2022年06月一覧

正直不動産 10話(最終回) 感想|正直者は報われる。それぞれの未来を想う最終回

 

 

収まる所に収まりましたね。

"正直者"になってから紆余曲折ありつつも、仕事にやり甲斐を見出していき、

周りの人々に徐々に認められるまでに成長した姿を見てきた分、

再び嘘がつける体になってからの展開には寂しさを覚えてしまいましたが…(笑)

最後はやっぱり誠実さを見せて締めてくれたのでホッとしました。

それだけ、永瀬(山下智久)の正直っぷりに馴染みがあったという事ですよね。

「ノリノリだなぁ〜w」ってくらい勢い良く毒づいては、

時に、お客さんや部下への想いが感情にこぼれ落ちてしまったりもする…

正直は正直でも、引き出しの豊富さで"生"を感じさせる彼のキャラがやっぱり好きです。

 

肝心の鵤(高橋克典)の件に関しては、

今まで散々、登坂不動産の手柄や功績を分捕る行為をしてきたのもあって、

このままやっつけてしまえば良かったのに〜!っていう気持ちの方が勝ってしまい、

個人的にはちと消化不良感。

でも、ラストのモノローグでも、以前の回でも

「人の数だけ大切なものがある」といった台詞があったように、

登坂(草刈正雄)も鵤を"1人の人間"だと捉え、彼にも守りたい"何か"がある事を尊重して

許しの行為に出たんだろうとは思えますし。

むしろ、徹底的に潰さなかったお陰で「まだ物語は完結していない」という意味にもなって、

続編制作に淡い期待を寄せる視聴者のために少しでも可能性を残してくれた…と考えれば、

あの解決法でも納得出来る自分もいるんですよね。

 

本作が描き続けてきたのは「正直者は報われる」

その象徴が、理想ばかりを求めていた新人時代から短期間でトップに上り詰めた

月下(福原遥)の姿でしょう。

正直者になってからの永瀬の成長と並行して、

月下の成長もじっくり描いてきた賜物…とも言うべきか、

ラストの展開には感慨深いものがありました。

 

そして、「正直者は報われる」と言えば…

本作の飾らない作りが大きな反響を呼んだのかもしれませんね。

好評を受けての再放送はあれど、1クールの期間内で3度再放送、

さらには某民放局でやるような「感謝祭」という名の特別編なんて、

今までを考えたらめったにありませんもん(笑)

それは、初回からずっと感じていた事ですが、煽ってみせたり、情緒的過ぎだったり、

そういった視覚を通しての過剰な演出を施さず、

良い意味で永瀬の成長をサバサバと描いていたのが、

仕事に勉強に…日々を頑張る視聴者の共感に繋がったんだと思っています。

コミカルやシリアス、山場である事を伝える時は、

あくまでも主人公の魅力を引き立たせるための"添え物"程度に留める。

そのさじ加減には、最後までブレがありませんでした。

 

前回の感想とちょっと被りますが、

本作の登場人物には主人公を引っ掻き回す人は多くいれど、

1人1人の背景には"これだけは譲れない"価値観みたいなものが必ず映し出されるので、

根本的な"悪"の存在ってほとんどいないような気がするんです。

だから、どの人物も(役者さんの相性の良さも相まって)輝いて見えましたし、

お互いが何か分かり合えた瞬間を見られた時には、

働くって素敵な事なのかもしれないな…とも思わされました。

小田和正さんの主題歌もセットで、

視聴後にはそよ風が吹くかのような、ふわっと優しい気持ちになれる…

そんな印象が残る作品となりそうです。

 

自分のためではなく会社のためだったとは言え、

「ライアーだった頃の自分」につい縋ってしまった永瀬は

まだまだ発展途上中とも言えるでしょう。

ミネルヴァに残り続ける意思を固めた花澤(倉科カナ)は頼もしい。

でも、希望を感じさせた所で物語はお終い。

一流の正直営業マンになった永瀬・独立した花澤・そして未だに影を潜める鵤…の

三大不動産をベースとした"その後"の話を見てみたいですね。

 

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マイファミリー 9話 感想|もう最終回を待つしかない…

 

 

今回の感想を、劇中での台詞を絡めて言うとするなら…

なんで引っ張るんだよ〜!

としか言えませんなぁ。

最終回前だからってもう…足踏み状態にし過ぎですよ(汗)

 

確かに、クローバーのシールが貼られたタブレットのアップ、

衝動に駆られてハルカナとの業務提携解除を切り出す阿久津(松本幸四郎)のくだり、

友果(大島美優)が「知ってるよ」って言った時の三輪(賀来賢人)の若干目が泳いだ表情、

明らさまに怪しい顔になる日下部(迫田孝也)と

大から小までフックとなるようなシーンは随所で描かれてきましたが…

今回の内容を見れば、大体15分程度で済む話。

 

警察の出番が増えた事で、主人公たち・警察・誘拐犯の三つ巴での"全面対決"感を出し、

あたかも今までと違った雰囲気を装ってはいるものの。

うーん、警察サイドの「複数の誘拐事件から共通点を炙り出す」

「真犯人との繋がりが深い人物を重点的に捜査する」というやり方は

ずっと描写されてきた事ではあるので、その尺を多めにとっただけで、

根本的には、誘拐事件に翻弄される姿を描いた今までの話と同じなんじゃないの?

って気持ちの方が強いんですよね。

だって、来週で最終回を迎えるというのに、ほとんど進展していませんから。

 

事件に繋がる手がかりになりそうなものは、

終盤(残り15分頃)で触れられたタブレットだけ。

台詞やナレーションに置き換えても支障のなさそうな内容を映像化して

1話分引き延ばすくらいなら、今回の終盤と次回を繋げて

最終回30分拡大SPでも良かったような気がします。

まぁ、本当の所で言えば、今回で真犯人が誰か判明した上で、

最終回で事件が起こる前の背景や動機がじっくり描かれる…

という流れが一番理想的ではあったんですけどね…

結局、最近のトレンドに乗っかった考察型ドラマの作りになっちゃいましたね。

 

最後に、個人的に雑に感じてしまったのは、未知瑠多部未華子)の行動について。

タブレット…なんでそのまま抱える?なんで外でパスワード開く??

ツッコミどころが満載!

「本当にとどっちなら、普通の声にして」って言いそうなもんですけど…(笑)

急に迂闊なキャラとして描かれた事で"また"誘拐事件を増やし、

それが次回への引きとなるのもなんだかなぁと。

 

ちなみに、同じく急に自己主張が強くなった日下部が犯人って事はないでしょうね。

もし本当にそうだとしたら、本作に対する印象は一気に下がります…(泣)

 

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未来への10カウント 8話 感想|いろいろと時間が足りない。

 

 

前回の予告通り…ドラマを盛り上げるためなら、

あれも入れたい!これも入れたい!って感じで、

恋愛から葛藤までいろんなエピソードに手を出してきましたね。

 

いや、その盛り込む手法も、工夫次第では内容に充実感をもたらすし、

話の冗長っぷりを薄める効果はあるから、あながち否定的には捉えていないんですよ。

でも、本作の場合は…こう言っては失礼なのは重々承知なのですが、

重要な事は後回しにしてばかりで、計画性がないような気がしちゃって。

何度も言いますが、西条(村上虹郎)がボクシング部に入部する"起"、

名前の件で西条がみんなに可愛がられる"結"は描けても、

価値観・環境の違いによる衝突から打ち解けていくまでの"承""転"は

(他のエピソードとの兼ね合いもあって)ここまででじっくり描けていない印象があるから、

前回まであんな批判的な態度だったのにいつの間に…?っていう

"手のひら返し"にも見えてしまうのも仕方ないし。

そもそも、次回が最終回で、

一度は負けた京明高校といよいよ再決戦する日が近づいて来ているというのに、

その実感が湧きづらい内容になっているのは…

再起がテーマの作品としてはちょっと違うのかな?とも思えてしまうんですよねぇ。

どうせなら、日にちが差し迫っていくにつれて

部員たちもピリピリするようになり、練習試合でも張り詰めた空気が流れ始める…といった

画面越しに伝わって来る緊迫感を、最終回前でも味わってみたかったです。

 

エピソードを盛り込み過ぎているから、

西条がボクシング部に復帰するまでの決心もあっさりに見えてしまうのも勿体ない。

選手ではない形で復帰する事は予想はついてました。

でも…ボクシングとの距離が近くて、好き過ぎるあまり、やりたい気持ちの方が勝っちゃって

だんだん辛くなるもんなんじゃないかとも思うんですよね。

話をもう少し整理整頓出来ていたら、そこら辺の心の揺らぎも掘り下げられたかもしれませんし…。

まぁ、次回で完結する以上、これ以上広げる事なく

この方法が彼にとっての最適解で終わらせるつもりなのかもしれませんが、

いくら練習サポーターでも、部員のパンチを毎日受け止める以上は

頭に強い振動が起こって支障をきたしそうで、

あんまりハッピーエンドとも受け止め切れない自分がいます…(汗)

 

コーチも非常勤講師も店も両立すると決めた桐沢(木村拓哉)は、次回で倒れてしまう模様。

10カウント鳴ってしまうのはこっちに…なんですかね。

そんな事よりも(言い方…)、部員たちが京明高校を打倒していく様子を

熱く展開して行って欲しいんですけどねぇ。

最終回もあれこれ手を出した結果、駆け足気味になってしまいそうで心配です。

 

最後に余談…5〜10分くらい、度々延長する件について。

この手法が次作以降でも引き継がれていくのかは分かりませんが、

個人的には、次のドラマが始まるまでの数分間はトイレに行ったり、お茶を飲んだり、

次のドラマへ気持ちを切り替えたりと、いろんな意味で"準備時間"としているので、

若干の延長がほぼ毎回続くと切り替えも大変で、ちょっとバタバタしてしまうんですよ(苦笑)

打ち切り説もテレ朝が否定している通り、

本作も元から9話の予定で放送しているんでしょうけど、

微妙に延長する頻度が多いくらいだったら

いっその事全10話にしても良かったんじゃないかと思ってしまいます。

総括を交えた最終回の感想だとかなり蛇足になりそうだったので、

今の内に言及してみた次第ですw

 

 

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ナンバMG5 7話 感想|妹の為なら制服姿でも駆けつけるんで夜露死苦!

 

 

剛(間宮祥太朗)が市松高校に通っていると思い込んでいる吟子(原菜乃華)が

白百合高校に入学してしまう…という所から始まるので、

必然的に学生生活の描写も多くなりましたね。

 

最初は同姓同名の別人だと解釈したものの、

新任の生活指導教員から「家族じゃなきゃなんで同じ住所に住んでるんだ?」と言われて

モヤモヤするようになり、市松高校へ頭=剛を呼びに行こうとする吟子…

同じく剛の正体を知らない牧野(鈴木ゆうか)を何とか誤魔化そうと必死になりつつ、

吟子や市松のみんなのフォローもしてあげないといけなくなった伍代(神尾楓珠)…

ここら辺の一気に襲いかかってくる混沌っぷりには実に笑わされました。

そして同時に、この混沌っぷりが、"二重生活"から滲み出るギャップを描く上で、

私が見てみたかった理想的なエピソードにもなっていた気がします。

(長年ヤンキーだった人が急に普通の高校生を演じたら、

ボロが出てくるのが自然だと思うのでね…)

 

この手の作品は、秘密を隠し持っている主人公が

彼を知りたい、友達になりたいという純粋な興味で近づいてくる登場人物にピンチを感じ、

嘘を使って上手く切り抜けようと奮闘する姿を描く事で

予想もつかないコメディ部分や、正体がバレそうで危うい緊迫感が生まれると思っているので、

やはり、そのポジションに一番近い深雪(森川葵)を

もっと活かしてもアリだったんじゃないかな〜とは考えていたんですよね。

ヤンキーものならではの熱さのお陰で、今までもそれなりに面白味を感じながら

視聴してはいましたが、"二重生活"らしい描写はちょっと甘かった…というのか。

 

でも、今回は、終盤の喧嘩シーンとバランスをとるように、

学内での描写が増え、剛は生徒会長になり、

勉強会も開き、もちろん部活での様子も盛り込まれる…

そんな青春を謳歌する話もしっかり描かれました。

最初から今回のように両立した話に仕上がっていれば…とは思いますが、

試行錯誤を重ねたのち、ようやく1つの完成形を見た感覚を味わえたのは良かったです。

 

それにしても、喧嘩をする時はいつも特服姿だった剛が、

吟子(と牧野)を助けるためなら普通の制服姿で駆けつけるのも厭わない所には、

また涙腺がやられましたねぇ…。

ただ、そうなってしまうと、遠くからスマホで隠し撮りして

クラスのLINEに貼り付ける人が出て来るんじゃないか?という不安もありましたけど、

ハッピーエンドのままだった上に、

次回予告にも特にそこに言及した話が見られなかったのは意外でした。

でも、これじゃないにしても、生徒会長という立派な看板を掲げている以上は、

最終章辺りで大々的に掘り下げられそうな気はしていますが…どうでしょう。

 

剛が関口(岩男海史)の勉強している姿を見て、

普通の高校生活を送ってみたくなったように、

吟子は兄が生徒会長としても、部長としても気合いが入っている姿を見て

自分も普通の高校生になろうとイメチェンを図る。

状況や経緯は違えど、こういう、相手をリスペクトして

自分もそこに近づいてみようとする2人の変化を見ると、

やっぱり"兄妹"なんだなぁ…と微笑ましくなる話でもありました。

 

 

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正直不動産 9話 感想|学ぶ後輩と見届ける先輩の関係性にほっこり…

 

 

今回は「家を売る」メインエピソードの方は月下(福原遥)に任せ、

主人公の永瀬(山下智久)の方は、恋愛関係で色々と振り回されたり、

鵤(高橋克典)が登坂(草刈正雄)を恨むようになったきっかけを探ったりと

裏で動いていく…といった内容に。

月下の奮闘と、彼女を見守る永瀬の関係性を描いた45分間でした。

 

前回の感想では、コメディとシリアスの塩梅が良い件について触れましたが、

本作って全体の構成も中々工夫が感じられるんですよねぇ…。

取り扱うエピソードによって、メインで描かれる登場人物も変えていって、

どの脇役も1人ずつ存在感や爪痕を残すようなドラマ作りが出来ているというのか。

それは役者さんの技量の高さも勿論あるかもしれませんが、

影が薄いと感じる人が基本おらず、最初は悪そうに見えても

最終的にどの人にも愛着が湧いてしまうのは、

主人公が見せ場をしっかり残す場面と、脇役が活躍する場面のバランスが

とれているからなんじゃないかと思っています。

ほら…主人公が出ずっぱりのドラマだと、キャラクターの相性が合わなければ

視聴していてキツいと感じるケースも出てきますし、

下手したら「いかにヒーローに見せるか」だけにこだわった

主人公上げ周り下げの作品になってしまうケースもありますから…(汗)

そう考えると、相手の仕事観や、過去があっての人となりを尊重してくれる描写が多いのも

また温かな雰囲気が伝わってきて見やすいんです。

 

永瀬は今回家は売らなかったものの、月下の頑張りをそばで見ている目線や、

たまに見せる微かに苦い表情が、感情移入してくれているようでとても優しくて。

月下がミネルヴァ不動産の陰謀ばかりを気にする理由には、

「あんな素敵な出会いをした夫婦に、富士山が見える家を絶対に紹介したい」という

常日頃心がけているカスタマーファーストから来る想いや焦りが隠されていた。

それを理解しているからこそ、気持ちを汲み取ってあげたい…

でも"先輩"だけあって、花澤(倉科カナ)が

なぜそこの物件にしたのかは自分でも分かっていた…。

この2つの葛藤が、お客様に話を持ちかけるまでの間に

顔に滲み出ていた所に、"営業の先輩"…

いや、理不尽さをいっぱい経験してきた"人生の先輩"らしさを感じさせました。

だから、「月下は月下のやり方がある」と励ましてくれたのにもほっこり。

 

鵤の方は…登坂に執着する理由は明かされたものの、

何だか腑に落ちないのは私だけですかね(笑)

ストレートに、大好きな父が(事実上)殺された事を恨んでいるなら分かるんですけど、

自分が殺そうとしていた父を先に殺されたから恨んでいるって、逆恨みも良い所でしょう。

拾われた当時はまだ子供。血の繋がった両親もいないから、そこに縋るしかない訳で。

虐待されたとしても父親である事には変わらず、

離れたいけど離れられない、好きでいたいという依存心の方が勝ってしまいそうな

気がするもんですが…もうこの話は発展しないんでしょうか。

 

花澤の人間らしい別の顔も明かされ、唯一の悪役は鵤になった段階で次回が最終回。

終わるの早いわ…と思っていたら、

なんと、再来週には「正直不動産 感謝祭」という名の特別放送をやるそうで!!

月9にはあっても(それはほぼ総集編だけど)、

NHKがこの手の特番を制作するのは珍しいですね。

まぁ…本当に今期の中で一番面白いものなぁ。

撮影の裏話を聞くのも好きなので、そちらも楽しみです♪

 

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