2023年春ドラマ-あなたがしてくれなくても一覧

あなたがしてくれなくても 11話(最終回??) 感想|一番未練タラタラなのはフジかもしれない(汗)

 

 

本作を好意的に見ていた身として…まずはポジティブな事から書き始めます。

 

最終回で唯一上手いなぁと感心させられたのは、

心の声の有無で4人それぞれの心境の変化を表していた所でしょうか。

本作の特徴で挙げられるのは、やっぱり頻繁に盛り込まれたモノローグで、

本来誰かに気持ちを伝えるための手段である言葉を自分の中に押し込めていたのが、

全体に漂う苦しさや胸が締めつけられる想いに繋がっていたと思うんですね。

 

しかし…そのモノローグが最終回ではほぼなく、

唯一あったのは、締めの言葉の意味合いも兼ねた

「雨が上がっても、明日になっても、その向こうに何が見えるのかよく分からない」

「だから私は歩いて行く」のみち(奈緒)の2台詞だけ。

最後まで見て、何だかいつもよりカラッとした雰囲気だな…という

違和感の正体が分かってスッキリしたと同時に、

夫婦の時は晒け出せなかった本音を、離婚して以降はありのまま晒け出す4人の姿には、

夫婦・子供・セックス…といった様々なしがらみから

解放出来た喜びを物語っていたような気がします。

 

また、内容全体を通して言えば、分かりやすい悪役を登場させて引っ掻き回す事なく。

何やってるんだ…と思いつつも、自分にもどこか心当たりがあって

ついつい共感してしまいたくなる"人間の弱さ""ズルさ"や、そこから生まれるすれ違いを

描写するのに徹底していたのは、本作のこだわりが感じられて好きでした。

演出も含めて、"気持ち"の表現の仕方が繊細だった作品として記憶に残るとは思います。

 

後で冷静になってみて、どうしても特筆しておきたい!って所はそこくらい。

ここからはツッコミだらけの感想が続いて…

もう、最終回を一言でまとめるなら「なんそれ!」な印象が強かったですかね。

 

最も視聴者がモヤモヤしているであろう みちと陽一(永山瑛太)の元サヤについては、

個人的には、"楓の家政婦さん"扱いに耐えられず、夫婦らしい生活を送ってこれなかったのが

離婚のきっかけとなった新名家とは違って、みちと陽一にはまだ愛が残っているのは伝わるし。

近年のドラマはハッピーエンドが多くて

同じ放送枠の「純愛ディソナンス」の最終回も綺麗にまとまったくらいだから、

2人が何やかんやで元サヤに収まるんじゃないか…と想定はしていたんです。

だから、それ自体は否定はしません。

ただ問題なのは、2人がそう決心するまでの過程を端折り過ぎって話。

 

そもそも…子供を作るか作らないかの価値観の相違で、離婚を決意したんでしょ?

子供をどうするのかお互い考えて、話し合うシーンが挿入されていれば

再び…ってオチにも納得出来たかもしれませんが…

そこはなぁなぁなままで終わりにしたのが、消化不良感が満載でしたよね。

カフェで自分のダメな部分を打ち明けた事で、お互い割り切れたかな?と思いきや、

その流れで家で影絵をやってはしゃぐっていう展開にも、ついて行けませんでしたし。

いくら「してくれなくても、夫婦としてこれからも一緒に生きていきたい」を

表してそうなタイトルの表示のタイミングが洒落ていたとしても、

それまでがあまりにも強引過ぎました。

 

描写過程の雑さが影響したのか、新名(岩田剛典)がコイントスしたり、

元妻を挟んで歯が浮く言葉で口説いたりと、

急にヤバい奴と化してしまっていたのも気の毒で…(中の人が…)。

そして、2ヶ月後、9ヶ月後で時間経過させているんだから、

4人が割と頻繁に会う内容にしない方が自然だった気がします。

子供と面会する訳でもないのに、なんでそんなに会ってるの?って

見ていて疑問符が浮かびまくりでしたもん(笑)

どうしてもそうしたいんだったら、せめて、

みちも楓(田中みな実)も新たな環境で奮闘していて…陽一は独立のための準備をしていて…

それぞれ別の世界で"今"を忙しなく生きているから、再会しそうで中々再会しない…

という体で、序盤は進めてみたら良かったのかもしれません。

 

しかし、その肝心の「空白の期間」はなんと来週の特別編でやるそうで(汗)

しかも1時間での放送なので、だったら、最初から本編内に組み込んで

12話構成にする事も可能だったんじゃないでしょうかねぇ。

 

今期のフジテレビのドラマは月9も水10(※有料配信)も木10も特別編との事で…

最後に手厳しいかつ生意気な発言をしますが、

正直、好きで作品を見ている視聴者の善意に甘え過ぎだと思います。

大元を解決せず、明らかに"続き"を匂わせている作品もそうですが…

「最終回」と銘打ったのなら、そこできちんと完結させて欲しい。

「最終回」の定義について、改めて考え直していただきたいです。

※特別編の感想は、その日は外出先にいるため書く予定はありません…。

 

↓今までの感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 


あなたがしてくれなくても 5・6話 感想|悶々とした中でただ1人…

 

 

感想がかなり溜まっている上に、今から1話ずつ記事作成するのも大変なので

2話合体感想(&超簡単感想)とさせていただきますm(_ _)m

 

5話「何があっても傍にいるから…」

 

みち(奈緒)は立ち止まる人。新名(岩田剛典)は追う人。

楓(田中みな実)は追いかける人。

そして、陽一(永山瑛太)は置いていかれている人…ですかね。

それぞれの立ち位置が浮き彫りになった回だったと思います。

 

家庭パートが増えた楓については、そんなに仕事を早く切り上げられるんだったら

なんでもっと前からやらなかったのか…

今まで完全に新名の優しさに甘えていたよね…と思わなくもないですが、

個人的には、4人の中だったら彼女に一番同感出来るんですよねぇ。

人間、案外完璧な生き物じゃないっていうのはもちろん、

そもそも彼女だけ浮気していなくて、落ち度が低いっていうのもそうなんですけど(笑)

相手を落胆させたのを自覚して、このまま自分の元からいなくなってしまいそうな恐怖から

以前の信用を取り戻そうと張り切り過ぎてしまう心理は

私も経験した事があるので、彼女が急に家事に専念するようになるのもよ〜く分かるのです。

ちょっと違うかもしれませんが…親に怒られて冷たい態度を取られた子供が

泣きながら「もう〇〇しないから!」と説得するのとも似ているのかも?

 

また、みち→新名、新名→みち、楓→新名 で

3人が矢印が一方通行の三角関係を繰り広げている中、

陽一だけは人付き合いの根底である「人の気持ちを理解する」とは何なのか?に

向き合っていて、彼らとは同じ次元に立てていないかのような描写も

中々心に来るものがありました。

今回の陽一は、どちらかと言うと脇役の立ち回りに近くて。

それが暗喩的に、みちの彼に対しての気持ちの度合いを物語っていて

少し切なかったです…。(冒頭で「置いていかれている人」と例えたのもそのため)

 

そんな流れがあってからの、姉からの「子供を預かって欲しい」エピソード。

直前で新名家のすれ違いエピソードが描かれただけに、

みちと陽一が子供たちと楽しそうに過ごしている図が、

2人が無事に赤ちゃんを産んで、家族を作るという

未来や希望を映しているように思えたのは気のせいでしょうか。

 

姉の言葉が刺さって、ここから再生してくれると良いんですけども…

でも、まだ中間地点なのでまた一波乱はありそうです。

 

6話「燻る恋の炎…裏切りの告白!」

 

やってくれたなぁ…陽一(汗)

訴訟で傷ついている三島(さとうほなみ)に「俺、あいついないとダメだから」と言ったのも、

夫婦を続けて、みちを幸せにしなければいけないという義務感が滲み出ているようで

引っかかりは覚えていましたが、

「みちだけ」発言はもう…その重圧に押し潰されて出ちゃったって感じでしたね。

 

LINEに返信する時のモノローグは感情が死んでいるし、

旅館のパンフレットは無の表情で見ているし、

みちの言葉を後々反芻しては、どんどん気が重くなっているし…

今回は彼の負の心情がこちらにも乗り移ってくるようで、見ていて苦しかったです。

 

永山瑛太さんが「どうしようもない奴」を演じるのが上手いから、

みちと同じでつい魅力的に映ってしまうんですよねぇ。

やっぱり役者さんだなぁ…と思ったのは、終盤で陽一が食器洗いをしている際の手の動きで。

最初は普通に動かしていたのが、みちが旅館の話題を出した途端に

ちょっとずつちょっとずつ手の動きが鈍くなっていくのが、

今度は何言われるのか…と内心ビクついている陽一の心境を表しているようで

芸が細かいなぁと驚かされました。

 

前回に続き、4人のすれ違いは加速していき…

みちと新名がばったり会いそうで会わなかったのも、

実に「人生そう上手くいかないあるある」でもあり、ドラマチックな展開でもありましたね。

 

次回予告は楓とみちとの対面シーンで終わり。

田中みな実さんの低音ボイスを聞いたら興味が増す訳で…

いやはや、盛り上げどころを分かっていらっしゃる作りです(笑)

 

 

↓最終回の感想はこちら↓

 

↓前回(4話)の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 


あなたがしてくれなくても 4話 感想|人によって変わる"3分間"の体感

 

 

人間の感情というのはいかに移ろいやすく、曖昧で不器用なのか…

4人の心がすれ違っていく様を見ながら、そんな事を思ってしまいました。

 

最も印象的で、芸が細かいなぁと感じた所は、

カモミールティーを作る過程と、オリオン座の形に似た砂時計による3分間の体感の見せ方。

本作はその時の登場人物の抱える感情をあえて台詞では表さず、

まるで代弁してくれているかのような演出で

視聴者に想像を促す作りになっているのが魅力の1つではあるんですが、

今回もそれは健在で、適度なタイミングで差し込まれる

上記の2つの小道具のアップが効果的だった気がします。

相手と話せる時間が3分"も"あるのか。3分"しか"ないのか。

前までは「唯一会話が出来る時間」として楽しみにしていたカモミールティー作りの時間が、

自身の行為を突かれてからは「気まずい時間」に変わり、

その場から今すぐ逃げ出してしまいたくなった新名(岩田剛典)の心境だったり…

でも、みち(奈緒)と話している時は

砂時計の砂が完全に落ちるほど夢中になってしまったり…と、

誰といるかで3分間が長く感じる事があれば、

あっという間に感じる事もあるという対比の演出で

人間の生々しさを物語っているのが興味深かったです。

 

社員旅行のエピソードについては、2人部屋で組まれていたのが、女性社員の人数が奇数だから

みちだけ1人部屋に…の設定には、この後の見せ場ありきな気がして

都合の良さは感じましたし(あの広い部屋を1人か2人って、随分大盤振る舞いだなぁ…ともw)、

新名が女性部屋に入る所を北原(武田玲奈)に見られる可能性は十分に高いのに、

さらに押し倒したりなんかして、おいおいなんて無防備なんだ…とも思いましたが(笑)

まぁでも、あくまでも未遂で終わり、みちは目を潤ませて

まだ陽一(永山瑛太)への想いがある事が分かったのには一安心でした。

今まで感想に書きませんでしたが、個人的には、みちと新名の描写次第では

「昼顔」のスタッフが集まっているためか、

ただのしっとりした不倫ドラマの作風に成り果ててしまうんじゃないか…

という懸念点がちょっとあったのでね。

お互い相手への想いを募らせていて、その想いが交わったりもするんだけれども、

一線は超えない状態で留まらせたのは良かったです。

 

次回は、みちと楓(田中みな実)がいよいよ対面するそうで。

もし新名との浮気がバレたらどんな反応を見せるのか?

中の人が田中みな実さんとなると、何かあるんじゃないかと

ドキドキ、ソワソワしてしまう自分がいます…。

 

↓前回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 


あなたがしてくれなくても 3話 感想|解決策が離婚しかない…って所まで来てる2組

 

 

回を重ねるごとに深みが増してますねぇ…。

内容の多くの割合をモノローグで占めているのが効いています。

登場人物それぞれに共感出来る所もあれば、共感しにくい所もあって。

何と言うか、極端に善人・悪人ではないどっちつかずな描写が

人間の"リアル"を引き立たせているんですよね。

 

例えば、楓(田中みな実)は毎日仕事に追われている事から

まさに「『心を亡くす』と書いて『忙』」の人と化していて、

新名(岩田剛典)への短文かつ素っ気なさそうに見えるLINEメッセージや、

返事が来た時の第一文で「良かった。心配した。」ではなく「仕事は?」と返す辺りに

彼女の余裕のなさが表れてしまっています。

で…陽一(永山瑛太)の場合は、昔はみち(奈緒)の作る料理なら

焦げたオムライスであろうが愛おしいと思えていたはずが、

今では自分のために、綺麗なオムライスを用意してくれた彼女の配慮にも

ちっとも目もくれない状態です。

 

もう十分に思いやれないのであれば、

離婚した方がお互いのためなのではないか?と思えてしまうんですが、

そんな簡単なものでもないんでしょうね。

ノローグを通して分かるのは…

陽一も楓も今の自分のパートナーへの接し方に後悔しており、

罪悪感や自己嫌悪感を抱えながら生きているという事。

つまり、夫婦生活を諦めたくない、当時のような関係性に戻りたい意思があるとも言えて、

そうなって来ると、憎もうにも憎めないんです。

 

少しでもその意思があるから、陽一はみちの看病で、楓は新名をご飯に誘う形で

何とか名誉挽回しようとするんですが…

人間関係というのはやっぱり複雑なもので、

優しさもタイミング次第では、相手からしたら"罪滅ぼし"や"義務感"に捉えられてしまう

終盤の展開にはやるせない気持ちにさせられました。

 

取り扱っている題材が題材なので、事前にスルーされた方も多いかもしれませんが。

新名も言っていたように、夫婦で体を重ねれば"愛"が証明出来るのかと言ったらそうではなく、

コミュニケーション不足で、相手の気持ちや夫婦観を理解していないのが一番の問題だと…

そんな、全ての夫婦に当てはまる悩みに切り込んだ作品なんだと改めて思います。

 

 

↓次回の感想はこちら↓

 

↓前回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 


あなたがしてくれなくても 2話 感想|"譲れないもの"が夫婦の関係にヒビを入れる

 

 

前回の数々のエピソードを振り返りながら、

今回は新名(岩田剛典)のモノローグで物語が始まるんですね。

こういう、1つの物事を様々な視点で描く事で、登場人物や話に深みを持たせていく手法…

自分が考えていたのとは違った新たな"気づき"を得られたり、

作品の持つ世界観と見ている側で距離が縮まっていく感覚を覚えたりして、好きなんですよねぇ。

 

それで言うと、新名のモノローグの中でも一番印象に残ったのは、

桜の咲く場所で新名がみち(奈緒)を誘ったものの、

結局その誘った本人が会いに行くのをやめたシーン。

視聴当時は、もしかしたら彼女なら

自分の抱える夫婦での悩みも分かってくれるんじゃないかと期待しつつ、

いざ約束の日になったら、妻のいる自分がまだ接して間もない部下と2人きりで

デリケートな話をしようとするなんて…とふと我に返って

あの行動に至ったのかな?なんて思って見ていましたが、実際は少し違っていて。

「口に出したら本当の事になってしまう」から

打ち明けようか、打ち明けまいかで葛藤していたのだと分かって、

何だか視界が開けたようでした。

 

内容自体は…今回は4人それぞれが独自に抱える「どうしても譲れないもの」

描かれた回だった気がします。

例えば、新名だったら、夫婦2人で過ごせる時間をたった3分でも探して見つけては

仕事に励む楓(田中みな実)を支える、

彼女にとっての心の拠り所的な存在でありたいという理想。

楓だったら、夫がいながらも仕事はまだまだ続けていきたい、

キャリアプランをしっかり立てていきたいという想い。

みちだったら、陽一(永山瑛太)が愛してくれるのは自分で、

これからも夫でいてくれるのだと実感したいという切実な気持ち。

そして、陽一だったら、「自分らしく、正直に生きていきたい」という信念…。

前回に引き続き、4人の人となりが少しずつ明らかになっていきました。

 

それぞれの「譲れないもの」が何なのかを浮き上がらせるために、

新名の母・幸恵(大塚寧々)や楓の職場の編集長・川上(MEGUMI)、

三島(さとうほなみ)など、自分のあり方の基盤になっていたり、

影響を受けたりする人物とのエピソードが個々で用意されていたのも良かったですね。

そのエピソードを積み重ねたお陰で、2組の夫婦が上手くいかない原因が見えてきて

考えさせられるようでしたし。

それに、お互い"人生のパートナー"として大事に想っている所は共通していても、

「譲れないもの」に強くこだわっているがために、

夫婦関係に入ったほんの少しのヒビが、どんどん深くなって夫婦崩壊を招いてしまう…

というのがじっくり描写されていたと思います。

 

また、前回の感想でも、小物を使っての演出について触れましたが、

今回は「相手に残す(残した)もの」が何かで

対比をきかせているかのような見せ方に引き込まれましたねぇ。

新名が楓の記憶に残そうとして渡したものは、楓の好きな色や花言葉を考えたりして

一生懸命花を選んだオリジナルの花束で、

陽一が無意識に残してしまったのは、椅子で脱ぎっぱなしで放置されていた片方の靴下。

花束から漂う華やかさは、これからも楓を支えていきたいと

前向きに考える新名そのものでしたし、

靴下は片方が放置された状態だと、妙にヘナヘナで、脱力感を覚えるもので…(泣)

まるで孤独になりつつあるみちの心境を表しているみたいで

不思議と切ない気持ちにさせられました。

 

で、花束は花束で、そこも対比をとっていた訳ですが、

陽一が買った花束はいかにも「スーパーで慌てて買ってきた」感満載で、

さらにあの場でシールをベリっと剥がす所のアップなんかは…

何とか罪滅ぼしをしようとしているのが顕著に伝わってきましたね。

 

全てではないものの、今回では新名の視点が描かれたので、

陽一と楓の残り2人の背景に触れる回も必ずやってくるでしょう。

しかし、夜景を目に焼き付けて思い出し泣きしているともとれるシーンで、

三島もただのあざとい人物では終わらないのかなぁ…とも思えたり。

彼女の場合は行為が行為なので、強く共感までは行かなさそうですが、

ちょっとでも見方が変わる時が訪れるのかもしれませんね。

 

 

↓次回の感想はこちら↓

 

↓前回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 


あなたがしてくれなくても 1話 感想|恐らく、夫婦にとっては避けて通れない話

 

 

不倫モノやドロドロした作風には食指が動かなくなってきているため、

「昼顔」スタッフが再集結!という売り文句を聞いて、

(扱うテーマは違うとは言え)あまり惹かれない作品になってしまうのではないか…と

内心不安に思っていた本作。

ところが、いざ視聴してみると、体感的にはあっという間で。

何と言うか…話が進んでいくごとに、良い意味でウズウズやモヤモヤといった

感情が蓄積されていって、この4人が抱えているものは何なのかを知りたい気持ちにさせる、

そんな吸引力を感じさせる初回でした。

 

個人的に凄く良かった所は、心情変化の描き方。

最近いろんなドラマを見ていると、感情の起伏が激しい登場人物も決して少なくなくて、

「えっなんでそんな急に!?」とついて行けなくなって

物語にのめり込めなくなる事も度々あった分、

本作はパートナーと一緒にいての"気まずさ"だったり、"むず痒さ"だったり、

そういった繊細な空気感がナチュラルに表現されている気がしました。

また、台詞の間の取り方や対話のテンポも絶妙なんですよねぇ。

陽一(永山瑛太)との関わりを通して描かれるみち(奈緒)の心の声が

随所に散りばめられているから、

彼女の想いを無視したド直球な言葉を投げかける陽一のシーンや

もう何もかも放棄したくなった終盤のみちのシーンがグサッと刺さると言いますか…。

お互い幸せだった日常から一転、本題に踏み込めば踏み込むほど崩壊してしまう

2人の関係性をじっくり描いていたと思います。

 

そして、2人の関係性とキーケース、みちの心境と桜…で、

登場人物に小道具を絡ませているのも良いなぁと。

前者で言えば、趣味が合わなくても色褪せるまで使っていたのは

それだけ夫を愛していたという証拠にもなるし、

ボロボロになってとうとう使い物にならなくなったキーケースは

2人の間に亀裂が入る状態とシンクロ…

で、陽一は同じ物を手に入れ、みちはネットで女性受けしやすい

鮮やかでツルッとした物を頼もうとしている所なんかは、

まさに"すれ違い"を表しているんですよね。

 

一方…後者で言えば、

昼の時間帯の桜では、ただ目の前にいる大好きな人の事を考えて充実してそうなみち、

夜の時間帯の桜では、心の奥底にズ〜ンとした暗さや重さを抱えたみちの様子を描いて、

意図的に区別している気もして。

あと…これは本当に独りよがりな捉え方かもしれませんし、

上手く伝わるかどうか分かりませんが(汗)

桜の木が描かれたパズルで唯一欠けているピースは

「逃げるのが上手い」陽一であるかのように見せてから、

ラストシーンでみちが目にしたものが、新名(岩田剛典)にハグされている時の

たった1枚の花びらだった事から、

新名は今後、1ピース欠けたパズルのようにぽっかりと心の空いたみちの孤独を

"理解者"として違う形で補ってくれる存在になるのでは…?ともとれそうな

暗喩表現が施されていたのも、個人的には印象に残りました。

まぁここは、演出の効果が大きいですね。

 

話している相手をじーっと見る奈緒さんに対して、

時々相手の目を見ているようで、完全に見切れていないような

曖昧な視線を送りながら話す瑛太さんの表情の対比もさる事ながら。

カミングアウトした時だけは引きの映像で、しかも表情は全く映さない形で、

彼の話している事は事実なのか…?やっぱり嘘なのか…?と視聴者に考えさせる

余韻の生み出し方も秀逸でした。(私は事実かな?とは思いますが。)

 

ああ…書き残したい事が多過ぎて、

つい「これ言いたい!あれ言いたい!」なまとまりのない感想になってしまいました(苦笑)

初回を見た感じだと、同じ木曜劇場の「純愛ディソナンス」「silent」に続いて、

本作もまた、演出や演技をもう一度味わって新たな発見をしたい…と

思わせてくれる作品になりそうです。

 

そして、結婚にはまだまだ程遠い私からしたら、身近とは言えないテーマではあるんですけど、

だからこそ、新鮮で学びの多い作品にもなりそうだと。

私としては…多様性を描く上でよく取り上げられている「子供を産む・産まない問題」以上に、

避けては通れない話なんじゃないかと思いました。

産むのであれば、必須になるだろうし。

産まずに夫婦2人で暮らし続ける場合でも、

愛情表現で何が重要かはお互いで価値観が違ってくるかもしれないし。

「何でこの時間帯に放送したんだ」「不快だ」という声もある中での本作の放送…

"不倫モノ"で終わらない、最後まで軸のブレない仕上がりになる事を期待しております。

 

↓次回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ