中治療室 9話 感想|死は待つという事を知らない

 

 

帰宅して、自宅介護に本格的に取り組み始めるカットを見せてからの

南(大竹しのぶ)のナレ死…

最初はあっけないとは思ったけれども、でも、死は突然やって来るもので、

大切な人のために待つという事を知らないものなのだと考えれば、

その展開にしたのも納得行く気がしましたね。

 

また、南の病気については以前からずっと描かれてきたのもあって、

今回はタイトル通り「PICUで働く主人公」のエピソードはお預けして、

彼女を看取るまでで1話分まるまる使うんだろうなぁと覚悟していた部分もあったので。

自覚介護が始まって、数日後に死に際のベッドで南が武四郎(吉沢亮)に

最後のメッセージを贈るという、いかにも"ドラマらしい"感動を誘うような手法をとらず、

本作の舞台がPICUである事を忘れまいと、

母の死を経験しての武四郎の心の機微を見せる方向へと

話を徐々にシフトしていったのも、英断だったと思っています。

 

今回新しく搬送されてきた紀來(阿部久令亜)の「強い自分の"フリ"をしたい」という所が、

同じく親1人で育てられてきた武四郎と重なって見えました。

紀來にかけた言葉はきっと、早くに気づけなかった

彼自身に向けた言葉でもあったのかもしれません。

自分はもう大切な人を失ってしまったけど、

父も娘も生きている限り、彼女にはまだ希望が残っている。

退職願を出したのも、話してみてその現実に改めて直面させられたのが

きっかけではあったんでしょうけど…

後悔を上積みしていくかのような優里(新垣来泉)の

「なんで見捨てたの」「医者なら最後まで治してよ」で

ボディーブローを食らってしまった訳ですね。

 

同級生3人とすぐ会える環境にいるから…

可愛いやり取りをしている子供たちに救われているから…

そんなつもりで、仕事を騙し騙しでやってきた武四郎ですが。

やっぱり毎日、いろんな子供たちの命に向き合わければならない職業ですし、

みんなが最後は必ず元気になって退院していくとは限らないという事は

本人もよく分かっているはず。

 

何やら理不尽な交換条件を出されている植野(安田顕)の今後も気になる所。

植野同様、PICUを去ってしまいそうな2人の行方が

最終回前と最終回でどう描かれるのか…見届けます。

 

しかしこれ…タイトルのつけ方と、作品概要の紹介の仕方で

本当に損している作品なんですよねぇ。

エピソード自体は、命の尊さや人間の弱さを真っ正面から描いていて、

質の良い内容にまとまってはいるんです。

吉沢亮さんと安田顕さんの演技も含めて、

だから、最後まで好意的に見たいという気持ちは働くんですけど。

何度も言っている通り、最初から「理想のPICUが出来るまで」をうたわなければ…

脚本家の過去作品の「アライブ がん専門医のカルテ」みたいに、

主人公の成長記を絡めるような言葉をタイトルに持ってきて、

副題を「小児科医・志子田武四郎の〇〇」としていれば…と思わずにはいられないんです。

タイトルと作品概要は、どんな作品なのか?を視聴者に印象づけるための

名刺だと捉えているので。

勿体ない事したなぁ…と思っています。

 

 

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PICU 小児集中治療室 8話 感想|大切な人の命を看取るということ

 

 

圭吾(柊木陽太)の容体の悪化に、

事故で新しく運ばれてきた大輝(森島律斗)と光(寺嶋眞秀)の件に、

まだ治療に向き合い切れていない南(大竹しのぶ)に…と、

再び盛り沢山な内容だった今回。

 

いつもだったら、どれか1つをメインにすれば散漫にならずに済んだのに…とか、

南のエピソードはPICUの話ではないのだから…とかツッコみたくなるもんですが、

今回に関しては、患者や患者家族、主人公家族を絡めながら

"死"を意味する「終末期」と"生"を意味する「奇跡」で対比をとるような構成になっていたし。

また、複数のエピソードを重ねていった結果、武四郎の成長物語に厚みを持たせ、

差し迫る現実の中で、彼が大きな決断を下すのにも説得力を感じさせていたと思います。

 

特に、圭吾に優しい嘘をつくシーンなんかは、

同じ状況で「なんてバカ正直に話すんだ!」と思いながら見ていた2話の事があった分、

武四郎の成長をより実感させてくれました。

真実を真実のまま話さないようになった代わりに、

人に真っ直ぐな性格である彼は、部屋を出て、誰もいない所で泣き始めるんですね。

様子からして泣いてはいるんですけど…

彼の表情をあえて映さないように撮っているカメラワークが、

人前で弱さを見せたくないという

彼の強い意志や人間らしさを反映しているようでグッときます。

普段そんな行動をとらないであろう植野(安田顕)が、

武四郎の腕をポンと叩いて「頼もしくなったね」と言っているのを見て

もう涙腺が崩壊してしまいました(笑)

 

植野がストレートな言葉をかけてくれたのも、

まぁ…異動の件が関係しているんでしょうけども。

今回は内容の質の良さに、純粋に泣かされてしまったものの、

鮫島(菊地凛子)の計画に立ち入ろうとする渡辺(野間口徹)の件だけは、

どうも本作の雰囲気に合わない陰謀論の香りがぷんぷん漂っていて嫌ですねぇ。

あんまりそこは露骨に膨らませないで欲しい限りです。

 

東京の病院に検査しにいくと決意した南。最終章でまた本格的に描かれる事でしょう。

息子である以前に医者でもあるから、それだけ母親のために何とかしてあげたいという想いが

南に伝わったのは良かったですが…

辛いのは、家族を前にして「諦められる」事が本当に出来るのかどうかですよね。

武四郎の場合、子供の頃からずっと2人で過ごしてきましたから…

死を覚悟するなんて、中々至難の業だと思いますよ。

 

 

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PICU 小児集中治療室 7話 感想|ネグレクト少女の扱いが勿体なかったかも?

 

 

以前の感想でも触れたように、吉沢亮さんの目の演技って

いつもこちら側に訴えかけてくるものがあるんですけど、今回は中々凄まじかったですね…。

もうそのために見ていると言っても過言ではないんです(笑)

 

特に印象に残ったのは、南(大竹しのぶ)から衝撃の事実が次々と語られた事、

「私は治療はしない」と独断していた事に対して、

目をかっ開いて食い入るように見てきたシーン。…でも、瞳にはうっすら涙が溜まっている。

"強さ"と"弱さ"が波を打って、同時に襲いかかってくるアンバランスさが、

本当はしんどくて、今にも泣きたい衝動に駆られているのに、

毅然とした態度をとって何とか自分を保とうとしている

武四郎(吉沢亮)の不器用な性格を物語っているように映りました。

武四郎の本来のキャラと馴染んでいるんですよね。

良い役に恵まれたなぁとしみじみ思います。

 

内容に関しては…まぁ、次回予告で南の告白があると判明した以上、

PICUの話ではなくなるとは分かっていたし、予想通りではあったので、

そこについては割愛するとして。

個人的に最も気になったのは、親からネグレクトを受けているらしい

七海(宮崎莉里沙)の扱いが薄かった事でしょうか。

初回で搬送されてきた子供と症状が同じだったのを踏まえると、

描写次第では、初回から地続きで描かれてきた「武四郎の新人奮闘記」が

ターニングポイントを迎え、また1つ壁を乗り越えられた"成長"を演出出来たはずなのに…

南の件、圭吾(柊木陽太)の件とエピソードがまた複数存在しているからか、

あっさりと別の施設に移ったように見えてしまったのが残念。

本作、あれこれと話を広げるのは良いんですが、広げるだけ広げて、

どうも整理しきれていない感じが拭えませんね。

 

圭吾の状態は何も変化がないまま、終盤で一気に異常をきたした辺り、

極端に言えば、今回は次回への"繋ぎ回"だったとも捉えられるでしょう。

南も病気をカミングアウトして、植野(安田顕)に治療法を提案してもらった事ですし…

今度は妊婦の桃子(生田衣梨奈)を巻き込むなんて展開が訪れないと良いんですが。

 

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PICU 小児集中治療室 6話 感想|息子にバレるのも時間の問題では?

 

 

すっかり小児科医が舞台の医療ドラマになりましたね。

まぁでも…綿貫(木村文乃)の医療裁判を傍聴しに行ったり、

悠太(高杉真宙)の件があったりと、

本来は、医師と子供たちの関係性を描くべき作品のはずが、

ここ最近はエピソードをいろいろ盛り込んでは脇道に逸れる話が続いた分、

今回は「圭吾の心の治療」を集中的に描いてくれたお陰で

逆に見やすくなったような気がします。

 

いつもの武四郎(吉沢亮)と南(大竹しのぶ)の家庭パートも、

初めて「良いなぁ」って思えました。

いや、というのも…今までは何だか、毎回中盤で挟み込む必要性をあまり感じていなくて、

緩急のつもりなんでしょうけど、むしろ話の流れを遮っているとさえ思っていたんですよね。

「監察医 朝顔」の場合は、主人公が監察医であると同時に

"1人の人間"でもある…がテーマとなっていたから、

ごく平凡な日常生活の様子を取り入れるのにも意味を見出せていたものの、

本作の場合は、その作品での家庭パートが好評だったからただ入れた…みたいな。

でも、今回は「誰かの命のために、心臓移植を頑なに拒む」圭吾(柊木陽太)の姿に南を重ね、

さらには、感情の隠し方が不器用なあまりに人につい当たってしまう

圭吾の青臭い性格に武四郎を重ねる形で、

親子でのやり取りが、武四郎が圭吾に向き合うようになる"きっかけ"づくりとして

描かれたお陰で、わざわざ取り入れたのにも納得の出来る内容になっていました。

 

当時はギスギスしていた綿貫も、今では自然な笑みを見せるほど丸くなっていっていますし。

綿貫とは足りない所を補い合い、

今成(甲本雅裕)は全体を見ては動き、かけて欲しい言葉をくれて、

植野(安田顕)は部下の意志を尊重する…で

各々の役割分担も明確になってきて、良い雰囲気を生み出せていますね。

最初から、深刻な人手不足…ドクターヘリ…知事への交渉だので現代の医療問題を絡めて

「理想のPICUが出来るまで」をチラつかせずに、

今回のような、設立してまだ駆け出し状態の病院で奔走する医者たちにスポットを当てる

物語として展開していったら、早々に"形"も定まったのではないかなぁと思います。

 

最後に…「監察医 朝顔」の時と言い、

主要人物に試練を与えるの好きですよね…このスタッフ(苦笑)

次回予告で「ついに、母の告白」と書かれていた辺り、

南の病気のくだりを引っ張るのも来週で終わりでしょうね。

隠し続けたとして、やっぱり医者の息子と同居している以上はバレるのも時間の問題ですし、

隠せば隠すほど妊婦さんや職場の人々にも迷惑をかけるだけですし。

そこに早く気づいて欲しい限りです。

 

 

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PICU 小児集中治療室 5話 感想|絞り込んで描けば良いものを…(泣)

 

 

う〜ん…「散漫」以外の言葉が見つからないですな…。

今回の内容を簡潔にまとめるとするなら、こんな感じ。

・意識不明の状態の悠太(高杉真宙)を気にかける武四郎(吉沢亮

・裁判が終われば治ると思っていた手の震えが悪化して心配になる綿貫(木村文乃

・研修医時代から交流のあった患者・日菜(小吹奈合緖)の治療

・ドクタージェットを利用して搬送されて来るらしい圭吾(柊木陽太)の説明

・片道6時間もかかる網走の自宅が恋しい淳之介(松野晃士)

・淳之介を網走に戻してあげたいという想いから、知事に交渉しに行く武四郎と植野(安田顕

もう、箇条書きになっちゃうんですよね(苦笑)

 

本作の原点回帰のためにも、ここで再び現代の医療問題を取り入れたい。

医者や看護師が増えて医療体制が徐々に整いつつあるから、

受け入れられる患者の数も増えてきた。

そういう解釈も出来るんですけど…

ジャンルや程度の違ったいろんなエピソードを1度に盛り込み過ぎで、

最早、彼らがPICUを通して何をやりたいのか?が掴みづらい状態になってしまっています。

 

私としては、5話というターニングポイントを踏まえても、

まるまる"悠太回"にしても十分だったと思うんですけどね。

最終的には仲間になるのだと踏んでいるから。

まぁそれはそれで、いつもの「理想のPICUが出来るまでの話じゃないの?」

みたいなツッコミは入れていたでしょうが…

今回の内容よりは全然見やすかったかもしれません。

「生きたくてももう長い事生きられない」運命を背負った日菜と、

「まだ生きられる健康体なのに、死のうとしている」絶望を味わう悠太で、

命の対比を描こうとしているのが伝わっただけに、

なんで二者間とは関係のない患者エピソードも入れちゃうのか…

盛り上がる材料は揃っているのに、なぜ絞り込まないのか?

勿体ないと感じずにはいられませんでした。

 

お陰で、武四郎の仕事の取り組みも中途半端に見えてしまいましたしね。

患者の対応をしないといけないし…でも悠太が無事か気になってしょうがないし…で、

患者と親友で行き来している様子が描かれたために、

そんな風に見えたのだと思います。

 

で、どうやら…というかやっぱり?

母・南(大竹しのぶ)が患者として搬送されるフラグも立ててきましたね。

妊婦の桃子(生田絵梨花)も、そのうち"候補"に入ってくるのでしょう。

主人公にとって身近な人が病気を患う展開は、医療ドラマではお馴染みではありますが…

それ、本作でもわざわざ踏襲しなくても良いんじゃないのかなぁ。

やればやるほど、本題が霞むだけなのに。

 

 

あ…ちなみに、最後に感想とは全く関係のない話をしますが、

来週は恐らく「エルピス」の感想の方を優先すると思います。

実は、日曜日がワクチンの接種日でして。

今までの経験上、副反応で熱が出て体調が悪くなる可能性が高いので、

もしかしたら2本ともは1日で書けないかも?というお知らせだけさせていただきます。

(キャパ次第では視聴のみに切り替える事にもなりそうですが…)

 

 

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PICU 小児集中治療室 4話 感想|綿貫の件はとりあえず解決?あとは悠太か…

 

 

これから書く感想は、2話の時と同じかなぁ。

やっぱり、何を引いて、何をメインに置きたいのか?が

まだ精査し切れていない感じがします。

 

今回の生後7日の赤ちゃんを取り扱ったエピソードは…

今までの流れ関係なく、"パーツ"として見るなら普通に良い内容なんですね。

綿貫(木村文乃)の過去も含めて「母親には母親なりの事情がある」を描く以上、

どうしても重くて辛辣な印象を覚えそうなのに、

合間合間に差し込まれる今成(甲本雅裕)や羽生(高梨臨)の気の利いたフォローが

ちょこっと緊張をほぐしてくれるというのか…そんな緩急のついた話でまとまっていますし。

武四郎(吉沢亮)のキャラも、基本的には自分の恵まれた環境を基準に物事を考える辺り、

いかにも新人らしいなぁとは思いつつ、時にはそのストレートさに惹かれたりもするのです。

 

でも、それが「PICUで働く医師たちの物語」を描く作品の中の1話分だったら、

今回の内容も特にはてなマークは浮かばなかったんですけど。

本作は「PICUがどうなるか?」を描く作品だから気になる…ってだけの話。

率直に言えば、今回…完全に本筋から逸れていたような?

主人公たちの代わりに働いてくれる人が出てきて

人手不足が解消出来ているから、時間に余裕が取れるようになったとも考えられますが、

母親とは何かを悶々と考えたり、病院を抜け出して傍聴しに行ったりと

本来の任務外での行動(=手を動かすより、口を動かす描写)が多いのが…。

そのつもりはなくても、「患者を1秒でも早く救う」という行為がおざなりの状態に

見えてしまって仕方なかったです。

 

私が前回の感想で

「綿貫(木村文乃)の訴訟問題については、

今の所、話を広げる意味を見出せていないんですが。

植野の過去に人手不足が絡んでいたように、

彼女の設定にもきっと、現代の医療問題に繋がる"何か"があるんだろう…と

好意的に捉える事にしておきます。」

と書いたように、せめて、綿貫の訴訟問題をわざわざ膨らませるだけの

理由が見つかれば良かったんですが、

別に共通点もなかったみたいで、そこもちょっと残念。

彼女の描写に関しては、私生活で傷を抱えながらも"1人の医者"として生きる主人公を描いた

「監察医 朝顔」の設定に寄せた結果、あんな感じになったのかな?という気もしています。

 

次回は悠太(高杉真宙)にフォーカスが当たるとの事なので、

引き続きメインから離れた内容にはなりそうです。

最後は仲間入りして、一緒に仕事するでしょうから…

前回と今回が1つのターニングポイントだと思って見る事にします。

したがって、よほどでない限り、似通った感想を書かないよう気をつけます(笑)

 

 

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PICU 小児集中治療室 3話 感想|悠太くん、結局どうなった?

 

 

初回の内容へと軌道修正していった感じですね。

いや、むしろ、武四郎(吉沢亮)を"不器用で未熟な新人医師"としてではなく

"1人の医師"として描いたのは今回が初めてだったので、「お?」と思わされました。

 

主人公がミスを起こして、自分が担当した患者が自暴自棄になるのを目の当たりにして、

反省して学んでいく…という成長パートも、

本作のテーマが「小児科での新人お仕事奮闘記」だったら、

見応えがある…で終わっていたんですよね。

(まぁそうでなくても、あのパート自体、見応えはありましたが。)

でも、私が前回の内容を見てちょっと引っかかっていたのは、

舞台が「医療体制が整っていない未完成の小児科施設」で、

「その施設が理想形になるまで」を主軸とした作品なのに…?という所。

斬新な設定なのにもかかわらず、従来の医療ドラマの形式に

落ち着いてしまっている所にギクシャクしていたんです。

 

極論を言えば、本作の場合は、患者の症状の具合や治療経過を描くよりも、

PICUが1話内でどこまで理想形に近づけられたかを

重点的に描く事が大切だと思っています。

その点を踏まえて考えれば、後半に人員確保のくだりを持ってきたのも

ちゃんと"らしさ"が見えました。

元々乗り気ではなかったのに、武四郎の熱意に心動かされて加入を決めた…というあの流れは

正直、4分程度で済ませるには綺麗過ぎる気はしましたし、

PICUにとって一段階進んだ回なだけに、もっとそこに尺を割いた内容にして欲しかった

気持ちもなくはないんですが。

でも、その他にも、前回私が「こうなったら良いな」と勝手に思っていた

武四郎と植野(安田顕)とで反省点や目標を共有するやり取りや、

ドクターヘリの不備から来る医療の限界、時間内での戦いなど

本作のテーマに沿った要素が様々な形で含まれていたお陰で、

軸のブレなさを最も感じさせた物語にはなったんじゃないかな…とは思います。

 

綿貫(木村文乃)の訴訟問題については、

今の所、話を広げる意味を見出せていないんですが。

植野の過去に人手不足が絡んでいたように、

彼女の設定にもきっと、現代の医療問題に繋がる"何か"があるんだろう…と

好意的に捉える事にしておきます。

 

ところで…悠太(高杉真宙)の件、今回で完結しなかったとはね。

てっきり彼がPICUに異動する回だと思っていましたし、

でないなら、屋上から飛び降りようとするショッキングなシーンで終わるのでは…?と

予想していましたが、そうでもなく。

2話でもう仲間入りした昨日のドラマを見ただけに、本作も同じ流れになるのかとつい…。

まぁでも、いずれその展開は来るんでしょうね。

 

 

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PICU 小児集中治療室 2話 感想|ミスをして、反省して、学んでいくの繰り返し

 

 

吉沢亮さんの目って、何だか奥行きが感じられるんですよねぇ…。

大河ドラマのあの作品は未視聴だし、過去作品は確か脇役でのご出演が多かったから、

こうして吉沢さんの演技をじっくり見るのって中々貴重かもしれない…と思って

wikipediaで調べてみたら、半沢直樹のスピンオフの存在をすっかり忘れておりました。

当時の感想でも、目の演技について言及していた事が発覚。

…って事は、やっぱり印象に残りやすいんだなぁと。

涙ぐんでいる時も、微笑んでいる時も、"影"が見え隠れするというのか…

ずっと憂いを帯びた目つきをされているからか、主人公の未熟さがより伝わってきて、

この人の行く末を見届けてみたいって気持ちにさせられるのです。

前髪が重めなのも、目に視線が行きやすくて、効いてます。

 

今回は、そんな武四郎(吉沢亮)が大きなミスを犯し、心折れかけ、また立ち上がるという

"新人お仕事奮闘記"っぽさが色濃く出た内容でした。

心折れかけ…とは書いたものの、彼は感情が顔に出やすい上に、

自分のペースに周りを巻き込んですぐ愚痴を吐けてしまうタイプなので、

モヤモヤを溜め込む人では全然ないんですよねぇ。

母に向かって「ババア」って言えちゃう飾らなさね(笑)

失敗して落ち込んだら、吐き出して、また明日から頑張ろ…の

繰り返しの日々だったんだろうというのが、家庭パートからも察せられました。

 

ただ、前回と今回の内容を照らし合わせてみて、ちょっと気になった事も1つ。

軸が複数ある故に、何を優先的に見せたいのかが

宙ぶらりん状態になりかけているようにも思えます。

例えば、初回は、病院に間に合わなくて死亡した子役のエピソード…からの、

積極的に医者と情報を共有し合う

植野(安田顕)の姿を描く流れが頭に強く残ったのもあってか、

「理想のPICUを作り上げるために、北海道の医者たちが奔走する物語」に見えましたが。

先ほど「"新人お仕事奮闘記"っぽさが色濃く出た」と書いた通り、

今回はその軸が薄まり、代わりに上記と、

初回と同じく"若者群像劇"の2つの軸が同時並行で描かれていたのが原因で、

極端に言えば、違うドラマを見ている印象を受けてしまいました。

 

羽生(高梨臨)が人手不足を嘆いていたように、

今回の武四郎の描写も、まずは、年代やキャリアがバラバラでもすぐに辞めない、

どんな人でも子供たちを支えていける環境づくり=人間関係の構築 から…とも

解釈出来るでしょうが。

…これはただの思いつきですが、前回から連続性を持たせるには、

「今回はここを改善したから迅速な対応が出来た」「ここは処置が若干手こずってしまった」

など、あの"情報共有会議"でお互いに整理しフィードバックしていく様子を

少し挿入するだけでも、違っていたのかもしれません。

 

しかし、今の所はまだまだ好意的に見ております。

最初はキツく感じても、キツくしている意味が後で分かる

綿貫(木村文乃)の存在も悪くありません。(徐々に控えめにはなって欲しいですが…!)

次回予告を見る限り…群像劇の部分は、

PICUに加入するまでの過程とも捉えれば良いんでしょうかね?

そして、南(大竹しのぶ)のフラグ?も気になりますね。

 

 

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