2024年夏ドラマ-新宿野戦病院一覧

新宿野戦病院 1話 感想|やっぱり相性が悪いんじゃなかろうか…。

 

 

本作を担当する演出家は、初回放送前の時点では

河毛俊作さん、澤田鎌作さん、清矢明子さんの3人。

メイン監督であろう河毛さんの直近の地上波の作品は「わたしたちの教科書(2007)」

救命病棟24時(2009)」「GOLD(2010)」

極悪がんぼ(2014)」「営業部長 吉良奈津子(2016)」で。

澤田さんの場合は「夏の恋は虹色に輝く(2010)」「セシルのもくろみ(2018)」

「監察医 朝顔(2019)」「ナイト・ドクター(2021)」「女神の教室(2023)」。

そして、清矢さんの場合はお二方より経歴は浅い方で、

全部で「ラジエーションハウスⅡ(2021)」「サロガシー(2021・SP)」

「瑠璃も玻璃も照らせば光る(2022・SP)」「あなたがしてくれなくても(2023)」

「俺たちの校内放送(2023)」が挙げられます。

※全てフジテレビのドラマ

 

初っ端から作品名の羅列ですみませんが、上記の作品を視聴していた方なら

これで私が何が言いたいのか、なんとなく察していただけるはずです。

そう…どの演出家も全体的に、職業ドラマ・ヒューマンドラマ・社会派ドラマ寄りの

真面目で落ち着いた仕上がりの作品が多く、コメディ作品をお見かけしないなぁというのと、

2001年にフジテレビで放送された「ロケット・ボーイ」で

宮藤官九郎さんとともに制作されていた河毛さん以外は(と言ってももう23年前ですが…)、

過去にクドカン作品に関わられたご経験がないという事。

ちなみに、プロデューサーの野田悠介さんも、クドカン作品は初担当です。

 

ここで、「視聴リスト&期待度」で書いた文章を掘り起こすと…

「フジテレビ作品に関わる機会の多い演出家の方々が、

クドカンワールドをしっかり映像に落とし込めるのかどうか?」と視聴前に書いていました。

私の本作に対する一番の懸念点はそこにあり、

23年ぶりの河毛さんも含めて、クドカン作品に縁がなく、コメディのご経験のない監督3人で

ちゃんとエンタメ感溢れる作品になるのかどうか?という不安がずっと付き纏っていたのです。

 

で、いざ初回を見てみたら、やはりその不安が的中といった所で…(汗)

あの監督で、あのプロデューサーで、あのテレビ局だったら

もうちょっと面白くなったのかもしれないのに…と何度も惜しく感じてしまいました。

 

何でしょう、登場人物のやっている事や言っている事はクドカン作品らしく破茶滅茶なのに、

空気感が大人しいんですよ。むしろ、静か。

役者さん方が会話劇を繰り広げているシーンなんて、劇伴はほとんど流れておらず終始無音。

だから、誰かがギャグめいた台詞を発すると、「何言ってんの〜w」じゃなくて、

「今時、この発言はアリなの…?」とふと冷静になってしまうし。

ヨウコ(小池栄子)の岡山弁も、どこか滑っているように感じてしまう。

コメディもシリアスも行ける実力派の役者さんが揃っているだけに、非常に勿体ないです。

 

私が普段感想で気になった部分を書く時は、劇伴の音量が大きいとか、

流す頻度が多いとかって指摘させていただく事がよくあるんですが。

本作に関しては、視聴者が冷静になる隙を与えないくらいに

軽快な劇伴や効果音を流して、雰囲気をもっと明るく賑やかにしたって良いし、

カメラワークの切り替えや登場人物のカットもテンポ良く、ボケツッコミが活きるように

切れ味の増した演出になって欲しい…そう思いました。

今のままでは正直、もったりしていてあまり面白味がありません(汗)

 

そして、もったり感を覚える原因は何も演出だけではなく、

話の展開にもあるんじゃないかなぁと。

私が過去に執筆したクドカン作品の初回感想の数々を読み返すと

大体「話が進まない」と書かれていて、私のクドカン作品に対する印象って

変わっていないんだな〜と思うんですけど(笑)

本作ももれなく…でも、今までのとはちょっと違う気がして。

 

初回の内容を見た限りだと…

・「聖まごころ病院」に同時に搬送されてきた、ホストのマモル(役者名不明)とヨウコ

・「聖まごころ病院」の経営問題

NPO法人「Not Alone」についての描写

・その代表・南(橋本愛)から生活保護を提案されていた高齢男性

・難民申請の通らなかったムハマド(役者名不明)

と、結構エピソードが盛りだくさん。

初期設定の紹介が必要だからある程度は仕方ないですし、

様々な人が飛び交う歌舞伎町が舞台だから

複数人描く形で情勢を反映させたという事なんでしょうけど、

あれこれ盛り込んでいるために、で…結局何を描きたいんだろう?

という戸惑いが生じてしまいました。

 

ようやく話が見えてきたのは、放送開始から約47分くらいの、

搬送されてきた高齢男性をヨウコが治療するくだりで。

高齢男性が経験した現状の理不尽さを描いた回想からの

彼女の「うちの命、おまえの命、貧乏の命、金持ちの命、平等に助ける!」という言葉で、

本作のテーマが「平等」であると分かったので安心しましたが、

とにかく、進みも遅かったですね。

予告映像で流れてきた、「『あっ』って言わないで〜」のシーン…

もっと早く見たかったです(汗)

 

今までの作品は先ほども書いた通り、初回ではノれなくても

回を重ねるごとにじわじわハマってくる…というケースが私の中では定番だったんですが、

本作はどうなるんでしょうかね。

脚本は良くても演出家の得意分野が違うので、相性が悪い気がしてなりません。

最終回までもったりしちゃうのかどうか。とりあえず様子見ですが、期待薄です。

 

最後に余談で…それにしても、ED映像の作りが2000年代のフジって感じでしたね。

夕方の再放送で流れてそうな。

塚地武雅さんの女装姿も「はねトビ」のほぼ100均コーナーを思い出して、

勝手に懐かしくなってしまいました。

 

 

↓次回の感想はこちら↓

 

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