※初回(10/8放送)の感想です。大変お待たせいたしました…m(_ _)m
「おじさまと猫」をご覧になった事がある視聴者の方なら、分かってくださると思いますが。
開始早々、草刈正雄さんの役どころを見た時に、
あの出会いのお陰で、今度は相手に寄り添える側になったのね…って
勝手に想像したら泣けてきちゃいましてね…。
後妻業 薫子(木村多江)と付き合い出したからは
急にデリカシーがない人になっちゃったのは残念でしたけども(泣)
でも、三笠(草刈正雄)だけでなく、
悲しみに暮れる自分に"親身に"配慮してくれる人っていうのは、現実に案外いない。
大好きな親友が亡くなっても、
息子夫婦は、面倒を見る手間が省けて良かった…とか思ってそうだし、
事情を知っている不動産屋は
「刑務所、紹介出来れば良いんですけどね?」なんて冗談でもキツい事言えちゃうし。
桐子(松坂慶子)の気持ちをよそに、掲げてある表札を利用して
詐欺の事しか考えていない喉仏のコソ泥もいれば、お金で勧誘してくる人もいる。
…残念ながら、油断していたら"穴"だらけの世界を、私たちは生きている。
NHKの事だから、流石に犯罪を推奨するような内容にはならないだろうと思っていましたが、
実際に定年後に逮捕された人の中には、桐子と同じく、孤独をずっと引きずってきた結果
犯罪に手を染めてしまった人が多くいるんだろうなぁ…と考えさせられる内容でした。
そして、回想を交えながら、独りになってからの桐子の日常を描く事で、
「かけがえのない友を持つのも大事だが、親友の存在に縋ってばかりいると
いざ相手を失った時の反動も大きくなる」
「親友を亡くしたショックを引きずれば引きずるほど、状況を冷静に客観視出来なくなるから、
いつ自立しても良いように"覚悟"をし、準備する」
いわゆるセカンドライフ(=定年後の暮らし)について問題を投げかけるような、
そんな密かなメッセージ性のある作りになっていた気がします。
松坂慶子さんの乙女な演技と、
パチンコ台の絶妙な匙加減の合いの手のお陰で"喜劇"に見えているものの、
根本的な部分では"悲劇"の雰囲気をまとわせてはいます。
なので…見ている最中はクスッと出来ても、見終えると切なさの方が残りますね。
本作がこれから描くのは「ムショ活」ですが、
ムショ活を応援してくれる榎本(長澤樹)と、
何だかんだで相談に付き合ってくれる久遠(岩田剛典)の2人との交流が、
これから桐子が、素っ気ない人だらけの現実の中で
"人の繋がりの温かさ・尊さ"に気づいていくきっかけになるのでしょう…。
少なからず、初回ではその片鱗を見せてくれました。
そこが着地点になってくれる事を期待します。
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