2022年秋ドラマ-クロサギ一覧

クロサギ(2022) 6話 感想|神志名の過去、ようやく明かされる。

 

 

氷柱(黒島結菜)が裏バイトの実態を単独で調べる件に、警察との絡みに、

神志名(井之脇海)の過去に、桂木(三浦友和)との対立に、鷹宮(時任勇気)の本性に…

とにかく、いろんな方面のエピソードを詰め込んできた前半。

お陰で、テンポが悪くなっている上に、

本作のメインが何なのかが霞んでしまっていますね。

「シロサギを喰う」部分なんて、仕切り直しと言わんばかりに

CM明けの22:33分頃からようやく動き始めたくらいで…

あまりの遅さに、エピソードをあちこち膨らませたために

黒崎(平野紫耀)の"クロサギ"らしい活躍を描くのを途中まで忘れていた事に気づいて、

慌てて描き始めたんじゃないか?とすら思えてしまいました(汗)

 

縦軸を盛り込む事自体は別に良いんですが、それが魅力的な内容に仕上がっていなければ、

本筋の足を引っ張るだけな気がするんです。

近年のドラマは、縦軸で惹きつけるのを意識した結果

「二兎を追う者は一兎をも得ず」状態になってしまったものもよく見かけますが、

本作もまさにそんな感じ。

 

例えば…神志名の絡め方だってそう。

彼が詐欺師にこだわる動機が明かされたのにはホッとしたものの、

御木本(坂東彌十郎)の復讐を終えてからの新章で…っていうのは

今更過ぎるんじゃないでしょうか。

前回の感想でも書いた通り、黒崎と"同年代"である事に意味を持たせ、

黒崎と敵対する関係性を描いていくためには、

「神志名はどんな過去を抱えているのか?」が重要になってくるはずなのに、

どうも優先順位のつけ方が間違っているように思えてなりません。

カミングアウトにしても、回想を織り交ぜながら掘り下げる形ではなく、

(後で本人の口から告げられるシーンがあったにしろ)

黒崎へ向けた早瀬(中村ゆり)の説明台詞で済ませて終わりなのも味気ないです…。

僭越ながら「もしこうだったら…」を考えさせていただくとするなら、

3,4話辺りの冒頭で、神志名の幼少期にスポットを当てるエピソードにガッツリ尺を割いて、

そこで背景を提示した上で、現在は警察官として働く姿を

シームレスに繋げていくという魅せ方をしたら、

彼が物語で欠かせない存在になるのにも説得力が増したかと思います。

 

あとは…もう1つの原作「クロサギ再起動」の設定を

踏襲している所もあるんでしょうけど。

新章スタートの今回を見る限りは、大まかに捉えれば

御木本の代わりに新たな"黒幕""因縁"を作った…って感じなので、

そこも個人的には(物語に)ワクワクしない理由になるのかなぁと。

章立て構成ではなく「御木本を倒す」をゴールにして、

セミファイナルまでは「黒崎はなぜ"クロサギ"であり続けるのか?」

「黒崎がいかに頭の切れたクロサギか?」…

つまり、主人公を描く事に専念した構成になっていれば、

本作への印象もガラッと変わったかもしれません。

 

最後に、唯一良かった点を挙げるとするなら、

黒崎の"クロサギ"らしさが久々に見られた事でしょうか。

どんな手口を使ってシロサギを喰ったかが、比較的分かりやすかったです。

まぁ…若干駆け足だったので、コンパクトにまとめた…とも言えるんですけども(笑)

 

12/11追記:

既に7,8話は視聴しているのですが、言いたい事は6話の感想で大体言っていますし、

他の感想が溜まっていて執筆が追いつきそうにない状態なので、

視聴のみにする事にしました。

待っていてくださった方には、申し訳ございません^^;

 

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クロサギ(2022) 5話 感想|役者さんが頑張ってるだけに…

 

 

先週の「アトムの童」で銀行が我が物顔で急に差し押さえしてきたのと言い、

(最新話まで追いついていないものの)

「君の花になる」でいつの間にか主人公に好意を寄せる描写と言い…

今期のTBSのドラマはどこも「なんでそうなるの?」というモヤモヤした感覚が残りますね。

本作も残念ながら、その1つに入ってしまっています。

 

本作の場合、「詐欺師が詐欺師を喰う」設定自体が珍しいので、

唯一のクロサギである主人公のキレの良さをじっくり描いて初めて

その設定が活きると踏んでいるんですが、

何しろ、肝心の黒崎(平野紫耀)の"手口"が分かりづらいのが

勧善懲悪としては盛り上がりに欠けてしまっているんですよね。

最大の原因は、"縦軸"の過度な強調なんでしょうけど…

今回はそれに加え、上海を舞台にして大規模な世界観に仕立て上げた事が

物語の難解さに拍車をかけていた気がします。

 

内容を見ていると…こんな悪い方向には捉えたくなかったのですが。

「20億」「50億」といった非現実的な数字や団体名を頻繁に言わせて、台詞量を多くして、

上海だけあってたまに現地の映像を挿入したり、

そこそこ顔圧の強い癖のある役者さんを大量にキャスティングしたりすれば

「大掛かりな詐欺」をやっているように見えるでしょ?

という風に思えてなりませんでした。

平野紫耀さんと坂東彌十郎さんの終盤の対峙のシーンは良かったですが、

役者さんの演技と劇伴頼りな感じは否めないですし…。

せめて「ボスを喰った」を表現するなら、

御木本(坂東彌十郎)の目の前にアタッシュケースを置いて

大金を見せびらかすくらいの演出を取り入れた方が、

まだ主人公の凄さが際立ったのかもしれません。

 

そして、個人的に疑問に思っているのは、神志名(井之脇海)の描写について。

なぜ彼の背景を深掘りしようとしないんでしょう?

私は最近まで2006年版の「クロサギ」を視聴したのもあって、

彼がなぜあそこまで黒崎にこだわるのかは脳内補完は出来るんですが。

10年以上前の作品ですし、そもそも見ていない視聴者の方が圧倒的に多いでしょう。

前作も見てくれているだろう…という"視聴者頼み"で作っているのかどうかは知りませんが、

このままだと「警察の本来の仕事をほっぽり出して、特定の詐欺師に会うためだけに

わざわざ有給使って上海に飛んだヤバイ奴」の印象だけが残ってしまいますよ?

彼が抱えている"傷"を描いてこそ、黒崎への執念も、

雨の中「自身の行為がかえって人を殺してしまった」事を悔やむ黒崎の涙も

深みが増したのではないでしょうか。

 

佐々木蔵之介さんの登場は嬉しいですけど(ファンなので)、

新たな黒幕を投入してくるとなると、御木本を倒すまでの話と

構成は似通ってしまいそうな気はしますね。

縦軸の他に、どうやら黒崎・氷柱(黒島結菜)・鷹宮(時任勇気)の三角関係も

匂わせたいようですし…

何だか、本当に「詐欺師が詐欺師を喰う」部分が霞んでいってしまいそうで心配です。

原作があるから仕方ないのかもしれませんが、

初回のような1話完結型の内容をもう少し見たかったなぁ…というのが正直な気持ちです。

 

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クロサギ(2022) 4話 感想|黒崎と白石のコンビ、割と好きかも♪

 

 

あれから約1週間ですね。

しばらくのんびりしていて、さあそろそろ書く準備を始めようかと思った矢先に

あのニュースを知ったもので、感想執筆に身が入らないまま(&予定がとれないまま)

4話の放送日を迎えてしまい…で、今に至ります(苦笑)

3話の感想はすみませんが、すっ飛ばしさせていただきます。

 

さて、4話の内容は…

意外と、黒崎(平野紫耀)と白石(山本耕史)のコンビが

良いなぁって思えている自分がいるんですよね。

「まほうのどうぐ」とひらがなでデカデカと書いたのもそうだけど、

歳の離れた後輩を子供のように可愛がっているのが透けて見えて好き(笑)

少年っぽい顔立ちでハスキーボイスなのが作用しているんでしょうかねぇ。

もし父親がまだ生きていたら、こんな関係性にもなっていたのかも…という

"if"の世界すら想像させられて、微笑ましくもあり、ちょっぴり切なくもあります。

 

正直言うと、視聴前は山本耕史さんが神志名を演じると勘違いしていたくらいで、

同年代の井之脇海さんが演じると知った時は

「え!?急に若っ!」って驚いちゃったんですけど。

でも、黒崎・氷柱(黒島結菜)・神志名の年齢をあえて合わせる事で、

桂木(三浦友和)・白石・御木本(坂東彌十郎)の

詐欺師業界においての"絶対的な存在"を浮かび上がらせているようにも思えてきます。

御木本には家族の幸せを奪われ、桂木には若干揶揄われつつも仕事を依頼され、

白石には協力を求めて…3人によって操作された人生を歩んできた黒崎。

主人公や警察をもってしても太刀打ち出来そうにないイメージを持たせて初めて、

少年っぽくて、まだまだ青そうに見える彼が

御木本を自分の力で倒せる時が来るのか!?という面白味が増すんですよね。

そう考えると、中々バランスのとれたキャスティングです。

 

ただ、「シロサギを喰う」内容に関しては…

白い折り鶴を潰す黒崎(=憎しみをぶつける)・

黒い折り鶴をただ眺める御木本(=相手にしていない)で

互いの"意志"を映し出した対比のシーンを筆頭に、演出や役者さんの演技で

かなり補填してくれているようには感じられたものの。

やっぱり、脚本が原因なんでしょうかね?

警察の出番を再び増やしたり、縦軸や過去を合間合間に挟んだりで、

根本的な部分では「クロサギがシロサギを喰う勧善懲悪」の物語である事が

薄らいでしまっている気がするんです。

これは、依頼者と結託して敵を懲らしめるまでをじっくり描いた初回が

一番印象に残っているのと、

前作(2006年版)で最終回までにやった内容をたった4話に凝縮しているから、

主人公の活躍を魅せる点では物足りず、

あまりのスピードの速さに頭が追いついていないっていうのもあるのかもしれませんが。

恐らく次回までが第1章でしょうから、

警察の動きは3話と同じく序盤で済ませて、

「御木本vs黒崎」の対峙を重点的に展開していって欲しいです。

 

最後に、本編と関係のない話を。

「あなたは1人じゃないから」は元々好きなシーンの1つなんですけど…

何だかタイミング的に、いろんな意味でしんみりきちゃいましたね…(泣)

平野紫耀さんの将来とも重なりますし、

それを黒島結菜さんが口にするって辺りに、世間からの悪評や誹謗中傷に負けない

強い人でありたいと自分に言い聞かせているようにも思えてきますし。

(某タグの流行語ノミネートの件については、イジメを正当化しているみたいでモヤモヤ…)

みんな思っている事ですが、朝ドラの時より痩せてしまっているのが心配です。

 

平野さんの演技をお見かけした回数はまだ少ないものの、

本人の歌手活動で見せる誠実さや熱心さが

黒崎の人となりを立体化させていて、今までの中では一番魅力的な役に映ったんですよね。

本作を通して、アイドルとしても、俳優としても今後を楽しみにしていただけに、

しばらく一線を退くのは本当に勿体ないですなぁ…。

 

 

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クロサギ(2022) 2話 感想|そんなに"警察の存在"を強調しなくても…

 


前回と同様、被害者が詐欺に遭うまでの深層心理は描かれているし、

初回は初期設定の紹介も兼ねて、その説明が詳細にされた部分もあったとは言え、

詐欺パートの導入部分がやけに短縮されたな〜と思って見ていたら…

なるほど、もう1つの詐欺事件も同時並行で描くからだったのか…と。

 

個人的には、被害者同士の関係か、詐欺事件を追う事で導かれる結末に

共通したものがない限りは、同時並行させる意味を感じないという考えでいるので。

後述する要素も含めて、エピソードを欲張ったために、

「シロサギを喰う」で魅せる物語としては、

今回はいまひとつ盛り上がらない内容になってしまった気がします。

どちらかと言うと、孤独な老人の本音に頷けたのもあって、

そっちのパートの方をじっくり見てみたかったのに…

終盤の人情劇も、内容自体は好きな部類だっただけに

何だかとってつけたように見えて勿体なかったですし。

メインとなっていたであろうアイドルとの出会わせ屋に関しても、

今期は同局で、せっかくボーイズグループの成長を描く作品も取り扱っているのだから、

あと何話か先に回して、実際にそのボーイズグループを本編に登場させていたら

リンクしているように感じられて面白味も増したでしょうね。

 

で、今度は、後述する要素とは何か?なのですが。

詐欺パートだけならまだしも、全体的に警察の出番が多過ぎるんですよね。

もう少し詳しく書くとするなら…

黒崎(平野紫耀)の素性をスマホで撮って追うくだりを冒頭から見せたり、

オープニングが明けてからはすぐに、神志名(井之脇海)と桃山(宇野祥平)で

彼について話すくだりを挿入したりしたのが原因で、

黒崎がシロサギをどう騙していくのか…じゃなくて、

警察がどうやって彼に接近していくのか…という緊張感で見せる印象を与えてしまっています。

これでは、シロサギを喰うどころか、

"詐欺師を詐欺師が騙す"勧善懲悪という本作の個性を喰ってしまいかねません。

黒崎の策略に再びやられて悔しがる姿を描くのも、一種の見せ場でしょう。

後者のオープニング明けのくだりは、この後に続くシーンで二重説明になっていましたし、

主題歌に合わせて一気に畳み掛ける形で、調査していく上で彼の個人情報を知った神志名が

突然自宅に押し掛けてきて…の流れでも十分だったかと思います。

 

あとは…「お金を隠す」「実は黒崎の通帳に振り込んでいた」という

前回と同じパターンで終わったのも、物足りなさを感じた理由の1つですかね。

現代の詐欺を考えると、このやり口がイマドキにはなるのかもしれませんが、

芸能人のファンを装った受け子を用意し、利用し、口座のパスワードを特定&変更して

もう使用出来なくするとか、事務所から貴重品を奪い取るとか、

何か一手間加えて欲しかったです。

 

初回は純粋に楽しく見られたのに、

まさか2話にして、いろんなモヤモヤが出てくるとは思いもしなかったので、

今後がちょっと不安になってきてしまいました。

黒崎の過去が物語の根幹になっているとは言え、縦軸も早い段階から強調し過ぎですよね。

"あの展開"も(本作も恐らく)控えているというのに、

詐欺パート以外のエピソードや縦軸でもう話を広げてくるとなると…(汗)

 

 

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クロサギ(2022) 1話 感想|令和の世界でクロサギが羽ばたく

 

 

放送直前で、2006年版の作品の予習完了。

ネタバレにならない程度に、前作と比較しながら初回の感想を書くとするなら…

 

まず意外だったのは、1箇所だけでも用語解説する演出が施されていた所。

そして…"導入部分"が詳細に描かれていた所でしょうか。

この2点のお陰で、かなりとっつきやすく感じさせてくれました。

いや、前作も導入部分があるにはあったんですが、アプローチの仕方が違っていて、

「何の詐欺に遭ったのか」は紹介されていても、

被害者が詐欺に遭うのに陥りがちな深層心理や、

乗っかってしまったのにも同情出来る背景描写にまでは踏み込んでいなかったんですよね。

詐欺の内容や取引の流れにしても、基本的に台詞で淡々と進むので、

頭の悪い私としてはそこは"何となく"で掴み、

主人公の腕前の良さを楽しむ…といった印象でしたが。

本作の場合は、そういった下地づくりと、連携プレイが見える展開になっていたお陰で、

どんな方向性で行くのかが分かりやすい、痛快感のある内容に仕上がっていたと思います。

 

また、黒崎(平野紫耀)の過去を一気に明かしたのも、

平野紫耀さんの、負の感情を止めどなく吐き出す演技も相まって、

彼がなぜクロサギとして生きるのか?に説得力を持たせていました。

あくまでも個人の見解ですが、平野紫耀さんは、二面性のあるミステリアスな役よりも

真っ直ぐな役の方がハマるイメージがあるので、

シリアスな作品でやりがちな過去を小出しにしていく…という方法をとらなかったのは

正解だったかもしれません。

序盤の方は正直、口振りからして、意識されているかな?と思う部分もありましたが、

初回で人物像を提示してくれたため、ここは徐々に慣れて来そうです。

 

良い人っぽさが強過ぎて、逆に何考えているか分からない桂木(三浦友和)も魅力的。

今度は旦那さんの山本耕史さんが出演されているのは…偶然なんでしょうかね?(笑)

あと気になるのは、氷柱(黒島結菜)の描かれ方ですよねぇ。

回を重ねるにつれ叩かれやすくなるポジションにいるので、

記憶に新しい「ちむどんどん」に乗っかって、役者叩きが加速していかないかどうかが心配です。

実際、氷柱を見て、ニーニーが時々脳裏に過ぎりましたから…(汗)

当たり前ですが、演じられている役は別人なので、

私も引っ張られる事なく気をつけて行きたいなぁと思ってます。

 

強いて言うなら、状況説明が丁寧にされていた故に

途中までテンポがもたついていた感じはありましたが、

"因縁"はしっかり見せないと、この手の作品は成り立たないでしょうし。

逆に、ほとんど全容が明かされた分、

通常放送となる次回からは洗練された内容になる可能性が高いです。

 

前作の記憶が鮮明なので、初見は「この内容で行くんだ〜…」

「こことあそこをくっつけて来たか!」という、

作品そのものを見るのに意図していない楽しみ方にはなってしまったものの、

登場人物の人柄もオチまでの流れもかなり違っているので、

次回以降は"1つの作品"として純粋に見ていった方が吉かもしれません。

とにかく、掴みはバッチリの初回でした。

個人的には、リブート作品の方が好きになりそうです。

今後はなるべく比較は控えながら、"令和版クロサギ"を応援していきたいですね。

 

 

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