2020年03月一覧

アライブ がん専門医のカルテ 11話(最終回) 感想|またいつもの青空の下で

 

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最後まで本作らしさを貫き通した、丁寧で、真摯な作品でした。

 

2人に1人がなる「がん」、そしてその5年生存率は極めて少ないと言われる中で、

乳がんを抱える佐倉(小川紗良)、しかも再発した薫(木村佳乃)のどちらもが

3年後も生き続けられるほど克服出来た…というのは、

フィクションらしく綺麗にまとめた感じは確かにありました。

しかし、それでも本作の世界で生きる人々には皆幸せになってもらいたいと思っていて、

最終回はハッピーエンドがふさわしいとも思っていました。

それは、医療ドラマというジャンルを飛び越えて、人間の心を、

現実を突きつけられた時の繊細な気持ちを、いろんな人々を通して紡いできたから。

 

「病気を抱えた患者」「それを治療する医者」という単なる二者の関係を描くのではなく、

あくまでも「がん」はベースとし、家族を、人生を、自分にとっての生きがいを見つめる

きっかけを与えてくれる作りでした。

 

役者陣はもちろん、通常だったら見せ場になるであろう手術シーンでも

あえて劇伴をかけてサラリと流す事で、静かに流れる"時間"を演出するのも。

辛くて重たい物語ながらも、ほんの温かさ=希望を感じさせる光の照らし方も。

お気に入りな表現は沢山ありましたが、特筆すべきは「多くを語らない」スタンス。

例えば、9話では、民代(高畑淳子)の最期はどうなったかは

扱い方によってはお涙頂戴のエピソードに出来たものを、

本作の中で精一杯生きる人々を見ているだけで、視聴者が自ずと自分の境遇と重ね合わせながら

何かを感じ取れるようにしてくれた作り手の誠意が感じられました。

 

そして、青空がよく見える屋上で心(松下奈緒)が深呼吸をするシーンも印象深いです。

他のドラマなら、特に挿入しなくて何ら支障はないかもしれません。

けれども、本作ではそれが良い意味で「ゆとり」の役割を担っており、

命は儚いけれども、同じ空の下では今でも人生の分岐点を乗り越えようとする人がいて、

新たな一歩を進もうとしている人がいるのだと、

医者や患者からそんな勇気をもらえるような余韻が残りました。

 

無くても支障がないという点では、最初は、前半で描かれていた医療過誤の件は、

患者のエピソードが素晴らしいだけに

わざわざミステリー要素を加えなくても十分成立するんじゃないかという疑問はありました。

しかし、最終回まで見てみると、心と薫だけにある友情はあの事件があってこそ生まれたもので、

あの事件がなければ、お互いが「言いにくい」「聞きにくい」事を

勇気を振り絞って伝えるほどの強固な関係にはならなかったかもしれません。

だから、結果的には、ドラマを作る上では必要不可欠なものになっていたと思います。

(ただ、関河(三浦翔平)の扱いは何とか上手く出来なかったものか…

という考えは変わらないけれども。)

 

ドラマチックに仰々しい台詞や動きを加えず、

登場人物の抱える心境を「行間」を用いて等身大に映し出す作りは、

個人的にはNHKが得意としているイメージがありましたが。

視聴率のためにと忖度しない、奇を衒わない作品を民放でも作れてしまうのだという、

ドラマ…いや、量産され続けて世間では飽きが来つつある医療ドラマの「可能性」を

感じさせてくれました。

 

残念ながら視聴率は振るいませんでしたが、最後まで見続けた視聴者には

1つでも"胸に響く"部分があったんじゃないでしょうか。

ぜひ、DVD/Blu-rayも発売して欲しいです。

そして、もっと日の目を浴びて、賞賛されるべき作品だと思います。

 

 

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僕はどこから 11話(最終回) 感想|僕はどこからもやって来ない

  

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既に放送が終わった今期の作品の中では(まだ録画しっぱなしの作品もありますが)、

一番と言って良いほど満足させてもらえた最終回でした。

 

中盤までは"薫(中島裕翔)が潜り込んだ世界"を表す映像や、玲(笠松将)と母親の回想を

これでもかと詰め込む展開続きだったので、今回だけ見た人にとっては「???」と

パニック状態になったかもしれませんが。

逆にそうした事で、薫と同様にどっぷりとその世界観の中に浸かり込んだような

感覚を覚えましたし、また、この物語はどうなってしまうのだろう?というハラハラを

最後まで持続しながら見る事が出来ました。

 

ラストにしても、智美(間宮祥太朗)が亡くなってバッドエンドとか、

今回の件で二人は逮捕され、何年か後に再会しそうな雰囲気を匂わせてハッピーエンドとか、

ドラマであるあるの流れしか想像していなかったので、

こんな着地の仕方があるのか…と意表を突かれました。

「薫の話はな、あいつが書き上げた小説で聞くよ」が、すっごくシビれたなぁ…。

 

能力は失った。智美とはしばらく会っていない。

でも、今でも親友の「書け」という言葉に勇気をもらい続けながら生きている。

以前よりもほんの少し力強い声で届けるモノローグと、家族の前で見せる嬉しそうな表情で、

"希望"に満ち溢れている姿を体現する中島裕翔さんの演技が、とにかく素晴らしかったです。

 

最初は、特殊能力、認知症の母、薄暗いアパート、ヤクザ社会といった異空間の中で

「ファミラブ」という言葉が浮いているように映りましたが、

回を重ねるごとに「ファミラブ」そのものの話になって行き、

境遇は違えど どの人々にも同じ優しい血が流れているんだ…

そして、その愛をどう受け取るかは自分次第なんだ…と背中を押してくれる、

これから出会いや別れが増えて行く時期に相応しい作品だったんじゃないかと思います。

 

 

途中、何話か中だるみした回もありましたが、総じて面白かったです。

"山場"と"伏線回収"がきちんと用意された最終回を見て、

ここまで視聴してきた甲斐があったなぁと実感させられもしました。

 

本作で新たな一面を見せてくれた、中島裕翔さんと間宮祥太朗さんの今後も楽しみです。

 

 

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僕はどこから 10話 感想|私を、私として見ていてくれる人

 

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まさか、駿(岡崎体育)に泣かされるとは思ってもみなかったなぁ…。

薫(中島裕翔)と駿はある意味似た者同士で、

薫がお母様に育てられてきて、自分を勇気付けさせてくれる

智美(間宮祥太朗)の存在がいたように、

駿は園長からたくさんの愛を受け取ってきて、一人ぼっちだった自分の唯一の心の拠り所となる

山田(高橋努)の存在がいたんですよね。

 

境遇は通ずるものがあったし、連携プレイや射撃で鍛えるなどしてそれぞれの形で

「何もなかった自分」が「力ありきの社会」に適応しようとしていたはずなのに…

どこで間違えてしまったのか、運命というのはやはり残酷で、

お互いの想いがすれ違ったまま別れを告げる事になってしまった駿と山田の関係性が

何とも切ない気持ちにさせられました。

 

けれども、前半で、周りからしたらちょっと痛々しいほどの

強烈な山田への愛を訴え続ける駿の姿が描かれてきた分、

終盤では、失いかけようとしている目の前の命にすぐさま駆け寄り泣き叫ぶ山田を見て、

ああ、この人もまた受け取った愛をどうしたら良いのか分からなかった不器用な人で、

ちゃんと想いは伝わっていたのだな…という、ほんの少しの"救い"が感じられたのは良かったです。

 

種明かしばかりであまりにも話が進まなかった前回の反動か、

今回の銃撃戦はまるで海外ドラマを見ているようで、終始ハラハラさせられっぱなしでした。

今までの役でも銃を何度か扱った経験があるのだろうと思わせられる

間宮祥太朗さんの華麗な銃さばき。荒い呼吸。余裕を醸し出してみせる表情。

黒シャツでビシッと決めた服装も含めて、ちょっと惚れかけました(笑)

ドンキのくだりもそうでしたが、「お前、間宮祥太朗に似てるって言われない?」なんていう

時々差し込まれる遊び心も結構好きです。

 

さて、本日(苦笑)最終回。

権堂(音尾琢真)の行動の真意は何なのか?千佳(上白石萌歌)はどうなるのか?

玲(笠松将)はどこに行方をくらませたのか?

そして、"薫と智美の二人で"無事に元の生活に戻れるのか?

などなど、気になる部分はいくつかありますが、

本作に身を委ねて、最後まで楽しみたいと思います。

 

 

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10の秘密 10話(最終回) 感想|割と真面目に何がしたかったん?

 

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「最終回だけ見れば全て解決するでしょ!」と思っていた人も、

これで納得出来たのかなぁ…と疑問に思えるほど、とにかく雑に終わらせた最終回。

あまりにも置いてけぼりにされたので、感想もざっくり書きますわ。

 

最大の見せ場であろう圭太(向井理)と由貴子(仲間由紀恵)の対峙シーン(?)も、

今までの回想や説明台詞で、ずーっと突っ立ったまま真相をベラベラ語っているだけだから

冗長に感じられてしまうし。

二本松(遠藤雄弥)の忠誠心が結局何だったのかも謎。

そして最終回に合わせて、みんなが急に良い人オチ。

何もかも中途半端にまとめちゃったなぁって印象。

スタッフが途中でシナリオ作りに飽きてきてしまったのでしょう、きっと(苦笑)

それとも、3億円が欲しいがために他人を利用したかと思ったら、急にどうでも良くなって、

ただひたすら由貴子の動きを妨害したかと思ったら今度は良心で逃がしてあげるという

圭太のノープランさに終始ブレがなかった描写は、

褒めるべきポイントだったんでしょうかね?(笑)

 

サスペンスには持ってこいの仲間由紀恵さん、渡部篤郎さん、佐野史郎さんといった

キャスティングで期待していましたが、結局、サイコホラーな演技合戦は一切見られる事なく、

上のポスタービジュアルも含めて完全に裏切られたって感じのドラマでした。

向井理さんもそこではドヤ顔を見せているから、

てっきり頭の冴えた策士なのだと想像していたのにさ。

タイトル「10の秘密」と物語の方向性の噛み合ってなさは勿論でしたが、

全員迂闊なはずなのに、「みんな賢いのだろう」というイメージを視聴者に植え付ける

このポスタービジュアルにした事が、本作最大の失敗だと思うのですよ。

 

個人的に火9枠は、フジドラマの中では意欲作が多くて一番好きな枠なんですが…

最近は"当たり"がありませんねぇ。

次作の「竜の道」。これは面白いと良いんですが…

何なんでしょう、「おにいちゃーん!」にエコーがかかっている時点で

ネタドラマ臭がするのは私だけでしょうか(笑)

 

 

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絶対零度〜未然犯罪潜入捜査〜(2020) 11話(最終回) 感想|最後に出番もらえて良かったね、高杉くん。

 

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どうせ、またやるだろうと思っていたけどさ…特別編。

また特別編かよ!なんて言わせないためなのか、

さらっと「AFTERSTORY」に名前変えちゃっていますがw でも、実質同じようなもんでしょ。

無理やりにでも物語は綺麗にまとめられていたのに、

来週で早速「まだ終わりませんよ〜」なんてやられたら清々しい余韻も残りませんって…。

最近の月9は、終わる終わる詐欺な作りにするのが好きみたいですね。

 

さて、「未然犯罪潜入捜査」シリーズの続編。

前作よりも"都合の良い設定"がかなり目立っていた印象でした。

私は視聴前の期待度に「上戸彩さんの出演がなくなった事で

絶対零度」というブランドに引っ張られない、ミハンシステムを活かし、

より独自性を追求した刑事ドラマになる事を期待します。」と書いたように、

ミハンシステムの設定や過去についてガッツリ踏み込んでくれる事を期待していましたが。

結局、蓋を開けてみたら、アクションシーンやチーム内での危機的状況を描いて

視聴者への緊迫感を煽るためにそれが利用されたとしか思えず、

検知される基準は何なのかといった"仕組み"が全然掴めないままだった…

という感じで見終えてしまいました…。

 

前作にはいなかった生みの親・加賀美(柄本明)というキャラクターがいたのですから、

よくあるハッカーとしての立ち位置ではなく、時々、制作にあたっての裏話や

犯人を捕まえるための秘訣をポロっと皆にアドバイスしてくれるような

"物知りおじさん"的な立ち位置にした方が良かったと思うのです。

今回の小田切(本田翼)の件にしても、序盤で懲戒か依願退職か迫られていたのに、

最後になったらしれっと助けに来て、復帰した事に関して何も説明されず、

何事もなかったかのようにチームで鍋パしてわいわいエンド…なのも変ですよ。

一応犯罪者に情報漏洩してしまった身ですよ?そこ、お咎めなしなんですかね?

 

これは邪推ですが、看板枠である月9の視聴率を平均10%以上に再び戻そう!という

上層部の意思が先行して続編が作られてしまった作品だったのかな、と考えてます。

仮に第3(5)シーズンをやるとしたら、井沢(沢村一樹)の一線超える超える詐欺や

仲間内の誰かが犯罪者予備軍で不憫な目に遭う展開…

といった前作と似通った要素に頼る事なく、キャラクターからミハンシステムの検知基準まで

あらゆる設定をじっくり練り直してから作るべきです。

 

重たいダークな映像は好みではあるものの、篠田(高杉真宙)のサイコパスさも含めて

金城脚本味のある"既視感"ばかり漂っていたので、全体的にはのめり込めず…。

でも、唯一褒めるとすれば、今作も家入レオさんの主題歌がハマっていて、

流れるタイミングが的確で聞き惚れてしまった…という所ですかね。

ドラマのコンセプトに合う曲作りが上手いなぁと思えたのが、本作の収穫でした。

 

 

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死にたい夜にかぎって 3話 感想|「ド」の音が嫌いな僕

 

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本作を見ていると、美術館でずらっと展示されている絵画を

見ているような感覚に陥るんですよね。

もう少し具体的に書くとするなら、一人の人生を紹介する個展が開かれていて、

別の空間に入ると「成長期」「晩期」といった章立て構成になっている概要パネルが

入り口に貼られていて、それをじっくり読み終えたら

あとはタイトルと制作した年、描画方法だけが簡潔に書かれた情報を元に、

1枚1枚の絵を自分のペースで、自分なりに解釈しながら鑑賞する…みたいな、そんな感じ。

(説明が下手なので、これで伝わるのかどうか分かりませんが…(汗))

 

 

冒頭は、中学生の頃の初恋相手だった吉野さん(中村里帆)が

浩史(賀来賢人)の赤い自転車を壊し、それが自分のものだとは言えないまま

壊す作業を一緒に手伝ってしまうというカオスな場面から始まります。

この二人の関係性の他の描写といえば、そこから中学生時代の回想に入り、

タイマンはろうぜと誘われ、ゲームボーイで対戦し、

勝つと一回ガッツポーズして負けると唇を噛む姿に惚れていたらしい事が淡々と描かれて終わり。

 

時を経て、赤髪の岡田さん(小西桜子)の猛烈なアプローチに押されプロポーズをするも、

「妹扱い」された事が気に食わなかった彼女にフラれてしまう場面が描かれますが、これも淡々。

 

場面紹介、説明台詞はほとんど排除されている作りなので、

ある意味ドラマらしくない展開が続きます。

赤が共通点の2人の女性を描いている事は分かりますが、

途中まで見ると「で、何が言いたいの?」の連続でもあります。

 

しかし、そんな疑問符はたった1つの台詞で一気に吹き飛びます。

「失恋のショックで、"ド"の音しか聞こえない気がする」

これだけで、"赤髪"の女性にフラれると同時に、

"赤い自転車"を壊した初恋相手との叶わぬ恋をも思い出してしまう「恋愛に対するトラウマ」、

そして、女性とどう上手く接してあげたら良いのか分からなくなってしまった「迷い」が

暗喩的に表現されていたと思いました。

私が最初に「本作を見ていると美術館に展示されている絵を見ている感覚に陥る」と

書いた理由もそこにあり、"台詞"を通り越して最早"詩"のようにも聞こえるこの独特な言葉でも、

主人公が今どんな心境を抱えているのか受け手が感情移入出来てしまう

台詞運びのセンスの光る点で、強く印象に残りました。

 

もう1つ強く印象に残った所といえば、やはり最後のシーン。

「今の俺は"ド"の音が嫌なんだよ!」「誰がステップ踏んでも"ド"の音になるでしょ!」

「じゃあ踊ってみろよ!男だったら踊れよ!"ド"じゃないんだろうな!?」

この2人にしか生まれないような奇妙な会話の連続がとにかく可笑しい。

しかし、派手な絨毯に浩史が足を踏み入れた途端、主題歌が流れ、ダンスタイムが始まると…

TRFのSAMがそう言っていたんだとアピールする浩史の姿のシュールさ、

やり場のない、どう扱ったら良いか分からない感情を相手にぶつけてしまう不器用さ、

他人が聞いたら「なんじゃそりゃ!?」と思う話でも、2人の間では一生忘れられないであろう

"幸せな思い出"に変わってしまう愛おしさ、

あらゆる感情が一瞬にして込み上げて来て、笑うと同時に涙が溢れるように…。

ここまで、泣いたら良いのか笑ったら良いのかごちゃごちゃになってしまう気持ちになった

恋愛描写は初めてでした。

 

優しいピアノのイントロ、アイナ・ジ・エンドさんのしっとりとした声の入りが、

まるで人間臭く生きる2人を包み込むかのようで、

今までの回で一番内容とシンクロしていたと思いますし。

踊る姿がコマ撮りで映し出される映像も、思い出のアルバムを1ページずつ

めくっているように見えて、中々秀逸な演出でした。

 

見終わった後は毎回、一言では表せない、不思議な余韻が残る作品です。

 

 

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テセウスの船 9話 感想|もう犯人は小藪さんで良いよ。

 

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心(竹内涼真)が迂闊な行動して、村人全員を怪しく見せて、

誰かの手によってハメられたのに気づいて、「父さーーん!!!」って叫んで終わり…

もう…この流れ、飽きたよ(苦笑)

主題歌をバックに、家族の絆で泣かせようとする作りも飽きちゃったよ。

ここ3週間くらい最後に叫ばなきゃならない竹内くんが逆に気の毒に思えてくるほどw

「黒幕は誰だ!?」を最後まで煽って煽って煽りまくるのなら、

普通に原作通りの結末にした方が辻褄が合っていたんじゃないですかね?

 

公式がプッシュしていた肝心の衝撃のラストも、

警察があまりにもポンコツに描かれ過ぎていてちょっと興ざめですし。

佐野(鈴木亮平)を疑っていてそれが仮に馬淵(小籔千豊)の仕業だったとしても、

駐在所の近くからワープロや青酸カリとぽんぽん証拠が出てくるのを、

誰も怪しいと思う人はいないのでしょうか?

ワープロにわざわざ「青酸カリは家の庭に埋めた。」なんて

分かりやすく残しておく犯人がいるでしょうか??

流石に警察"も"迂闊な設定なのは無理がありますって。

 

前回でせいやさんと今野さんが怪しいなんて事を書きましたが、

今回の思わせぶりな動きを見せるシーンが続くと…

考察するのもどうでも良くなっちゃた感じです。

犯人が新キャラの馬淵でも、村人全員のドッキリ作戦でも何でも良いです。(投げやり)

 

 

さて、次回でやっと最終回ですが…ここまで引っ張り続けておいて

25分拡大って要りますかね?

まだ約90分間も焦らされ続けるの?はぁ……………………。

 

 

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トップナイフ -天才脳外科医の条件- 10話(最終回) 感想|「のう」huluでお願いします。

 

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最終回になっても、私の心は盛り上がる事なく、通り過ぎるかのように終わってしまった…(遠い目)

つい最近まで、今出川三浦友和)が手術チームに向けてのリストラ候補を見極めるほど

愛する奥さんを救う事に力を入れていた描写があったから、

てっきりそれが山場となるのかと思いきや、冒頭10分間くらいですぐ成功。

で、あまりにも早いから、途中で病状が悪化する展開が来るのだろう…とも思っていたけれど、

特にそれもなく終了。

なんか肩透かしだったなぁ。

 

深山(天海祐希)と娘(桜田ひより)のパートで一応"最終回っぽさ"を出したんでしょうけど、

何か急にガッツリ描いてきて、何か知らないけど急に娘が成長を見せて旅立っていった…

そんな印象しか残らないので、やはり家族関係の話は黒岩(椎名桔平)とのどちらかで

良かったんじゃない?という思いは変わらず。

もう1つの患者エピソードの方も、いつから症状にかかっていたのか定かではないですが、

そんな短期間で「エイリアンには見えなくなったかも…」って変化が出てくるかな?と

気になって仕方なかったです。

最終回で唯一の収穫は、短いエンディング映像のメイキングが見られた所だけでした。

 

多くのヒット作を手がけてきた脚本家・林宏司さん。

スターの天海祐希さん、どんな役でもそつなくこなせる広瀬アリスさん、

そして場を引き締める役には持ってこいの椎名桔平さんらを起用する点では、

今期の乱立する医療ドラマの中でもかなり存在感を放つものになるのだろうと

期待する部分もありましたが。

いざ蓋を開けてみたら、まさか本作だけが独自性の薄い平凡な作品になるとは

思いもしませんでした…。

初回は微妙でも、回を重ねるごとにそれぞれの"色"が見えてきて

応援したくなった作品があっただけに、

本作はバリバリ活躍する主人公を描きたいのか、チームの絆を描きたいのか、

それとも「医者だって一人の人間」という視聴者に共感させる話にしたいのか、

どこに向かおうとしているのかが曖昧なのが際立ちました。

 

あらゆる要素が「無駄」だった点、勿体なかった点は前回や今までの感想で触れているので、

ここでは省略させていただきます。

 

続編はもうなくて良いですし、最後のhulu誘導も相変わらずなものですね。

しつこく誘導されても、意地でも「No!」と答えますが(苦笑)

 

何年か経ったら、本作の存在を忘れちゃいそう…

 

 

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病室で念仏を唱えないでください 9話 感想|自分自身をあきらめる

 

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濱田というキャラクターはムロさんの新境地であるとは思いつつ、

ダークヒーローの役を演じる事に、正直、少しの違和感を抱えていた本作。

しかし、今回は濱田を通して魅せる"変化"の演技で、かなり見る目が変わりました。

 

松本(伊藤英明)のいる所に革靴でまたいで入っていく、

"境界線"を思わせる印象的なカットから始まった砂場のシーン。

「入院している子供がどれだけ外で遊びたいか知ってる医者が、悲しくない訳ないんだよ」

次々と思いやる言葉をかけられた途端、徐々に感情…いや、本心を見せる姿は、

まるで、強い自分であろうと張り詰めていた糸がプツンと切れたかのよう。

 

松本と憲次(泉谷しげる)が楽しそうに話している様子をじっと見ていた濱田。

自分にも本音を話せる相手がいたら…という、どこか羨ましい気持ちがあったのでしょうね。

今まで、自分の技術と頭脳だけを信じ、夢を叶えるためならどんな事も犠牲にする

孤軍奮闘なキャラクターとして描かれてきました。

彼に「全力でサポートする!」と力強く言ってくれる相手はかつていただろうか?

自分以外を信じてみる事があっただろうか?

そんな風に考えながら見ていた分、念仏により手の震えが止まり、手術は無事成功して

患者の母に「助けられたのは僕の方です」と伝えるラストには、

思わず胸にくるものがありました…。

 

タイトル通り、俺の前で念仏を唱えるなと、いつもの嫌味ったらしい様子で言ってきた濱田ですが、

それも彼なりのご愛嬌ってやつで。

「ありがとさん」「はい、で〜きた。」ただの口癖でも、言い方次第で

松本にどれだけ救われたか…という感謝の気持ちが伝わる演じ分けが素晴らしい。

 

一方で、松本の方も、今までの話の中で一番「医者や患者にとっていなくてはならない存在」

になっていました。

主人公が説教臭いのは所謂"軽い"医療ドラマではよくある要素ですが、

本作の主人公は僧侶でもあるため、画面からうっとうしい雰囲気も感じさせず、

1つ1つの言葉が自然と耳に入っていきます。

濱田の腕をガッと掴む逞しい手。

泣いている濱田にあえて目を合わせず、一緒に黙々と砂遊びにとりかかる姿。

近くにいると心強いんだろうな…安心するんだろうな…と思わせるには

説得力のある演技で、こちらもますます魅力的に映りました。

 

ダメダメな患者を殴った辺りから(確か5話?)

医者と僧侶の掛け持ちであるという設定が活きてきたような気がしますし、

仏教も上手く取り入れられるようになった印象の本作。

初回のごちゃごちゃした作りを思うと、見違えるほど面白い作品になりました。

最終回はポッと出の通り魔の話がまとまるのかどうか少し不安ですが、

期待して行きたいです。

 

 

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アライブ がん専門医のカルテ 10話 感想|本当は気づいて欲しい想い

 

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そんな流れになるんだな〜…と思わされた回。

最終章!ついにクライマックス突入!黒幕は誰だ!なんて

緊迫感を煽るドラマをいくつも見てきたからか

(勿論、それもそれで結末を見たい気持ちにさせる良さがありますが)、

最終回前なのに、あくまでも人々の繋がりの温かさを淡々と描く姿勢を貫く所に驚かされました。

ここに来て、ドラマチックに誰かが倒れて衝撃のラスト…とか、

心(松下奈緒)達の行く手を阻むライバルの登場とか付け加えて物語を派手にしない所に、

本作の誠実さが見て取れます。

 

今回の結城(清原翔)の母のステレオタイプな性格、

弟と比べられるという設定はドラマではありがち。

しかし、それらの要素を「結城回」と銘打ってもっと強調して描けば、いかに過酷な環境にいて、

どれだけ苦労して医者の夢を叶えたのか…なんていう彼の生い立ちに感情移入させる形で

お涙頂戴的な話になりかねないものを。

群像劇の作りにせず、メインのエピソードである佐伯兄弟の話にさり気なく絡ませて

"影響を受ける姿""心情変化"を描き、最終的には本作らしい

「気づいていないだけで、実は自分の事のように相手を想っている」という

優しさに満ちたオチにまとめてみせたのが上手いな、と思わされました。

 

薫(木村佳乃)のがん再発の件は予想通りだったので、

特段意外に思う事はなかったのですが、それでも「ああ…ついに再発してしまったのか…」

というショックを一緒に味わう心地でした。

ドキドキでもないし、ハラハラでもないし…何だか胸がキュッと締め付けられるような感じ。

前回の民代(高畑淳子)のエピソードがこのラストに活きてくるんですね。

5年の生存率の期限が過ぎた今。

自分は、目の前にいる友達はもう大丈夫なはずだったのに…って。

 

私の命を救って欲しいでも、担当医になって欲しいでもなく、

「一緒に闘って欲しい」という台詞も印象的。

2人には、いや、みなと病院に勤める医者達には命と向き合う覚悟がある。

 

次回、2人の絆が途絶えない結末である事を願います…。

 

 

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