ペンディングトレイン—8時23分、明日 君と 1話 感想|問題はまだまだ山積み

 

 

火山灰が積もった砂漠を3人で歩く映像を見て、

何となく「テセウスの船」を思い出すなどしておりました。そっちは雪山でしたけどね。

上記の作品と言い、近未来を舞台に大災害を描いた「日本沈没」と言い、

クローンを取り扱った「わたしを離さないで」と言い、

少し昔なら…医者×幕末タイムスリップモノの「JIN-仁-」もそうかな?

TBSのドラマは時々、スケール大きめのぶっ飛んだSF作品を生み出している印象です。

 

その今までの経験値が積み重なってなのか…本作の大自然を活かしてのロケーションは

非現実感が溢れていて引き込まれてしまいましたし。

地上波でSF作品を作ってもクオリティに妥協はしないぞ!という

スタッフのこだわりが画面から伝わってきて、そこは良かったですね。

 

では、肝心の内容がどうだったか聞かれたら、う〜ん…緊迫感がありそうでないような?

そんな感じで見終えてしまいました。

初回は直哉を演じる山田裕貴さんの、泣きそうな表情で本音をこぼすシーンだったり、

紗枝(上白石萌歌)のモットーを聞いて心当たりがありそうな素振りだったり、

ふと見え隠れする"脆さ"や"弱さ"の演技に惹かれて最後まで話に興味を持てたのですが、

何にせよ、登場人物が多過ぎるのがネックなんですよねぇ。

初回だけでも中盤からは、主要人物の直哉・優斗(赤楚衛二)・紗枝の

過去を深掘りしていて、既に群像劇仕立てになっていた辺り、

この調子で今後も残りの人々のエピソードを何話かに分けて膨らませるのに加えて、

さらに(「2車両消えた」との事だったので)もし片方の車両の動向にも触れると考えると、

物語の散漫具合がどんどん加速していきそう…という不安はやっぱり拭えません。

 

そして、これも視聴前から感じていた事ですが、キャストの年代の比率が

20〜30代の若者に偏っているのも気になります。

ベテランの役者さんは、松雪泰子さんと杉本哲太さんの2名のみ。

しかもお二方ともトラブルメーカー的な役柄で、

若者側では玲奈(古川琴音)だけがその役を担っているので、

いろんな意味でパワーバランスが悪いと言いますか…。

キャスティングに何か意図があるんだとしたら良いんですが、

今の所は、本来はこの役を別の方にオファーするつもりだったのかなぁ…とか、

そういった大人の事情が絡んでいるようにしか思えないんですね。

 

まぁ、登場人物の多さ・年代の偏り以前に、ツッコミどころ満載だったのは、

どこなのかも、タイムスリップしたのかも分からない未知数な世界に飛んだ割には、

乗客から焦りや動揺がほとんど感じられなかった所でしょうか(苦笑)

確かに現実的に考えれば、今時の人々には「そのうち何とかなるだろう」みたいな

楽観的思考や他力本願の人が多いからっていうのも理解出来るんですけど…それにしてもね。

持ち込んだお弁当を食べているのを見ても、ブツブツ不満を漏らす人がいなくてみんな静か…

大人しく座っている人たちばかり…

先ほど書いた通り、いろいろ不安要素はあるにしても、

とりあえず、乗客の描写をもう少しリアルに寄せるだけでも

「荒廃した世界にタイムワープしてしまう」「サバイバル生活」といったコンセプトに

見合った作品に近づくんじゃないか?という気がしました。

 

物語の見所としては…冒頭で紗枝が赤ちゃんを抱いていたシーンで

日常に戻れる事は確定しております。

あとは、タイムワープした原因は?どうやって戻ってこれたのか?

そして脱落者は出てくるのか?この3つですかね。

果たして全10話(恐らく)も持つのかどうか。しばらく様子見するしかなさそうです。

 

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あなたがしてくれなくても 2話 感想|"譲れないもの"が夫婦の関係にヒビを入れる

 

 

前回の数々のエピソードを振り返りながら、

今回は新名(岩田剛典)のモノローグで物語が始まるんですね。

こういう、1つの物事を様々な視点で描く事で、登場人物や話に深みを持たせていく手法…

自分が考えていたのとは違った新たな"気づき"を得られたり、

作品の持つ世界観と見ている側で距離が縮まっていく感覚を覚えたりして、好きなんですよねぇ。

 

それで言うと、新名のモノローグの中でも一番印象に残ったのは、

桜の咲く場所で新名がみち(奈緒)を誘ったものの、

結局その誘った本人が会いに行くのをやめたシーン。

視聴当時は、もしかしたら彼女なら

自分の抱える夫婦での悩みも分かってくれるんじゃないかと期待しつつ、

いざ約束の日になったら、妻のいる自分がまだ接して間もない部下と2人きりで

デリケートな話をしようとするなんて…とふと我に返って

あの行動に至ったのかな?なんて思って見ていましたが、実際は少し違っていて。

「口に出したら本当の事になってしまう」から

打ち明けようか、打ち明けまいかで葛藤していたのだと分かって、

何だか視界が開けたようでした。

 

内容自体は…今回は4人それぞれが独自に抱える「どうしても譲れないもの」

描かれた回だった気がします。

例えば、新名だったら、夫婦2人で過ごせる時間をたった3分でも探して見つけては

仕事に励む楓(田中みな実)を支える、

彼女にとっての心の拠り所的な存在でありたいという理想。

楓だったら、夫がいながらも仕事はまだまだ続けていきたい、

キャリアプランをしっかり立てていきたいという想い。

みちだったら、陽一(永山瑛太)が愛してくれるのは自分で、

これからも夫でいてくれるのだと実感したいという切実な気持ち。

そして、陽一だったら、「自分らしく、正直に生きていきたい」という信念…。

前回に引き続き、4人の人となりが少しずつ明らかになっていきました。

 

それぞれの「譲れないもの」が何なのかを浮き上がらせるために、

新名の母・幸恵(大塚寧々)や楓の職場の編集長・川上(MEGUMI)、

三島(さとうほなみ)など、自分のあり方の基盤になっていたり、

影響を受けたりする人物とのエピソードが個々で用意されていたのも良かったですね。

そのエピソードを積み重ねたお陰で、2組の夫婦が上手くいかない原因が見えてきて

考えさせられるようでしたし。

それに、お互い"人生のパートナー"として大事に想っている所は共通していても、

「譲れないもの」に強くこだわっているがために、

夫婦関係に入ったほんの少しのヒビが、どんどん深くなって夫婦崩壊を招いてしまう…

というのがじっくり描写されていたと思います。

 

また、前回の感想でも、小物を使っての演出について触れましたが、

今回は「相手に残す(残した)もの」が何かで

対比をきかせているかのような見せ方に引き込まれましたねぇ。

新名が楓の記憶に残そうとして渡したものは、楓の好きな色や花言葉を考えたりして

一生懸命花を選んだオリジナルの花束で、

陽一が無意識に残してしまったのは、椅子で脱ぎっぱなしで放置されていた片方の靴下。

花束から漂う華やかさは、これからも楓を支えていきたいと

前向きに考える新名そのものでしたし、

靴下は片方が放置された状態だと、妙にヘナヘナで、脱力感を覚えるもので…(泣)

まるで孤独になりつつあるみちの心境を表しているみたいで

不思議と切ない気持ちにさせられました。

 

で、花束は花束で、そこも対比をとっていた訳ですが、

陽一が買った花束はいかにも「スーパーで慌てて買ってきた」感満載で、

さらにあの場でシールをベリっと剥がす所のアップなんかは…

何とか罪滅ぼしをしようとしているのが顕著に伝わってきましたね。

 

全てではないものの、今回では新名の視点が描かれたので、

陽一と楓の残り2人の背景に触れる回も必ずやってくるでしょう。

しかし、夜景を目に焼き付けて思い出し泣きしているともとれるシーンで、

三島もただのあざとい人物では終わらないのかなぁ…とも思えたり。

彼女の場合は行為が行為なので、強く共感までは行かなさそうですが、

ちょっとでも見方が変わる時が訪れるのかもしれませんね。

 

 

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それってパクリじゃないですか? 2話 感想|人情と理屈の間で揺れ動いて生まれた優しい解決案

 

 

あの初回は何だったんだ…と思えるくらいには面白く見られました。

というか、今回こそが、元々視聴者が見たかったであろう内容だったんですよね。

「亜季vs北脇」「亜季vs落合製菓食品」という2つの軸を作りながら

"感情で動いて人の考えに左右されがちな亜季(芳根京子)"を徹底して描いた事に伴い、

演出や劇伴のかかるタイミングも油が乗り始めたような気がします。

前回は全体に漂う社内のギスギスした雰囲気が強くて、

コミカルなお仕事ドラマなのか、それとももう少し現実的なのか?が曖昧で

本作のカラーが掴みづらいまま終わってしまったのが惜しかったですが…

今後も今回の作風で行くんだとしたら、

気軽に見られてちょこっと得した気分にもなれる作品として楽しめそうです。

 

解決方法も、商品開発も手がける月夜野ドリンクらしい

落とし込み方になっていて、なるほどそう来たか!と。

現実世界ではあんな風にほのぼのとした解決は難しいでしょう…と、

そんな声も上がるかもしれませんが、水10枠ならではとも言えますし。

また、人情・感覚で突き進む亜季と、理屈・理論を重視する北脇(重岡大毅)で

考え方が真逆の2人がどんな結論を出していくのか?といった紆余曲折も

1つの見所だと思っているので、

案件と同じく、お互い葛藤を見せ、やがて相手を尊重しながら歩み寄ろうとするまでの過程が

自然と感情移入出来るように描かれていて、個人的には満足感を覚えました。

 

あとは…「ほのぼの」とは書いたけれども、ただ優しいだけでなく、

かと言ってパクった会社側を悪者に仕立てて、安易に痛快撃に持っていく訳でもなく。

中小企業が今回のような"地元で好かれている"企業だった場合に大企業が訴訟を起こしたら、

訴えた側の印象が悪くなり、業績悪化に繋がるかもしれない…という

「訴訟を起こす事のリスク」にもちゃんと触れていた所も、

よく出来ているなぁと思わされましたね。

 

ただ、今回で本作へのイメージが上がった事は間違いないですが、

強いて言うなら…パクリとパロディの違いを説明するための"例"を盛り込み過ぎていて、

逆にややこしい印象を与えているのはちょっと気になりました。

列挙すると、実際の出来事を取り入れた「白い恋人」と「面白い恋人」の他に、

五木(渡辺大知)が「スター・ウォーズ」に関する話題を振ったのがきっかけで出てきた

オマージュとインスパイアの違い。

そして、サブエピソードとして描かれた亜季の友人・根岸(福地桃子)のイラストが

他社にパクられて、自社の商品扱いにされてしまった件。

それぞれがメインエピソードの補足用に用意されたものだとしても、多いんですよね。

特に根岸のエピソードは、イラストにまつわるトラブルは実際よくある事で、

(数回経って再び取り上げるんだと想定しても)結局どうなったんだっけ?と思えるくらい

ヌルッと済ませたのは勿体なかったです。

わざわざ今回の内容に入れなくても…例えば、段階を踏んでいく感じで、

今回の案件でパクリとパロディの違いを学んだ亜季が

何話か後の根岸メイン回でじっくりアドバイスする形をとった方が、

より彼女の"成長"が際立って、初回から見守ってきた視聴者からしたら

感慨深さも増したのではないなぁという気がしました。

(※20:09追記:この辺りの文章は一部カット・変更いたしました。)

 

もう1つ言えば…社内の登場人物も多くて、あまり個々の役割を果たせていないのを見て、

こんなに人要るの?と時々思わなくもないですが。

でも、今回の内容で、これなら…と期待が持てそうで安心しましたね。

北脇が釜飯を食べる日が来るのかどうか、そこもちょっとだけ楽しみです(笑)

 

 

最後に余談で…今回取り上げられた実例「白い恋人」「面白い恋人」についてですが、

訴訟から8年後に、その発売元である吉本興業

白い恋人」の製造元である石屋製菓が初コラボ商品「ゆきどけ」を出していたみたいです。

(実際のニュース記事はこちら。現在どうなっているか、後で興味本位で調べてみたんです。)

対立関係が緩んだ事に引っ掛けて、この商品名にしたそうで。

このニュースを読んで、形は違うにしても、何だか今回の案件と重なって

ほっこりさせられてしまいました…。

 

 

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育休刑事 1話 雑感|コメディも匙加減が大事だな…と改めて実感。

 

 

タイトルが「育休刑事」である事、

そしてそれを社会派ドラマを生み出すのが上手いイメージがあるNHKで放送されるという事で

初回はこっちをリアタイしてみた訳ですが…

う〜ん…想像していたよりもずっと軽い作りでしたね。

コメディ要素があそこまで強くなるとは思っていなかったので、

ちょっと動揺してしまいました。

 

コメディタッチで描かれる物語にしても、たまにクスッと笑える…ではなく

内容全体にベタ臭さが漂っているのも気になる所なんですが。

個人的には、あまり役者さんの演技に関してネガティブな事は言いたくないので

あえて名前は伏せますが、「コメディを一手に引き受けてます!」と言わんばかりの

表情も発声も常に全力なヒロインのキャラが気になって気になって仕方なくて…(汗)

まぁ、そこはご本人が…ってよりかは、

ヒロイン以外の登場人物は落ち着いた性格に描かれている人たちだらけだったのが、

彼女が浮いてしまっているように見えた原因だったのではないかと思っております。

主人公である春風(金子大地)の存在感も食ってしまう勢いでしたからね。

 

肝心の事件パートも面白かったかと言われると、そうでもなくて。

犯人が分かりやすかった&加害者側の犯行動機や捜査過程の描写に

物足りなさを覚えたのもありますが、

コメディで通してきた割には、事件の真相が妙にシリアスだった辺りに

バランスの悪さを感じてしまいました…。

何と言うか…原作由来とは言え、通常の刑事ドラマではあるあるの"復讐"を絡めない方が、

育児にまつわる社会問題を扱う本作らしさが出たんじゃないでしょうか。

 

元々凄く期待していた訳ではなかったので、

まぁこんな感じか…という印象で見終わりましたけど、

感想を書き続ける以前に、視聴継続するかどうかも怪しいです。

一緒に見ていた母からは「私は多分もう見ないから、見るなら録画で見て」って

言われちゃいましたしね(汗)

裏に切り替えるかどうかは内容次第ではありますが、

とりあえず、本作の感想に関しては、初回のみとさせていただきます…。

 

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unknown 1話 感想|何と言うか…情緒不安定?

 

 

田中圭さん×「おっさんずラブ」スタッフの再タッグですもの…

もう、「やっぱりね」と思える仕上がりでしたね(笑)

本格ラブサスペンスとうたいつつ、結局トンチキドラマになってしまう事は

視聴前から読めておりました。

吸血鬼なのになぜか怪力でもあったり、

自宅が豪邸で、こころ@高畑充希さんの母親役が麻生久美子さんだと

何となく「ルパンの娘」を彷彿とさせたり、

吉田鋼太郎さんの時々のミュージカルっぽい演技はもはや十八番だったりで、

演出よりかは、人物設定や役者さんを面白おかしく見せる事に

力を注いでいたような内容だった気がします。

 

しかし、そのためでもあるのか?

個人的には、イマイチ物語に惹かれないまま見終えてしまいました(汗)

理由は何となく分かっていて、全体的に、コメディに、ピュアなラブストーリーに、

ファンタジーに、そしてサスペンスと

ジャンルの異なる要素がブツ切りで盛り込まれた構成であるために、

何を突出させたいのかが見えてこなかったからなんだと思います。

 

そして、公式サイトにも書いてある通り、「2人の深い愛を描くラブストーリーに、

予測不能な連続殺人事件が絡み合う壮大な≪ラブ・サスペンス≫」になるのだと

事前にチェック済みだった私からしたら、本題に入るまでがとにかく長過ぎて…。

ようやく本作のうたう"サスペンス"の気配が漂い始めたのは、放送開始から約38分後で、

それまでは事件に関する匂わせがほとんど話に絡んでこなかったので

徐々に退屈に感じてしまいました。

一応、"縦軸"となっているのであろう虎松(田中圭)の過去の挿入の仕方にしたって、

忍び寄る影の描写にしたって、あまりにも不自然じゃないですかね…?

 

こころが吸血鬼だとカミングアウトするくだりを初回で描いてきたのは意外でしたが、

ネット記事(モデルプレス)によると、どうやら考察も重視した作品になるみたいで、

事件の犯人はもちろん、虎松の秘密が何かで盛り上がりを見せていくんでしょう。

(そう言えば、正体のくだりで脚本家の過去作品の「恋はDeepに」を思い出すなど…w

あちらは確か人魚姫でしたっけ。)

特設サイトも作成されていて、SNSでは「犯人考察クイズ」を呼びかけています。

まぁ…良くも悪くも、バズりそうな要素を掻い摘んでは"良いとこ取り"したって感じですね。

 

冗長気味に感じた初回は、恐らく初期設定の説明も関係していたんでしょうが、

ここまで見所を盛り込むとなると、今後も方向性が迷子になる可能性は高そう…。

という事で、本作の感想は初回まで…と言いたい所なんですが、

この後の22時のドラマの方が、同じく微妙でも視聴継続すら危うい仕上がりだったので、

2話でちょっとでも軌道修正したのが見えたらこちらの感想を続けるかもしれません。

でも、うーん…やっぱり書かないかも?どうしようかなぁ…。

 

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合理的にあり得ない 〜探偵・上水流涼子の解明〜 1話 感想|平成中期のドラマかな??

 

 

原作の実写化を担当される事が多い根本ノンジさんは、

軽やかなタッチが特徴的な脚本家だと認識しております。

ただ、原作との相性次第で、その軽さが良い方向に転ぶ時もあれば

悪い方向に転ぶ時もあって、手掛けられた作品によってかなり波があるんですよねぇ。

 

で、本作の初回はどうだったかと聞かれると…

正直、完全に後者の方に転んでしまったように思いました。

 

まず、涼子(天海祐希)と貴山(松下洸平)から

行動の意図や目的がイマイチ見えてこないのです。

もう少し補足すると…2人が基本的にしている"行動"は、

特段話の流れとは関係のないような突飛なものばかりなんですね。

要するに、無駄が多い(汗)

アクセントとしてたまに挟むくらいならテンポの良さに繋がるかもしれませんが、

中盤以降は頻繁に盛り込まれているのもあって、

かえってどんな案件なのかもボヤけさせてしまっています。

 

探偵による"勧善懲悪"の作風にしたいのであれば、刑事や弁護士と同じように、

依頼者やその家族が今の状態になるに至った手がかりを掴んでいく様子と

心情変化を重点的に描く事が大事になってくるでしょうに…。

インパクトを重視し過ぎたためか、息子がなぜあのカレーを食べてみようと思ったのか

分からないまま終わった上に(同じカレーとは限らないでしょ?っていう…)、

肝心の引きこもりになった理由も後出しであっさり済まされて、

スカッとした!とはとても言えない仕上がりになってしまったのが残念でした。

 

そして、致命的なのは、涼子と貴山にこれと言った特徴が感じられない事。

公式サイトによると…涼子は元々は敏腕な弁護士だったそうなんですが、

初回を見た限りだと「変装好き」「相棒に無茶振りさせがち」「暴走しがち」といった

変わり者でマイペースな印象が先行してしまっていて、

元弁護士を思わせる部分が見えてこないんですね。

で、一応"過去"がある事も分かったんですけど、

それもメインエピソードとは切り離されて描かれているので、

うーん…どちらも設定に必要性が見出せないと言いますか。

貴山にしても、IQ140なのも頷ける説得力のある描写がほとんどなくて。

個人的には、どこかポンコツで、

主人公に振り回されやすい心優しい後輩くんにしか見えませんでした。

 

今回は初回で、天海祐希さんと松下洸平さんの台詞回しの上手さのお陰で

ギリギリ「気軽に笑えるコメディ」として成立出来ていたかもしれませんが、

インパクトやキャストの演技に頼り過ぎない"個性"を早々に確立して行かなければ、

涼子と貴山へが魅力的に感じられないままになってしまいそうな気がします。

 

内容自体にしても、まぁ〜何と言うか…

わぁ〜お♡な効果音とか、麻袋を被せて攫っていくのとか、頬に風をブルブル当てる演出とか、

童話で出てきそうなボロ小屋に監禁とか、ショベルカーで救出とか…

平成中期のサスペンス&コメディドラマの詰め込みセット!みたいな感じで(苦笑)

一昔前の雰囲気が漂っていたのも、あまり引き込まれない原因の1つだったかと思います。

 

今日をもって、月9「教場0」と本作のどちらの感想を書こうか決めるつもりでしたけど、

これは…本来の意味で(?)頭を悩ませますねぇ。

しかし、来週で決めたいです。

片方の感想が上がらなかったら、そちらを視聴のみに切り替えたという事で…。

 

 

4/25追記:

 

2話も視聴。

前回よりも無駄な描写が減り、"調査している"ようには見えましたが、

まぁ…良く言えば「安定」だし、逆に言えば「マンネリ」だな…と。

天海祐希さんと松下洸平さんのやり取りが普通に面白いので

気軽に見る分には悪くないんですけど、

特にガッツリ感想を書くほどではないのかな?という気がします。

 

悪者たちの描き方にしても、頭が悪く描かれ過ぎていて

涼子の頭脳明晰な探偵っぷりがイマイチ伝わらないんですよね。

だから、全体的に軽〜い雰囲気に見えてしまうと言いますか。

「キントリ」と被ってしまうのかもしれませんが…

個人的には、主人公に合わせて相手側もクレバーにして、

演技合戦・頭脳対決で盛り上げて欲しかったです。

 

っていうか、白石聖さん自体は好きなんですけど、

あのお嬢様育ちの久美が加入するとなると

よりドタバタした内容になりそうな嫌な予感がするのは私だけですかね…?(汗)

 

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風間公親−教場0− 2話 感想|もうちょっと事件パートがまともになってくれれば…

 

 

前回の感想で「粗が多い事件の結末や殺害動機に関しては(中略)

刑事ドラマではないから、今後も大きな捻りはなくて良い」と書きましたが、

やっぱり少し訂正させて下さい。

何となく、私の中で風間(木村拓哉)の存在が薄く感じる原因が分かったような気がします。

う〜ん、何と言うか…事件パートがあまりにもトリッキーに描かれているのが、

本作の世界観や持ち味を壊しているんじゃないかと思えてならないんですね。

 

今回の内容にしたって、まぁ前回よりツッコミどころは減ってはいたものの、

引き続き工場勤務の設定にすれば

話が上手く収まりやすいと思っているのか(原作アリなのは把握済)、

溶接の技術を活かして、学校の銅像の一部を切り離して後で戻す形で

犯行時間のアリバイを作ったというのには無理がありまして(汗)

夜の学校の銅像の前で作業をすれば、切り離したり溶接したりする際の音も

周囲に聞こえやすいだろうし、飛び散る光も当然目立つ訳で、

それだけ目撃情報が出るリスクが高くなるのでは…?という疑問が残ってしまいました。

 

同じ事を再び書きますが、本作がメインとしている所は「風間の指導官時代」と

指導官である風間が新人刑事を鍛え上げる「風間道場」なので、

もっと事件パートは"普通"で良いと思うんですよね。

逆に事件パートを変わった内容にすればするほど、

風間や瓜原(赤楚衛二)の描写よりもそっちの方が印象に残りやすくなって、

「1話完結型の刑事ドラマ」が色濃く出てしまうと言いますか。

風間も、まともに捜査してなさそうな割には

最初から全てお見通しであるかのような素振りを見せているだけで、

なぜ・いつどこで気づいたのかの根拠が曖昧だから、魅力的に映らないのがなぁ…と。

個人的には、事件パートよりもそっちに尺を割いて欲しいですかね。

 

どうやら、新人刑事1人につき2話の構成で行くようで、

瓜原(赤楚衛二)とバトンタッチして

次回からは隼田(新垣結衣)がそのポジションにつくみたいですが、

果たして、このペースでいずれ、風間の原点が明らかになる時が来るのでしょうか。

 

元々期待している作品ですし、

ラストでは彼の目を刺した犯人と思われる人物が登場してきたので

見届けたい気持ちはあるんですけどね…

さて、本作と月10でどっちが面白くなるかな…??

 

 

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TOKYO MER 新作SPドラマ「隅田川ミッション」感想|1年半後、ヨコハMERが出来るらしい。

 

 

もはや最近は、連続ドラマを映画化しない方が珍しくなってきてますねぇ。

そして、集客目的で、連続ドラマと映画を繋ぐ物語=SPドラマが

制作されるのも恒例行事になりつつあります。

正直言うと、またか…とは思いました(笑)

 

でも、そう言えば本作に出てくる政治家って、なぜか内閣の支持率を上げて

自分が長くその地位にいようとは考えない人たちばっかりだったなぁ…wとか、

青戸(伊藤淳史)と重ねて、比奈(中条あやみ)も昔はオドオドしてたっけかなぁ…

(っていうかまだ研修医だったんだっけ…)とか。

当時の頃をいろいろ振り返りながら、何だかんだで楽しく見られましたね。

 

で、もう1つ改めて思ったのは、本作はやっぱり盛り上げ上手なのだという事。

ツッコミどころもいろいろあるし、ザ・王道で少年漫画ちっくな作風なんですけど、

視聴者の見たいものをちゃんと見せてくれる安心感があると言いますか。

例えば、「すっかり頼もしくなった比奈」を

段階を踏んで描く所なんかは特に良かったですね。

細かく説明すると…その第一段階では、オペ中に他に執刀出来る人がいないと気づいて、

プレッシャーに押し潰されそうになった時に喜多見(鈴木亮平)に助けてもらった自分が、

今度は青戸の手を掴んで助けるという同じ手法を取ってきて。

第二段階では、命の危険な屋形船での治療に無茶して乗り込んでくる彼女の様子を描く。

そして、第三段階では…比奈がセカンドドクターになるのかどうかのサブエピソードを

序盤と終盤で扱って、仲間との関わりを通しての

彼女の考えがいかに変化したのかを強調するんです。

 

第一段階の時点で、「ヒーローは遅れてやってくる」と言わんばかりに

車の扉を開ける大胆な演出で魅せなかったからこそ、

第二段階での、煙で人の姿が見えにくい中で喜多見の元に駆けつけてくれたのが

なんと比奈だった…という感動がより増していたような気がしましたし。

また、セカンドドクターに彼女は向いていないのでは?と周囲に笑われるシーンも

見せ方が分かってるって感じで、

一緒に働いてきた仲間が1人1人、言葉を選びながら彼女をフォローしているのを見て、

連続ドラマからの視聴者としては、チームの絆の深さを再認識させられました。

 

展開自体も当時から変わらず、山場のシーンだけカメラワークの切り替えを増やし、

早口の台詞を多く飛び交わせるなどして医療現場の緊迫感を演出。

それまでの内容も危機的な状況を畳み掛けて見せて行っているので、

終始ハラハラしっぱなしであっという間です。

あくまでもSPドラマなので、2時間にも出来た所を、

ドラマの初回拡大放送と同時間の1時間19分に設定したのも潔かったですね。

2時間ドラマだと、詰め込み過ぎで見ていて疲れてしまう場合もあるし、

冗長気味になってしまう可能性もあるので…本当、英断でした。

 

まぁ、最後の数分は映画の予告映像が流れていて、それがあまりにも長くて、

「このSPドラマは映画の宣伝のために作りました!」って

開き直られた感覚も覚えなくはなかったんですが(苦笑)

(いや、間違ってないんだけど、そこまで商業臭くしなくても…なんてw)

でも…普通に、日曜劇場ならではのエンタメを楽しめたので良いです。

劇場版は、地上波の放送を待ちますけども…w ←映画館が遠くて気軽に行けないんですよ〜…

 

↓ドラマ「TOKYO MER」の今までの感想はこちら↓

 

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あなたがしてくれなくても 1話 感想|恐らく、夫婦にとっては避けて通れない話

 

 

不倫モノやドロドロした作風には食指が動かなくなってきているため、

「昼顔」スタッフが再集結!という売り文句を聞いて、

(扱うテーマは違うとは言え)あまり惹かれない作品になってしまうのではないか…と

内心不安に思っていた本作。

ところが、いざ視聴してみると、体感的にはあっという間で。

何と言うか…話が進んでいくごとに、良い意味でウズウズやモヤモヤといった

感情が蓄積されていって、この4人が抱えているものは何なのかを知りたい気持ちにさせる、

そんな吸引力を感じさせる初回でした。

 

個人的に凄く良かった所は、心情変化の描き方。

最近いろんなドラマを見ていると、感情の起伏が激しい登場人物も決して少なくなくて、

「えっなんでそんな急に!?」とついて行けなくなって

物語にのめり込めなくなる事も度々あった分、

本作はパートナーと一緒にいての"気まずさ"だったり、"むず痒さ"だったり、

そういった繊細な空気感がナチュラルに表現されている気がしました。

また、台詞の間の取り方や対話のテンポも絶妙なんですよねぇ。

陽一(永山瑛太)との関わりを通して描かれるみち(奈緒)の心の声が

随所に散りばめられているから、

彼女の想いを無視したド直球な言葉を投げかける陽一のシーンや

もう何もかも放棄したくなった終盤のみちのシーンがグサッと刺さると言いますか…。

お互い幸せだった日常から一転、本題に踏み込めば踏み込むほど崩壊してしまう

2人の関係性をじっくり描いていたと思います。

 

そして、2人の関係性とキーケース、みちの心境と桜…で、

登場人物に小道具を絡ませているのも良いなぁと。

前者で言えば、趣味が合わなくても色褪せるまで使っていたのは

それだけ夫を愛していたという証拠にもなるし、

ボロボロになってとうとう使い物にならなくなったキーケースは

2人の間に亀裂が入る状態とシンクロ…

で、陽一は同じ物を手に入れ、みちはネットで女性受けしやすい

鮮やかでツルッとした物を頼もうとしている所なんかは、

まさに"すれ違い"を表しているんですよね。

 

一方…後者で言えば、

昼の時間帯の桜では、ただ目の前にいる大好きな人の事を考えて充実してそうなみち、

夜の時間帯の桜では、心の奥底にズ〜ンとした暗さや重さを抱えたみちの様子を描いて、

意図的に区別している気もして。

あと…これは本当に独りよがりな捉え方かもしれませんし、

上手く伝わるかどうか分かりませんが(汗)

桜の木が描かれたパズルで唯一欠けているピースは

「逃げるのが上手い」陽一であるかのように見せてから、

ラストシーンでみちが目にしたものが、新名(岩田剛典)にハグされている時の

たった1枚の花びらだった事から、

新名は今後、1ピース欠けたパズルのようにぽっかりと心の空いたみちの孤独を

"理解者"として違う形で補ってくれる存在になるのでは…?ともとれそうな

暗喩表現が施されていたのも、個人的には印象に残りました。

まぁここは、演出の効果が大きいですね。

 

話している相手をじーっと見る奈緒さんに対して、

時々相手の目を見ているようで、完全に見切れていないような

曖昧な視線を送りながら話す瑛太さんの表情の対比もさる事ながら。

カミングアウトした時だけは引きの映像で、しかも表情は全く映さない形で、

彼の話している事は事実なのか…?やっぱり嘘なのか…?と視聴者に考えさせる

余韻の生み出し方も秀逸でした。(私は事実かな?とは思いますが。)

 

ああ…書き残したい事が多過ぎて、

つい「これ言いたい!あれ言いたい!」なまとまりのない感想になってしまいました(苦笑)

初回を見た感じだと、同じ木曜劇場の「純愛ディソナンス」「silent」に続いて、

本作もまた、演出や演技をもう一度味わって新たな発見をしたい…と

思わせてくれる作品になりそうです。

 

そして、結婚にはまだまだ程遠い私からしたら、身近とは言えないテーマではあるんですけど、

だからこそ、新鮮で学びの多い作品にもなりそうだと。

私としては…多様性を描く上でよく取り上げられている「子供を産む・産まない問題」以上に、

避けては通れない話なんじゃないかと思いました。

産むのであれば、必須になるだろうし。

産まずに夫婦2人で暮らし続ける場合でも、

愛情表現で何が重要かはお互いで価値観が違ってくるかもしれないし。

「何でこの時間帯に放送したんだ」「不快だ」という声もある中での本作の放送…

"不倫モノ"で終わらない、最後まで軸のブレない仕上がりになる事を期待しております。

 

↓次回の感想はこちら↓

 

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ケイジとケンジ、時々ハンジ。 1話 感想|「あいつ」になった東出さん。

 

 

前作は見ていたんですが…ほとんど記憶なし。

ただ、少なからず、前作の初回はもっと古典的な笑いを

散りばめていたような記憶は残っております。

そう考えると、コメディの描写も各々のキャラ付けも、愉快なやり取りも、

これって本当に福田靖さんの脚本なの?と思うくらい控えめで、

面白いかどうかは別として、変なストレスを感じる事なく

気軽に見やすい仕上がりになっていたのは良かったです。

 

…特に目黒(磯村勇斗)のアメリカナイズドなギャグは、

匙加減次第でクスッと笑えるものになるか、うっとうしく感じるものになるかで

大きく印象が変わってきますからね…(笑)

過剰気味だったのが前回作…おっと、あまり比較しちゃいかんですな。

 

落ち着いた作風になったからか、事件の内容や結末も頭には入って来やすかったです。

真相自体は…まぁ真新しさはなかったけれども、それは前作でも同じだったので、

あくまでもキャストが豪華で個性豊かな登場人物を楽しむべし。

元相棒については、途中までは完全にいない者にされたかのように進んでいたのもあって、

(確かに同情しにくい事はしていても)熱血タイプの豪太(桐谷健太)とのバランスの良さを

感じていた私としてはちょっと気の毒に思って見ていたんですが、

そこの設定もしっかり忘れず、「あいつ」役でたま〜に出てくる所もツボでしたw

 

あとは、3つの職業の"連携"の描写が肝になってくるのかなぁ…と。

今の所は、タイトルの「時々ハンジ」に合わせて

諸星(吉瀬美智子)を基本電話のみでのご出演にしているのかは分かりませんが、

いくら豪太の出番を増やしたとしても、刑事・検事・判事の場面転換をやり過ぎていて

まだまだ散漫している感は否めず。

とは言っても、初回は初期設定の説明に終始しがちですし、

本作の場合は登場人物も多くて、整理整頓するのが大変なのも理解出来るので、

各々が本格的に交わるようになってきたら、また見方も変わってくるのかもしれませんね。

 

そんな訳で、期待度を低めに設定していた分、思っていたよりは悪くなかったです。

前作を楽しんで見ていた視聴者の中には、物足りない方もいらっしゃるでしょうけど…

個人的には、今回の内容に若干のコミカル要素を加えたスタイルでいけば

最後まで見続けられそうです。

しかし、諸事情で今期から平日は感想執筆1本のみと決めていて、

次のドラマが割と引き込まれる作りだったので、本作の感想は初回のみといたします(謝)

 

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