2025年秋ドラマ-緊急取調室一覧

緊急取調室(2025) 4話 感想|大原櫻子さんの演技は見応えあったが…

 

 

冒頭、礼奈(大原櫻子)の顔面ドアップから始まって、

黒目がはっきりと映る大きな目と言い、鏡の前で作り笑顔をするのと言い、

彼女の様子から既に不気味でミステリアスな雰囲気が漂っていたので、

今回は一味違うかも?と期待感を抱かせてくれました。

 

弁護士・清原役の高岡早紀さんが登場された時点で、

まぁただの弁護士ではないんだろう…事件の関係者なんだろう…とは察しがついていたため、

礼奈が話している内容が清原自身を指していたのにもそこまで驚きはありませんでしたが、

取り調べ対象が清原に代わって、礼奈は巻き込まれた被害者に…と

後半で逆転させるのではなく、最後まで礼奈を描き続けた事が余韻に繋がった気がします。

取り調べが進んでいくごとに、彼女がパパ活に走り、演じるようになったきっかけや、

愛していた人を失った悔しさ、怒り、逮捕され、死刑宣告されて自暴自棄…といった、

1人の人間に様々な感情が渦巻いている所が垣間見え、

結果的に彼女の"人生"の一端をも見たような感覚になり、視聴後にほろ苦さが残りました。

 

居酒屋での「犯罪が起こった後でしか動けない我々に、何が出来るんだろうね。」という

春夫(小日向文世)の発言も、その発言を聞いて、ビールを飲んで少し涙目の顔を上げて

ただ考える事しか出来なかった真壁(天海祐希)の表情も刺さりましたね。

容疑者の本音を炙り出す事がキントリの職務ですが、

能力や頭脳、経歴を活かせる場所は特定の部屋のみであり、

外でも動ける訳ではありませんから…。

 

しかし、こんな感じで褒めて終わりたかったんですが、

今回の内容で1つだけ釈然としない所があるんですよね。

礼奈はなぜ清原の提案を受け入れたのかが、ちょっとよく分かりません。

流れを書くとするなら…清原がしていた犯行を、架空の人物である依頼人の女性がしており

自分の所に相談しに来た事にしておいて、

それを、人助けのつもりで、礼奈がその男を殺したと告白して欲しいと

話を持ちかけてきたんですよね?

礼奈は刑が確定しており、新たな殺害の報告をしてもこれ以上刑は課せられる事はないし、

あなたの人生を本にし、被害者家族に送ると。

でも、礼奈本人は「手記なんかで喜ぶ訳ないじゃん」と他の人に言っていたのです。

提案自体も、清原が得をするだけで礼奈に何のメリットもないですし…

じゃあなんで?という疑問は残ります。

私が見逃していたor理解不足だったらすみませんが、

これも"おバカのふり"をしていたという事で良いんでしょうか。

 

とは言え、大原櫻子さんの演技をじっくり堪能出来た点で、見応えのある回でした。

パパ活女子の役に合わせて声色も変えられていたので、一瞬別人かと錯覚しましたし、

取り調べシーンで顔に映る青暗い影すら、悟られないように心の奥底に

本来の自分を隠している女性を思わせて、味方につけていた気がします。

 

 

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緊急取調室(2025) 3話 感想|神でいたかった男

 

 

「山の神」と呼ばれている救助隊員・布施(戸次重幸)が今回の取り調べ相手。

言葉巧みな所や、今の地位を守りたかったがために…な所は

前回・前々回の倉持(山本耕史)とも通ずると思うんですが、

今回はより、人間のズルさや愚かさを感じさせる結末になっていました。

 

争いを見たかもしれない恐れから、倒れた女性の意識が戻らない事を

願ってしまったのはもちろん、目を覚ました後の事情聴取で

結局見ていなかったと判明した瞬間には、うわぁ…と心の中で思っちゃいましたね。

布施が仮眠をとったのは、救助隊員の人材不足で

責任の重い立場にいる彼が過剰労働をせざるを得なくなったが故の

行動だとも考えられるんですが、

「あの瞬間、自分は神に背きました」と言っていたように本人も自覚しており、

意図的に落としたので…あまり同情は出来ません。

周囲に「神」だと持ち上げられるとロクな事にならない。

人間は「神」にはなれない。

何だか、教訓とも言える内容でした。

 

緩急を生み出す要素として見ていた真壁(天海祐希)と梶山(田中哲司)のやりとりは

実は最後まで活きていて、真壁が記録用のタイトルに「神々の山」と描いた所は、

山岳部出身という事で積極的に捜査してくれた

梶山への感謝の意を感じさせて、ニヤッと案件でしたね。

 

ただ、強いて言うなら…モツナベコンビを筆頭に

外での捜査による情報入手が多かったためか、

取り調べを通して被疑者の本性を炙り出す面白味みたいなのはやや減ってしまって、

そこは勿体ない気はしましたね。

あと…YouTuberカップルで、私利私欲のために悪事を働く彼氏の設定は

必要だったのかどうか?

布施の真相を明らかにするためなら、

女性が軽装で登山をしていた所落下…だけでも話としては成立出来そうなだけに、

逆に彼の存在が話を回りくどくさせていたんじゃないかとも思いました。

 

次回は女性回という事で。

個人的には、女性被疑者との取り調べの回は満足度が高くなりやすい印象があるので、

次回を楽しみに待ちます。

 

 

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緊急取調室(2025) 2話 感想|夫婦は合わせ鏡のようなもの

 

 

真犯人を庇っている説を真壁(天海祐希)が出した時に、

玉垣塚地武雅)は闇バイトの観点から、菱本(でんでん)はヤクザの観点から、

春夫(小日向文世)は政治的観点から…そして真壁自身は、女性の観点から考える。

特別目立つ台詞ではないけれど、こういった意見交換のシーンだけでも

その人の得意とする分野や、現在までに至る経緯が読み取れて、

個々のキャラクターが見えてきます。

「(当時の立てこもり時の対応)あれを見て、本物の警察官…?そんな風に思うはずがない」

の後の、「怖い」「おっかねぇ」「背筋が凍るね」という三者三様の反応の仕方も

コミカルちっくで、テンポ感も含めて可笑しかったですね。

 

本作の事は基本的に、安定して楽しめる作品だと思っていますが、

その理由がどこから来るのかと聞かれれば、

事件・捜査の描写に多少のマンネリ感があったとしても

各々の役割分担が明確で、どの人物にも個性が見える所が

大きいんじゃないかという気がします。

 

取り調べ自体は、前回で期待していたほどの見応えはなかったのかな?

というのが正直な感想で、

前回で感じた倉持(山本耕史)の口先が達者な、クレバーな部分を、

取り調べでも真壁たちが少し翻弄されるくらいには

もっと堪能したかったかも…とは思いましたが、

彼女たちはもう何年もやっているプロですからね。

利津子(若村麻由美)が「勝手口に、夫が現れたんです」と言ったのを機に

倉持が慌て始め、一気に倉持が不利な状況になる流れは楽しめました。

 

夫婦は合わせ鏡のようなもの、かぁ…。

でも、倉持家の鏡はもうひび割れてしまっている。

家庭を支えようともせず、息子に口出しばかりする父親に腹を立てるのも分かりますし、

急に家に来られたら迷惑ではありますけど…。

倉持も倉持で、人の意見を聞き入れず自分中心な所がある点では、似た者同士なんですよね。

 

 

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緊急取調室(2025) 1話 感想|前後編だけど蛇足感なし。

 

 

本作のシリーズは、シーズン1から視聴済み。

感想はシーズン3から書いています。

新作ドラマを放送するとの事で凄く久しぶりに感じていたんですが、

私の過去感想を調べてみたらちょうど4年前で、そう感じるのも無理はなかったんですね。

 

これも調べた情報で、本当は「劇場版 緊急取調室 THE FINAL」も

2022年に公開予定だったのですが、

当時、実際に起きた事件を想起する描写があった事で一度延期。

その後、2023年6月の公開を予定していたものの、

出演者の1人に事件が発生した事から再度延期し、出演者の調整や公開時期の考慮、

スケジュールの関係もあってか、ようやく今年、正式に公開が決まったようです。

 

つまり、本来だったら、2021年10月期放送のシーズン4→翌年の新春スペシャルの流れで、

2022年か2023年にはとっくに完結していた訳で。

長い年月をかけ公開日が決定したのにもホッとしましたが、

またこうして、連続ドラマとして新たに撮影して下さった事を嬉しく思います。

 

前置きが長くなってしまったので、初回の感想に移りますが…

一定時間ごとに新たなゲストキャラが登場してくる時点で、もしかして?とは思いましたが、

やはり今回は前後編の前編でしたね。

前編で引き延ばしを露骨に感じる内容だと、

後編だけ見れば十分じゃない?わざわざ分ける必要ある?と思ってしまうタイプなので

個人的にはあまり好まない構成なんですが、これは面白く見られました。

 

新春スペシャルから約4年ぶりにキントリメンバー&モツナベコンビを見る事になるので、

最初はぼんやりとした記憶でも、重要参考人の本質を見抜こうとする

真壁(天海祐希)の動きや、それに気づいていた春夫(小日向文世)との聡明な関係性、

菱本(でんでん)の荒ぶりっぷりといったレギュラーメンバーの様子を見ていると、

そうそう、そう言えば…!と徐々に思い出す感覚にもなりましたし。

ゲストキャラにもそれぞれしっかり見せ場が用意されつつ、

まずは「第一、第二の事件」を解決し、いよいよ最大の目玉である

「倉持(山本耕史)&利津子(若村麻由美)夫婦の取り調べ」へとバトンを渡す

ストーリー運びになっていたお陰で、

無駄な印象は覚えず、次回にも期待感を膨らませながら見終える事が出来ました。

 

シーズン4は全体的に、少し惜しさが残った記憶がありますが、

前後編&初回拡大放送でも良いスタートを切った今シーズンなら、きっと大丈夫でしょう。

あとは、集客目的のため多少の"謎"や"軸"が描かれるとは言え、

「映画のためのドラマ」ではなく「ドラマはドラマ。映画は映画。」で

終わってくれると良いな…と思ってます。

 

↓シーズン4最終回の感想はこちら↓

 

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