ばらかもん 6話 感想|ヤスばとの思い出は、これからも

 

 

初回での印象的なやり取りや要素を重ね合わせる形で

清舟(杉野遥亮)の心機一転を表す演出は洒落ていたのですが…

今回の構成について、ちょっとだけ気になった事を。

 

前半は母・えみ(長野里美)を説得するエピソード、

後半は住民たちがヤスば(鷲尾真知子)との別れを経験するエピソードで

分かれていましたが、正直、これ…それぞれ単独の話でも

良かったんじゃないかな?とは思ってしまいました。

単独でも行けそうな話をくっつける事で、まとまりがなくなると言うか。

いや、次回予告を見る限り、両親が島にやってきてお見合い話を持ちかける…

という展開をやるのであれば、えみの必死の抵抗や、

前半は丸々カットしても支障はなかったのかもしれませんね。

まぁ、気になった部分への言及はここで終わるとして…。

 

今回特に刺さったのは、後半のヤスばと住民たちとのエピソードでした。

劇中に登場する糸巻き車というおもちゃは、

何度も遊べばゴムが劣化するなどしてそのうち進まなくなる、

勢い良く進んではパタっと止まる点で「生と死」を象徴するアイテムとして描かれています。

このアイテムが後半のテーマに一貫性を持たせていたのはもちろん、

ヤスばに作り方を教えてもらった思い出は、当時は子供だった育江(田中みな実)にも、

美和(豊嶋花)や珠子(近藤華)にも根付いていて…

今度はその教えがなる(宮崎莉里沙)たちにも受け継がれていく様は

まさしく島ならではの「伝統」「世代交代」を物語っているようで、

話に深みを与えてくれました。

 

死を扱うとどうしても湿っぽくなりがちなんですが、

本作の場合は、感情を全面に出し過ぎない描写になっていたのが意外で。

いざ葬儀の準備が始まれば、忙しさに追われて悲しむ暇がなくなるにしても、

他人の家にフラッと入っては助け合いをするほど親密な関係性ならば…

ましてや、長年この島で暮らしてきたであろうヤスばが亡くなったとなれば

ショックが大きいんじゃないかと思っていたんですが。

きっと、なるにも言っていたように、みんなには笑顔でいて欲しいというのが

彼女の"願い"だったのかもしれないと分かってからは、

住民たちの賑やかな様子も腑に落ちましたね。

 

そして、島には大名行列という風習があるみたいなんですが、

これがまた、私としては結構衝撃的だったのです。

葬式と言えばやっぱり連想されるのは、黒い喪服に、白の空間。

でも、大名行列はそれとは真逆で…

桜の花びらを撒きながら、カラフルなのぼりがずらっと並ぶ光景を見て、

こんなに華やかな見送り方があるのか!と驚かされました。

でも、この感覚は、今まで都会で育ってきた清舟も同じく受けている事でしょう。

「俺、ヤスばとの付き合いは短いけど、村の人たちの中で生きているヤスばと、

これからも付き合っていければ良いなって思います」

微かに微笑みながら、育江に一礼をして去る彼の姿から、

彼もまたこの光景が、一生心に深く刻んでおきたい記憶になるのだろう…

というのが想像出来ます。

 

スタッフクレジットは冒頭で済ませて、主題歌も流さず

清舟となるが一緒に月を見るシーンで終わるのも、余韻の残る締め方でした。

その前に飛行機雲のカットが挿入されていたのも、より哀愁を漂わせていました。

今日(16日)が最終日ですが、親の実家にいるおばあちゃん・おじいちゃんと

遊んだ幼少期を懐かしんだり、大切な人との別れに改めて向き合ったりする

お盆の時期にはぴったりなお話だったと思います。

 

 

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シッコウ!!〜犬と私と執行官〜 6話 感想|みんなどこかで苦労している

 

 

胸の痛いお話でしたねぇ。

今回は珍しく債務者側に落ち度がないパターンだったんですが、

もし息子が勝手に抵当に入れていなかったら

あの部屋で孫の成長を見守りながらまだまだ暮らせたと思うと…

何だか居た堪れなかったです。

 

でも、長窪(笠松将)の言葉にもありましたけど、

苦しい顔をしているのはみんな同じなんですよね。

夫婦はやっとの想いで買えた物件で、子供も授かったから、

これから家族を築いていくためにもやっぱり手放す訳にはいかないし。

執行関係者たちも、前回「(プライベートを詮索するのは)執行官の仕事ではない」

みたいな事を言っていたように、常に心を鬼にしないとやっていけない。

みんな、それぞれに生活がある訳で。

息子以外は誰も悪くないし、むしろ佐久山家も被害者の立場だからこそ、

引き渡しの交渉のシーンはヒリヒリした感覚で見続けておりました。

 

確かに、真面目に生きてきた者が損する世の中にはなりつつあります。

でも、悲しい事ばかりじゃないよ…と示してくれる結末には救われましたね。

真面目に生きてきたという誇りや、孫を親身になって育ててきた思いやりは

長年培っていけば人柄や暮らしに必ず現れるし、誰かにもきっと伝わる。

そして、困っている誰かの支えにもなれる。

大家さんのちょっとしたシーンも活かされていて、

仕事先を紹介してもらえて、新たな生活の糧を得る…

そんな明るい兆しが見えるオチが用意されていたのも良かったです。

前回とはまた違った、苦渋を味わう大人たちへの"労い"が描かれた内容だったと思います。

 

今回また初めて知る事の出来た競売物件については、

安易に手を出すもんじゃないというのがよ〜く分かりました。

佐久山(でんでん)はたまたま巻き込まれただけですが、

もし申し出をすんなり受け入れてくれない人と相手をするとなると、

執行官の元に何度も出向いてやり取りをするわ、追加費用を払うわ、

引き渡し時に対面して気まずい想いをしなきゃならないわで

精神的にしんどくなる頻度が多そうです。

 

強いて言うなら、長窪と母親のエピソードは、残念ながらそこまで必要性を感じず…。

ひかり(伊藤沙莉)から語られた事も含めて、

それぞれの苦労を描くためのエピソードだったのかもしれませんが、

途中にあった自分の家庭環境を打ち明けるシーンだけでも十分に成立出来た気はしますね。

大体、入信しているくらいだから、芝居を打ってまで説得しても

何も響かないんじゃないんでしょうか。

っていうか…今回で解決しそうにないのは気のせいですかね?

 

 

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転職の魔王様 5話 感想|千晴が2人の心のしこりを取り除く

 

 

戸松(葉山奨之)が何に対しても投げやりな人になってしまったきっかけを知って、

ああ…妙に心がザワついたのはそういう事か〜…と思いましたよ。

と言うのも、前の職場の労働環境が改善された旨の報告を受ける序盤のシーンが、

下に電車が通る橋で撮られていたからで。

自らの働きかけが実を結んだにもかかわらず、浮かばれない表情をしていたのと言い、

あの場所と言い、下手したら…と良からぬ方向に考えてしまっていたんですよね。

 

来栖(成田凌)の過去に関わる人物だけあって、逆恨みでは?

来栖は何も悪くないのに何でそんなに逆ギレするの??

と感じる視聴者も割といたかもしれませんが、

個人的には戸松に同情しながら見ておりました。

「あんたさえあそこにいなければ、真奈美は…」の後に迷いが生じて、

誰もいない棺の前で問いかけていたのが"答え"だった気がします。

逆恨みだって事にも、誰も悪くない事にも既に気づいていた。

結局、大切な人を守れなかった自分に腹が立っていた訳で…

あの時の後悔を払拭するために内部告発をしてみても、失った人は二度と帰ってこないし、

やり場のない気持ちをどこにぶつけたら良いのか分からなくなった結果、

他人に罪をなすりつける形で、物事の本質から目を背け続けて

今のような性格になったんじゃないかと察せられました。

 

目を背け続けていたのは来栖も同じで、

2人が向き合うよう背中を押す役割を千晴(小芝風花)が担っていた所には

連続ドラマならではの醍醐味が味わえましたね。

以前の感想でもさらっと触れましたが、息抜きパートとして描かれている

千晴と社員たち、キッチンカーの店員2人との会話が

何気に物語を動かす鍵になっているんです。

例えば、犬飼(藤原大祐)に「良い顔してますね」と言われたくだり。

そう言われた後に食べた杏仁豆腐で久しぶりに味覚を感じた千晴の様子は、

まさしく、自分自身と向き合ったお陰で

人生が少しずつ変わり始めた喜びを体現しているかのようで、

それから、私が良いと思うキャリアアドバイザーを今からやると宣言したのも、

戸松の自宅に押し掛けたのも、納得の行く流れになっていたと思います。

 

主人公の過去については、初期設定を固めて、現在での話をある程度進めた後に

まるまる1話分使って描く事でメリハリが生まれて、

視聴者に「いつもとは違う」という緊迫感を与えるものだと捉えているので、

やっぱり、3話分で小出しにしていくと話がダレ気味になるかな…感は否めませんが。

まぁでも…味覚障害になるまで心を擦り減らして働いていた初回の千晴のエピソードや、

3話での自分を偽り続けていた笹川のエピソードに加えて、

片足が不自由になり大きな挫折を味わったと語る来栖のエピソードも

今までで描かれたからこそ、

彼の「人は合わない仕事をしていると、肉体的にも精神的にも殺されるんです」

という言葉には重みを感じさせました。

そう考えると、台詞を魅せる意味では、適切な積み重ね方をしていたのかもしれません。

 

で、今回をもって来栖の過去は終わりかな?と思ったんですけど…

まだ何かあるんですね(苦笑)

原作もこんなに謎がてんこ盛りなんでしょうか。

恋愛要素も絡むようですし、2人の直向きな仕事ぶりを描くだけで

十分"ドラマ"になる気がするんですけどねぇ。

 

 

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VIVANT 5話 感想|テロ組織も決算報告をするらしい(笑)

 

 

物凄い情報量。

個人的には、台詞の多さでついて行くのに必死で、

今回の内容が完全に理解出来たとは言えませんが…

やっぱり、前回のラストで本作のうたう「敵か味方か、味方か敵か」の意味が

明らかになった事が、面白さの要因になっているんでしょうね。

 

乃木(堺雅人)の正体が別班だと分かった所で

1話でパッと見ポンコツだった彼の行動が次々と種明かしされていく演出も、

最近ではあまりなかった優秀な者同士による騙し合いも、

テンポの良さも相まって、普通に胸を躍らせながら見てしまってました。

 

そして、今回最も「敵か味方か、味方か敵か」を体現していたのでは?と思えたのは…

公安・野崎(阿部寛)とバルカ警察の警察官・チンギス(Barslkhagva Batbold)が

手を組んで捜査をするという展開!

良いですよねぇ、少年漫画らしい熱さがあって。

チンギスに関しては以前、凶悪人に仕立てて終わりではなく、

ただ自分の職務を全うしている人物として描かれていて

魅力的なキャラクターに映っていたので、

敵対関係にあったのがすっかり意気投合する2人の姿には、感慨深いものがありました。

 

正直、2時間、1時間半と散々拡大放送をしておきながら話を進めなかった事や、

放送開始まで物語の概要や相関図を一切公表しないという手法は

今でも良いやり方だったとは思っていませんし。

何なら、何年か前に他局で某ミステリー作品が流行ったように、

本作の作風で考察が飛び交い、話題を呼んだのを機に、

表面的な部分だけを取り入れた二匹目のドジョウ的な作品が

ポンポン生まれてきてしまうんじゃないか…と危惧しているくらいですが。

まぁでも…3話まで話が停滞気味だった分、

4話以降はスピーディに展開していく形で緩急をつけたお陰で

次も見たくなる作品になりつつあるのは確かなので、

あとはこのまま、変に引き延ばしをせずに

テントの実態や乃木の背景でみるみる惹きつけて行って欲しいと願うばかりです。

 

テントのリーダーが誰なのか?そして、乃木とどんな関係にあるのか?を

5話で早々に明かしてきたのも潔かったですね。

最後に余談ですが…旗印が印刷された垂れ幕を上座の所に掛けて

決算報告を始めるというシーンは、

いかにも日曜劇場の福澤班らしくて笑っちゃいました(笑)

テロ組織なのに、あの役者さんだからかなぜか「こはぜ屋」感が……w

 

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トリリオンゲーム 5話 感想|2人で両輪!会社の再始動までを描く。

 

 

今回は、ハル(目黒蓮)とガク(佐野勇斗)の対比がひたすら描かれた回でした。

前科を一犯増やした所でかすり傷程度にしか思っていないハルと、

良心を捨てられず、ワルになり切れなかったガク(ハッキングした時点で十分悪い事はしてるんだけどね)。

自分の野望のためなら、今の事業を簡単に切り捨てて次の事業へと乗り換えるハルと、

1つの事業に懲りずに向き合い続けるガク。

そして、株式会社トリリオンゲームの発展に向けて、

ハルは祁答院(吉川晃司)と、ガクはキリカ(今田美桜)と2人で行動する。

簡潔にまとめるなら、こんな所でしょうか。

 

前回の件あって、両者の動きを完全に切り離した状態で話を進めていった分、

今まで影に隠れがちだったガクの気持ちを台詞に起こしたり、

ノローグ化したりする頻度が増えました。

よって、彼がいかにハルと正反対の人間であるかもはっきりと提示されました。

だからこそ…再びコンビとなるラストには、気持ちの高まりを感じさせたんですよねぇ。

 

そう感じた理由は構成の他にもう1つあり、

初回と最終章辺りで挿入するだけで、あとは省略しても全然良い…くらいの印象だった

「今の仲間を全て失ったガクが大企業のトップになる」未来を

散々見せてきたのが、ある意味、ラストの意外性に繋がったんだと思います。

そんな結末になると視聴者は既に分かっているので、

あの亀裂を機に、取り残されたガクが覚醒して

独立していく流れになるんだろうな…という想像をぶった斬る展開には、

ちょっとした「してやられた!」感がありました。

 

また、ハルが"悪魔"、ガクが"天使"なら、

凛々(福本莉子)は2人を取り持つ"中立"の立場と言えるでしょう。

自分の意思をしっかり持っている人物なのを活かして、

それぞれに刺激や気づきを与える存在として徹底して描かれた事で、

3人の役割がさらに分かりやすくなり、物語にメリハリを生んでいた気がします。

 

冒頭で対比について触れましたが、

前回の台詞「俺のワガママは世界一だ」が

今回で「俺らのワガママは世界一だ」に変わるのも、王道の見せ方ながらグッと来ましたね。

それも、前回の感想では、画像をお借りして書きましたが…

ガクを見上げる形で、あたかも両者に差をつけるかのような場面から、

今度は肩を組む形で、同じ位置に立っている事を示す場面で

その台詞を言わせたって所が、盛り上げ方を分かっているなぁ…と思わされました。

 

あとは…今回は珍しく、未来パートがバッサリカットされていましたが、

ハルが本当の意味でガクを"パートナー"として認め始めたのと、

両輪の関係性を目指すガクの心境の変化で、

より強固なコンビになった事を表しているんでしょうかね?

まぁ何にせよ、ゴールは見えているので…

それまでがどんな過程で描かれていくのか、深く考え過ぎずに見守っていこうと思います。

 

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トリリオンゲーム 5話 感想|2人で両輪!会社の再始動までを描く。

 

 

今回は、ハル(目黒蓮)とガク(佐野勇斗)の対比がひたすら描かれた回でした。

前科を一犯増やした所でかすり傷程度にしか思っていないハルと、

良心を捨てられず、ワルになり切れなかったガク(ハッキングした時点で十分悪い事はしてるんだけどね)。

自分の野望のためなら、今の事業を簡単に切り捨てて次の事業へと乗り換えるハルと、

1つの事業に懲りずに向き合い続けるガク。

そして、株式会社トリリオンゲームの発展に向けて、

ハルは祁答院(吉川晃司)と、ガクはキリカ(今田美桜)と2人で行動する。

簡潔にまとめるなら、こんな所でしょうか。

 

前回の件あって、両者の動きを完全に切り離した状態で話を進めていった分、

今まで影に隠れがちだったガクの気持ちを台詞に起こしたり、

ノローグ化したりする頻度が増えました。

よって、彼がいかにハルと正反対の人間であるかもはっきりと提示されました。

だからこそ…再びコンビとなるラストには、気持ちの高まりを感じさせたんですよねぇ。

 

そう感じた理由は構成の他にもう1つあり、

初回と最終章辺りで挿入するだけで、あとは省略しても全然良い…くらいの印象だった

「今の仲間を全て失ったガクが大企業のトップになる」未来を

散々見せてきたのが、ある意味、ラストの意外性に繋がったんだと思います。

そんな結末になると視聴者は既に分かっているので、

あの亀裂を機に、取り残されたガクが覚醒して

独立していく流れになるんだろうな…という想像をぶった斬る展開には、

ちょっとした「してやられた!」感がありました。

 

また、ハルが"悪魔"、ガクが"天使"なら、

凛々(福本莉子)は2人を取り持つ"中立"の立場と言えるでしょう。

自分の意思をしっかり持っている人物なのを活かして、

それぞれに刺激や気づきを与える存在として徹底して描かれた事で、

3人の役割がさらに分かりやすくなり、物語にメリハリを生んでいた気がします。

 

冒頭で対比について触れましたが、

前回の台詞「俺のワガママは世界一だ」が

今回で「俺らのワガママは世界一だ」に変わるのも、王道の見せ方ながらグッと来ましたね。

それも、前回の感想では、画像をお借りして書きましたが…

ガクを見上げる形で、あたかも両者に差をつけるかのような場面から、

今度は肩を組む形で、同じ位置に立っている事を示す場面で

その台詞を言わせたって所が、盛り上げ方を分かっているなぁ…と思わされました。

 

あとは…今回は珍しく、未来パートがバッサリカットされていましたが、

ハルが本当の意味でガクを"パートナー"として認め始めたのと、

両輪の関係性を目指すガクの心境の変化で、

より強固なコンビになった事を表しているんでしょうかね?

まぁ何にせよ、ゴールは見えているので…

それまでがどんな過程で描かれていくのか、深く考え過ぎずに見守っていこうと思います。

 

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ハヤブサ消防団 4話 感想|時間遡り演出で二度びっくり

 

 

ネットニュースwikipediaによると…

初回の平均世帯視聴率は10.5%、2話は9.4%、

そして、1週分空けて放送された前回(3話)は7.5%だったそうです。

当然ながら、初回は世間の注目度は高く、

2話以降は「視聴継続を決めた人」「とりあえず様子見する人」が見るため、

初回から2話、2話から3話と回を重ねるごとに

視聴率が徐々に落ち始める事自体は何ら珍しくはないのですが、

本作の場合は、3話でガクンと落ちています。

 

やはり、"完全連続型"のドラマであるにもかかわらず、1週お休みを挟んだのが…

挟まざるを得なかったとしても、まだ放送が始まったばかりの2話で…っていうのが

大きく響いた結果だと思います。

編成の組み方次第で、連続モノならではの醍醐味や

物語への吸引力がいかに削がれてしまうのか?が改めて分かりました。

私としては、今期TOP3に入るほど本作を好意的に見ているだけに、

つくづく勿体ない事をしたなぁとは思うんですが…

まぁでも、前回で再び興味を取り戻したお陰か、今回は面白く感じられましたね。

 

今回はミステリーには欠かせない、トリックの魅せ方の上手さが光った回でした。

特筆すべきは、時間遡り演出を"あえて"取り入れてきた事です。

過去に飛ばさず、現在のパートをそのまま進めていっても

別に支障はなかったと言えばなかったでしょうし、

彩(川口春奈)が何者なのか?についても、

映子(村岡希美)と一緒にいた前回のラストシーンを含めて

既に怪しさを漂わせてはいたのですが。

冒頭で、宗教を彷彿とさせる意味深な映像と、

彩と一夜を過ごしたと明かす太郎(中村倫也)のモノローグを提示してきた時に感じていた

「えっどういう事?」というザワつきを

終盤で別の意味に変える手法をとってきたのには、思わず唸らされました。

 

どうりで、言動に時々違和感を覚えた訳だ…

それじゃあ動画制作も経験しているって言うわな…と、

まるで、パズルのピースがカチッとはまったようでした(笑)

宗教団体についても、小さな集落で代々伝わる習わし程度のものだと思っていたので、

ここにもビックリ。

 

また、彩と2人で蛍の光に見惚れるシーンで、

マムシにビビりましたが、よく考えたら蛍も虫でした」と太郎が言っていましたが、

これもささやかな"匂わせ"になっていたんですねぇ。

「蛍=綺麗なもの」という先入観はどことなく、

彩に一目惚れしてしまって以降、全く疑おうとしなかった太郎の心境と重なりますし。

そう言えば虫が苦手だったんだった…とふと気づくくだりは、

彼女の正体を知った途端、一気に不気味な存在に感じてしまう点と

「我に返る」で共通しています。

中々洒落た掛け合わせだったと思います。

 

彩が宗教団体「アビゲイル騎士団」の信者だと分かった所で、

次回は彩の過去とその団体の実態を深掘りしていく内容になりそうですね。

ここまでは正直、疑惑に疑惑を上乗せする展開続きで大きな進展はないし、

事件とはあまり関係のない消防団のお仕事パートの描写も多いので、

普段だったら「引き延ばし」「早く事件の方を進めて欲しい」とツッコミがちなのですが…

個性の強いバイプレイヤーズたちによる掛け合いと

役者さんを引き立てる脚本と演出のお陰で、

脱線している箇所も楽しく見られちゃったりしております。

 

今回で言えば…池井戸作品だからか、途中で「日曜劇場」ちっくな勧善懲悪が

盛り込まれていたのにはクスッとさせられましたが。

中でも、ツチノコ捕獲イベントのシーンで、

後ろでぴょんぴょんしている勘介(満島真之介)と省吾(岡部たかし)には癒されました(笑)

 

 

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ばらかもん 5話 感想|「修行を積むための場所」から「帰る場所」に

 

 

ビルが並ぶ景色や、タイマー機能付きの信号は

他のドラマでは普通に見慣れているはずなのに、

本作で映し出されると凄く異質な感じがするのは……

もうそれだけ、島で描かれる物語に惹きつけられてしまっているって証拠ですね。

 

今回は帰京回。

よって、舞台が東京と島で分断された事で

どうやって話を紡いでいくのかが気になっていたんですが…

子供たちが清舟(杉野遥亮)との微笑ましい思い出を

自由に語る展開を持ってきたのには、なるほど!と思わされました。

 

コマの飛ばし方を教えたら、誤って家の方向に飛ばしてしまい

ガラスを割って怒られてしまった話。

「絵画は書道に通じるものがある」と得意気に言って描いてもらった絵が

小学校の低学年みたいな絵だった話。

泣いた時の清舟の反応をこっそり楽しんでいた話。

謙太郎(加藤叶和)が語ったのをきっかけに、

他の人たちも、自分と清舟しか経験していない出来事を共有して場が和み始めたり、

話を聞いていたなる(宮崎莉里沙)が後悔の言葉を口にしたりするあの一連のシーンは、

彼らにとって清舟がいかに、当たり前の日常に彩りを添えてくれる存在だったのかを

物語っているようでした。

 

その想いは、清舟も同じで。

彼の場合は…作品を書く"原動力"でもあり、

自分が自分らしくいられる"支え"にもなっていたんですね。

「型にハマった字」から脱出するために島に行って、

そこで今までの自分とは違う作品を生み出せて、無事に一皮剥けた…では終わらず、

今度は、東京では同じ作品は書けないのではないか?

それって"自分の作品"とは言えないんじゃないか?という事に悩まされていたものの。

子供たちと電話をしてからは、

張り詰めていた糸がプツッと解れたかのような笑みを浮かべていたのが印象的でした。

清舟からしたら、もはや可愛い妹&弟みたいなものなのかもしれません。

 

また、今回の作品は「石垣」だった訳ですが、

それを思いつくまでの回想の重ね方も素敵だったと思います。

「いつの間にか、帰りたい場所になっていた」から始まる清舟のモノローグとともに、

1話でなると見た夕陽…2話でのゼッケンを着用した子供たちが走る光景…

3話での魚が釣れなくて笑った"あの頃"…今回の「待っちょっけんね〜!」…

で、トドメは、4話での石を積む作業が結構得意だと気づいた自分…と、

これまでの象徴的なシーンを、段階を分けて見せていく演出は

まさしく「石を積み上げて作った壁」を意味する「石垣」そのもので。

彼があの作品を書いたのも納得いくものになっていました。

 

インパクトと華やかさで言えば正直、前回の「星」の方がありますし、

今までの作品もそうだったのですが…

ある意味"感謝の手紙"のつもりでもあったのでしょうね。

「新しい自分」を表現してきた数々の作品とは打って変わって、

想いを書にしたためたかのような作風。

東京でも作品が書けた事で、自分の成長を実感します。

そして、「島でしか斬新な作品が書けない」のではなく

「島の人々の存在が創作活動の励みになっている」と知った清舟が再び島に帰ろうと決意する…

ターニングポイントには相応しいお話でした。

 

母・えみ(長野里美)の反対で終わったけれども、次回からは新章突入だそうで…

予告を見てみると、ヤスば(鷲尾真知子)に何かが起こりそうな気配が

漂っているのが気になりますね。

途中、育江(田中みな実)と病院でやり取りするシーンが盛り込まれたので、

なんでだろう?とは思っていたんですが…

そこでの会話が前フリになってくるんでしょうか。

とりあえず、ちょっとだけ覚悟しながら見てみます…。

 

 

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トリリオンゲーム 4話 感想|トップに立つ者にしか分からない孤独と闇

 

 

以前のテイストに戻りましたね。

そして、いつもノリと勢いだけでやってきたハル(目黒蓮)から、

初めて闇めいたものを感じさせました。

楽天家だったり、コミュニケーション能力に長けていたり…という

ポジティブな部分は今まででも描かれていれど、

公式サイトにある「悪いことにもブレーキの利かない危険な男」の部分は

あまり掴めなかっただけに、今回でより主人公の魅力が増した気がします。

 

中でも、ハル、案外恐ろしい人なのかも知れない…と思わされたのは、

ガク(佐野勇斗)と社内で2人きりでいるラストシーンでした。

ハルが少し段差のある場所に立っていて、ガクを見上げる構図になっていたのです。

何気ないシーンなんですけどね。

でも、個人的には、彼が何を考えているのか全然分からなければ、

この先も一生同じ土俵に立てる事はないのだという

2人の関係性を物語っているようで、ちょっとゾクっとさせられたんですよね…。

 

このラストシーンがもたらす効果はもう1つあって。

こうして、彼の行動が「詐欺では?」を超えて完全に犯罪に値する事、

2人の友情(?)に亀裂が走るラストを盛り込んできたお陰で、

何となく話の腰を折っていた未来パートがようやく意味を成してきて、

今後また時間軸を行き来する事はあっても、見やすくなるんじゃないか

という期待が持てたのも良かったです。

 

前回の感想で書いた「役割分担」についても、

今回はハル・ガク・凛々(福本莉子)で明確になっていました。

ハルとガクについては、お互い別々に動くシーンも多かったが故に

個々で見せ場をしっかり設けていた印象がありました。

ガクが桜(原嘉孝)を説得するくだりは、彼でなければ成立出来なかったでしょう…。

自分を信じて着いて来てくれる者、自分の良さを認めてくれる者…

前回の話はハル以外の人物描写に物足りなさを感じたものの、

今までの2人、3人でのやり取りの積み重ねが

彼が頼もしい姿を見せるのに説得力を持たせていたと思います。

 

強いて言うなら…桜の背景描写はもっと欲しかったですかね。

大手はみんな金儲けの事しか考えないという前提があるにしても、

過去にドラゴンバンクに騙されかけたの?ってくらい

なぜあの会社"だけ"に目の敵のような表情を浮かべるのかがイマイチ理解出来なかったので、

俺は制作から外れる!といった態度も、子供っぽく映ってしまったのは残念でした。

好意的に捉えれば「青臭い」とも言えるんでしょうけど…

ただの金儲けじゃない最高なゲームを作りたいハングリー精神があるなら、

決起集会を開くよりも、アイデアが沸き立って

早速制作に取り掛ってみるのが自然でしょうからねぇ。

 

まぁでも…未来で今の仲間たちが誰もいなくなっているのを見ると、

彼らも「捨て駒」でしかないって事を表してるのかもしれませんね。

でもやっぱり、しばらくはビジネスに関わる訳だから、

もうちょっと踏み込んで描いても良い気が…とも思えてしまいます。

 

 

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シッコウ!!〜犬と私と執行官〜 5話 感想|初めて感謝された日

 

 

これまで触れなかったものの、執行官という職業や"苦労"を描く以上、

どうしても小原(織田裕二)の方が主人公に見えてしまう事が

前々から気になってはいたんですけど…

今回はちゃんと、ひかり(伊藤沙莉)が主人公のお話になっていましたね。

 

いつにも増して、執行官に関する豆知識が多く盛り込まれていたのが効いていて。

上野原(板谷由夏)に大好きなペットの仕事を勧められながらも、

執行補佐官としては日々新鮮な出来事ばかりで、

執行官の仕事にいつしか興味を持ち始めている…

ひかりのそんな葛藤が丁寧に描写されていましたし。

それに、「今の仕事に誇りを持っている自分」「やり甲斐を感じている自分」をベースに、

小原や栗橋(中島健人)を始め、登場人物たちが皆

彼女が大きな決断をするまでのキーパーソン的存在に描かれた事が、

「主人公・ひかり」を際立たせる要因にもなっていたんじゃないかと思います。

 

また、内容自体は…今回のテーマは"矜持"でしたね。

執行補佐官としての矜持を持つようになったひかりのエピソードの他に、

借金取りと言われようが、世間から報われなかろうが、

債務者にリスタートしてもらうために仕事を全うする執行官たちと、

売り上げに繋がりやすい口コミ評価と、患者との信頼関係の構築・維持に苛まれながらも

「長年この地域に尽くしている」と自負している開業医の、

2つのエピソードが用意されていました。

 

ここはさすがのベテラン脚本家といった所か、

ひかりと開業医であれば、どちらの選択肢を取れば良いのか悩み続ける姿が…

小原と開業医であれば、意思さえ貫き通せば、年齢関係なくいつだって変われる…と、

それぞれで共通点を持たせながら話を展開していっていたのが上手いなぁと思わされました。

高齢が故に、弱った足腰をコルセットで補強して何とか生きている犬も、

今の健吉(峰雷太)と重なるようで良いアクセントでしたし。

矜持と矜持がぶつかり合った結果、小原の言葉が響いて

感謝の手紙を残すまでになる…というオチも、人情劇としてよく仕上がっていました。

認められるまでに様々な想いを抱えてきた事を背中で語る織田裕二さん…

最近の作品の中でハマり役と言っても過言ではないでしょう。

 

最終的に、マリンちゃん含めた家族の今後もしっかり描いてくれて安心。

まだまだこれからといった所ですが、1枚の写真が撮られるまでの"あの頃"を見ていたら、

この家族ならきっと大丈夫だろう…と確信出来るラストも珍しいです。

内容も、登場人物の描き方も、物語の落とし所も、最も優れた回だったと思います。

 

 

最後に、本作とは全く関係のない事なので、ここに書くべきではないとは思いつつ、

どうしても書きたくなったので…今日の「18/40」の感想をば。

瞳子の母への説得エピソード、結婚の事でもう話を広げないのは良かったけれども、

すぐ退散となると、今回で盛り込む必要はあまり感じられないかなぁ…とか、

祐馬(鈴鹿央士)の背景描写も、別に今回の内容とは関係ないよなぁ…とか、

前回の子供っぽい大学生たちの件は結局どうなったん…とか、

いろいろと気になる部分はあったものの、

こちらも有栖(福原遥)が"お母さん"になるまでの葛藤が丁寧に描かれていたと思います。

 

以前までは、18歳にしてはあまりにも未熟過ぎる言動が多かったので

共感出来ずにいたんですが、未熟は未熟でも、今回のように

「自分の居場所がなくなってしまう不安や焦り」

「まだお母さんになる覚悟が足りていないという"気づき"」が

様々な人との交流を通して描かれていれば、全然見られますね。

彼女の内に秘めた繊細さが、映像から、演技から伝わってくるようでした。

 

間を飛ばされた勿体なさはあったものの…

出産シーンも思いの外、ガッツリ見せてもらえたのも意外でした。

今日の火曜ドラマはどちらも充実した内容だったなぁ…って事で、

こちらに感想を書き残した次第です。(次からは雑感集に書いてね…)

 

 

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