クロサギ(2022) 5話 感想|役者さんが頑張ってるだけに…

 

 

先週の「アトムの童」で銀行が我が物顔で急に差し押さえしてきたのと言い、

(最新話まで追いついていないものの)

「君の花になる」でいつの間にか主人公に好意を寄せる描写と言い…

今期のTBSのドラマはどこも「なんでそうなるの?」というモヤモヤした感覚が残りますね。

本作も残念ながら、その1つに入ってしまっています。

 

本作の場合、「詐欺師が詐欺師を喰う」設定自体が珍しいので、

唯一のクロサギである主人公のキレの良さをじっくり描いて初めて

その設定が活きると踏んでいるんですが、

何しろ、肝心の黒崎(平野紫耀)の"手口"が分かりづらいのが

勧善懲悪としては盛り上がりに欠けてしまっているんですよね。

最大の原因は、"縦軸"の過度な強調なんでしょうけど…

今回はそれに加え、上海を舞台にして大規模な世界観に仕立て上げた事が

物語の難解さに拍車をかけていた気がします。

 

内容を見ていると…こんな悪い方向には捉えたくなかったのですが。

「20億」「50億」といった非現実的な数字や団体名を頻繁に言わせて、台詞量を多くして、

上海だけあってたまに現地の映像を挿入したり、

そこそこ顔圧の強い癖のある役者さんを大量にキャスティングしたりすれば

「大掛かりな詐欺」をやっているように見えるでしょ?

という風に思えてなりませんでした。

平野紫耀さんと坂東彌十郎さんの終盤の対峙のシーンは良かったですが、

役者さんの演技と劇伴頼りな感じは否めないですし…。

せめて「ボスを喰った」を表現するなら、

御木本(坂東彌十郎)の目の前にアタッシュケースを置いて

大金を見せびらかすくらいの演出を取り入れた方が、

まだ主人公の凄さが際立ったのかもしれません。

 

そして、個人的に疑問に思っているのは、神志名(井之脇海)の描写について。

なぜ彼の背景を深掘りしようとしないんでしょう?

私は最近まで2006年版の「クロサギ」を視聴したのもあって、

彼がなぜあそこまで黒崎にこだわるのかは脳内補完は出来るんですが。

10年以上前の作品ですし、そもそも見ていない視聴者の方が圧倒的に多いでしょう。

前作も見てくれているだろう…という"視聴者頼み"で作っているのかどうかは知りませんが、

このままだと「警察の本来の仕事をほっぽり出して、特定の詐欺師に会うためだけに

わざわざ有給使って上海に飛んだヤバイ奴」の印象だけが残ってしまいますよ?

彼が抱えている"傷"を描いてこそ、黒崎への執念も、

雨の中「自身の行為がかえって人を殺してしまった」事を悔やむ黒崎の涙も

深みが増したのではないでしょうか。

 

佐々木蔵之介さんの登場は嬉しいですけど(ファンなので)、

新たな黒幕を投入してくるとなると、御木本を倒すまでの話と

構成は似通ってしまいそうな気はしますね。

縦軸の他に、どうやら黒崎・氷柱(黒島結菜)・鷹宮(時任勇気)の三角関係も

匂わせたいようですし…

何だか、本当に「詐欺師が詐欺師を喰う」部分が霞んでいってしまいそうで心配です。

原作があるから仕方ないのかもしれませんが、

初回のような1話完結型の内容をもう少し見たかったなぁ…というのが正直な気持ちです。

 

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ザ・トラベルナース 5話 感想|元嫁に命拾われた男

 

 

「命拾いした」と言っていたのでね…もうサブタイトルは↑しか思いつきませんでした(笑)

 

「拾われた男」は元々夏クールにBSプレミアムで放送されていた作品ではあるものの、

今期はその作品含め、「PICU」「ジャパニーズスタイル ※2話ゲスト」「舞いあがれ!」と

かなりドラマに出ずっぱりの松尾諭さんがゲストだった今回。

ドラマ好きからしたら、また出てる!なんて話題に上がりやすいですが、

それだけではまだまだ足りず。

本作の中で唯一謎めいた我が道を進むタイプの吉子(安達祐実)をメインに仕立てる事で、

元夫婦だった過去を紐解きつつ、

お2人のやり取りで楽しませる方向に舵を切った…といった感じでしょうか。

 

今回は何と言っても、安達祐実さんの存在感が光りましたね。

特に、五反田(松尾諭)がヒモからクズになったとカミングアウトするシーンでは

「同情するなら金をくれ!」と言わんばかりの気迫とエネルギッシュさがありました(笑)

回想含めてあまり深い掘り下げはなかったのですが、あの怒りをぶちまける様子から、

売れない頃から支えつつ、二人三脚の生活を長年送ってきたものの

五反田のだらしなさに付き合うのにも苦労し、

愛していたはずが徐々に心が疲弊してしまった…という

離婚するまでの過程や心境が感じ取れたのが良かったです。

"想っていた"描写があったからこそ、実はファンの1人である事にも、

最後の「ここに来ないで」が優しさの裏返しである事にも気づけたような気がします。

 

しかし、3〜5話と、ここまで脇役をメインに置いて

歩(岡田将生)と静(中井貴一)が一歩引いてサポートに回るか?

あえてメインの人物に絡めて対立させる形で"チーム"を描くか?

といった話が続いてきましたが、そろそろ1・2話のようなコンビの活躍を

またガッツリ見たいなぁというのが正直な気持ちですかね。

不足している訳ではないけど、

今回に関しては完全に、吉子と五反田による"人情劇"で魅せる話になっていましたからねぇ。

 

もっと具体的に書くなら…

いつにも増して「人を見て人を治す事が出来るナースになって下さい」を

強調していたのが気になっていて。

それが「吉子の動き」を通して学びや気づきを得る…というより、

ナースが医者より下だと思っている偏見を突かれたり、

そんな偏見を抱えているから何気なく告知をしてしまったりした

"歩自身の過ち"にかかっているようで、

2つのエピソードがちょっと分断されている感覚を覚えてしまったのです。

つまり、いつものように"歩の成長物語"を兼ねた内容としては

分かりづらくなっていたというか。

まぁでもここは…静のもう1つの顔が明かされた以上、

最終章に向けての準備を始める意味合いも込められているのかもしれません。

 

前回の感想で、ゲストの名前に数字がついているから、

話数で考えると「九鬼」静も患者側になるのでは?なんて書きましたが、

どうやらその線はなくなりそうですね。

あとは…静がなぜ歩に近づいたのか、かな?

 

 

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親愛なる僕へ殺意をこめて 7話 感想|はた迷惑過ぎる真相だった…w

 

 

すげぇ〜〜………………………そう来ますかぁ…………。

ああ、あまりの展開に「すげぇ」って言ってしまった(笑)

なんと言っても、みんなの銃を向ける回数の多さですよね。

ここ、日本!今、令和!洋画の世界じゃないんだから!

ファッション感覚で銃を扱う様子に、ツッコミどころか笑いさえ込み上げてきましたよw

 

真相自体は「自分勝手」と「はた迷惑」もうこの二言に尽きますね。

お前らは大きな勘違いをしていると釘を刺しておきながら、

桃井(桜井ユキ)から語られた真相は…なんかまぁ…個人的な恋愛事情から始まって。

明かされれば明かされるだけ、桃井と猿渡(高嶋政宏)の行為が

エイジ(山田涼介)や真(早乙女太一)、さらには協力してくれたナミ(川栄李奈)までも

巻き込んでいったという事がひどく伝わってくる内容になっていました。

退場間際の、天使のお迎えが来たかのような安らかな劇伴が、

「地獄が終わった」と思い込む2人の解放感と安堵感を助長しているようで

余計にモヤッとしましたね(笑)

 

しかし、2人の動機に関してはあまり感情移入出来なかったものの、

物語全体の構成を考えた上での今回の展開の仕方は、

エンタメ性に溢れていてよく出来ているなぁと思わされます。

前回の感想でも書きましたが、本作の登場人物の人数は元々少ない。

それ故に、真犯人もとっくに限られている。

ある程度結末が読めて、ラストスパートに差し掛かって来れば、

訳ありな演出で引き延ばすとか、引っ張り続けて終盤でようやく手がかりを掴ませるとか

そんな話になってもおかしくないのに、

本作に関しては衝撃を残しつつも、出し惜しみを一切していないんですよね。

一歩ずつ前に進んでいっている。

だって…桃井と猿渡が互いに特別な感情を抱いていた事が

殺害のきっかけになっていたなんて、誰が想像出来たのか(笑)

もしこれも考察していた方がいたなら凄いですけど、

「そう来るのか!?」って口を半開きにさせながら引き込まれるように見た視聴者の方が

圧倒的に多かった気がします。

 

最後の退場劇も含めて、いや〜……衝撃としか言いようがありませんでしたね。

これで明らかに怪しい人物は、亀一(遠藤憲一)と義姉・乙(夏子)の2人となりました。

前者はあえて影をチラつかせていない描写をしていますし、

後者は最近存在感が薄いですからねぇ。

結末へとどう繋げるのか、身を任せて楽しむ事にします。

 

 

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親愛なる僕へ殺意をこめて 7話 感想|はた迷惑過ぎる真相だった…w

 

 

すげぇ〜〜………………………そう来ますかぁ…………。

ああ、あまりの展開に「すげぇ」って言ってしまった(笑)

なんと言っても、みんなの銃を向ける回数の多さですよね。

ここ、日本!今、令和!洋画の世界じゃないんだから!

ファッション感覚で銃を扱う様子に、ツッコミどころか笑いさえ込み上げてきましたよw

 

真相自体は「自分勝手」と「はた迷惑」もうこの二言に尽きますね。

お前らは大きな勘違いをしていると釘を刺しておきながら、

桃井(桜井ユキ)から語られた真相は…なんかまぁ…個人的な恋愛事情から始まって。

明かされれば明かされるだけ、桃井と猿渡(高嶋政宏)の行為が

エイジ(山田涼介)や真(早乙女太一)、さらには協力してくれたナミ(川栄李奈)までも

巻き込んでいったという事がひどく伝わってくる内容になっていました。

退場間際の、天使のお迎えが来たかのような安らかな劇伴が、

「地獄が終わった」と思い込む2人の解放感と安堵感を助長しているようで

余計にモヤッとしましたね(笑)

 

しかし、2人の動機に関してはあまり感情移入出来なかったものの、

物語全体の構成を考えた上での今回の展開の仕方は、

エンタメ性に溢れていてよく出来ているなぁと思わされます。

前回の感想でも書きましたが、本作の登場人物の人数は元々少ない。

それ故に、真犯人もとっくに限られている。

ある程度結末が読めて、ラストスパートに差し掛かって来れば、

訳ありな演出で引き延ばすとか、引っ張り続けて終盤でようやく手がかりを掴ませるとか

そんな話になってもおかしくないのに、

本作に関しては衝撃を残しつつも、出し惜しみを一切していないんですよね。

一歩ずつ前に進んでいっている。

だって…桃井と猿渡が互いに特別な感情を抱いていた事が

殺害のきっかけになっていたなんて、誰が想像出来たのか(笑)

もしこれも考察していた方がいたなら凄いですけど、

「そう来るのか!?」って口を半開きにさせながら引き込まれるように見た視聴者の方が

圧倒的に多かった気がします。

 

最後の退場劇も含めて、いや〜……衝撃としか言いようがありませんでしたね。

これで明らかに怪しい人物は、亀一(遠藤憲一)と義姉・乙(夏子)の2人となりました。

前者はあえて影をチラつかせていない描写をしていますし、

後者は最近存在感が薄いですからねぇ。

結末へとどう繋げるのか、身を任せて楽しむ事にします。

 

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自転車屋さんの高橋くん 2話 感想|飯テロ要素もあるのがテレ東らしい。

 

 

会って間もない相手に「ともちゃん」呼びはびっくりしますって!

めっちゃ距離感詰めてくるじゃないですか(笑)

でも、言葉っていうのは不思議なものでね…

照れ隠しのつもりの「あんた」「お前」呼びよりも、

いきなりちゃん付けする方が、甘えているようにも感じられて

可愛らしく見えてきちゃうんですよねぇ。

 

他にも、何か話しかける時の距離が近かったり、

朋子(内田理央)が酔った勢いで遼平(鈴木伸之)の肩にもたれかかったり…

胸キュン演出はある事にはあるんですが、本作に関してはなぜか嫌にはなりません。

むしろ、見ていて心がほっこりするというのかな。

それは…あくまでも恋愛が主軸に置かれてはいるんでしょうけど、

「朋子はなぜこんな性格になってしまったのか?」「朋子はなぜ遼平に惹かれるのか?」

といった人物の背景を丁寧に掘り下げていっているのが大きいんだと思います。

 

その決め手となったのは、朋子と母・聡子(濱田マリ)のエピソード。

放送開始日が遅かったので全何話あるかは分かりませんが、

主要人物と親との間にある"隔たり"を2話から描いていくのが、個人的には珍しいです。

朋子が言うには、自分が小学校に上がった頃には父には愛人が出来て、

さらには子供を作ってしまったのがきっかけで

母はシングルマザーになると決意したのだそう。

 

「女手一つで私の事育ててくれた」という台詞があったように、

母には本当に恩義を感じてはいるんでしょうけど。

それが、わがまま言って迷惑かけちゃいけない…

仕事を増やして負担をかけさせたくない…

だから母の前ではとりあえず合わせたい…という想いに変わって、

そんな風に自分の気持ちに蓋をする日々が蓄積していった結果、

今の朋子の人格が形成されていったのだと察せられる内容になっていました。

 

同じコップを使っている所は"家族""親子"らしくても、

朋子のコップは空で、聡子のコップにはお茶が入っているという対比も

2人の関係を表しているようで切なかったです。

ご飯中にお茶をおかわりして、自分のペースで飲む聡子。

「私にも注いで」と言えずに、空っぽになったままご飯を食べ続ける朋子。

食卓のシーンだけでも、朋子がいかに周りに気を遣いがちな人かが読み取れます。

この"前提"があるからこそ、

居酒屋で升に入ったお酒を1人グビグビと飲む姿に共感したくなるし、

唯一飲みに誘える遼平の存在が微笑ましく思えるんですよね。

 

2人とも、中華料理屋では脇目も振らず、ご飯を次々口に運んで

美味しそうに食べていましたからね。

そういう意味でも、本質的には似た者同士で、波長が合うんだろうなぁと。

料理のシズル感も、目の前で餡がかけられるライブ感も、

2人が夢中になるのには説得力が抜群で

見ていてお腹が空きましたし、

あのぷりっぷりのエビチャーハンを食べたくなってしまいました(笑)

いやはや、美味そうでしたなぁ…。

あそこは、今まで飯テロドラマを作ってきたテレ東だから活かせる良さですね。

 

人の機嫌ばかりを気にして、空気が悪くなっちゃいそう…とか考えちゃって

中々断れなかったり(そして適当に済ませる嘘も下手)。

本当はもっと食べたい気持ちを抑えて周りに譲ったら

「遠慮しないで良い」「食べて良いよ」って言われて嬉しさが顔に出ちゃったり(笑)

朋子の様子が自分と重なる部分も多いので、つい親近感を覚えてしまいます。

恋愛ドラマは「登場人物を応援したくなるか」が大事だと思っているので、

今の所、出だしは好調なんじゃないでしょうか。

 

 

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拾われた男 6話 感想|往復ビンタの次はメガトンパンチ(笑)

 

 

諭(仲野太賀)は本当に、良くも悪くものめり込みやすい性格なんですよねぇ。

彼の迂闊さに「バカよのぅ…」と何度思った事か(笑)

一旦1人にさせてあげれば良いものを、傷口に塩を塗るような発言を次々投げかけるから

あんなにブチ切れてしまう訳で。

三者で"フィクション"を見ている立場だからなんでしょうけど、

伊藤沙莉さんの感情をむき出しにする演技が強まれば強まるほど、

何だかクスッとさせられてしまいました。

「クッソ クッソ」からのメガトンパンチ…最高!w

 

しかし、それ以前に、炎が燃え上がんばかりの怒りを見せる結(伊藤沙莉)と冷凍餃子で

対比させている所が地味に面白かったです。

カッチコチだった冷凍餃子に、結の怒りが徐々に乗り移って火が通り…

でも、相手にはストレートに接する事が出来ても、

物に当たる行為をあまりしてこなかったが故に、調整の仕方が分からず

なぜか炒め物のように扱ったり、大量の煙を出したりするって流れに

彼女の人柄や今の心境が表れ出ているというのか。

食べたくてやったんじゃないんだけど、手を動かして気を紛らわしたくてしょうがない。

どんな人でも一度はそんな経験があるだろう…と思わせる

リアルさが窺えるシーンでもありました。

 

前半こそ「のめり込みやすい」性格の短所が強調され、

最低最低最低の積み重ねで展開されていったのですが、

その積み重ねがあったお陰で、レンタルショップでの

「今までの恩恵にきちんと感謝する」諭の誠実さが際立ったような気がします。

なんか…結婚式場かと一瞬錯覚してしまいましたね。

山下(安藤玉恵)が神父さんみたい。

「従業員としてここに来るのは今日で最後だ。俳優一本でやってけ!」という山下の言葉は、

「病める時も、健やかなる時も…(中略)真心を尽くす事を誓いますか?」という

式でのお決まりの言葉と近しいものを感じさせてくれました。

諭、本当に素敵な上司を持ちましたねぇ…。

 

大成するには、運や実力だけではどうにもならない時もある。

同局でつい最近まで放送されていた「一橋桐子の犯罪日記」でもそうでしたが、

幸福な人生は、いろんな人との出会いや人の繋がりがあってこそなのだと

改めて思わされる作品です。

もし飛行機のチケットを拾わなかったら、事務所で雇ってもらえなかったら、

レンタルショップで働いていなかったら、

そこで同じく夢を目指す仲間や結に出会えていなかったら…

役者道を歩む事を諦め、とっくに兵庫に戻っていたかもしれない。

今回の内容は、人生を歩んでいく中で生まれる"ドラマ"を

地道にコツコツ描き上げてきた賜物だと言っても過言ではありませんでした。

 

次回ではそんな"拾われてきた"諭が、

武志(草彅剛)を"拾いに行く"側に回るようですね。

平行線で描かれてきた兄弟のエピソードが、いよいよ交わろうとしています。

こちらも楽しみです。

 

 

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silent 6話 感想|手にしたくても叶わない夢

 

 

「プレゼントを使いまわされた気持ち」

はぁ……この言葉を聞いた時のショックの大きさたるや………。

前回の感想でも書きましたけど、やっぱり、王道のラブストーリーに見せているようで

王道ではないなぁとつくづく思わされます。

 

ラブストーリーは大抵は「2人の物語」なんですよね。

基本的に、主人公か相手目線の2通りで話を広げていくから、

その間に入ってくるライバルや元恋人は、俗に言う"当て馬"で不憫に描かれるか、

あるいは2人の"恋の障がい"として、視聴者が見ていて不快感を覚えるようにに

描かれたりする時もある。

でも、本作の奈々(夏帆)の場合は、完全に後者の立ち位置にいるのに

ちっとも嫌味に思わない。

…むしろ、今回は奈々の方に同情して、想(目黒蓮)はなんて罪な男なんだと

思ったくらいです(笑)

想の手話の主成分は奈々で出来ている事が判明してしまいましたからね。

恋は人を良い方向にも悪い方向にも変える…というのが痛いほど示されていて、

想との出会いを共通項に、紬(川口春奈)は当時のような真っ直ぐさが戻っていく一方で、

奈々はどんどん自分を苦しめていく対比は

見ていてとても辛い気持ちにさせられました…。

 

で、今回、その辛さに拍車をかけていたのは「カテゴライズ」だった気がするんです。

序盤では、想に「それは、聴者もろう者も同じ」「あなたも同じ」と励ます

奈々の姿が描かれましたが、

これが後々の内容において意味をもたらすシーンになっていました。

まぁ…2話の感想でも書いた通り、本作がよく取り入れる"前フリ"ってやつです。

 

上手い言葉が見つかりませんが、今回の構成は「落として上げて落とす」みたいなもので。

想を深く知らない同級生が、想が「耳の聴こえない人」だからと

わざと大声で話しかけてきたり、

警察が「耳につけているのはイヤホン」だという固定観念で接してきたり、

カウンセラーの人が彼を"悩みを抱える1人の人間"として平等に接しずに

「この人にはこんな風に接してあげれば大丈夫だろう」と決めつけてアドバイスしてきたりと…

最初は完全に"聴者側"にいる人々と想の関わりが描かれてからの

奈々との出会いだったので、想と同様、彼女の言葉によって

ちょっとした救いや希望を感じた視聴者も多くいた事でしょう。

しかし…そんな「こうであって欲しい」という"理想"は、

その次の奈々の思いやったつもりの行為で、一気に打ち砕かれてしまいます。

「想自身」ではなく「耳の聴こえない想」ばかり気にしている律子(篠原涼子)や、

あの子に"聴こえない"想くんの気持ちは分からないと断定づける現在の奈々の言動も含めて。

聴者やろう者、家族関係なく、

全ての人々が無意識に相手をどこかのジャンルにカテゴライズしては、

その狭い範囲でしか相手を見ていない…という現実と同時に、

"カテゴライズされる側"の苦悩や孤独も並行して描いていたのが、

今回の余韻に繋がったのではないかと思います。

 

奈々の夢も切ないものでしたね…。

あの青いハンドバッグはきっと、

彼女が本当に手に入れたかった"聴覚"でもあったんでしょうね。

手話をするからいつもリュック姿だけど、ハンドバッグを持てば片手で手を繋げる…

そんな憧れを抱いていた。

奈々の友達・江上役を演じる那須映里さんの呟きによると、

ろう者でも実際にハンドバッグを使ったり、手を繋いだりする事はあり、

「片手手話」もあるそうなのですが。

これまでも有線のイヤホンや、何気なく流れていたお笑い番組、前回の100均のヘアピンなど、

登場人物のその時の心境や関係性を象徴するかのような"アイコン"が添えられていたように、

今回もハンドバッグを取り入れたある種の「分かりやすさ」が、

感情移入させるには最も効果的なエピソードになっていました。

 

強いて言うなら、紬が想の事を「好きな言葉をくれる人」と

正輝(風間俊介)に言っていた辺り、

彼女はもう彼を恋人として受け入れているのだろうと考えると…

別れを告げた側ならともかく、吹っ切れるにはあまりにも早いので、

もう少し湊斗(鈴鹿央士)を引きずるような描写があっても良かったとは思いますが。

でも、本作の"当て馬"になりそうなポジションや、嫌な人物になりそうなポジションを

あえてそう描かずに、それぞれの心情を1人ずつ汲み取っていく作風はとても好みです。

 

奈々の今後はもちろん、正輝と奈々の関係はやっぱり元恋人同士なの?という所も気になります。

どんな展開へと向かっていくのか…次回にも期待します。

 

 

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エルピスー希望、あるいは災いー 4話 感想|拓朗から目力が消えるなんて…

 

 

「飲み込みたくないものを、飲み込まない」と意気込んで

本格的に冤罪事件へと向き合い始めた初回から、

好評を受け第2弾の制作にすぐさま取り掛かった恵那(長澤まさみ)や拓朗(眞栄田郷敦)と、

途中までは「自分たちの行為で救われた人」の存在のお陰で"強い人"でいられるといった

2人の無鉄砲さが描かれてきただけに、

今回の終盤での転調ぶりには目が離せませんでしたね。

一度ほじくったら零れ出て、原型を留められなくなってしまった

人間の弱さや愚かさが描かれたのが印象に残る回でした。

 

まず、恵那に関しては…正一(鈴木亮平)の前では抗えない事が

よ〜く伝わってきました。

前回に引き続き、色恋が描かれ、しかもまあまあ長い尺が割かれているので

不快感を覚えがちかもしれませんが、

あのシーンは、自分の弱さを彼の存在で埋(うず)めようとする

"逃げ"と"甘え"の象徴とも捉えられます。

彼のせいで第一線を退き、「フライデーボンボン」という

落ちぶれた者たちが集う場所へと異動させられる羽目になったのに、

彼に再び飲み込まれようとしている。

それは彼女も自覚しているけど、

目先の快楽にどうしても縋ってしまう…っていうのが何だか生々しくてリアルです。

 

今更なんですが、名前が「正一」なのも

彼の得体の知れなさをより増幅させているんですよね。

「正」だから「正義感」「正しい」…そんな良いイメージが先行しがちですが、

「"正しい人"のフリが得意な、登場人物の中で一番したたかな人」にも見えてしまうというか。

鈴木亮平さんは「TOKYO MER」でも体を鍛えられていましたが、

本作ではそのガタイの良さがまた異質感を生んでいて、

敵か味方か分からないけど何となく怪しい…と思わせるには

ぴったりのキャスティングな気がします。

 

そして、恵那が色恋に溺れる一方で、拓朗の、同級生の自殺に向き合う事で、

自分がいかに"勝ち組"にこだわり続けた"負け組"だったか、

いかに過去から目を背けていたかを思い知らされる姿も描かれました。

恵那の前でカレーをがぶりつく様子が妙に頭に焼き付いていたんですが、

それは単純に、目の前の物事に食らいついて「何も考えないようにしていた」

彼そのものでもあったのかもしれないなぁと…。

何に負けたのかに気づいてしまった以上は、もう過去の出来事も、過去の自分も

黙って見過ごす訳にはいかなくなった。

今回の件で、拓朗は冤罪事件に関わらざるを得なくなったと思っているんですが…

1つのターニングポイントを迎えた所で、次回以降、彼をどう描いていくのかが気になります。

 

で、ここまで見てきて一番予想外なのは、

最初はセクハラパワハラしまくりのすんごい嫌な奴に描かれていた村井(岡部たかし)の

好感度が上昇してきている事なんですよね。

上司の反対意見が多い中で「やってみたら?」と言ったり、最後まで流すのを許可したり…

彼は案外裏表がない。

鼻水を垂らすほど泣いた拓朗の人間臭さを引き出したのも彼なんだから、

中々凄い存在だと思わされます。

でも…今では裏表なく部下に接しているものの、彼もまた恵那や拓朗と同じで、

"何か"に負け続けた1人の人間でもあるんでしょうね。

 

1つの冤罪事件をきっかけに、

恵那も拓朗も…もしかしたら村井も?本質的には同じ人間である事が明かされた今回。

あれだけ目力目力と言われていた拓朗が、死んだような目を向けたシーンにゾッとしつつ、

衝撃のラストで終わる。

体つきからして、「元彼」だったんでしょうかね?

いやはや…ある意味"第2章"スタート回とも言える次回が楽しみです。

 

 

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アトムの童 5話 感想|これが銀行のやり方かー!ってやつ。

 

 

えぇ〜…そうなっちゃう??なラスト。

一気に「ザ・日曜劇場」臭が増しましたねぇ…。

那由他(山﨑賢人)・隼人(松下洸平)・公哉(柳俊太郎)の3人で培ってきた野望が

海(岸井ゆきの)との関係や、2人に出会わなければ忘れていたであろうじいさんズにも

受け継がれていく様子をせっかく面白く見ていたのに、

そのワクワク感を奪ったのも、大手企業と中小企業の戦いに勝手に割り込んできたのも

"因縁"には全く関わりのない銀行っていうのが何だか解せません。

日曜劇場は銀行を絡めないと気が済まないんでしょうか(笑)

 

過去の出来事以外に、興津(オダギリジョー)がアトム玩具にこだわる理由が

イマイチ分からないのを筆頭に、

以前から曖昧な箇所は曖昧なままにして物語を進行していったり、

ラストは毎回「上げて落とす」形に頼りきりで、ゲーム制作で切磋琢磨するよりも

アトム玩具をどうやって潰すかが狙いになってしまっているように映ったりと

ちょいちょい雑な部分は見受けられたんですが、

それにしても、今回はやり過ぎだったような気がします。

 

確かに、ゲームの売り上げがうなぎ上りになったきっかけは

消費者のオタク心理に沿って描かれていたので、説得力のあるものにはなっていましたが…

全体的にダイジェストっぽくサクサク展開されていったためか、

「崖っぷちだった企業がジョン・ドゥと手を組んで大ヒットゲームを作る」点では

カタルシスを感じにくかったんですよね。

最も気になったのは、2つの賞レースの立ち位置。

日本ア○デミー賞のパロディに思えた割に人が少ない

「ジャパンゲーム大賞」は、ゲーム業界においてどの程度価値のある賞レースなのか?

「ベストワン賞」も応募社数はどれくらいで、厳選なる審査で行われているものなのか?

賞をとるには大きな苦労を要するのか?

そういった詳細がボカされているのに、あっという間にベストワン賞とった!

でも銀行に邪魔された!ってぽんぽん進められても…気持ちが追いつかないのが事実です。

 

銀行も果たして、あんなに地上げ屋っぽく描く必要があったんでしょうかね。

あのくだりも、いくつもの違和感が生まれてきますよ。

例えば…株式の譲渡や買収は(多分)、本来は株主総会を開き、

上層部の退任の多数決をとってから行われるものであって、

一方的な考えで差し押さえる事なんてまぁあり得ないでしょうし。

公哉が契約書を読めないのは分かるけど、

元銀行員の海や財政管理の鵜飼(林泰文)が契約条項に気づけなかったのも不自然。

そもそも、鵜飼を利用してアトム玩具を潰そうとしてきた件があるのだから、

その時点で支店長・小山田(皆川猿時)に

法的措置をとらなかったのもなぜ?と思えてしまいます。

 

ドラマはリアリティを追求するべし!とは言いませんが、

ビジネスやサクセスストーリーを描く以上は、ある程度は残していただきたいです。

盛り上げようとするのに必死で、衝撃のラストありきで

話の構成を考えているのが丸見えだと、"予定調和"感が目立って冷めてしまうんですよね。

 

せめて、二者間の因縁を描くなら描くでそこにこだわって、

数字を重視するSAGASが、自分たちにはない技術力や発想力を持っているアトム玩具から

特許を奪い取る流れだったらまだマシだったのかもしれませんが…

う〜ん…もう後の祭りかな。

 

演出においても、オダギリジョーさんが顔芸を披露してきたり、

銀行員が大声でまくし立ててきたりと、かなりコッテコテの日曜劇場要素を出してきた印象。

まぁ…よくよく考えてみたら、主要キャストは若けれど

元々はあの役者さんが敵役になる予定だったのだから、

今回のような内容になるのも仕方ないというのか。

でもね…オダギリジョーさんは少し笑みを浮かべたすまし顔をされているだけで

十分に"脅威"の存在に感じるのですし。

とりあえず、土下座させて片付ける方向には持って行って欲しくないですね。

 

 

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クロサギ(2022) 4話 感想|黒崎と白石のコンビ、割と好きかも♪

 

 

あれから約1週間ですね。

しばらくのんびりしていて、さあそろそろ書く準備を始めようかと思った矢先に

あのニュースを知ったもので、感想執筆に身が入らないまま(&予定がとれないまま)

4話の放送日を迎えてしまい…で、今に至ります(苦笑)

3話の感想はすみませんが、すっ飛ばしさせていただきます。

 

さて、4話の内容は…

意外と、黒崎(平野紫耀)と白石(山本耕史)のコンビが

良いなぁって思えている自分がいるんですよね。

「まほうのどうぐ」とひらがなでデカデカと書いたのもそうだけど、

歳の離れた後輩を子供のように可愛がっているのが透けて見えて好き(笑)

少年っぽい顔立ちでハスキーボイスなのが作用しているんでしょうかねぇ。

もし父親がまだ生きていたら、こんな関係性にもなっていたのかも…という

"if"の世界すら想像させられて、微笑ましくもあり、ちょっぴり切なくもあります。

 

正直言うと、視聴前は山本耕史さんが神志名を演じると勘違いしていたくらいで、

同年代の井之脇海さんが演じると知った時は

「え!?急に若っ!」って驚いちゃったんですけど。

でも、黒崎・氷柱(黒島結菜)・神志名の年齢をあえて合わせる事で、

桂木(三浦友和)・白石・御木本(坂東彌十郎)の

詐欺師業界においての"絶対的な存在"を浮かび上がらせているようにも思えてきます。

御木本には家族の幸せを奪われ、桂木には若干揶揄われつつも仕事を依頼され、

白石には協力を求めて…3人によって操作された人生を歩んできた黒崎。

主人公や警察をもってしても太刀打ち出来そうにないイメージを持たせて初めて、

少年っぽくて、まだまだ青そうに見える彼が

御木本を自分の力で倒せる時が来るのか!?という面白味が増すんですよね。

そう考えると、中々バランスのとれたキャスティングです。

 

ただ、「シロサギを喰う」内容に関しては…

白い折り鶴を潰す黒崎(=憎しみをぶつける)・

黒い折り鶴をただ眺める御木本(=相手にしていない)で

互いの"意志"を映し出した対比のシーンを筆頭に、演出や役者さんの演技で

かなり補填してくれているようには感じられたものの。

やっぱり、脚本が原因なんでしょうかね?

警察の出番を再び増やしたり、縦軸や過去を合間合間に挟んだりで、

根本的な部分では「クロサギがシロサギを喰う勧善懲悪」の物語である事が

薄らいでしまっている気がするんです。

これは、依頼者と結託して敵を懲らしめるまでをじっくり描いた初回が

一番印象に残っているのと、

前作(2006年版)で最終回までにやった内容をたった4話に凝縮しているから、

主人公の活躍を魅せる点では物足りず、

あまりのスピードの速さに頭が追いついていないっていうのもあるのかもしれませんが。

恐らく次回までが第1章でしょうから、

警察の動きは3話と同じく序盤で済ませて、

「御木本vs黒崎」の対峙を重点的に展開していって欲しいです。

 

最後に、本編と関係のない話を。

「あなたは1人じゃないから」は元々好きなシーンの1つなんですけど…

何だかタイミング的に、いろんな意味でしんみりきちゃいましたね…(泣)

平野紫耀さんの将来とも重なりますし、

それを黒島結菜さんが口にするって辺りに、世間からの悪評や誹謗中傷に負けない

強い人でありたいと自分に言い聞かせているようにも思えてきますし。

(某タグの流行語ノミネートの件については、イジメを正当化しているみたいでモヤモヤ…)

みんな思っている事ですが、朝ドラの時より痩せてしまっているのが心配です。

 

平野さんの演技をお見かけした回数はまだ少ないものの、

本人の歌手活動で見せる誠実さや熱心さが

黒崎の人となりを立体化させていて、今までの中では一番魅力的な役に映ったんですよね。

本作を通して、アイドルとしても、俳優としても今後を楽しみにしていただけに、

しばらく一線を退くのは本当に勿体ないですなぁ…。

 

 

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