脚本家は橋部敦子さんで、今期は2本書かれています。
世間からはちょっとダメな子扱いされている主人公を否定したりせず、
第二の母のように見守って可愛がりながらその人の成長を描く作風(個人的イメージ)が
どちらにも共通しているものの。
「知ってるワイフ」は更に恋愛模様や「夫婦あるある」を織り交ぜて
胸がチクっとする切ない物語へと昇華させた冒険的な作品ならば、
本作は初回の段階では"らしさ"が存分に発揮された王道の作品なのかな?という印象を受けました。
近い作品を挙げるならば、「僕らは奇跡でできている」のような
優しさに満ちた雰囲気が感じられましたね。
最大の理解者がおじいちゃんっていう所も似ています。
初回の内容はやはり30分で短いからなのか、
人物紹介や主人公の置かれている背景を紹介し、
最後に本作が「自分自身が生まれ変わる物語」である事を提示した
所謂プロローグ的な内容だったと言えばそれまでなのですが。
とりあえず、小さい頃からそばで見ていても「うちの妹は変わっているから恥ずかしい」
なんて言わない兄・俊祐(工藤阿須加)の温厚な性格には救われますし、
父・伸寛(田辺誠一)も物腰柔らかそうで、
家族パートで心がギスギスする事はなさそうだという安心感は得られました。
と同時に、母の過干渉な性格が、
家族をなぁなぁな関係にしてしまったんだろうなぁ…というのも2人から何となく伝わりました。
娘を一番信じてやらなきゃいけないのは親なのに!って思う気持ちもあるけれど、
うちの子が「変な子と呼ばれる」「ひきこもり」「登校拒否」「仕事が続かない」
人生を送ってきたら、自分の育て方が間違えたのかと不安になって
全力で接しようとしてしまうのも分かる気がします。
ただの悪い人だとは思えないから、グサッとも来る。
母の描写や、大人になっても全員で暮らしているほど仲睦まじい家族の描写には
ちょっとした遊川脚本っぽさを感じさせたり。
萌子美(小芝風花)が自分と向き合う事によって自信がついて、
彼女の成長に周りも影響されていって、それぞれの"良さ"を受け入れていく…
表向きは「主人公の成長物語」だろうけど、実は「家族再生の物語」でもあるのだろうかと
考えさせられました。
小芝風花さんは「トクサツガガガ」をはじめ、「美食探偵」や「妖怪シェアハウス」など
基本的に明るくて可愛げのある役を演じるイメージがありますが、
本作では佇まいからガラッと違っていて、
少し俯きがちで声にも暗さを帯びた内気な役も演じ分け出来るのか…
という新たな発見を得られましたね。
今まで演じてきた役を集めて、ぜひ乙女ゲーを作って欲しいくらい(笑)
毎回新たな作品でお見かけするたび、凄いなぁ…と思わされる女優さんですね。
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