2025年夏ドラマ-僕達はまだその星の校則を知らない一覧

僕達はまだその星の校則を知らない 3話 感想|ちょっとずつ優しい世界にキュン

 

 

あぁ〜〜なんて可愛らしいんだ……なんて温かいんだ…………。

私、やっぱりこのドラマが好きだー!!←はいはい、分かった…って話ですよね(苦笑)

と叫びたくなるくらいには、視聴後に高揚感が止まらなかったです。

今回はあらゆる方面から、その人なりの優しさが終始感じられて

一番好きな回だったかもしれません。

劇中の要素を借りるとするなら、私も健治(磯村勇斗)と同じく

ピンク色のふわっとしたものを見た気分になれました。

 

個人的には、登場人物の心情描写や変化に注目して見がちな所があるので

今まで深くは気づけなかったんですが、

「学校」に「法」が絡んでくる事で生まれる良さが何なのか、3話で少し掴めた気がします。

校則、いじめ、盗撮…学校内の出来事で悩みを抱えている生徒がいる事実を受け止め、

まず"事件"と推定し、そこから当事者でも生徒を見守る立場の教師でも、プライベートでも、

様々な声に耳を傾けていくうちに自分の知らなかった景色が見えてくる。

型に嵌めて動いている時には気づけなかった、

心の痛みや、ささやかな訴えや、誰かへの想い。

生徒たちはそんな複雑な感情を抱えながら生きている。

 

今回、性欲目的の盗撮を疑われた内田(越山敬達)も、そのうちの1人だったと思います。

先ほどと多少被りますが、本作は当初想像していたものとは違う結果に辿り着くのが

お馴染みの流れにはなっていて、

女子の背中に何か珍しい虫がついていたから撮ったのでは?とは予想していたので、

撮った理由を先に伝えれば良いのに…と言いたくもなったんですけど、

それは視聴者だから言える事も分かってはいて。

正面には珠々(堀田真由)、横にはカチャカチャとパソコンでメモを取っているらしい健治の

下手したら取り調べかのような空間の中で、

いわゆる典型的な盗撮を前提に話を進めていく珠々を見たら、

圧に押されて、どうせ言い訳扱いされると諦めて、

上手く言葉が出せなくなる彼の気持ちも理解出来てしまうのです。

(もちろん現実世界でも、教師による生徒の盗撮事件が報道されるほど

性犯罪が増えつつある世の中だから、真摯に接する珠々も非はありません。)

 

でも、内田は女性に興味はないと言うけれど、

興味がないからこそ無意識に人の心を傷つけてしまったのも確かで。

こそこそ近づいてきて、確実に音の聴こえる範囲で何度も撮られたら

三木(近藤華)が怖がるのも仕方ないんですよね。

だから、虫目的だと判明して、自意識過剰みたいで恥ずかしいと言った時には、

そんな…怖がっていた事実をなかった事にしなくて良いのよ…と思っていたけれど、

そこは健治がフォローしてくれて安心しました。

 

内田と三木の甘酸っぱい雰囲気を見られたのも、健治の地道な調査があってこそ。

前回の珠々の話があって、生徒の事を加害者と言いかけそうになった所を

(周囲の視線があったにしても)自分で止められた。

学校にいるだけでムムスが止まらないはずなのに、

「学校というのは、予想外の事ばかりだよ」と言う時の表情は微かに笑みを浮かべていた。

そして、生徒と関わる事で自分の存在意義を実感した。

半歩くらいのゆっくりのペースでも、着実に成長はしているし、

彼の成長を見てくれている人は増えつつあります。

校門に中々入れない健治に応援の眼差しを送る警備員のシーンが

毎回描かれている所も、お気に入りポイントです(笑)

 

前回はオチでしか見られなかったので言及しませんでしたが、

今回は天文部の動きとも、繋がりが感じられましたね。

最初は高瀬(のせりん)自身、天文部の復活を不可能に思っていたものの、

「学校の校則=法」だと健治に教わってから校則と向き合うようになり、

他の人にも協力してもらいながら実現へと動き出しています。

 

星が大好きな健治もそれを望んでいたけれども、

いざ「先生」「顧問」というワードを耳にすると、不安と葛藤を覗かせていたのは…

スクールロイヤーという第三者的な立ち位置とは違って、

まさしく学校との結びつきが強い役割だから…なんですよね、きっと。

でも、へっぽこじゃない!と言ってくれる人が背中を押してくれて、

唆されるでもなく誘われるでもなく、自分から、やらせて下さいと頼んだ。

その勇気が嬉しかったです。

 

私も意見を言うのが苦手で、やっと言い出そうと思っても

話題が変わろうとしているのを察すると引っ込めてしまうタイプの人間なので、

何か言いたそうで言えない彼の姿には手に取るように共感しちゃうんですね。

屋上はぐるぐる歩き回るし、終業式では柱の隅っこにいるし。

今回でさらに情が移りました。

 

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僕達はまだその星の校則を知らない 2話 感想|繊細で不器用な主人公が愛しい

 

 

前回の感想終盤で「学校という名の宇宙で過ごす生徒たちの中で光る

"きれいなもの"を健治が掬い上げる…

そして、健治もいつしか学校への捉え方が…そんな物語になっていくのでしょうか。」

と書きましたが、今回でその輪郭がくっきりしてきた気がします。

大人の立場ではなく、スクールロイヤーの立場で生徒と関わっていく事で

学生だった頃の自分を見つめ直す、主人公の成長物語なのかもしれません。

 

今回の議題は「失恋は『いじめ』に入るのか?」

私個人の意見を言ってしまえば、相手を苦しめよう、傷つけようという

意図を含んでの行為ならいじめに値するけど、

その意図がなく、自分と相手の気持ちを想ってした決断なのであれば

いじめの内には入らない。

…という考えでいるんですが、最近できた「いじめ防止対策推進法」によれば、

被害者の主観的判断が基準となり、被害者が心身の苦痛を感じる行為であれば

法的には全ていじめなんだそう。

 

かつて小学校時代にいじめを経験した健治(磯村勇斗)だから、

藤村(日向亘)の「もうこれ、いじめの域だろ!」発言にも敏感で、

彼が何で心身の苦痛を受けているのか知りたくなったんでしょうね。

それで法にのっとり、彼を被害者、別れを告げた側の堀(菊地姫奈)と

今彼の井上(山田健人)を加害者と分けたのだけれども、

一方的な弁護がかえって新たないじめを生んでしまった。

 

「傷ついたと声を上げられるだけで、全部が全部加害者になるのだとしたら、

もう…人類は全員、飢えて死ぬしかなくなるじゃないですか」

という珠々(堀田真由)の主張もごもっともだと思います。

ハラスメントにしたって、何でもかんでもパワハラ、セクハラだと訴えられたら

何も指導出来なくなるのと同じようなもので…難しい時代になっているんですよね。

 

珠々の上記の言葉の他にも、自身の失恋経験談、生徒たちへの想いなど

彼女の本音を一気に浴びたからか、翌日、保健室まで山田(平岩紙)に運ばれてくる事に。

その時のヘトヘトで弱りきった健治を見ていたら…

ああ、彼はなんて繊細な人間なんだろうかと、愛しい感情が芽生えてしまったのです。

両者を傷つけたのを自覚した上で、次に彼がとった行動は

あまりにも生真面目で、真っ直ぐで、不器用で。

もしかしたら、スクールロイヤーを機に、

今は子供から大人へと成長している最中なのかもしれないと思うと、

学校が嫌いだという苦い思い出が少しずつ変化していくと良いな…と

応援したくなってしまったのでした。

 

1話完結エピソードに関しては、堀が初恋相手だったのかな?と思うくらい

藤村がとてもピュアな心の持ち主でしたね。

健治に湯船を勧められて即実践するほどなので、彼女と過ごした時間も、

傷ついた!苦しい!という叫びも嘘偽りないんですよね。

珠々や生徒たちから"気づき"を得た健治が、模索しつつ藤村に想いを伝えて、

最終的に前向きな方向へ進んでいったのには安心しました。

お前に会えなくて寂しい男もいる、かぁ…。

そう言ってくれる友達がいるのは、藤村の人柄あってこそでしょう。

 

最初は、「失恋はいじめ」だと断定して進むストーリーに少々困惑してしまい

どんな解決方法になるのかとハラハラしましたが…

健治と藤村、それぞれ別ベクトルで、

不器用ながらも自分なりの答えを出すまでの過程を見守りたくなるようなお話でした。

 

 

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僕達はまだその星の校則を知らない 1話 感想|これは夜の時間に見たい作品。

 

 

冒頭数秒の、お月様はシャーベットの匂いがすると

キラキラした目で見つめて言う幼少期の健治の回想(+結晶がパラパラ落ちてくる図)から、

現在の健治(磯村勇斗)の日常シーンに切り替わった時にかかっていたピアノ調の劇伴まで、

見聞きしていて「あ、これ大好きかも」センサーが既に働いていたんですけど…

話を追うごとにそれが増幅するばかりでした。

 

率直に言ってしまうと、「僕らは奇跡でできている」「宙わたる教室」が好きな人には

刺さる作品かもしれません。

後者に関しては天体繋がりではあるものの、

前者に関しては、ただカンテレ制作ドラマ同士ってだけでスタッフは全然違うんですけどね。

でも、描写の所々で重なって見えるのです。

 

物語の舞台は、男子校と女子校が合併して間もない「濱ソラリス高校」。

ジェンダーレスを意識してか、

女子のスラックス着用も採用された新しい制服は評判が悪いらしく、

実際に生徒副会長・斎藤(南琴奈)が着用すると周囲がざわざわし始め、

やがて生徒会長・鷹野(日高由起刀)も含めて不登校になってしまったのは

新しい制服のせいなんじゃないかと考えた北原(中野有紗)が

制服の廃止を訴える…というのが今回のお話。

 

教師たちも視聴者に向けて苦悩を嘆いていたけれど、

由緒正しき雰囲気の女子校と、工業系の男子校が合併するというのは

ある意味異文化の融合みたいなもので、

生徒たちにとって、自分の知らない価値観や常識が否応にも混ざり込んでくれば

それは恐怖に変わり、不安に怯えながら過ごしている生徒はそう少なくないはずなんですね。

そして…学校は決して「楽しい」「青春」ばかりが詰まった場所とも限らない。

多種多様な人と毎日顔を合わせるが故に、人間関係で疲れたり、

居場所を保とうとして気を遣う事に精一杯だったり、最悪の場合いじめに遭ったりもしてしまう。

学校が嫌いだという健治は多分、小学校の頃に苦い経験をたくさんしてきたのかも…ですね。

 

でも、そんな健治が、学校で"きれいなもの"に触れた。

「普通に学校、好きなんで」と鷹野が言った時に現れた

ピンク色でふわっとしたものから漂う純粋さに、私も心が惹かれて…。

鷹野と斎藤の不登校に関しては、制服が原因じゃないんだろうとは予想していたけれども、

憶測ばかりの空気の中で、彼らの見えない所で互いを静かに尊重し合う、

恋でも友情でもない"愛"が生まれていたという事実に、

安堵感と温かい気持ちで包まれる心地でした。

 

今回で健治は、鷹野と斎藤の優しい関係性を知り、

北原からは、学校を自分の居場所にするために必死に戦う美しさを知る事が出来た。

初回を見た限りですが、「知る」が作品の軸になっているのではないかな?と思いました。

それで言うと…鎖で閉ざされ長く使われていなかった天文ドームが、

健治の象徴にも見えるんですよね。

鎖を断ち切り、天文ドームの装置を久々に開くと見えた星いっぱいの夜空は、

生徒たちの関わりを経て「学校に隠された"きれいなもの"を探してみたい」という

彼の小さな変化とリンクします。

中に入っていく様は、子供の頃こっそり遊んでいた秘密基地への潜入をも彷彿とさせます。

 

全体に青みがかっているのに冷たさは感じられない、

白と暖色系の光が適度に混ざったかのような映像は、見ていて心が落ち着きますし。

主人公も、主人公を取り巻く登場人物もみんな魅力的。

伸びやかな劇伴をバックに、自分なりの視点で素直に物を言う健治、

どこかズレてる三宅(坂井真紀)、穏便な性格の井原(尾身としのり)、

風紀委員長的な山田(平岩紙)による会話の応酬も楽しかったですが…

極め付けは山田の「それは…びっくり度合いというか?」かな(笑)

平岩紙さんが良い味出されてるんですよね。真面目と惚けた発言のギャップの強さ。

あ、主人公につく若手教師がよくある、規則や自分の常識に囚われがちなキャラじゃなくて、

堀田真由さんのほんの愛嬌も交えて、わんぱくな一面を覗かせてくる所も素敵です。

 

今回の裁判がディベート寄りで、尾𥔎(稲垣吾郎)の論破で終了したのもあって、

学校にスクールロイヤーが派遣されるという設定がどこまで活かされるのかは分かりませんが。

学校という名の宇宙で過ごす生徒たちの中で光る"きれいなもの"を健治が掬い上げる…

そして、健治もいつしか学校への捉え方が…そんな物語になっていくのでしょうか。

 

「あ、これ大好きかも」が「やっぱり、これ大好きだわ」に日に日に変わっていくと良いな。

星がよく見える天気で、完全に暗くなった夜の時間に見たい作品ですね。

 

 

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