2025年秋ドラマ-じゃあ、あんたが作ってみろよ一覧

じゃあ、あんたが作ってみろよ 9話 感想|2人のたくましさを見た。

 

 

「おにぎり食べて、元気だせ!」というサブタイトル。

鮎美(夏帆)に近づくフードプロデューサーはどう見ても怪しいやろ…というのは

序盤からぷんぷん漂っていたけれども、

そうか、勝男(竹内涼真)も理不尽な目に遭ってしまったか〜…。

 

後輩への接し方に苦労して何とか距離を縮めようと試みる勝男はとても健気だったけど、

手作りのおにぎりは苦手な人も多いんじゃないかなと思ったら、

そこを案の定突かれてましたね。

(しかし、「おにハラ」というワードにはギョッと。

それにビビって双方の話を聞こうとしない上司にも落ち度がありますよねぇ…。)

 

鮎美の場合はさらに深刻な状況に陥っており、貯金はほぼなくなり、

既に退職してしまっているので、しばらく安定的な収入は得られません。

だから、相当しんどいだろうな…1人涙を流す事になるのかな…と

少し先の展開を想像していたら、

勝男も含めて、いつも通り手作りのご飯をしっかりと食べる2人の姿が見られたのが意外で、

そのたくましさがカッコいいとすら思いました。

「美味しいもん食べて嫌な事が消える訳じゃないんだけど、

こうやって美味しいって思えたら、まだ大丈夫だなぁって思えんだよね。」

これ…かつてのドラマの台詞「泣きながらご飯を食べた人は、強くなれます。」以来の、

胸に響く台詞でしたね。

 

通りかかった鮎美に勝男が必死に助けを求めるくだりは予告映像で流れていたので、

こんな面白いもの、先にネタバレしないで欲しかった〜!が正直な気持ちではありますが。

そこを抜きにしても、やっぱり何かに挟まっている竹内涼真さんを

二度見られるのはレアですし、白骨化エンディングになりそうな演出も、

「ここで(休んでる)?」と真面目に聞いてくる鮎美の天然発言も、

勝男のホームランに全く興味のない鮎美も、「全力不器用男」も、笑えるポイントだらけ。

風向きが変わりがちな最終回前でも、良い意味でしょうもなくて笑えるコミカル要素を

ふんだんに盛り込んでくれたので、その分、来週で終わってしまう寂しさはひとしおでした。

 

居酒屋で何でも気兼ねなく話せる2人の様子は、見聞きしている私もとても微笑ましいもので、

このまま友達の関係で終わっても良いんじゃないかと思っていた所で「やり直そう」。

いや〜、弱っている状態から始まる元サヤは上手くいかない気がしますが…

キャラクター、人物描写が今期一番魅力的な作品ですから、

どんな結末であれ、前向きな終わり方になる事を期待しています!

 

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じゃあ、あんたが作ってみろよ 8話 感想|勝男の鰹だし味噌汁で父改心

 

 

前から気になっていた、勝男の母・陽子(池津祥子)の抱えている想いに

スポットライトが当たった今回。

結婚するなら和食は作れるようにならないと…勝男とはいつ結婚するん?…

高齢出産は大変…2人とももう良い年齢なんだから…

椿(中条あやみ)にとっての地雷発言が次から次へと出てくる陽子を見て、

ああ、彼女も「ザ・昭和」側だったか〜と途中まで思っていましたが、

本人はこれらの発言がお節介だと自覚している模様。

姑みたいになりたくなかったのに、まさか私もやっちゃうなんて…と

反省の気持ちを見せている所が印象的でした。

 

勝男(竹内涼真)の場合、元々持っている素直さと行動力で

著しいスピードで成長出来たのが異例なだけで、

姑からの教えがあり、亭主関白の旦那と2人っきりでずっと過ごしている状況を考えれば、

昔と今では違うんだから…と分かっていながら、

昭和世代ならではの価値観が長年染み付いてしまって

中々アップデート出来ずにいる人はそう少なくないと思うんですね。

そして陽子は、たまたま出くわし一緒にカフェに付き合ってくれた鮎美(夏帆)に、

こうも言っていました。

ずっとして来なかった事を「しない」じゃなくて、

いつの間にか「出来ない」になってしまっていたと。

年齢を重ねれば重ねるほど、何か行動を起こしたり、何かを変えたりする事に

怖気づいてしまう、母親ならではのリアルな心境が反映された台詞でした。

 

それを踏まえれば、今回の父・勝(菅原大吉)は大分変化したんじゃないでしょうか。

「いや、お前が作ったんやけん…最後まで責任持て」「……おかわり」

もうここまでくると一気に憎めないキャラになってきます(笑)

祖父が倒れた時に会社を継ぐ事になり、朝から晩まで働き詰めだった今までの努力も、

家族に何不自由なく生活させるという強い責任感も、決して否定するものではなくて、

むしろ、仕事も育児も一生懸命してくれた両親に育てられた立場の私からすれば、

尊敬に値する事なんですよねぇ。

 

プライドも大事だけれど、相手へのリスペクトも忘れずにいたい。

もし相手に自分の考えを否定されてしまったら、1人で抱え込むのではなく

自分の想いも打ち明けた上で、時間をかけながら理解し合えたら素敵だよね…というのを、

海老原家を見ながら思わされる回でした。

 

勝男と鮎美がもし寄りを戻したとしても、

バリバリ「ザ・昭和」な価値観の勝男の両親がいる以上幸せにはなりづらそうだな〜…と

そこが懸念材料になっていましたが、今回の小さな成長を見れば大丈夫そうです。

そして前回、帰省した際にも両親を改心させる流れが作れた所を

なぜ今回に持ってきたのか?は…勝男が鮎美の想いに気づいて、

変わるきっかけとなった「料理」を、

勝男が1から作って提供する事に意味があったんだと思います。

勝が勝男の自宅に押しかけてくる動機に多少の強引さはありましたけど(笑)

まぁでも、家事をやってくれる人がいつも家にいて、

全て任せっきりにしてきた勝の事を考えれば、

そんな事のためにわざわざ!?と驚かれる言動をするのも不思議ではないのかもしれません。

 

もう1人気になっていた鮎美の母・貴恵(しゅはまはるみ)も前回の件をしっかり反省し、

早速行動に移していて、あまり落ち込み過ぎていない所を見て安心しました。

前回の感想でも書いた通り、自分の理想を最優先させてしまっただけで、

娘を心配しているのに変わりありませんからね。

 

家族関係が解決し…もう残り2話。

(来期ドラマの予告映像が流れて、もう8話なのかとびっくりしました。)

あとは、以前とは変化している事に気づいた鮎美が、勝男と改めて接してみて、

両者がどんな決断をするのか…が見所ですね。

 

 

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じゃあ、あんたが作ってみろよ 7話 感想|虎吉家のような家族が理想…。

 

 

多分、以前の感想でも書いたかもしれないんですけど、

人と会って話すって大事な事だな…と、本作を見ていると改めて痛感させられますね。

私も高校時代からの付き合いで、

時々会ってランチをしたりどこか一緒に出かけたりする友達がいるんですが、

その人はとても努力家で、自分の気持ちや将来に対してしっかり考えを持っている人なので、

会って話をしているとリフレッシュした気持ちになれますし、

いろんな話題を喋り合って解散すると、

よし、私も頑張ろうと刺激をもらえる事が何度もあります。

 

今回の勝男(竹内涼真)や鮎美(夏帆)にとっては、

勝男の兄・虎吉(深水元基)家族との出会い(再会)が

貴重な経験だったのではないかと思います。

 

ジェットコースターでヘロヘロになった勝男に

男の癖にビビり過ぎだと、甥っ子(虎吉の娘)・真鳥(鷲尾心陽)が言ってしまうんですが、

その後の母子のやりとりがとても素敵でした。

「男でも女でも、怖いもんは怖いんよ。真鳥だってそう言われたら嫌やろ?」

「う〜ん……嫌かも。勝男…ごめん!」←勝男呼びは笑いましたがw

あくまでも平常心で接して、世の中にはいろんな人がいる事をそれとなく示した上で

最終的に自分事として考える機会を与える

虎吉の妻・恵(西原亜希)の教育方法ももちろん良かったんですが、

それを受けて、勝男にきちんと謝れる真鳥の姿が、ふと刺さってしまったのです。

ああ…この子は両親からの真心や愛情をたっぷりもらって、真っ直ぐ育っているのだと。

 

両親の誠実な教育ぶりは、次のシーンの言葉にも滲み出ていました。

真鳥は人形遊びよりもキャッチボールが好きで、スカートよりもズボンが好き。

ピンクとか赤より、青とか黒が好き。

でもそれは、男だからとか女だからとかじゃなくて、ただ好きなものを選んでいるだけ。

真鳥には真鳥のまま、選ばせてやりたい…と。

虎吉が子供だった頃は、「男だから(こうあるべし)」という条件を定められた

環境の下で育ってきた経験があったからこそ、

これからを生きる子供には自分にしかない"好き"を失って欲しくないし、

自分らしく伸び伸びと過ごせる環境を提供してあげたいという

虎吉夫妻なりの使命感を感じさせる言葉選びでした。

 

こんな家族が増えていったら…と願いたくもなりますし、

もし私が将来子供を育てる事があったら、虎吉家のような家族が理想です。

 

話は変わって、「自分らしく」みたいな考え方は鮎美の父や姉にも備わっているんですが、

母・貴恵(しゅはまはるみ)は自分の願望を先行してしまいがちな所があるんですよね。

顔合わせでの発言には確かにイラッとしましたし、

鮎美(夏帆)が「"良い子"って…家柄でしょ」と言ったのには

スッキリするものがありましたが。

鮎美も自分の意見がちゃんと言えるようになり、姉とも良い感じになって

鮎美・姉・父:母で形勢逆転した(そう見えた)今、

いつの間にか自分だけが取り残されたようで、

今後、肩身が狭い思いをしてしまうんではないかなと、

母親側の立場を想像するとちょっと切なくもなってしまうのでした。

娘の事を大切にしている気持ちは同じはずなんですけどね…。

どうか自分自身を否定し過ぎずに、いつか母親にも、変化の芽が出る日が来ると良いですよね。

 

で、その日が訪れそうなのは勝男の母・陽子(池津祥子)で…。

フリーズドライの流れから察するに、勝男の自宅にいるのは母親じゃないでしょうか。

 

 

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じゃあ、あんたが作ってみろよ 6話 感想|食の価値観はやはり重要…。

 

 

ミナト(青木柚)と南川(杏花)によるチョウチンアンコウの話、面白かったですね。

南川の言っていた、オスを取り込んで養分にする事は自立に繋がり、

もう1人で頑張らなくても良いって事なのかもしれない…という考え方も素敵だったけれど、

どっちかの名字にしたり、生活スタイルを変えたり、親戚付き合いをしたりといった、

自分が自分じゃいられなくなるというミナトの考え方も理解出来ます。

 

最初はふらふら遊んでいるイメージがあり、このシーンの前の「本気だったよ」も

聞いた時はあまりしっくり来なかったんですが、彼の考えを聞いてからだと、

彼なりに苦しかったんだろうと同情したくもなります。

元カノと全く気まずくならず、普段通り交流出来ている理由は

あの誠実さから来てるのだとよく分かりました(というか、上手い別れ方をしている)。

外食にしても、外食"で"良いんじゃなくて、"が"良いんですよね。

結婚の意思はない旨を話してくれるだけありがたいものの、

本当はそれが同棲前のタイミングだったらとは思いますが…

人と一緒にいる事に居心地の良さは確かに感じていて、

でもいざ結婚となると、責任感をひしひしと感じてしんどくなってしまうのかもしれません。

 

若者たちはどうやって生きるか、将来どうしたいかを模索しながら

こうして多様性が浸透しつつある一方で…

勝男(竹内涼真)の両親はザ・昭和の夫婦です。

お味噌汁はフリーズドライのものを使っていても、

ちゃんと良い意味で手抜きが出来る人だったと安堵は出来ず、

「男は強くあれ」「女は家庭に入って俺を支えろ」「料理は出汁からこだわるべし」思考の

旦那のそばで毎日生活していたら、

母親がサスペンスにでもなりそうな殺意を帯びた表情をしていても無理はありません。

自由を求め、尊重されている社会を今の若者世代は生きているけれど、

親世代の人々が若かった頃は「こうあるべし」で固められた不自由な社会を生きてきた。

ミナトと南川、勝男の両親…前後のエピソードからそう読み取れる

世代の描写対比も皮肉なものですが、

それと同時に、親世代も令和時代を過ごしていると、

周囲のようにありのままでいたいのにいられない現実に嫌気が差してくるんだろうな…

という母親側の辛さも感じ取れます。

 

でも…今回の勝男と鮎美(夏帆)を見ていると、

やはりこの2人は一緒になって欲しいと心から思ってしまうのです。

よくよく見たら、図書館のテラスでせいろに入った小籠包を2人で食べるって

可笑しな光景なんですけどね(笑)

ただ"少数派"繋がりで…勝男も鮎美も、出会って会話をするのが目的で集まっている中で

孤立している状況を見ていただけに、

目の前に想いが通じ合える人がいる、分かってくれる人がいるってだけで

こんなにも心強いものなんだという両者の気持ちを想像したら

じんわり泣けてきてしまうエピソードでした。

 

料理が出来るようになった勝男は、今度は食べ方にうるさくなったけれども(笑)

それは自覚しているようで、人から勧められたものは何でも実行してみて

凝り性になってしまう可愛い性格ですし(鶏ガラを作っている時の上機嫌な様子は特にw)、

鮎美も1人の生活を始めて、殻を破りかけている所ですし。

自分で考える時間を大事にしている2人なら、きっとこの先も大丈夫だと信じられます。

 

 

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じゃあ、あんたが作ってみろよ 5話 感想|とり天が人の心を動かす

 

 

このドラマで人目を引きやすいのは、やはり勝男(竹内涼真)のキャラクターなので、

ついつい感想でも彼の言動を真っ先に書いてしまいたくなるのですが…

本作を見ていて、毎回何がこんなに心地良く感じるのかと言えば、

価値観のナチュラルな描写が大きいと思うんですね。

 

今回はその良さが遺憾なく発揮されていて、「人の気持ちに触れてみる」

「人の真剣な想いは誰かに届く」を描き続けたお話でした。

 

いつも成績優秀で、父から跡取りを期待されている兄さんは強い!と

思い込んでいた勝男は、その話を聞いた椿(中条あやみ)の

「強いって思われてる人って…本当はただ、そういう風にしか

生きられなかっただけなのかもしれない」という言葉をきっかけに、

もしかしたら兄貴もそうなのかな?とちょっと気になり出す。

兄貴のために何か力になりたいと考える勝男は、

彼の大好物のとり天を作って渡そうと思いつく。

 

勝男の提案から始まり、後輩2人、鮎美(夏帆)とミナト(青木柚)、

しまいには初登場である白崎の彼女・青子(夏目透羽)もやって来て、

じわじわ協力してくれる流れが、見ていてとても微笑ましいです。

後輩2人に関しては、仕事終わりならすぐ帰りたいだろうに

買い出しから料理まで付き合ってくれるんだから…

勝男は人に恵まれているのは確かなんですけど、

2人に手伝いたいと思わせたのもまた、勝男の著しい成長と、

その上で等身大の悩みを打ち明けてくれた嬉しさあってこそなんですよね。

(でも、自分の時間も大切にしていて、上司にも遠慮なく伝えられる所も素敵。)

 

鷹広(塚本高史)の前ですすり泣くシーンはねぇ…

弟心がはち切れるような泣き方に、肌着を着ている事を忘れるくらい(←ちょw)

つられ泣きしましたよ。

勝男と同じく「人前で泣くな。男やろうがっ!」と父に言われて育ってきて、

ずっとその呪いを抱えたまま生きてきた兄を、

昔の自分と重ねてしまった部分もあるんでしょう。

前々回でもそうでしたが、勝男の泣き方って、

良い意味で子供みたいな拙さがあるんですね。

感情がどっと溢れてきてしまうんだけど、まだ人前で泣くのに恥ずかしさが残っていて、

それでも涙が止まらなくて。

「兄さんが苦しんでるの、俺は悲しい」

「自分が感じた事とかを、心に閉じ込めないで欲しい」

この2つ、現実的に言えば泣かなくても伝えられる言葉ではあるんですけど、

涙が先行してしまうのは…自分自身が、鮎美の気持ちを知らないまま、知ろうとしないまま

振られてしまった苦い経験も含まれているからなんだと思います。

 

鮎美と一緒にキッチンに立って料理をする光景も…

白崎(前原瑞樹)の目線同様、良かったねぇ…と思うと同時に、

もし付き合ってた時の勝男が今の勝男だったら、こんな日もあったのだろうかという

ifの世界を見ているようで、切なさもありましたね。

微妙に合わない2人の視線と同時に流れる主題歌のバラードバージョン

「♪ 嫌気がさしていた どこで間違えたんだろう」の歌詞のタイミングよ。

…でも、料理の成長具合と言い、さっき書いた空港での言葉と言い、

鮎美の心の中で大きな変化が生まれていると信じたいです。

(前回でも書いた通り、2人が寄りを戻してハッピーエンドだと思って見ています。)

 

そんな鮎美は、ミナトにやっと想いを伝えられるんだけども、

後のふとした「結婚」というワードが地雷だったらしく、数分後に別れを告げられる事に。

ミナトは「独占欲」とか「特別感」って言葉を知らないんじゃないかと思えるような人でね…

そこが鮎美と相性が合わなかった要因ではあるんですよねぇ。

双方、自分がこうしたい!を投げかけるばかりで、

折り合いがつけられていなかった印象があります。

しかし、人に影響されやすかった鮎美に、ようやく変化の兆しが見えた気もして。

次回予告を見る限り、いよいよ彼女も殻を破る時が来そうで、楽しみです。

 

 

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じゃあ、あんたが作ってみろよ 4話 感想|勝男流関白宣言

 

 

面白い。本当に面白いわこのドラマ。

毎回毎回、いろんな顔を見せてくれる。

まだ鮎美(夏帆)の事を元カノだとは割り切れない勝男(竹内涼真)ですけど、

終盤では、そんな彼だからカッコいいと思えるシーンがありましたね。

 

鮎美の手料理は美味しく食べてあげて欲しい。

安いので良いって言うけど実は手が荒れやすいから、食器用洗剤は植物性で。

本当はダブルが好きだから、トイレットペーパーはダブルで。

「アイスクリーム」記載のアイスが彼女は好きだから、時々買ってきてあげて欲しい。

それから、俺が鮎美に出来なかった事を、たくさんしてあげて欲しい。

 

勝男のミナト(青木柚)への頼み事を聞きながら、

関白宣言が脳裏に過ぎってしまったけれども(笑)

それでも、彼女についてこれだけ知ってくれているのって、素敵な事だと思うのです。

まぁ、勝男から鮎美への想いはあっても、彼女自身の気持ちに気づけなかったから

別れてしまった訳ですが…

付き合っていたエピソードの時の彼って、

大体は彼に「勝男、そういう所だぞ!」と言いたくなるほどの落ち度があるように

描かれていただけに、ここに来て良い所を見せてきて、感動さえ覚えました。

 

一方で、託されたミナトは、変わらず冷静な様子。

「大丈夫です。鮎ちゃんは誰かに任せなくても大丈夫。

だって強いですから。僕らよりずっと…。」

鮎美に対する勝男との熱量差が歴然としていたのと、この"僕ら"発言が妙に気になって。

ミナトからしたら、やっぱり鮎美は重いんじゃないかなぁと思っちゃいましたね。

 

ミナトが特に他意のない天然な人たらしであるように、

鮎美が大切な人のために料理を振る舞うのも、大学時代のエピソードからしても自然なもの。

元カノ同士がギスギスしていないのが不思議だとは思いましたが、

たまたま、ミナトの人との付き合い方に共感出来る人が集まった感じで、

それは"友達の延長線上"みたいな関係性で。

2人の時間を大切にしたい思考の鮎美とは恋愛観が合わないのかもしれません。

…外食のワードも2回言っていましたし。そこで既にズレがありますね。

 

鮎美のオムライスが食べたくなって、でもそれはもう食べられなくて。

自分で作った、卵が完全に焼き上がって不器用なケチャップ文字が書かれたオムライスを

1人食べている勝男を見るのには(そしてテーブルを使ったすれ違い演出も)

しんみりするものがありましたが、

鮎美がミナトに「食べて欲し」くて作ったオムライスが、

翌日の夜になっても残っているのもまた切なかったです…。

 

本作は「別れから始まる二人の成長&再生ロマンスコメディ」とうたっているので、

私としては、2人がヨリを戻す事がゴールだと思って見ています。

勝男がきちんと反省を言葉にして、コツコツ成長を積み重ねている今、

誰かに「食べて欲しい」と思って作った料理を

美味しく「食べてくれる」人がいる幸せを味わえるとしたら、

勝男の方なんじゃないでしょうか。

 

 

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じゃあ、あんたが作ってみろよ 3話 感想|勝男、頑張れ…!の気持ちが増す…。

 

 

「端的に言うと性格が悪い!」

「それに!それは…それは俺も一緒だ…」

「椿は…鮎美が見てた、俺の姿だ…」

「ああやって毎日、鮎美の心踏み躙ってたんだ、俺は…」

ああ…最初の強い発言から始まって、自身が鮎美(夏帆)に同じような事をしてしまっていた

ショックを覚える発言までの、涙のグラデーション演技にやられる……。

 

椿(中条あやみ)は昔の勝男(竹内涼真)みたいだなぁとは思って見ていたけれども、

勝男の"気づき"は、こちら側の想像を超えるものでした。

勝男って本当、なんて素直な人なんだろう…と改めて。

私含め大体の人は、自分に不利な点があると

気づかないふりをして目を逸らしがちだったり(それで謝る事から逃げたり)、

保身に走ろうとしてムキになったりするもんなのに、

彼の場合はちゃんと相手の目線に立って気づけるし、

変な意地を張らず、気づいた事をストレートに発信出来る。

そこが私にとって羨ましい所で、彼の良さなんですよね。

彼が人前で泣き顔を見せられたのも個人的には結構嬉しくて、

好きな人のために涙を流せるほど、彼女の事が好きなんだなぁ…と思うと

ますます応援したくなってしまいますし、

鮎美にも今の彼の著しい成長を見て欲しい気持ちに駆られてしまいます。

 

しかし、鮎美はもう完全に次のステージへ進んでいる。

進んではいるんですけど…やはり前回でも感じた通り、

まだ根本的には変われていないような気がするんですよねぇ。

鮎美は鮎美で、相手の好みに合わせて無理をするのではなく、

自分の意見を言えるようになった。

ずっと他人軸で生きてきた彼女からしたら大きな一歩だと思うんですけど、

まだどこか懸念点が拭いきれません。

う〜ん…その原因を考えてみるに、

勝男にも周りにランチや飲み会に付き合ってくれる後輩2人がいるけど、

交流頻度や距離感は適度なもので、勝男は後輩のふとした発言をきっかけに

自分であれこれ思い巡らせて考える力はあるし、

1人の時でも、日常生活から"気づき"を得る事があるのに対して、

鮎美は基本的に、渚(サーヤ)やミナト(青木柚)の発言に影響を受けて

初めて次の行動に移している印象…?

多分、人との付き合い方が関係しているのかも…ですね。

 

ミナトの遊び人説を知って、鮎美の事が心配になる勝男。

しかし、他人同士になってしまった以上、

引き止め方次第ではストーカーに見えてしまいかねないけれど、彼には頑張って欲しいです。

 

本当、初回の掴みが成功していますね。

ただの嫌な男で終わらず、成長の兆しを早い段階で描いているから、

彼が何か"気づき"を得ながら楽しそうに料理している姿を見ると情が湧いてしまいますし、

はっとした表情を浮かべて反省をしている所を見ると、

ついつい応援の眼差しを向けてしまいます。

今期のNo.1キャラクターです。

 

 

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じゃあ、あんたが作ってみろよ 2話 感想|鮎美の初めての反抗

 

 

鮎美(夏帆)が初めて派手髪に挑戦するきっかけを与えたのは、

距離感が近過ぎるものの、「やってみなきゃ分かんなくない?」と

相手の心を動かす言葉をフランクにかけてくれる美容師・渚(サーヤ)。

私は人見知りの人間なので、こういうグイグイ来られる系の接客は苦手ですが…

若い頃から他人軸で生きてきた鮎美にとっては、

自分自身を改めて見つめ直すための必然的な出会いだったんでしょう。

 

母は父と上手くいかず、姉も恋愛面で上手くいっていなかったのを長年近くで見てきて、

家族を反面教師にし、愛されるとは何かを学んできた鮎美。

相手に気に入られ、安定した人生を得るためにモテに全ベットした結果、

勝男(竹内涼真)に出会ったと。

(素直な勝男は、ベタなモテテクで落ちたのかな…と想像すると、ちょっと面白い(笑))

前回だけなら、勝男に合わせよう合わせようとする彼女を気の毒に思っていましたが、

自分の意見を押し付けがちな勝男と、逆に自分の意見が出せない鮎美の関係性は、

鮎美が理想の人生を描く上で、ある意味"ちょうど良かった"のかもしれませんね。

自由ってこんなに素敵な事なんだよ!思考の渚と出会うまでは…。

 

一方、勝男については…

彼女を迎えにきてくれるなんて優しいじゃ〜んと思わせてから、

すぐさま作り置き料理にダメ出ししてくる勝男には、そういう所!とツッコんだものの、

コークハイともつ焼きの組み合わせを試してみたり、カレーに挑戦したりと、

今回も、この1時間内で著しい成長を見せてくれました。

特に、反省の意を示すために、顆粒だしを握ったまま外に飛び出して結局話しかけられず、

犬に吠えられて転けてしまった様子は、

あまりの一生懸命さ&情けなさで可愛らしく見えてきちゃって…(笑)

前回で、料理初心者にもかかわらず顆粒だしに頼ろうとせず、

一から出汁を作った苦労を身を持って経験したから、

彼女がいつの間にか顆粒だしに切り替えていた心情も、出汁から作るしんどさも理解出来て

あの行動に走ったのでしょうし。

やっぱり、彼の事は応援したくなってしまう訳です。

 

鮎美はピンク髪とテキーラで、勝男はコークハイとモツ焼きで新しい扉を開いた今回。

今までは固定観念が邪魔して勝手に可能性を狭めていただけで、

「自分ってこんな一面があったんだ!」「こんな面白いものがあったんだ!」と気づいた時の

キラキラした表情を見ていると、不思議と心が軽やかになります。

相手に懲らしめられる、思い知らされる形で"過ち"を自覚する…

それも自身を改めるきっかけの1つだと思いますが、

周囲のフォローに助けてもらいながら、自ら試して、何が問題点だったのか自分で気づく…

その描写過程が、軽やかさに繋がっているのかもしれません。

 

一方で、今回を見てもう1つ感じるのは…

お互い、ある種の"呪い"を解くにはまだまだ時間がかかりそうだという事でしょうか。

勝男は、子供の頃からの父の

「いつか一家を支える存在が、人前で弱みを見せるな!男だろ!」という教えが

染み付いてしまっている状態で、

いつか弱音を吐き出せる時が来ると良いなと思うんですけど。

やや深刻なのは鮎美で、彼女の周りには距離感の近過ぎる人が集まりがちな辺り、

相手の影響を受けやすい&翻弄されやすい体質からは中々抜け出せない気がします。

美容師は良い人だったものの、酒屋・ミナト(青木柚)の方は

このまま彼のペースに流されていったら悲しい未来が待っていそうで心配です。

だって、交流して間もない人に「可愛い」発言でツーショットですからねぇ…(汗)

 

笑える要素もあり、学びの要素もあり、次回への繋ぎもしっかり用意されており、

もちろん恋愛描写もあり…で、豊かで楽しい火10です。

相手の気持ちへの歩み寄りが少ないと、次第に相手を孤独にさせてしまう。

手繋ぎにしても、お花見にしても、これが今回の一番の学びでしたね。

※来週はテレ朝火9の初回感想を優先します。

 

 

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じゃあ、あんたが作ってみろよ 1話 感想|筑前煮男、現る。

 

 

(実は放送日に書いており、雑感集として他のドラマの感想と一緒に載せようと思い

下書きに残していたのですが、やっぱり単体で投稿する事にしました。)

(でも、そうなってくると、某火9が始まったらどうしよう…とも思っています。

そんな訳で、今後も投稿するかどうかは未定です。)

 

面白い。このドラマの竹内涼真さん、良い!最高!!!

竹内さんの元々持っている爽やかな雰囲気とか、スポーツマンな一面とか、カッコ良さとか、

そういった今まで蓄積された好感度の高さをあえてドブに捨てて

海老原勝男という主人公を演じ切ろうとしているので、

逆に好感度が上がりますし、応援したくなってしまいます(笑)

 

冷凍食品を入れた弁当は手作り弁当ではなく解凍弁当だの、

カレーって野菜切って炒めるだけでしょ?だの、

筑前煮が作れる女性が理想だの、

開始早々、タイトル通り「じゃあ、あんたが作ってみろよ!w」と言いたくて

ウズウズする発言オンパレードだったけれども、

話が進んでいくごとに、亭主関白らしい父親に似ただけで

根が悪い訳ではない事が分かる。

無駄に完璧主義で見栄張りな性格だけれども…

裏を返せば、反省をすれば即行動に移せる学習意欲の高い人とも言えるので、

そこは腰の重い私からしたら、ちょっと尊敬したくもなる。

あとは何と言っても、素直なのが大きいですね。

自分の考える計画が完璧だと信じてやまない時は上機嫌だったり、

彼女に振られた時はずぶ濡れになるほど落ち込んだり、

スカウトの女性たちからの誘いはすんなり受けたり…はもちろん、

極め付けは、スーパーからルンルンしながら出る所で、妙に可愛く見えてしまって(笑)

 

事前情報で「古い価値観を持つ男」だとは知っていたため、

イライラしたまま終わったら嫌だなぁ…と思っていましたが、

初回のうちから、彼の足りない部分も、隠れている良い部分も

不憫な一面も知る事ができたので、

このまま言動にツッコミつつ、成長を楽しく見守れそうです。

…まぁ、第三者目線で見ているからこう書ける訳で、

現実世界では、分かりやすく不快な人よりも、

彼のようなぱっと見明るくて憎めないタイプの人の方が

"モラハラ男"としてはリアルなんだろうな…とも思います(苦笑)

 

次回は、鮎美(夏帆)サイドのお話でしょうか。

圧倒的に非があるのは彼ですが(←ここは強調しておかないとw)、

彼女は彼女で、別れて次の彼氏を作った途端ピンク髪にしてクラブに通う辺り、

相手に合わせようと頑張りがち、影響されやすい人にも思えます。

勝男がプロポーズに誘ったあの日に、実は筑前煮を作ってくれていて、

次に再会した時には風貌が様変わり…

彼女は付き合っていた当時から現在まで、彼の事をどう思い、何を抱えていたのか

自然と気になってしまうような締め方でしたね。

 

ポップな演出も火10お馴染みな感じではありますが、

料理で言う胡椒やパセリのような、

物語やキャラクターの個性を引き立たせる塩梅に留まっており、

勝男のズレた男っぷりに拍車をかけていました。

 

掴みとしては抜群で、シンプルに楽しめた初回でした。

金曜も含めて、今の所、初回を見て素直に面白かったと言える作品は本作だけなので…

既に始まっている他の作品も、今後徐々に伸びる事を期待したいです。

 

 

↓次回の感想はこちら↓

 

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