「青春活動」の名目でクラブにいた2人のコント風のアバンや、
相変わらず警察学校が舞台である必要性を感じないほろ苦い結末に少し疑問は覚えたものの、
「一ノ瀬(平野紫耀)の秘めたる熱い正義感」「2人の間に築かれてきた信頼関係」
の2つを描く点においては、良く出来たシナリオだったのではないでしょうか。
悩める一ノ瀬にかけた「大切なものに限って正確でいられなくなる」という
この前提があるから、本間がターザン風に助けに来た時に ←これは笑っちゃったんだけどw
俺の友達は頭良いやつなんだぞ!と相棒を純粋な言葉で自慢する一ノ瀬の姿に
グッと来てしまいましたし、
その後は「グーして…」なんて弱った声でいつものポーズを求めるくだりも印象に残りました。
本間が一ノ瀬の背中を押してあげたいという気持ち…
彼の言葉に支えられて一歩前へ踏み出す一ノ瀬…
2人の心情変化や動きに共感出来るような、自然な流れになっていたと思います。
最後に涙を流す平野くんの演技も、某ラブコメドラマの時より上手くなったなぁ…
なんて、勝手にしみじみ。
ただ、シナリオは良かったものの、その分逆に演出のメリハリが緩くなっていて
勿体ないんですよねぇ。
カメラワーク、劇伴の使い方、編集の仕方、どれにおいても。
特にアクションシーンなんか、刑事の丸橋(高橋努)を登場させた事で
サプライズの要素にはなっていたんですが、
その後は銃弾を間一髪で避けさせるくだりで視聴者をハラハラさせれば良いや感が
強く出ていたように思い、
劇伴が緩くて音量が小さいし、小さいからただでさえ動きが鈍いアクションも
余計に鈍くなるし…で、
もうちょっとどうにか臨場感を出せないものかというむず痒さがありました。
主題歌の「RUN」を流して「止まらないで 止まらないでよ」の歌詞と
2人の動きをシンクロさせてみた方が、映えたシーンになったのかも?
(一ノ瀬メイン回なので「Mazy Night」を持ってきても良かったんですが、
こっちの曲の方がぴったりハマる気がしたので。)
しかし、演出面で唯一良い所を挙げるとするならば、ラストの締め方ですかね。
窓が開いた誰もいない部屋を映し出し、外からはいつものランニング訓練の際に発される
掛け声が聞こえる…というラストは洒落てました。
自分にとって大切な人を逮捕するという苦い経験を味わったけど、
それでも彼は今日もまた、本物のヒーローになるために前進し続ける…
なんて"含み"を持たせているように感じられましたしね。
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