2022年春ドラマ-17才の帝国一覧

17才の帝国 2話 感想|ちょっとこぢんまり?

 

 

※先週(5/14)の感想です。遅くなってしまってすみません…m(_ _)m

 

う〜ん…壮大な世界観で始まった初回でつい期待を寄せてしまったからか、

今回は全体的にパワーダウン感は否めませんでしたね。

元々都会的な街でも、仮想都市でもなく、昔懐かしの空気も流れている地方都市が舞台だから

仕方ない所もあるのでしょうか…。

市議会廃止や公務員削減など、地域の人々にとっては当たり前だった環境を

次々と断ち切っていく、まさしく「独裁国家」になりそうな大改造を行う姿が描かれた作りから、

商店街の再開発計画へと、扱う規模がかなり小さくなってしまったのが

そう感じさせた原因に繋がったのだと思います。

 

あとは、個人的に「ああ、もうそんな方向に行っちゃうんだ…」と戸惑いを覚えたのは、

主人公の描写に関しても同じ。

前回の感想で「公の前では表情も声色も一切変えない真木(神尾楓珠)の無機質な人柄」

と書いたんですが、それは、演説からの彼の様子を通して

真木にどれだけ"感情"をなくして、効率を重視するあまり

無慈悲な性格に変わって行ってしまうダークヒーローっぷりがどれだけ描かれるのか?に

期待していた部分があったから…なんですよね。

だけど、2話にして、プレゼントを久しぶりにもらえて純粋に喜んでいたり、

調査をしていく上での若さ故の未熟さだったり、

貧しい家庭のエピソードが明かされたりと、彼の"人間味のある"一面をもう掘り下げてしまった。

ここら辺がどうも、本作のコンセプトであるSFファンタジーと噛み合わない気がするんです。

だって、主人公の過去や人間性を掘り下げて、視聴者への共感を促すような作りにしたら、

最早「SFドラマ」ではなく「人間ドラマ」になってしまうから。

おまけに、自分の意見を押し通すのではなく、AIに頼っている描写が節々であったのも、

初回で感じさせた彼の前衛的なイメージを薄めてしまったんじゃないかと思っています…。

 

前回は初期設定があったから良いものの、

基本的に地方都市が舞台だからか、商店街を筆頭に

下町感漂うロケーションが続いているのもSFらしさが半減してしまい…

スタッフもキャストも映像技術も、お金をかけてまで

わざわざ壮大な世界観にした必要性があまり感じられませんね。

「17才の帝国」というタイトルも名前負けしつつあるような…?

真木がいろんな人物に触れ合っての考え方の変化や成長をに焦点を当てたいのであれば、

SF要素は抜きにして、純粋に「もしも17才の高校生が総理大臣になったら?」という

仮説から始まるファンタジーでも良かったのかもしれません。

 

しかし、まだまだ期待はしています。

次回で巻き返しを図ってくれるか、それとも、このまま柔らかく終わってしまうのか…

「帝国」というワードを扱っている以上、もっと"支配""統治"といった

勢いを感じさせる展開になる事を願っています。

 

 

PS.最新話の放送までに書き終えられなければ

あとは最終回だけにして感想は諦めようと思っていたので、無事投稿出来て良かった…!

他の土曜日の2本分の感想は、本日の放送と合わせて(2話分で)投稿するつもりです。

まぁ、視聴から日にちが経っているので、簡単にはなってしまいますが(汗)

5/23追記:今週末も忙しく、最新話までに2本とも感想上げられそうにないので、

「俺の可愛いはもうすぐ消費期限!?」は最終回まで視聴のみとする事にしました^^;

「パンドラの果実」は下書きが出来ています。投稿したらこの追記は消します。

 

↓前回の感想はこちら↓

 

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17才の帝国 1話 感想|暴君で終わるか、国家として成り立つのか。

 

 

17歳の総理大臣と22歳の国務大臣で構成された内閣が

日本のとある地方都市を「プロジェクト・ウーア」の実験台にし、

1つの国を作り上げるまでを描く、SF×政治がテーマとなった物語らしい。

 

枠が廃止になったからとは言え、以前月曜22:45〜23:15に放送されていた

テレビをあまり見ない層と言われている若年層をターゲットにした「よるドラ」枠ではなく、

NHKドラマの中でも最も社会性、メッセージ性の高いこの「土曜ドラマ」枠で

なぜ放送する事にしたのか?と思いながら見ていましたが…

なるほど…これは確かに、ただの"作り話"としては流せられない、

視聴後に反芻したくなる作品だなぁと。

 

系統的には、同じく過去にSFを扱い、実験的な世界観作りに挑戦した

「きれいのくに」の発展形とも言えるんですよね。

コンセプト自体は違うものの、制作する際に設定した

「もしも日本がこうなったら」という"if"の世界を、

丁寧に、立体感を持たせるように構築していく点では共通しているというのか。

本作の場合は、近未来の仮想都市を描くSF作品だからと言って

スタジオセットばかりに頼らず、ロケ地と言われている長崎県佐世保市の街並みや、

そこで暮らす住民の様子を映す形で"日常"とバランスを取る事で、

SF由来のCGや合成だらけの安っぽいイメージを回避し、

アニメならではのファンタジーさと、現実世界ならではのリアリティが

上手く融合された仕上がりになっていたと思います。

 

内容はざっくり言えば世界観の説明で終わったので、

話はまだまだこれから…といった所。

でも、舞台が「20XX年」ではなく「202X年」に設定されている事、

そして、本編でも言及されていた通り「独裁国家」を作る恐れのありそうな

公の前では表情も声色も一切変えない真木(神尾楓珠)の無機質な人柄と、

「AIが主導権を握る」前提で進む政治改革に焦点が当たっていたのが効いていて、

面白いよりかは、回を重ねるごとにヒリヒリとした感覚を募らせながら

怖いもの見たさで見るスリルを味わえそうです。

何と言うか…ごく普通の生活を送れていた街がある日突然ウーアの実験対象都市になって、

日常の何もかもが大きく変わる事に危惧や不安を覚えている

既存(元々その街に住んでいた)住民の視点で見たら、より一層没入感も感じられるのかも?

 

効率を重視し、今ある制度を削減すればするほど

人間らしさを欠いてしまうし、最悪の場合、戦争も起こりかねない。

今の真木のやり方では、切ったら切りっぱなしで

その対象者の未来までは保証しないように見えるから、

いつ自分が切られるのかという恐怖に怯えながら過ごす生活を

住民に強いる政治は暴君にも近い。

 

ただバッサリ切っていく痛快劇では終わらせず、

物語の終盤になればそのうち、内閣の発言や政策が炎上を招き

ストライキを起こす展開や、AIが暴走する展開も十分あり得ますが、

逆に「若者は大人しく黙っとれば良いんだ!」という

"若者の改革=悪"を印象付ける話で完結したら、

それはそれで本作を生み出した意味はなくなるのかなぁ…と。

 

今年の4月から成人年齢が20歳から18歳に引き下がり、

"大人になる"意識を強く持つようになった17歳も多い事でしょう。

このタイムリーなタイミングで放送される挑戦的な本作を応援したいですし、

最後まで見守っていきたいです。

 

 

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