木内(朝加真由美)の家族に対する心境を聞いての心(松下奈緒)の言葉
「甘えられるのも悪くないですよ」に、ちょっと救われた感じがしたなぁ…。
みんながみんな、甘えたり甘えられたりの支え合いが出来ていたら良いのに…
と願わずにはいられない回でした。
明日が来ると思っているから、つい心ない言葉を感情的になってぶつけてしまう。
明日が来ると思っているから、後で謝ろう…という考えになってしまう。
「"普通"の日常」を当たり前のように追い求めてしまった事が、
心にとっては一生背負い続ける十字架になるのでしょう。
薫(木村佳乃)の背負った十字架もしんどいね…
いつどうなるかが分からない「がん」という題材が本当に効いていて、
ある日その命が突然失われた時に、自分がいかに愚かだったかを
後になってからハッと気づかされる。
がんの人に関わった経験はないものの、「後悔を抱えて生きて行く人間」としては
同じだから、自分の出来事を自然と重ねて身につまされてしまいます。
第3話で旦那が亡くなる展開は重い。
最後に突きつけられる展開がひたすら重いから、
それもあって視聴率はあまり振るわないのかもしれませんが。
息抜き要素として笑い所を入れたり、
上層部の陰謀論…などと無理に盛り上げる要素を入れたりしなくても、
登場人物の多面的な感情をじっくり積み重ねて行けば
上質なドラマになるのだというのがよく分かる作品。
本作の松下奈緒さんも、今まで拝見した作品の中では一番魅力的に映ります。
他人の事情に深入りはしないけれども、
話し方は柔らかいし、表情はどこか温かみがある感じ。
でも決して女神のような人ではなくて、時に迷ったり、感情が揺らいだり…
そんな人間臭さも垣間見えるから、
この人の進む未来がどんな風になるのかを知りたくなってしまう。
奇跡がいつ誰に起こるか分からない環境の下で、毎日のように患者と向き合っていて、
自分にも事故で入院している旦那がいる…というバックボーンが
滲み出ている演技が良いですよね。
最後のシーンも、ベタに泣くんじゃなくて、
目の前で大切な人を失う現実に直面する気持ちと、「え、嘘だよね…?」という
夢見がちな気持ちが同居しているのが読み取れるのが、
逆にリアリティがあって印象的でした。
一方で、縦軸の方も着々と進んできていますねぇ。
3話の時点でライターらしき人物が出てきたって事は、
医療ミスに関する裁判が開かれる展開も、そう遠くはないのかも。
しかし、このドラマ…感想が詰まる(笑)
良い内容であればあるほど文章がスラスラ書けなくなる、個人的法則ってやつです。
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