火9はパワハラ。火10はセクハラ。
火曜日はハグの日からハラスメントの日になったらしい。
2時間連続、高圧的な態度をとる準主人公に…
「ババア←27で!?」「ばい菌」「ブス」の悪口の連呼、女性同士の小競り合い、
(性)暴力まがいの行動を笑いのネタとして消化する風潮…
正直もうキツイですし、「まだこんな描き方をするドラマがあるの?」とすら思っています。
でも、原作ファンからすると、内容は原作に忠実らしいので…
私が合わないだけなんですね。そうですね(汗)
金無し宿無し職無しの三重苦を背負う主人公が、ある日ひょんな事から男性にゲームに誘われ
お金欲しさに乗っかるという設定は、前期の「レンアイ漫画家」の恋愛ミッションと大体同じ。
弁護士の存在が皆無である非現実な設定で、どちらもあり得ないと思いながら見ていましたが、
「レンアイ〜」の方は、主人公が時折見せる不器用な一面に興味が湧いた一方で、
壱成(眞栄田郷敦)の方はただの感じ悪い高校生という印象だけが
残ってしまったのが残念でした…(比較してしまってすみませんが…)。
ラブコメを描くんだったら、やっぱり共感したくなる登場人物がいて、
後に結ばれるであろう2人の未来を応援したくなる物語であって欲しい…というのが私の考えです。
その上で肝となってくるのは、「役とキャストの組み合わせ」と「心情描写」の2点。
まず、視聴前に感じた通り、眞栄田郷敦さんが高校生ではなく、
むしろ痛いチンピラに見えてしまうのが致命傷だと思います。
一応補足すると、本人の問題ではなく、キャスティングの問題です。
老舗旅館の息子で世間知らずでも別に良いんですが、
バカだのブスだの悪口を吐く姿とか、荷物背負わせじゃんけんといった小学生じみたいじめとか、
実年齢よりも程度の低い行為をやらせるシーンを見ると…純粋にカッコ悪い。
カッコ悪いイメージが先行するから、魅力的には映りにくい。
火10枠はたまに"年の差恋愛"を題材とした作品を流す傾向にあり
(例えば「初めて恋をした日に読む話」「中学聖日記」)、
それで話題になったのを参考にして本作も10歳差の設定にしたんでしょうけど、
年齢に合わせて原作の設定をドラマ用に変更するなり、
思い切って、華奢な佇まいで、無名に近い新進気鋭の俳優をプッシュするなりしてみた方が
ドラマ内での違和感を減らせたんじゃないかと思います。
ちなみに、岩田剛典さんも兄役には見えません…(汗)
そして、内容自体に関しては、原作の流れに沿って物語を進めて行っているためなのか、
「なぜ早梅(二階堂ふみ)が人生ゲームに付き合う気になったのか」
「なぜ2人は惹かれ合うようになったのか」の、お互いの心情変化の過程が伝わりづらいです。
何と言うか…初期設定を盛り込んだ初回らしい内容にはなっているんだけど、
関係性の方はいつの間にか4,5話くらいまで進展していて、
妙に置いてけぼりにされている感じに近い。
他人の人生を弄ぶ人を庇おうとするのも分からないし、
見ず知らずの女性に勝手に恋敵扱いされてシャンパンかけられた時点で
私だったらキレてすぐその場を出て行くし
(そして旦那が仕事中に家に帰って通帳や押印を取り出しては、
弁護士に慰謝料の事相談しに行くし)。
壱成が彼女を気にするようになるのはまだ理解出来るんですが、
さっきまで「おもしれー女」として見ていたのに
木陰のシーンでは骨抜きになっているのが急過ぎて…。
仲良く走り回っているのも含めて、ポカーンとしてしまいました…。
唯一良かったのは、強気な女性とショートカット姿の二階堂ふみさんが
結構合っているという所だけですが、
前半までの展開にあまりにも不快感が残るので、せっかくのスカッと劇場も
取って付けたように感じてしまって、チャラにはなりませんね。
同じイライラする内容でも、壱成はたまに的確な言葉は残すから、
火9の毒舌男よりかはマシなのかもしれませんが…
これまで書いた通り、もう感じ悪い男性を見るのは懲り懲りですし、
諸々の描写に共感出来ないので、本作は初回でリタイアといたします。
まっ、火9もレッドカードが出る寸前なんですけど…。