初っ端から、本作を見た率直な気持ちを書くため、もしかしたら共感しづらいかもしれませんが、
個人的に感じた事なので書き残しておきます。(ネガティブな内容ではありません。)
本作がムズキュン特別編として再放送されたのが、去年の6〜7月の時期。
その頃に見ても確かに「名作はいつ見ても名作」
「同じシーンで同じように盛り上がる」とは思いはしたのですが、
正直言ってしまうと、冷たい夜風にさらされて「今日は逃げ恥があるから早く帰らなくっちゃ♪」と
ウキウキしながら帰路につく当時の光景が蘇るまでには至らない部分もあったんですよね。
(毎年年末になると再放送はしていますが、
大掃除やら作業やらで基本的に見られていないので…それが久しぶりの視聴。)
こんなに未公開シーンを盛り込んでいるのに。
ED映像もアップデートしてくれているのに。なんでだろう。
それで、今回の新春スペシャルを見て…ストンと腑に落ちました。
「逃げ恥」は肌寒い季節に合っていて、
温かさで心も体も満たしたくなる季節だからこそ見たい作品なんだと。
約4年経っても変わらない、むしろ懐かしいとさえ思う
優しさと温もりに溢れた数々のハグ…沁みましたよ。
特に、平匡(星野源)が本音を吐きながらみくり(新垣結衣)にハグするシーンなんて、
優しさの塊過ぎて泣けちゃったなぁ。
勿論、理想論だけに目を向けて「沁みる」「癒される」と感じた訳ではなく。
前半パートでは夫婦として新たなステージに進むまでの過程を、
後半パートでは2020年での出来事を追体験するかのような展開の中で、
登場人物それぞれが置かれた"苦しい"状況を仲間と共有しながら乗り越えて
その"苦しい"の先にほんの少しの"希望"があるのかもしれない…という描写があったからこそ、
心動かされたりしたんですよね。
野木先生の描くコロナ禍の話はあまりにもリアルで、パロディが織り込まれていなかったから
本当に見ていてしんどかったです。
ハグには 相手の温もりに触れて自身の気持ちが和らいでいく良さがある事を
後半パートに突入までの2つのシーンで実感したから、
それを求めたい時に求められない歯痒さを味わった。
…で、何ヶ月?何年?経ったかは分からないけど、
マスクのいらない世界で「ただいま」「おかえり」と言い合いながらハグするラストで締める。
あえて「○年後」だとはっきり表記しない所が良いなぁと。
ラストを"そう遠くはない未来"と捉える人、
断定的ではないから"まだまだ見通しが立たない"と捉える人…考え方は人それぞれ。
どちらの考えも否定しない。だけど、一人一人が未来を思い描いた上で、
いつかそんな未来が訪れるように精一杯生き抜いたら良いんじゃないかという
本作なりのメッセージだと受け取りました。
「どちらの考えも否定しない」というのは本編の作りにも表れていて、
妊婦になったら女性が可哀想&応援目線だけを描くのではなく、
男性側&パパ側の苦悩、パパとして子育てしていく上でぶち当たる父親との価値観の違い、
時代に追いついていない社内体制、そして独り身だからこその辛さ…と
老若男女、社会全体にはびこる"呪い"に平等に言及した内容になっていました。
全て日常会話を通して出てくる話だからなのか、
唐突感も盛り込みすぎな感じもなくて導入の仕方が自然なんですよねぇ。
個人的には、妊娠するシーンも、赤ちゃんを産もうとしてる時は苦しんだり力んだりする
女性の顔が映し出されるイメージがあった分、
あんなに冗談を言えるほどケロッとしている時もあるのか…と、かなり印象が変わりましたよ。
私にはまだ妊娠の経験がないのでよくは分からないのですが、
実際に、母や会社の上司から「ご飯の匂いを嗅ぎたくなくなる」
「ジャンキーな食べ物が食べたくなる」という話は聞いた事があったので、
本当にリアルに描かれているんでしょうね。
みくりと言えば短髪ですけど、長髪もだんだん馴染みました。
うぅうぅ泣く姿は…不覚にも可愛いと思ってしまいましたw
タピオカドリンクみたいな三層の湯のみも可愛かったなぁ。←超余談(笑)
また何年か後に、コロナが終息した時に。
SPでも良いので続編が見たいです!