2023年冬ドラマ-夕暮れに、手をつなぐ一覧

夕暮れに、手をつなぐ 10話(最終回) 感想|終盤は"すれ違い"頼りになってた感は否めないかも。

 

 

"エモさ"を感じさせる映像美に、その雰囲気にさらに拍車をかけるヨルシカさんの曲に、

広瀬すずさんと永瀬廉さんのキャラクターの消化力の高さに…と、

この3つに魅せられた作品でしたね。

そして、本作が描きたかったのは「日常の中の小さなときめき」なんだろうなぁ…

とも思いながら見ておりました。

 

ただ、個人的には、恋愛モノは恋愛モノでも、

キャッチーな胸キュン演出を盛り込むよりかは

緩やかで落ち着いたトーンで進む本作の作風の方が好きで、

毎回そこは好んで見ていた訳ですが…。

空豆広瀬すず)と音(永瀬廉)がそれぞれ別の場所で

目の前の物事に直向きに取り掛かる様子を重点的に描き過ぎていたのと。

それに伴い、場面転換も多かったためか、

2人がお互いを気になり出す過程に「夢を追い求める者同士」はあれど、

肝心の「いつ・どうして好きになったのか」といった心の機微は、

映像美で誤魔化しながらやんわりと済まされていたのかな?

という疑問は最後まで拭えなかった印象です。

要は、日常描写と恋愛要素の比重が極端だったんですよね。

 

しかし、最終回に関しては、どこの空港かも分からないまま走って、

なぜか空豆のいる空港に辿り着いてハグ!というベタな展開でも

やるんじゃないかと想像していたので、そこはなくて安心したなぁと。

パリの様子が一切映らなかったのは予算削減のため?とか、

3年後の実感が湧かないから髪型だけでも…とか、

その距離で声聞こえるのかしら…とか、他にもいろいろ気になる所はあるにしても、

初回の出会いを絡めながらの両想いシーンは、今までになくロマンチックで。

恋愛モノとしては、綺麗な形で終われたんじゃないかとは思ってます。

 

あの脚本家の最新作なので批判も多かったかもしれませんが、

あまり期待していなかったのもあってか、良い意味で"普通"で、

割と世界観にすんなり入り込める作品ではありました。

それだけに、要素の調整次第では、従来の火10枠ドラマに風穴を開ける

作品になれたかもしれないのに…と、勿体ない気持ちにもさせられた感じでしょうか。

 

 

ちなみに…8話が神回だと事前に言及されていた件に関しては、

すれ違い展開が2回(音が先に寝ていると勘違いし、声をかけづらくなってしまったシーン&

空豆が事務所に直接向かって、2人のあの様子見てしまったシーン)もあって、

ああ…この"もどかしさ"に力を入れたからなんだろうなぁ…

っていうのが透けて見えてしまって、特に神回とは思わず(汗)←捻くれた人ですみません^^;

いや、8話だけじゃなくて、それ以降は本当にすれ違いで話を持たせる流れが続きましたかね。

LINEのメッセージ送信取り消しを使っての演出は、中々新鮮ではありましたけど、

何度も何度もやられるとね…当初の空豆の元気な性格はどこ行ったんだ!と

ツッコんでしまう自分もいたんですよねぇ(苦笑)

 

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夕暮れに、手をつなぐ 2話 感想|主人公、今回何かしたっけ?

 

 

広瀬すずさん演じる空豆は…私は全然嫌いじゃないんですよね。

いや、どちらかと言うと好きです。だからこそ、感想もしばらく続けてみようと決めた訳で。

ただ…前回と今回を見て、世間的には苦手な印象が強いのも

頷けるのかなぁ…と思ったのも事実です。

 

前回でもうっすら感じていた事ですが、本作って、会話劇に"間"がほとんどありません。

そう作られている演出が、苦手意識を高める一番の原因なのでは?という気がしています。

緩急の"緩"を無視しているかのように、矢継ぎ早に会話が続くもんですから、

ただでさえ好き嫌いが分かれやすい北川悦吏子さんの描く主人公のキャラも、

ミックス方言の癖の強さも相まって、余計にウザったく見えてしまう。

 

初回はあくまでも第一印象となる回なので、まだ受け入れられた部分もあったんですが。

私も正直、その演出のお陰で、物語の魅力度は少し減っており…

クスッとさせられるというよりかは、息苦しさや窮屈感を覚えてしまっています。

早いうちに、カットしても会話として成立出来る台詞は

なるべくカットして整理整頓した方が、

恋愛ドラマにおいて最適な魅せ方になるんではないでしょうか。

 

あと、今回を見て気になったのは…

もう少し主人公"ならでは"の動きが欲しいかな?という所。

これは別に、存在感が薄いって訳ではありません。むしろ、違う意味で残せています(笑)

私が言いたいのは…ただ単に、周りからの提案や、全体で醸し出されている雰囲気に

流されて動いているようにしか見えないって事なんですね。

物語としては一応、四角(五角?)関係を匂わせて進展はさせているんですが、

空豆が主体となって周りに、特に音(永瀬廉)に影響を与えていく様子が見当たらないから、

物足りないなぁというか…

こう言うのもなんですが、広瀬すずさんのファンだけが楽しめるような内容に

なってしまっている気もしております。

 

本作がうたっているのは「青春ラブストーリー」なので、

まずは青春からじっくりと…って事なんでしょうけどね。

でも、お互い、どこか離れがたいような、そばにいて欲しいとふと願ってしまうような、

そんな"引っかかり"を覚え始める段階に、

一歩ステップアップして欲しいと思ってしまうのです。

 

↓前回の感想はこちら↓

 

2/12追記:

 

3話は視聴済み。

4話は未視聴ですが…キャラは好きなので、見続けるつもりではいます。

ただ、内容自体はやっぱり、2話と特に変わった印象はない上に、

他のドラマの感想が溜まってきているので、消去法でもう本作の方は良いかなぁと。

 

何しろ、脇役との絡みが多いんですよね。

その分、場面転換も増えるので、2人の心情変化が感じられにくいと言いますか。

(ぶっちゃけ、過程が弱いために、3話ラストの「いろよ」のシーンは…

某事務所かな?と思っちゃったくらいです(苦笑))

主人公を動かすだけで大分違う気がするんですけどねぇ。

 

 

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夕暮れに、手をつなぐ 1話 感想|「かもしれない」の始まりを描く

 

 

思ったよりも"普通"でしたね。

あ…これ、褒めてます(笑)いろんな意味で。

胸キュン演出や、漫画なら許されそうな気を衒った展開を盛り込む事なく、

恋愛ドラマでは欠かせない「2人の出会い」をストレートに描いていった印象を受けました。

 

確かに、若者世代でそんなに訛ってるものか?と思えたり、

後半からの空豆広瀬すず)の自分勝手さには、

半分、青い。」での、幼馴染と相手とで結婚して建てた新居に

はがきに記載された住所を元に尋ねるトラウマシーンを想起させたりで

引っかかる部分はあったのですが(苦笑)

でも…見ていて嫌悪感の方が勝る事はなかったのは、

初回の段階では、あくまでも音(永瀬廉)は彼女を「何となく放っておけない存在」として、

空豆は彼を「自分に優しくしてくれる赤の他人」としてしか見ていないという、

まだお互い「好きなのかも…」以前の、恋愛感情の混ざっていない関係性に

留まらせたのが大きいのかもしれません。

 

中でも、個人的に上手いなって思ったのは、時間を飛ばしての見せ方。

例えば…2022年の春に、音のつけていたイヤホンが空豆とぶつかって落ちてしまう形で、

横断歩道で"運命の出会い"をしたのですが、

当然「そこでアクシデントが起きた」だけなので、その後は特に進展なし。

で…その時間軸のまま"偶然"何度も遭遇する流れになりがちなものを、

一旦、2023年の冬に時間を飛ばしているって所がミソなんですよね。

そうしたお陰で、「あれ…?」と気づく流れにも無理がないですし、

何より、音は覚えていて、空豆の方は完全に忘れている…という"記憶の差"の描写も自然。

(音にとっては、年齢と癖の強い方言でギャップがあるのと、

「同じ曲聞いちょった」でふふっと笑う姿が印象に残りやすいのも頷けますしね。)

あとは…"普通"とは書きましたけど、2人が実は小学校の同級生で、

どちらかは初恋の相手だと思っていて、告白しそびれたまま数年ぶりに再会した…といった、

予定調和を覚えるベタな設定が入っていなかったのも良かったです。

 

まぁ、「偶然が多過ぎ!」と思われる視聴者もいるかもしれませんし、

その気持ちも分かりますが、赤の他人同士の恋愛を描く以上は

多少のフィクション要素がないと物語は進展しない訳で。

そういう意味では、ある程度許容範囲内に収まっていたのかな?という気がします。

 

また、視聴者からしたら、ちょっと気の毒に感じてしまいそうな

空豆」という名前についても、学生時代の回想を通してしっかり言及してくれましたし、

2人がひとつ屋根の下に住むきっかけも、スムーズに描かれていました。

あの流れだったら…音の嘘に気づいてから急いで戻ってきて、

「嘘ついたお詫びにお金のないおいを養え!!」的な

無茶振り展開に持ってきそうな予感もしていたので(笑)

2人の馴れ初めを全く知らない響子(夏木マリ)が…なのには、むしろ安心してしまったのです。

 

恋愛ドラマの初回は「なぜ惹かれたのか?」という細やかな心情変化を、

納得出来るように描けるかどうかを重要視している私としては、

納得出来たどころか、2人にいつ"好き"という感情が芽生えるのか、

どんな風に進展して行くのかを

見守ってみたい気持ちにさせる作りになっていたのではないかと思います。

ホテルの店員もそうですが、合間合間のリズミカルな会話劇も面白く、

肩の力を抜いて見られる作品としても悪くありませんでした。

広瀬すずさんも近年は変わった役が続きますが、

噴水で顔を洗い、タオルで拭いて髪がボサボサになったままのカットが、

まるで期待の新人が現れたかのような透明感があって、魅力的な人物に映りました…。

 

半分、青い。」「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」を経て、

どうも主人公に脚本家のしたり顔が透けて見えてしまって(すみません…)

苦手意識を持っていたので、感想は初回のみにするつもりでいたんですが。

もしかしたら行けそう…?って事で、しばらく書き続けようかと思ってます。

 

 

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