2024年春ドラマ-燕は戻ってこない一覧

燕は戻ってこない 5話 感想|リキの暴走が止まらない!

 

 

や、やばい……凄い…………w

ダイキ(森崎ウィン)の子供を身籠ってしまうのでは?という予想を超えて、

展開がカオス過ぎて口が開きっぱなし。

戸次重幸さん、よくあの役を引き受けられたなぁ。

心を殺して挑まないと無理でしょう、あのシーンは…(笑)

日高(戸次重幸)の「あお〜〜ん」という獣のような喘ぎ声はかなりクレイジーでしたけど、

それがリキ(石橋静河)の「もうどうにでもなれ!」とでも言いそうな

若さゆえの暴走や衝動とリンクしていて目が離せませんでした。

 

でもね…最後まで見ていて、不思議とリキを怒れはしなかったんですよ。

いや、そりゃあ、依頼主の赤ちゃんを産む契約を結んでいるのに

他の男性とするのはもちろんアウトではあるんですけど(汗)

ただ、基(稲垣吾郎)からの長文メールが送られてきたときに、

ちょっとハッとさせられた自分もいるのです。

チラッと見えたのが、「いつも居所は承知していたいので」の一文。

これって、実際拘束しているようなもんじゃないですか。

体は確かに大事にして欲しいけど、こんなに縛りつける必要があるのかどうか。

おまけに「辛い妊活を毎月耐えろ」「酒を飲むな」「タバコを吸うな」「遠出はするな」

制約・命令の連続でうんざりしちゃいますよねぇ。

リキの視点に立って考えてみたら…まぁ、自分で選んだ道とは言え、

自分ばかり「〜するな」と命じられて窮屈な想いをし、

男性の方はただ精子を渡すだけでそこまでの苦労や痛みはない。

メールのシーンが来るまでは、正直、基側の意見に寄りがちだったけれども、

なんで私だけ…とヤケになってしまう彼女には、少し同情してしまいました。

 

世界で認められている実際の代理出産も、

きっとこうして富裕層が貧困層に子供を産ませるケースが多いのかもしれません。

何と言うか…デリケートな箇所を売買しているビジネスが存在している事、

その発案者自体に嫌気が差してきますね。

 

「ここにあるのはただ雪と…過去だけ」

「私はもうあなたたちが知らない世界を生きてる」

もう故郷〈過去の自分〉とは決別するつもりでやってきたリキに出てくる食べ物が

ジンギスカン石狩鍋といった郷土料理なのが、

佳子(富田靖子)がかけたある種の呪いにも通じていて、

一生この世界から逃れられないよ…という皮肉が効いていてニクかったですね。

 

そして、もう1つニクいと言うか…今回見ていて気づいたのは、青沼(朴璐美)の映し方。

青沼という名前の割に、当たっている照明は赤なんですよね。

席にもたれかかってため息をついている後ろには、水槽がブクブクと泡を立てている。

1話のときにはその水槽は、片足を突っ込んだらもう二度と抜け出せなくなる

地獄を表しているように思えたのですが、

今回は(多分今までもだったのかも?)赤の照明と相まって、

ふつふつと込み上げる青沼自身の怒りにも捉えられて、より恐怖に感じられました。

物語の衝撃度があまりにも大きいので、

感想もつい物語に沿ったものになってしまうのですが…

それは演出による効果も大きいんですよね。

 

終盤では「さーて、誰の子でしょう?」状態になってしまったリキ。

お墓のカットで思ったのは…この例えは変かもしれませんが、"命=生"を扱っているのに、

リキも、このまま離婚の形になってしまいそうな悠子(内田有紀)も、

代理出産を選んだ事によって自由や幸せを失うという意味での

"死"に向かっている気がしてなりませんねぇ。

 

↓前回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 

 


燕は戻ってこない 4話 感想|誰にも幸せが訪れる気がしない…

 

 

ダイキ(森崎ウィン)としている時のリキ(石橋静河)…

人の温もりを大事に大事に噛み締めているかのような表情を浮かべていたなぁ。

その後の笑顔も。初めて見ましたよ…リキのあんな心からの笑顔。

彼女が求めていたのは、自分を想ってくれている人からの愛情だったんですね。

サービスを通して出会ったという状況さえ除けば、2人とも恋人同士に見えましたしね。

 

でも、ダイキは確かに優しい人に見えたし、自身と重なる部分もあったから

あの接し方だったんだろうというのは分かるんですけど、

彼はあくまでもその手の"プロ"だから…

心が弱っている時にかける言葉選びは得意なんじゃないかと

あまり信用出来ない自分もいるのです。

リキはお金をはたいて幸せを手に入れられたけど、"お金で作られた関係"にまでならないと

彼女の望みが叶わないという事実が、何とも切なくなります。

 

一方で、お金だけが全てじゃないとか、この世で大切なのはお金よりも愛だとか

そんな話もたまに聞きますが、

リキを見ていると、お金を払えば大抵は幸せになれるんだろうな…とも思います。

しかし、草桶夫婦の場合はどうでしょう。

彼らの場合は、あの義母・千味子(黒木瞳)がいる限り、大金を払って赤ちゃんが産まれても

不幸のルートまっしぐらなんじゃないかな…という気がしています。

 

千味子の「産ませるあなたも、相当よね」発言もきっつぅ…とは感じましたが、

確かにそうなんですよねぇ。

こそこそ取引を進めていたなら別ですが、

悠子(内田有紀)も了承した上で行っているんですから。

その了承した契約が「代理出産」。

契約条項を見ていたら、なぜ日本で承認されていないのかがよく分かります。

こんなヤバい事に手を出そうとしているのか…と、冷静な気持ちになってしまいました。

 

そこから考えると…代理出産を引き受けるリキも、

その力を借りてまで自分の遺伝子を持った子供にこだわろうとする基(稲垣吾郎)も、

赤ちゃんを「モノ」「ランク」で捉える千味子も。

悠子関連でもう1つ付け加えるなら、かつて略奪愛をした過去があるのも…

みんな完全に肩入れ出来ないように描いていると思います。

誰か1人でも肩入れしたら、代理出産を肯定する事にもなってしまいますからね。

そこの匙加減が効いています。

 

リキはこのまま大輝と関係を持ってしまうのか…と思ったら、

まさかの不妊続きで、悠子の助言を機に帰省してしまうとは。

ちょっとこの展開は予想してませんでした。

次回予告では、元職場の元愛人と再会してますし。

人工授精期間ではないものの、既に他の誰かとしてしまっているし、

平気で口外していて…とにかく条件破りまくりのリキ。

彼女はあの時"だけ"は幸せになれても、

今までした行為が後になって帰ってくるんじゃないかとソワソワしております。

 

いやぁ、どうなっちゃうんでしょう。

面白いって言っちゃうのはなんか違いますよね。

次回から波乱の始まりになりそう…。

 

 

↓次回の感想はこちら↓

 

↓前回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 


燕は戻ってこない 3話 感想|生活が一変したリキと、腹を括る悠子。

 

 

悠子の友人・りりこ(中村優子)…

聞かれたら恥ずかしい事を大声で話すなんてデリカシーなさ過ぎる…

で、自分の仕事を売るための戦略の一環なのかい…と

彼女の事を少し引いたような目で見ていたんですけど、

まさか、悠子(内田有紀)には刺さる出来事だったとはなぁ。

私とは真逆の捉え方で、今回、そこが一番興味深かったですね。

 

基(稲垣吾郎)が自分の遺伝子を残そうとしていたのも、

きっかけは悠子の「あなたの子供を産みたい」から来ていた事が分かる。

最初は代理母に産んでもらった子供を育てるのに抵抗感があった悠子が、りりこの話を聞いて

「人間の数だけ性も欲望もいろんな形があるのよね。

だったら生殖もそうでしょ?正解なんてない。」「これが私の生殖行為なの」

と決意をする時の目つきには魅せられ、確かな説得力がありました。

…にしても、プライム帯で聞くには凄いワードですけどね(笑)

 

リキ(石橋静河)の方は、沼からどんどん抜け出せなくなりそうな恐怖を

静か〜〜に感じさせるんですよねぇ。

生活費がカツカツで幸せを喉から手が出るほど欲していた彼女に突然渡された大金。

そりゃあ、贅沢したくなっちゃうよなぁ…とは思います。

美味しそうな惣菜やスイーツに目が眩み、佳子(富田靖子)の葬式用の資金が

頭からすっぽり抜け落ちてしまうのは…

多分、私がリキと同じ立場でもそうなってしまうかもしれません。

 

女としての生き甲斐を初めて見出せそうなリキだけれども。

でもね…どうも、素直に「良かったね」とは言えないんです。

と言うのも、セクハラおじさんを引き下がらせたあの時の姿が一瞬別人のように見えたから。

 

彼女を強くさせたのは「お金」と「代理母」。

通常だったら、あんな人に絡まれたら大抵の女性は心の傷を一生背負ってしまう訳で、

彼女を守ってくれているものが、少し非現実なものであるという事実に

ちょっと身震いしてしまうのです。

 

義母・千味子(黒木瞳)は代理出産に関して「クーリングオフ出来るの?」と言うし、

テル(伊藤万理華)はリキに、プロの手を借りたら?なんてサービスを勧めてしまう。

命に対する価値観はこんなにも違うもんなんだ…というのを

覗き見しているかのような面白さがありますね。

 

終盤は…リキはなんと、アプリで知り合ったダイキ(森崎ウィン)と出会う事に。

この人の子供を身籠らないか心配なんですけど(汗)

代理出産」という未知な題材だけに、それぞれの今後がどうなってしまうのかと、

ちょっと怖いもの見たさで見てもいます。

 

 

↓次回の感想はこちら↓

 

↓前回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 


燕は戻ってこない 2話 感想|将軍的発想の基が怖面白い…

 

 

回想の多さがちょっと気になりましたね。

理紀(石橋静河)の実家帰省のエピソードに、草桶夫婦が一線を超えるエピソードに、

さらには、理紀が5年前に勤めていたコインランドリーで出会った日高(戸次重幸)と

ラブホに行くエピソードから、男性とやった時のエピソードまで…

ここまで「過去」が描かれるとは、思ってもみなかったです。

 

何度か書いていますが、過去の話に尺を多く取ると

現在進行形で進んでいる話の流れが遮られているような感じがして、

早く先の話が見たいと、もどかしい気持ちにさせられてしまうのです。

で…なんで私が「回想を盛り込む事」を好意的に捉えられないのか改めて考えてみたら…

登場人物の"物語"ではなく、視聴者に「そんな事があったんだ〜」と思わせる

"設定"を描いているに過ぎないから…というのもあるのかもしれません。

最近は(というか今期も)、台詞で済ませれば良いような事まで

わざわざ映像化するドラマもよく見かけますからね。

 

まぁ、本作はまだ2話の段階ですし、今回の終盤にあったように、

代理母の契約で理紀と草桶夫婦が出会ってからが本格的なスタートにはなるでしょうから、

上記のドラマのように、時間軸の行き来を頻繁に行う形で

「過去をじっくり見せて、物語を描いている錯覚を与える」作品にはならないと思いますが。

とにかく、回想で掘り下げるよりも「現在」の話を見たいし、

進めて欲しいな…と願ってます。

せめて、初回の序盤のシーンからプランテに入るまでをチラ見せしてから、

あとは時系列に沿って、叔母の佳子(富田靖子)の発言に影響を受け実家を出て、

今の職場で紆余曲折あって、テル(伊藤万理華)から紹介される…

という流れで描いても良かったのかも?

 

とは言え、気になった所はそこだけで、今回も全体的に興味深く見られました。

基(稲垣吾郎)は前回の感想でも、イマイチ妻を思いやれていない旨を書いていましたが、

どことなく漂う冷淡な印象が、今回で顕著になったと言いますか。

何と言うか…戦国時代の将軍的発想なんですよねぇ。

とにかく自分の遺伝子を残したい。

自分と同じバレエの血を引いていなければ、子供を産む事自体にも意味がない。

これ、「2人の子供を作りたい」じゃなくて、

将軍の跡取りを残すために子作りしているのと同じような気がするんです(汗)

「自分のDNA」にこだわる彼の姿からは、悠子(内田有紀)への想いは一切感じられなくて。

現代では子供を作る選択を取らない夫婦もいるだけに、

こんな考えの人もいるのかとゾワっとさせられました…。

 

子供の話をする時に、卵を割って調理をし始める基。

テルも同じく、卵子の話をしながら彼氏の作ってくれた目玉焼きを食べる。

2人にとって「子供を作る事」は何も特別なものではなくて、

日常で当たり前のように使われている卵と同等の認識でいるんだな…

というのが分かる比喩表現は、今回も鋭い切り口でしたね。

 

代理母の契約を交わすであろう次回から、物語が前進する事を期待しております。

 

 

↓次回の感想はこちら↓

 

↓前回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 


燕は戻ってこない 1話 感想|追い詰められている女性たちが縋るもの

 

 

こ、怖面白かった…。

ストレートな怖さも、じわじわ襲ってくる怖さも、どちらも味わった初回でした。

 

後者のように感じた一因としては…本作で描かれる女性たちが、

・家賃や生活費を払うのに精一杯で、派遣の雇い止めも間近に迫っているリキ(石橋静河

奨学金返済のために、風俗で働くテル(伊藤万理華

・義母や夫から、子供を産むよう急かされている悠子(内田有紀

と、常に"何か"に追い詰められている所が共通点になっているんですよね。

そこから来る圧迫感が、見ている側の私も苦しい気持ちにさせられるというか…

後に恐怖に繋がったんだと思ってます。

 

そんな彼女たちとは反対に、男性はどこか自分本位の人物に描かれているのも特徴的です。

例えば…リキに嫌がらせをしてくる隣人・平岡(酒向芳)は、

朝からそんな事が出来る余裕があるくらいですから、

恐らく年金暮らしで暇を持て余しているのかもしれない。

そして、悠子の夫・基(稲垣吾郎)も知的で妻想いに見えるようで、

実は義母の意見に流されているだけであんまり寄り添えてはおらず、

ペットのネーミングからしても、単に「バレエダンサーである自分の血を引き継ぐ子」が

欲しいとしか考えていないのです。

 

追い詰められた結果、リキは「プランテ」に尋ねてみるんですが、

彼女がいつも薄暗い部屋で生活していた分、あの施設の入口までの通路が妙に明るくて、

それが「この道を歩けばあなたは幸せになれますよ」と示しているかのようで…。

中に入ればどピンクの服を着た女性がいて、

会話をしている最中には、バックの水槽の泡がブクブクと音を鳴らしていて…

もしかして、騙されるのでは?一度足を突っ込んだらもう抜け出せなくなるのでは?

と不安にも思えてしまうんですよね。

 

この物語の女性たちは、鮮やかで色とりどりのサラダやミックスサンドのような

充実した生活は送れていない。

食べ物と人物のリンクのさせ方も、おお?これは何を表現しているんだろう?と

目を引いてしまいます。

冒頭で映されたゆで卵も、ブチュッと生々しい音を立てるスクランブルエッグも…

食べ物を美味しそうに映すドラマがここ最近散見されただけに、

あそこまで美味しくなさそうに映すドラマは結構新鮮です(笑)

 

黒木瞳さんに朴璐美さん、今回は登場されなかった富田靖子さんと

主要人物を囲うキャストもかなり強烈。逃げ道がなさそうですよね。

 

代理出産」がどうしてもセンシティブな題材なので…

ややエンタメに脚色し過ぎかな?と思わなくもないですが。

とりあえず、初回は興味深く見られました。

最終的にどんな形に収まるのか、楽しみです。

 

 

↓次回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ