2024年秋ドラマ-嘘解きレトリック一覧

嘘解きレトリック 4話 感想|横溝正史風の事件はまた来週

 

 

やけに掘り下げるな…展開が遅いな…と思っていたら、やっぱり前後編でしたね。

本作は昭和初期が舞台という事で、小道具や着物、セットなどコストがかかるでしょうし。

特に今回の場合は異質さを際立たせるために、数々の人形を揃えたり、

人形のような格好をした品子(片岡凛)でいかにミステリアスな印象を与えるかで

フィッティングにもかなりの時間を要しているでしょうから、

その緻密な世界観作りに合わせて、前後編でお届けしようという事なのかもしれません。

 

でも、前後編だと大体は間延びを感じてしまうものですが、

本作の場合は特にそれがなかったですね。

世界観ももちろんなんですが…演出が一番大きいんだと思います。

今回の演出家は「ラジエーションハウス」「元彼の遺言状」の鈴木雅之さん。

前半に出てきたモノクロ調の回想で、殺鼠剤入りの食事を食べたらしい人形(人間?)が

倒れていた様子を中心軸にして真上から撮るシーンの時点で、もろ分かりやすかったです。

そう…鈴木さんの演出って、食べ物の撮り方が独特なんですよね。複数の人物の映し方も。

何度もそのカットが挟み込まれるので、個人的には「どう?変わってるでしょう?」と

言われているようで、ちょっと鬱陶しいなと今までは思っていて(すみません)、

比較的苦手な演出家ではあったんですけど…

今回に至っては、鈴木さんらしいシンメトリーな構図が

横溝正史風の話とマッチしていて、不気味さや奇妙さを引き立てていて

まるで2人が異世界に入り込んだ気分にもさせられたのです。

西谷弘さんとも、永山耕三さんともまた違う画作りです。

原作実写化作品で、題材に合わせて演出家の個性をしっかり活かそうとしているのだという

制作陣の意思も感じさせました。

 

そして、人形屋敷という事で、オカルトの雰囲気を漂わせているので、

下手したら今期放送中の「全領域異常解決室」の案件に思えなくもありません。

…しかし、本作"らしさ"は忘れず。

鹿乃子(松本穂香)が品子を思わず自分と重ねてしまう人情深さや、

肩入れしかけた所で初めて嘘の声が聞こえた動揺。

品子のついた嘘をきっかけに、左右馬(鈴鹿央士)と一緒に

何が「良い嘘」で何が「悪い嘘」なのかの定義を語り合うシーンと、

本作でしか書けない要素も練り込まれていたと思います。

 

来週に続く話なので、私が書ける感想はここまででしょうか。

いつもなら頻りに嘘の音が鳴る分、今回はあの一言が来るまで全然鳴らなかったので

全容や品子自身が中々掴みづらいですね。

とりあえず、備忘録がわりに、気になった点を箇条書きにするなら…

・健康状態が原因で進まざるを得なくなった道に恨みがある様子のイネの兄

・柴田(佐戸井けん太)の去り際の言葉「今のお話以上に話す事もありませんので」

・品子は三つ子以上の子供か、多重人格か

で、品子の発言で判明しているのは…

・双子ではない

・薬入りの食べ物で倒れていたのは人形

・亡くなったイネ(松浦りょう)は人形を持ち出していた

・イネは事故か他殺の可能性がある

こんな感じでしょうか。

あとは結末次第…楽しみです。

(ただ、来週は外出しているので、感想は遅くなります(汗)一応お知らせ。)

 

↓前回の感想はこちら↓

 

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嘘解きレトリック 3話 感想|優しい嘘と絆を深める嘘

 

 

おっ…手書き文字の件について、ちゃんと触れてくれました。

嘘か本当かは声で判別出来ても、文字や音では判別が出来ないらしいです。

前回、鹿乃子(松本穂香)が母から送られてきた手紙を読んでいるシーンで、

そう言えば、手書き文字でも嘘って見分けつくもんなのかな?とふと疑問に思っていたので、

早い段階で不明瞭な部分を解決してくれたのはありがたい。

「思い込みや勘違いでも、その人が嘘だと思っていない事は嘘に聞こえない」

これ、今後の鍵になって行きそうですよね…。

 

ここ最近は「1話完結型」とうたいつつ、実際に蓋を開けてみたら

初回から"縦軸"がある事を匂わせていて、意味深な登場人物や思わせぶりな演出などで

1話完結型の本来の良さが損なわれがちなドラマも時々散見されるだけに、

本作は、見逃しちゃって今回から初めて見るという視聴者にも

親切な仕上がりになっている所が好感が持てます。

例えば、冒頭で書いた嘘の検証の他にも、鹿乃子には特別な能力がある事、

左右馬(鈴鹿央士)が居場所をくれた事を鹿乃子のモノローグで簡潔に説明がなされていますし、

嘘だと分からせる時の合図では、指を組むポーズが必ずアップで映されています。

そして、これでもかというほど、嘘の音も頻繁に流れる。

反対に、九十九焼のエピソードで、左右馬がいかに洞察力に長けた人物かも描かれました。

「ああ、この2人はこういう人なんだな」と理解しやすいと思います。

 

でも、3話になっても初期設定を描いていると言うとそうではなくて。

初回から見続けている視聴者にとっては、鹿乃子(と彼女の能力)をもっと理解したいという

左右馬の好奇心で、2人の距離が縮まっていく過程に微笑ましささえ感じますし、

最初は能力がバレる事をためらっていた鹿乃子が徐々に心を開いていく変化が

嬉しく思えたりするんですよね。

 

今回のキーワードは「嘘」。

あれだけ鋭い人が、まさか鹿乃子が自分の嘘に気づいた事を分からないはずがないし、

質屋に持って行かせるお皿の包み紙を、うっかりあの紙にしちゃったという

ヘマはやらかさないと思っていたので、

端崎(味方良介)に傷ついて欲しくない事情があって、

後は何か意図があるんだろう…とは読めてしまいましたが、

実は鹿乃子の事を、彼女が想う以上にこんなにも想っていたという

後半の"真相解明"展開には、さらに裏があったのかと惹きつけられるものがありました。

 

嘘をついていたのは馨にと言うより…で

そよ風でゆらゆら揺れている満月が映る池のカットに切り替わる所は、

鹿乃子の左右馬に対する気持ちの変化の始まりを暗示しているかのようで、実にロマンチック。

「1人でぐるぐる悩まないでよ。君はもう、1人じゃないんだから。」

「一緒にいるから悩むんだからさ!…一緒に抱えるよ。」

左右馬のこの言葉は頼もしくて、それはもう、惚れてまうやろ案件だったんですが、

鹿乃子の「月が綺麗ですね」という最後の言葉も、

自分を受け入れ寄り添ってくれる彼への信頼や安らぎが垣間見えてほっこりするのです。

左右馬は一瞬動揺するものの…

それに対する「月見そば、食べて帰ろっか。」の返しもとっても粋。

月9らしい胸キュン要素がここに全て詰まっていましたが、

まぁ…多少の願望も含まれているのかもしれませんが、

個人的には"恋人"の関係を飛び越えて、

険しい道も共にする"伴侶"の関係になっていくのでは?という期待感を抱かせてくれました。

 

何の予告もなく3話の感想をヌルッと上げる形となりましたが、

本当は2話の感想も書きたかったんですよねぇ。

その時は月10の初回感想を優先していて、

秋ドラマの感想が溜まり過ぎてしまう前に(もう既に投稿に時差がありますが(苦笑))

本作は視聴のみにしようと初回の時点で決めていたんですね。

でも、2話の、どこか平成の休日ゴールデン帯のアニメを思わせるチャーミングなオチを見て

やっぱり書きたい!と迷い始めて、都合で結局書けずじまいで、

諦めようかと思いながら3話を見たんですが…

好きなドラマだから書こうという決断に至りました(笑)

とにかく、2人が可愛らしくて、癒されて、温かい世界で包まれている本作。

そんな訳で…感想執筆は復活させる事にします。

あ、でも、現在(10/27)は火10の3話の感想がまだ途中なので、

明日の最新話の感想は遅れるかもしれませんし。

次の投稿がどちらになるかは、ちょっとまだ未定です。

 

 

↓次回の感想はこちら↓

 

↓初回の感想はこちら↓

 

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嘘解きレトリック 1話 感想|月9はこれで良い…と思わせてくれた初回。

 

 

意外と悪くなかった…というのが見終わっての感想。

昭和初期の街が舞台なので、もう少し安っぽいセットになってしまうのかと思いきや

朝ドラや2時間SPドラマ並にきちんと作られていて、着物や小物にもこだわりが感じられますし。

ここで時間稼いでる?みたいなシーンは一部あったにしても、拡大放送している割に

間延び感もありませんでした。

 

肝心の謎解きはまだ本格的にとは行かず、

2人の出会いから鹿乃子(松本穂香)が探偵助手になるまでが今回の内容だったのですが、

そこは初回なので。

初期設定・状況紹介を曖昧にしたまま進むドラマや、

3話くらいまでダラダラと続けるドラマがある事を考えると、

バックグラウンドや出会いを中心に描いて「プロローグ」に振り切るという

徹底ぶりもアリだと思います。

 

ただ一方で、その構成が原因の1つだったのかもしれませんが…

W主演なのに2人の描写のバランスに偏りがあったのは気になったかな?

公式サイトによると、鋭い観察眼を持つ貧乏探偵の左右馬(鈴鹿央士)と、

嘘を聞き分けられる能力者の鹿乃子という異色コンビが難事件を解決していく

レトロ・ミステリーだと書かれています。

となると、初回の内容を踏まえても

推理力に長けているのは左右馬で、探偵事務所も構えていて、

特殊能力を受け入れてもらい初めて居場所が出来た鹿乃子は

あくまでも事件を解決へと導く補助的な立ち位置になると思うんですが、

鹿乃子と特殊能力を強調した話になっていたために、

あまりミステリーには見えなかったのは引っかかりました。

まぁ…左右馬をしっかり描いてこないのも、

彼自身にも誰にも言っていない秘密があるからなんでしょうけれども。

君の力と僕のゴホンゴホン…を2回やりましたし、その前には匂わせ描写もあったので…

心の声が読める能力が備わってそうですよね。

 

そんな訳で、ミステリーとしてはちょっと弱い気もしましたが、

次回からが本領発揮みたいなので、そこは次回以降に期待したいです。

とは言え、作りはストレートな人情劇で、温かい雰囲気を漂わせており、

月曜の夜に見るにはちょうど良いドラマだと思いました。

ここ最近の月9は方向性が迷走気味で、トレンディ時代の輝きを取り戻そうとして再び恋愛路線にしたり、

主人公をやたらと辛い目に遭わせたりしていただけに(前作は否定しませんが、賛否両論だったのでね…)、

やっと「これで良い(これが良い)」と思える作品に出会えたのは良かったです。

 

あとは、中盤からのキャラ変、三角関係の描写で掻き乱す事がなければ、

このまま原作ファンにも受け入れてもらえそう…。

あ、今の所、今後は視聴のみでいく予定です。

 

 

↓3話の感想はこちら(2話は書いていません)↓

 

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