其の十九「すき焼きと引越し」
最終回にして、満(生田斗真)の面倒くささと
家族でのやり取りがパワーアップ(笑)
オリンピックの開会式と閉会式は同じ場所でやるもんだろ!
引越し先でやるなんて井之頭公園でやるのと一緒だ!という暴論wから始まり、
重箱の隅をつつくトークフェンシングなら優勝出来るだの、
遺影に水をあげなかったら虐待だの、次々と飛び交う話題の尽きなさが楽しすぎる。
しかし、その時間はいつまでも続かない…
岸辺家と秋葉家の食卓を後ろからそっと映すカットに、
一気に切なさが押し寄せてきてしまいました。
ああ、もうお別れの日が近づいているんだな。
人生で最後になる料理があるように、本作の場合も続編がなければ
もうこれで最後なんだな…と、笑い飛ばした展開からの反動が大きく、
感慨深いものがありました。
変わらないように見えて、少しずつ変わっていく家族。
前回ではラジオパーソナリティになると言った春海(清原果耶)に心動かされ、
「探し物を見つけようと思っている時に見つからない」と言っていた満は
大きなパズルを完成させる。今の姿に"ピリオド"を打ったと思わせられるシーンでした。
其の二十「コーヒーとマラソン」
からの…ああ、まさか、スーツ姿の満が面接に行くだけで泣かされてしまうとは。
「3ヶ月ありがとうね」と照れ臭そうに感謝する綾子(小池栄子)、
マラソン場での応援歌演奏、明日香(倉科カナ)のささやかなエール…
いろんな形の愛を受け取り、選手と共に長い道のりを歩み出す満のラストに、
いつもの主題歌が重なり更にグッと来ます。
マラソンがこんな風に絡められるとは思わなかったなぁ。
綾子があそこまで気持ちを晒け出すようになったのも、
喧嘩しながらも次第に打ち解け合える関係になれた過程や、
満が春海の良き理解者だったエピソードを紡いで、家族の変化を描いてきたから
何ら違和感がありません。今までの思い出の積み重ねによる集大成を見たお話でした。
就職出来たかどうか曖昧なまま、面接シーンで終わらせたのも良かったですね。
普通に続編が作れそうな感じ。
…自己PRじゃなくて「俺頑張って準備したんだよ!」「俺今日早く起きたんだよ!」
という自慢になっていたのは笑いましたがw
もし本当に議員秘書になったら「俺の話は長い 議員秘書編」として
新たな舞台で活躍する満が見られそうですし、
逆に、「まだ結婚できない男」みたいに、一度就職はしたものの結局ニートに戻って
再スタート…なんて展開の仕方もアリですよね。
いずれにしても、また屁理屈を言いまくる満にお会いしたい。
***
主婦同士で近所の家族の噂話をするように、視聴者がどこかに存在するかもしれない
1つの家族を覗き見しながら楽しむ…そんな作品でした。
家族の形は様々だから、ルールも違えば教育の仕方も違ってくる。
だからやっぱり、余所の話は「あるある〜」と頷く所もあれば、ギャップもあり、
聞いていて飽きないし面白い。
でも、全てに共通しているものは「家族はやっぱり家族なんだ」という所。
岸辺家&秋葉家もまた、そこだけにしかない愛の形があり、
親子で気まずい時期があっても、喧嘩しても、家族という歴史が長ければ長くなるほど
いつだって元の関係には戻れるんだといった、
一種の温かみを教えてくれたような気がします。
最初は、屁理屈ばかり言う満や、ぶっきらぼうな対応をする綾子を見て
これはちょっと今後ギスギスして来ないか…?と不安に思ったりもしたけれど、
回を重ねるにつれて愛らしいとさえ感じるようになりました。
どちらも素敵な家族でした。
満のキャラクターが「令和」らしさなら、
昔ながらの街並みや我が家は「昭和」らしさが感じられ、
尖った作りにする訳でも一昔の時代にありがちなドラマにする訳でもなく、
新旧が織り混ざって、丁度良い塩梅の斬新なホームドラマに
見事に仕上がっていたような気がします。
関ジャニ∞の主題歌「友よ」も良かったです。(CD…買っちゃった♪)
劇中でのシーンと曲がかかるタイミングのシンクロ具合の絶妙さもさる事ながら、
ある時にはしんみりとした切ない気持ちにさせられ、
ある時には何か希望の光が見えるような、前向きな曲にも感じられ…で、
2つの顔を見せてくれる所に新鮮さがあり、インパクトに残る曲となりました。
個人的には…土10枠に引っ越してから初めてアタリだったんじゃないかな?
今までにも面白い作品はいくつかあったけど、序盤が微妙だったり、
ちょっとここが惜しかったなぁ〜と引っかかる要素が見受けられたりしたので…
本作に関しては、最初から最後まで面白かったですもん。
SPとして帰ってくるのが一番あり得そうですけど。
少なからず、続編を作らないなんて勿体ないですよ!!
それくらい良いドラマでした。楽しい時間をありがとう。
↓前回の感想はこちら↓
↓今までの感想はこちら↓