
口でカッコカッコ鳴らすわ、食べ終わった食器や捨てるものをシンクに置くわ、
傘を斜めにして持ち歩くわ、若者に通じない昭和ネタで1人盛り上がるわで、
この主人公・渉(北村有起哉)も絶妙に嫌〜なおじさんなんですが…
一昨日の主人公がインパクトが強過ぎたために、
まだ良い意味で「普通」に見えてくるという(笑)
娘・ゆず(近藤華)が20歳間近になっても、
実家に住みたいと思っている事が答えみたいなもんですよねぇ。
言うほど悪い父親ではないのかもしれません。
むしろ気になるのは…母・あん(仲間由紀恵)の息子・順(小瀧望)へのベッタリ具合。
もし順が結婚したら、婚約相手からしたら物凄く面倒臭い義母になりそう…
っていうのもありますし。
本気で離婚しようと決意したのは恐らく2人目を産んだ後の事で
(じゃなきゃ、2人目も産もうとはならないはずだから)、
娘を育てるにあたって、この子が20歳になれば離婚出来る…!という願望が
度々頭に過ぎっているんじゃないかと考えたら、少し気の毒にもなってきますね。
台風の接近で川が氾濫する可能性があるから、
この日は住民たちで3階の小倉家に泊まる事になる展開は、岡田作品らしく。
共同住宅に住んでいるか、家族年齢バラバラないろんな人たちが1つの家に集まる事で
小さなコミュニティが育まれていく…
この流れは数々の作品を見ているとお馴染みにはなっていて、
それが岡田惠和さんにとって、作品を描く上でのブレない軸なのだろうなと思います。
あの環境を私自身に置き換えたら、別に集まりたくない…1人にさせて〜と
思っちゃうタイプですし、
現実的に言えば、避難場所になっている近くの学校に行くんじゃない?と
ツッコミたくなるのも確かなんですけど、
岡田作品の中で描かれる小さなコミュニティは、どの人も温かくて、優しくて、
でもちょっぴり不器用で…。
あの全くタイプの違う3組の関係性がどう変化していくのか、
そして、ただ1人何も分かっていない渉の不穏さが、今後も周囲をどう巻き込んでいくのか、
"非日常"としての面白さがあるんですよね。
集まりの描写で個人的に嬉しくなってしまったのは、
みんなニコニコしながら「可愛いね」「いつも楽しそう」「仲良いのかなと思ってた」と
ポジティブな言葉を投げかけていた光景でした。
今までまともに会話もしてこなかったほぼ初対面の相手に、
過去の嫌な出来事や日頃思っている事を話せるって、早々ないと思うんです。
それだけ、渉たちから醸し出る温かさで心が解れた訳で。
かつて同枠で、同性カップル(男性の方)を取り扱った
「隣の家族は青く見える」というドラマが放送されていて、
確かその時は、抵抗感のある反応を見せていた人がいたと記憶しているんですけど、
本作では全然顔に出ず、むしろ好意的に見ていそうな人ばかりだった辺りに、
この約7年半で、世間の多様性への理解が広まりつつあるのを実感させられもしましたね…。
あと54日後に離婚するかもしれない夫婦。
でも、黙って離婚すれば良いものを、
わざわざ設定したカウントダウン画面を見せてまで報告するんだから、
渉の成長にわずかに期待してはいるんでしょう。
「あの約束、生きてるから」の件は最後の最後まで引っ張ったため
(というか、なんで23時のタイミングでCMに入る…とは(汗))
かなりゆったりとしたお話ではありましたが、見ていて心地が良いので、次回も見ます。
ただ…来週からは、シーズン3から感想を書いている「緊急取調室」が始まり、
今回でファイナルシーズンとなるため、感想は両方は難しいかも…。
p.s.本作の略称が「ちいかみ」なの、可愛いですね。あの名前に似ているからか…(笑)