
当時はリアルタイムで見ていなかったので、初回の放送日に向けて
今までのシリーズをせっせこ予習。
なんで11年後に続編を?とは思うものの、ある程度歳をとったタイミングで
続編の発表がなければこの作品の事はずっとスルーしていた訳で、
こんなに面白い作品に出会えた事に感謝し…
過去の回を視聴するごとに、新作への期待がどんどん膨らんでいき…
放送数十分前にようやく前作の最終回を見終えて、
もうすぐで最新のみんなが見られるんだとわくわくした状態で初回を待っておりました。
したら…雰囲気が変わらな過ぎてびっくりしましたよ。
ついさっきまで予習していたから、余計にね。
いや、11年後だからさすがに、役者さんそれぞれ歳を重ねられた感じは伺えるんですけど、
11年も経っているのになんで当時のキャラクターの演技を思い出して再現出来るの!?と、
序盤はとにかく驚きの方が上回りましたw
まぁ強いて言うなら…現実的に考えれば、11年も経てば環境や人間関係などで
さすがに誰かしらはキャラは変わっているんじゃないか?と思わなくもないですが、
唯一の変化と言えば、以前は「私のドラマは安易に人を殺さない」という
信念を持っていた千明(小泉今日子)が、病気が絡んでいないにしても、
いつの間にか「今日も浮気した夫を殺しますかねー」と
口癖のように言っていた事が挙げられるかな(笑)
「2020年」のエピソードの簡潔さは、
ここ11年間で変わった事と言えばコロナ禍だけど、
後は相変わらず賑やかな日々を送ってましたよ〜という
当時から見てきた視聴者に対するご報告のよう。
それからは再び現在に戻り…日めくりカレンダーの話も、遅刻しちゃうくだりも、
エロ本号泣事件wのくだりも、1台のテーブルを囲んで繰り広げられる会話が本当に楽しいです。
話題をふっかける人・ツッコミを入れる人・話し相手が座って夢中でお喋りして、
また新たな話題をふっかける人が来たら、その人に席を譲って今度は後ろで会話を楽しむ
(後ろにいるのは大体、真平(坂口憲二)とえりな(白本彩奈)(笑))…
テーブルがボクシングのステージなら、後ろのソファーは観客席みたいな構図が
シーズン1からずっとずっと好きで、またこのやりとりが見られるのかと嬉しくなりましたよ。
しかし、そんな賑やかな会話劇はもちろんですが、
ふとした時にきゅっと切なくなってしまう作風も、本作の醍醐味ではあるんですよね。
変わらないとは言うけれども、この11年のうちに一条さん(織本順吉)はお亡くなりになって、
何もない所で転けるようになるし、
「月9って何曜の何時だっけ?」と素で聞いてしまうようにもなる。
千明や和平(中井貴一)にとって、確実に"老い"や"死"が身近なものになってきている
リアルさが伺える些細な描写が散りばめられていました。
和平の同期の死は…私の母も、つい最近クラスのLINEで
当時ムードメーカーだったらしい同級生が病死したと聞かされた経験をしたばかりだったので、
私は今実感出来なくとも…きっと、この年代になってくると
嫌でも死に直面せざるを得なくなるのだと、しみじみ考えながら見ちゃいましたね。
「でもなんか、同期が亡くなるってのは、堪えますね。自分の未来もそう遠くないんじゃないかって思えてしまって。」
「人って…死んじゃうんですね。」
「…はい……」
この2人の間たっぷりの会話からの、思い耽っているととれる背中の引きのカットは
とてつもなく寂しい。
…寂しいのは、コロナに感染した時の千明の気持ちもそう。
家族のような隣人がいるとは言え、コロナ禍で接触禁止となったら1人で家にこもる生活が続く。
年齢もプライドも取っ払って、純粋な子供のごとく「怖いよぉ…」と訴える姿から、
考え込む時間が増えるようになって、もし重い症状になったらどうしよう…とか、
このまま1人で死んでしまうのかな…とか、
そんな不安や孤独感が一気に押し寄せてきてのあの発言だったのだろうというのが
パッと想像出来て、あそこも辛いシーンでした…。
何はともあれ、温かくて、可笑しくて、可愛らしくて、切なくて…
こんなドラマです!とは一言で言いにくい、
いろんな魅力が詰まったドラマの続編が始まりました。
リアルタイムで見ていない私からしたら、木曜劇場で本作を放送する事への
こだわりは特になく(←そりゃそうですが)、
むしろ、面白いと分かっている、楽しみなドラマが
休日明けの月曜日に控えている喜びの方が強いですね。
まぁ、2年前は同じ場所が舞台(!?)の、
若者中心の恋愛ドラマを放送していた月9でなんだ…とは思いますし、
来週から暗そうなドラマがこの後に始まるんですけどね…(笑)