おお、真耶(菊地姫奈)の現在について触れてくれた…!
3話で登場したっきり、どうしたかなぁと気になっていたんですよね。
家族と離れる事を決心して、介護の仕事(?)をしながら自立を目指しているらしく。
佐久間(木村文乃)があのまま放置する訳がないと思っていたので、
彼女の口から聞けたのも、脚本が真耶のフォローを忘れずにいてくれたのも嬉しかったです。
そんな、口頭発表を任される事になり不安になっていた佳純(伊東蒼)に、
松谷さんも今頑張ってる最中だよ…といった感じで背中を押してくれた佐久間だけでなく、
最終回は、科学部での活動を見届けてきた脇の登場人物にもピントが当たった、
細やかな内容に仕上がっていました。
例えば…木内(田中哲司)は本領発揮と言わんばかりに、
かつて中学時代に英語の弁論大会で県3位になった経験者の視点から
柳田(小林虎之介)と佳純の演説に的確な助言をしたり。
準備室を貸し、データ解析にも手を貸してくれた丹波(南出凌嘉)も、
実験内容がもっと伝わりやすいようにとスライド作成に協力したり。
佳純の姉・円佳(伊礼姫奈)が佳純の発表の練習を手助けしたり。
セッション当日には、木内、丹波、円佳の他にマリ(山﨑七海)、麻衣(紺野彩夏)、
クラスメイトも複数来てくれたり。
科学部だけではない、いろんな人のサポートがあって
この日を迎えられたのだという積み重ねがじっくり描写されたお陰で、
袖で控えていた柳田と佳純が舞台へと歩き始める時の後ろ姿には
自信と信頼と覚悟が見え、とても頼もしく映りました。
(長嶺(イッセー尾形)の、2人の緊張をほぐそうとしての斜め上の質問もナイスでした!)
それからは、もうずっとドキドキしながら見守っていました。
発表している時の柳田の表情は、当初からすると随分柔らかくなって、
科学を通して変われたんだなぁ…と感慨深くなりましたし、
佳純の発表は、私も同じような状況だと緊張しやすい人なので、
声が上ずってでも精一杯言葉を届けようとする様には、思わず手に力が入って
上手くいって欲しいと願いたくなりましたし。
柳田が、こんなに多くの人が自分たちの発表を聞いてくれているんだとふと実感して
会場を見渡す目線も(←頭真っ白になったんじゃないのでは?とは思ってました)。
終いには、「やっぱり俺たちには無理なんじゃねぇかって、何度も諦めそうになった」発言で
理不尽な理由で学会出場資格が得られなかったり、
8話で空中分解しかけたりしたエピソードが走馬灯のように蘇ってきて、
発表が終わった頃には涙腺が崩壊していました。
東新宿高校が優秀賞に選ばれた途端、主題歌のパーンと晴れやかなイントロが流れ始めたのが、
まるで彼らにスポットライトが当たっているようにも思えて、さらに泣けました。
本作は実話ベースなので結果は分かっているはずなんですけど、
これだけカタルシスたっぷりに見られたのは、先ほども書いた様々な登場人物への目配りと
発表までの過程描写を疎かにしなかったから…ですよね。
発表後、科学部のいる歩道橋の夜空…から、
同じ夜空を見ている藤竹(窪田正孝)と柳田の1話のカットに切り替わり、今までの振り返りへ。
回想の挿入の仕方も洒落ていました。
ラストのタイミングで回想を挟む事で、
科学にはまだまだ可能性があるし、これからも彼らの向学心は止まらない。
そんな未来を感じさせてくれました。
私自身、学生時代は過去のものになりつつあったからこそ、
定時制高校でなければ出会っていなかったかもしれない年齢も職業もバラバラの人たちが、
"好き"を共通項に夢中で物事に取り組む姿には懐かしさも感じて、
徐々に感情移入しながら見られました。
最終回まで見終えた今は、忘れかけていた青春を
お裾分けしてくれてありがとう…の気持ちでいっぱいです。
最後のクールで、こんなに素敵な作品に出会えた事が幸せでした。
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