知らなくていいコト 8話 感想|追う者から追われる者へ

 

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野中(重岡大毅)の顔が映るたび、「お前〜!」と何度イラっとした事か…(笑)

 

次回予告で見せた尾高(柄本佑)のキレのあるパンチは一発だけ。

だからスッキリもしなかったし、むしろ、しばらく立ち直れなくなるくらい

もっとやったれ!とも思っていました。

しかし、全力で殴ってしまったら野中の思うツボな訳で、

殺人犯の娘の元彼だという事、一線を超えた関係である事もバラされてしまうだろうし、

そうなったら、安定した生活、収入、ケイトとの関係…何もかも失いかねない…。

「背中がまだ痛む」と言って止めていましたが、きっとそんな考えも一瞬過ぎったのでしょうね。

 

ケイト(吉高由里子)の過去を知っても普通に接してくれる同僚の優しさと

編集長・岩谷(佐々木蔵之介)の頼もしさ。

尾高のかける1つ1つの言葉の安心感。

しかしそれと同時に、世間やマスコミの悪意ある批判や副社長の陰謀、

野中の卑劣な行為も混在しているのが現実。

 

綺麗事ばかりではない。見えない目に常に追われている。

加害者・被害者家族がいるのは、そんな"気持ち悪い"心地のする世界なんだよ…というのを、

ケイトも「追われる側」になってみて初めて思い知らされる様を、

相田の奥さんを通して、彼女の視点に立って一緒に味わう事のできたお話でした。

 

今回を1つのターニングポイントだとすると、

追われる側になったケイトが今後、自分の置かれた立場と仕事に

どう向き合っていくべきかが重点的に描かれていくのだと思いますが、話数は残り2話。

乃十阿の件もまだ不透明ですし、あと1、2話くらい彼女の状況変化を早く描いても

良かったような気はします。

 

で、その乃十阿の件も、特に情報が得られないままだと思ったら、

最終章になっていきなり「冤罪か!?」なんて言い出す始末。

引っ張りに引っ張ってきましたが、ここは何の意外性もないオチで終わりそう…。

 

週刊誌記者の仕事ぶりには、今までそれを舞台にした同じ系統の作品よりも

一番リアリティが感じられてタメになりますし、

尾高や岩谷といったキャラクターも魅力的ですが、

縦軸の扱い方が疎かになってしまったのは少し勿体なかったのかな?と思っています。

 

 

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10の秘密 7話 感想|迂闊は遺伝するもの。

 

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な〜んか話がとっ散らかってるなぁ。

最初は娘の誘拐事件で「犯人は誰だ?瞳の抱える秘密とは?」から始まったのに、

いつの間にか3億円争奪戦になって、いつの間にか高嶺の花的存在の由貴子(仲間由紀恵

への復讐劇になって…と、どんどん主題が変わっていってる。主人公とおんなじ。

 

圭太(向井理)も圭太ですよ。

彼が目の前の問題に右往左往しているようにしか見えない事は以前にも書きましたけど、

「由貴子を捕まえて何がしたいのか」という"ビジョン"が伝わらないからイライラする。

ついこの前まで「娘のための3億円だ!」なんてお金に執着していたのに、

今回になったらお金はどうでも良いなんて言い出して、ターゲットは由貴子に変更。

こんなに自分の考えに一貫性がない主人公、います?

10年前の、陰からほんの少し見えただけの宇都宮(渡部篤郎)の靴磨きを

記憶していた翼(松村北斗)の方が、特殊能力が備わっている点で

主人公っぽく思えるんですけど。

もう翼と一緒に過去にタイムスリップしてやり直そうや…ってそれは別のドラマか。

 

最後まで圭太が菜七子(仲里依紗)を疑わなければ、候補者にも上がらない展開が

続くのが不自然だなー…どうせ「まさか菜七子が関わっていた!?」という

衝撃的なラストで落とすんだろうなーと思っていたから、案の定そうでしたね。

しかしまぁ、盛り上げ方、下手ですよね(苦笑)

意外性を持たせたいんだったら、

夜の仕事をしている姿を匂わせるシーンを入れなきゃ良かったのにさ。

演出に関しても、スローモーション取り入れれば迫力が出ると思ったら大間違い。

後ろから殴られる圭太…すっごい鈍臭い人に見えちゃったw

 

迂闊な人ばっかりなのでイライラはするけど、

ラッラッラッライ♪は毎週聴きたくなってしまうドラマ。

最早、OP映像を見たいがために見ていると言っても過言ではないかも…!?(笑)

 

 

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僕はどこから 7話 感想|前々回で学習済みなので寛容的に…

 

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また引き伸ばし感を覚えたなぁ。

 

山田(高橋努)の心理を、能力を使って探ろうとする薫(中島裕翔)の対峙シーンや、

母・陽子(仙道敦子)を縛る事で覚悟を露わにするシーンなど

確かに見所はあったものの、山田に関する描写・説明が多過ぎたのか、

前回で強く感じられた薫と智美(間宮祥太朗)の確固たる"絆"や存在感が

薄まってしまったのが残念。

まだ二人の学生時代の回想が盛り込まれていたから良かったですが、

それがなかったら、下手したら再び

「これ、どんなドラマだったっけ?」状態になっていたかも…。

 

けれども、4話と5話が前後編だったのを考えると、

今回も前編だと思えば良いのでしょうね。

なので、次回と合わせて見てみないと、感想は書きづらい感じです。

スッキリ片付けてくれる事を期待しています。

 

「明日、必ず、助けに行きます。」というメールを見た智美…銃を持って行った薫…

その時点で、山田の企みに気づいた上で動いているのかどうか?が気になります。

 

 

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僕はどこから 7話 感想|前々回で学習済みなので寛容的に…

 

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また引き伸ばし感を覚えたなぁ。

 

山田(高橋努)の心理を、能力を使って探ろうとする薫(中島裕翔)の対峙シーンや、

母・陽子(仙道敦子)を縛る事で覚悟を露わにするシーンなど

確かに見所はあったものの、山田に関する描写・説明が多過ぎたのか、

前回で強く感じられた薫と智美(間宮祥太朗)の確固たる"絆"や存在感が

薄まってしまったのが残念。

まだ二人の学生時代の回想が盛り込まれていたから良かったですが、

それがなかったら、下手したら再び

「これ、どんなドラマだったっけ?」状態になっていたかも…。

 

けれども、4話と5話が前後編だったのを考えると、

今回も前編だと思えば良いのでしょうね。

なので、次回と合わせて見てみないと、感想は書きづらい感じです。

スッキリ片付けてくれる事を期待しています。

 

「明日、必ず、助けに行きます。」というメールを見た智美…銃を持って行った薫…

その時点で、山田の企みに気づいた上で動いているのかどうか?が気になります。

 

 

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絶対零度〜未然犯罪潜入捜査〜(2020) 8話 感想|ちゃんと畳めるの?

 

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なんか…改めてめんどくさい話になりましたね。

壮大な展開、アクションが見所、テロ組織の陰謀、意味深な過去を持つ登場人物…

きっと「CRISIS」をモデルにしたんだろうなぁ、と思ってます。

(これは最後まで見られていないままなのだけど。あくまでも想像。)

 

でも、全然ワクワクさせられないのは…

やはり中途半端にネタバレしている演出が大きいんでしょうね。

どうせ香坂(水野美紀)が死ぬのは初回から分かっているので、

今更時間軸が飛んだって衝撃もへったくれもないですし。

最後に曽根崎(浜田学)、篠田(高杉真宙)、門田(粗品)それぞれの

怪しげな素振りを一気に提示して終わらせたのも雑。

私の理解力がないと言われればそれまでですけど、

見所が多過ぎて何を一番強調したいのかが曖昧だから、イマイチのめり込めないんですよ。

犯人は一体誰なのだ?と予想している間に、以前チラ見せした冒頭の話を少し回収して、

突然未来に飛んで、テロに香坂が関わっている新情報が追加されて…と、

次々畳み掛けるような内容について行けている視聴者は果たしているのかが疑問です。

 

唯一分かるのは、加賀美が見ていた少年の写真。

今いる候補者を考えたら、篠田しかいないんじゃないでしょうか。

門田も大分どうかしている様子でしたけど、

その人が犯人だとキャスト的には小者っぽいしなぁ。

田切(本田翼)が「私のせい」と言っているシーンが確かあったので、

テロの関係者だと気づかずに彼と付き合っていたのを責めていたと捉えれば

繋がりそうですが…。

 

うーん…それにしても…前シーズンよりも視聴率が下がっているのも頷けますね。

前の方が見せ方的に整理整頓されていた気がします。

もう何でも良いから、風呂敷を無事に畳んでくれる事だけを願ってます…。

 

 

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テセウスの船 6話 感想|クララ…じゃなくてミキオが立った!!!

 

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コメディよりも笑わされるドラマ(笑)

同じ迂闊でも「10の秘密」の主人公と何が違うのか…

なんて事を向こうの感想で書きましたけど、

自分語りを始めたり、自分の無計画な行動に自覚がなかったり…という点では、

誠実キャラだと思い込む人とそんな変わらないのかな?と思いました。

 

小太りでメガネの男は田中(せいや)だった←いやまた一人で家に侵入するんかい!

警察に捕まって感情的になった←冷静になって!自分の行動が読まれてるとは思わんのか!

由紀(上野樹里)に過去の自分の話をし始める←長くなりそうな話を寒い場所でしないで!

「今回は僕が一人で行きます」←今回"は"じゃなくて"も"だから!!

…とまぁこんな感じで、心(竹内涼真)のあまりの学習力のなさが際立つものだから、

今までで一番ツッコミまくった分…

最後で録音していた時にゃあ、成長したのねっていう謎の感動さえ生まれましたよ(笑)

 

由貴が心の奥さんだったとすんなり受け入れられちゃうのはファンタジー過ぎるし、

心が唐突に語り始めて、しまいには主題歌を挿入する事で

「ほら、ここ泣ける所だよ」という作り手の意図も見え透いた気がして、

終盤までは何かがスーッと離れていく心地がしたものの…

とりあえず、真犯人をチラッとだけ見せて次回に持ち越し…

なんて煽りはやらなかったのには安心しました。

 

真犯人はミキオ(安藤政信)。

正直、やっぱりな…と思ってましたw

意外と近くに怪しい人物がいるのはミステリーの鉄則ですし、

心が何もかも情報を彼に話してましたしね。

実は歩けるのも予想通りではあったけど…

「あな番」では不完全燃焼な役割で終わったのか

「ジ・エンド〜〜〜〜〜〜!!!」と叫んで暴れまくる安藤さんが面白かったので

満足ではあります。

 

ミキオだと分かった。つまり、材料は全て揃った。

そして再び過去にタイムスリップする心…。

公式だと「真犯人は違う」と言っていますが、

今の状態ではどう考えてもミキオのルートしかあり得ないんですよねぇ。

まさか、新キャラが犯人!なんて事はやらないでしょうね。

 

 

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テセウスの船 6話 感想|クララ…じゃなくてミキオが立った!!!

 

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コメディよりも笑わされるドラマ(笑)

同じ迂闊でも「10の秘密」の主人公と何が違うのか…

なんて事を向こうの感想で書きましたけど、

自分語りを始めたり、自分の無計画な行動に自覚がなかったり…という点では、

誠実キャラだと思い込む人とそんな変わらないのかな?と思いました。

 

小太りでメガネの男は田中(せいや)だった←いやまた一人で家に侵入するんかい!

警察に捕まって感情的になった←冷静になって!自分の行動が読まれてるとは思わんのか!

由紀(上野樹里)に過去の自分の話をし始める←長くなりそうな話を寒い場所でしないで!

「今回は僕が一人で行きます」←今回"は"じゃなくて"も"だから!!

…とまぁこんな感じで、心(竹内涼真)のあまりの学習力のなさが際立つものだから、

今までで一番ツッコミまくった分…

最後で録音していた時にゃあ、成長したのねっていう謎の感動さえ生まれましたよ(笑)

 

由貴が心の奥さんだったとすんなり受け入れられちゃうのはファンタジー過ぎるし、

心が唐突に語り始めて、しまいには主題歌を挿入する事で

「ほら、ここ泣ける所だよ」という作り手の意図も見え透いた気がして、

終盤までは何かがスーッと離れていく心地がしたものの…

とりあえず、真犯人をチラッとだけ見せて次回に持ち越し…

なんて煽りはやらなかったのには安心しました。

 

真犯人はミキオ(安藤政信)。

正直、やっぱりな…と思ってましたw

意外と近くに怪しい人物がいるのはミステリーの鉄則ですし、

心が何もかも情報を彼に話してましたしね。

実は歩けるのも予想通りではあったけど…

「あな番」では不完全燃焼な役割で終わったのか

「ジ・エンド〜〜〜〜〜〜!!!」と叫んで暴れまくる安藤さんが面白かったので

満足ではあります。

 

ミキオだと分かった。つまり、材料は全て揃った。

そして再び過去にタイムスリップする心…。

公式だと「真犯人は違う」と言っていますが、

今の状態ではどう考えてもミキオのルートしかあり得ないんですよねぇ。

まさか、新キャラが犯人!なんて事はやらないでしょうね。

 

 

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トップナイフ -天才脳外科医の条件- 7話 感想|医療ドラマからどんどんかけ離れていく…

 

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階段から何者かに突き落とされる冒頭…いや、2サスか!と思ったけれど、

最後までその印象は変わらず(笑)

でも、本作は"あくまでも"医療ドラマなので、

双子コーデのどちらが犯人でどちらが善人かは分かりやすい(キャスト的にも)。

っていうか、どう見ても同じ服装で、誰かを遠くから監視しているような

動きをしているのに、それにツッコまない医者達も変ですが、

患者を裏口から簡単に地下駐車場に連れ出せちゃうような

セキュリティの甘さも、どうよ…?(滝汗)

 

今回は患者・滝野(原沙知絵)のエピソードの方が重視して描かれていたので、

医者達の過去の匂わせ描写は相変わらず盛り込み過ぎなものの、

比較的見やすかったようには思います。

しかしその分、左半分が認識出来ない症状を持つもう一人の患者の扱いが曖昧なまま

終わってしまった勿体なさがありましたが、「俺が愛しているのはこの人じゃない…」

という台詞にもあったように、次回に引っ張るのでしょうか?

 

本作、深山(天海祐希)のナレーションから始まるアバンは良いのですが、

最後の締め方が何とも雑なんですよね。今回に関しては流れが変。

西川(夙川アトム)と滝野が幸せそうに手を繋ぐシーンを映しながら

「新しい顔が人生に彩りを与えてくれる事もあるのだ」という語りを入れる事で

希望の兆しを見出す結末にしようと意図したのでしょうが、

その前に今出川三浦友和)の意味深発言を挿入してしまっては不穏な印象が残ってしまい、

二人の間から醸し出される雰囲気にも浸れません。

まぁ、バーの店主に恋敵が!?という意外性を最後に持ってくるために

順番を入れ替えたのかもしれませんが、

そもそも、もう恋愛要素は広げなくても良いような…。

 

今出川のリストラの件は、きっと深山が第一候補なんでしょうね。

だって、手術しているシーン、一切なし!!

内容のクオリティは同じでも、最初の頃は、ドリルでガリガリ音立てるなど

結構エグいほど見せていたような気がするし、それが本作の良さでもあったんですが、

近頃はちょろっとしか見ませんもん。

小机(広瀬アリス)や西郡(永山絢斗)が少し頑張ってやってるレベル。

だから、最終回間近になって「深山がクビ!?」なんて煽られても驚かない自信があります。

トップナイフと言われる割には活躍してないもんね、と思うから。

 

次回は土10準レギュラー(?)の小市慢太郎さんが、本格的に物語に絡んでくるみたいです。

家族関係の話が追加されるとなると、ますます医療ドラマからかけ離れて行きそうですね。

主人公の存在感、本筋から浮いた踊るEDでしか

発揮出来ていないように感じるのは私だけですかね?

 

 

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コタキ兄弟と四苦八苦 6話 感想|世間という名の地獄

 

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世間縛苦(せけんばっく)。

これが一番身近で、生きていく上で一番多く経験する苦しみ。

 

「お兄ちゃんだから」という生き方を貫き通したが故に、

居場所を失ってしまった過去を持つ一路(古舘寛治)。

よく知らない人から社会不適合者だと言われようが、

愛する娘を大事に育ててきた事を誇りに思う二路(滝藤賢一)。

自分の環境を「変だよ」と友達に言われるハナ(川島鈴遥)。

ママは子供を教育すべき、パパは仕事するべきという風潮に

苦しめられてきた妻・有花(中村優子)。

それぞれの心の訴えを、シビアになり過ぎないように、

時に字幕演出などのユーモアを交えながら

「こんな心境を抱えて生きてきたんだよ」と優しく描いてくれたお話でした。

(もしかしたら、タワマンの住人にも、周りに取り残されないようにしようと

空気を読んでいる人がいるのかも?なんて。)

 

娘が初めて歩いた日、学芸会の練習で一緒に歌った歌、

今でも全部覚えているパパちゃんは凄い。

ぐうたらに見えても、実は主夫としての役割を全う、

いや、"役割を全う"以上に娘の面倒を見てくれていたんだと

奥さんが気付けたのは良かった。

娘がとても良い子で、幸せに育っているのが、この家族にとっての正解だとも思う。

でも、旦那の印象が変わった、奥さんも彼のどこが好きだったのかを思い出した、

じゃあ寄りを戻してみようか…というドラマらしい希望のある終わり方ではなく、

結局は「世間からどう見られるか」を基準にしてしまうオチに妙な余韻が残りました…。

 

人の数だけ何に苦しめられてきたのか、何に悩んできたのかも違うし、

そんな世間縛苦の中で、私たちは生きている。

日々を過ごして膨らんでいく"どこかモヤっとした気持ち"を具現化してみせたような脚本。

 

兄弟を通してしんみりさせられたと思ったら、次の回ではクスッとさせられてしまうし、

また次の回では共感してしまうし…で、

野木亜紀子さんの引き出しの多さに、改めて驚かされます。

 

 

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アライブ がん専門医のカルテ 7話 感想|現実から目を背けてしまう人間のズルさ

 

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今回は、引きこもりの息子を持つ武井(平田満)のエピソードと

縦軸部分である須藤(田辺誠一)のエピソードを並行して描いていく作り。

後者は今まで散々引っ張ってきたから、須藤が怪しげに動いてきた割には

あっさりと自分の犯した罪を認めてしまうんだなぁ…という驚きはあったけれど、

前者の患者も含めて「現実から目を背けていた人々の"覚悟"」を

二者の視点で描く話として考えれば、腑に落ちる内容でした。

 

医療過誤を利用してドラマチックな展開にするならば、

長年のキャリアと技術に自信のある医師が、

さらに上を目指そうと教授選に立候補し、そのために隠蔽工作を図る…

なんて流れもあり得るかもしれませんが。(あるいは、裁判で大々的に取り上げるか。)

あくまでも"手段"としてではなく、"自身が変わるためのきっかけ"として

医療過誤を扱う所が本作らしいし、医療ドラマではかなり新鮮さがありました。

 

以前見たとあるドラマで「みんなちょっとずつ良い人で、ちょっとずつ悪い人なんだ」

という台詞が印象に残っているのですが、この台詞と同じで、

根っからの悪人ってそうそういないと思うんですね。

須藤先生はいつまでも自分の腕に自信を持ちたがっていたし、

武井さんの息子は就活の苦しさから現実逃避をして、周りの事は見ないフリをしていた。

それを、ただ悪い人として描くのではなく、人間のズルさ、不器用さ、

中々上手く行かない理不尽な世の中…というのを絡めて

登場人物の心情を映し出そうとしているのがよく伝わります。

 

演出面では、最初はバックショットから始まり、光で顔を見えづらくさせたり、

正面からの撮影ではピントをぼかしたりなどして、

「何か一歩踏み出せない悩み(闇)を抱えているのかもしれない」と

息子に対して思わせておいて。

CM明けになって、保険証を出すという行為でようやく顔がくっきり見えた事、

震える手を映した事で、「変化」が感じ取れる工夫が施されていたのも良かったです。

 

また縦軸の話に戻りますが、須藤が恩田家に謝罪しに行き、

医大を退く意思が固まったという事は…

関河(三浦翔平)の立場はどうなるのでしょうかね。

薫(木村佳乃)の医療過誤の事件を追っていた理由は判明したものの、

強いて言うなら、彼の扱い方はあんまり上手くなかったような気がします。

自分の親も医療過誤で殺されたとか、もっと復讐心を抱えているのかと思っていたので…

この件のためだけに作られたキャラクターという感じがして、

関河から背景が感じ取れなかったのは少し勿体なかったかも?

 

 

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