初期の頃は面白かったのかもしれないと感じさせた
「ドクターX(シーズン6のみ視聴)」を筆頭に、
「リーガルV」も「ハケンの品格」も「七人の秘書」も、
中園ミホ脚本はどれも合わなかった私。
本作も、大人の事情でキャストを一新して、ナース版で「ドクターX」の焼き直し作品に
なるんだろうなぁと思ってあまり期待していませんでしたが…
中々どうして、悪くなかったですね。
確かに、設定こそ、中園ミホ作品らしい"ベタさ"は随所に感じさせます。
フリーランスで大量のギャラが発生する主人公とか、
ブランドイメージだけを重視してVIP待遇する病院の方針とか、
「病を治す」が本業であるはずの医者が
なぜか症状を見抜けない(その結果、スーパーナース=主人公を立てる)とか。
序盤で立て続けに見せられた設定は、
全体の医療ドラマあるあるも含めて全く新鮮味はないんですが、
でも、逆に考えてみると、それが"名刺代わり"にもなっていて、
放送してから15分くらいの時点で
どんな作品なのかが掴みやすいという利点も生まれるんですよね。
そして、良かったのは…物語の前半部分で
どんな雰囲気か?どんな方向性で行くのか?をテンポ良く見せ切った所。
あとは、オチまでの流れが満足の行くものになっているかどうかなんですが、
そこは中井貴一さん演じる静の"上品なヤクザ"っぷりが
視聴者のワクワク感を持続させてくれました(笑)
中井さんの底知れぬ闇を匂わせる演技によって、
正直言うと、もう1人主演である岡田将生さんを食ってしまっている
気がしなくはないものの、
あの力関係が「気が強そうに見えて弱い」「気が弱そうに見えて強い」
歩(岡田将生)と静それぞれの人柄を表しているようで興味深いですし。
現時点では静が、誰の手にも負えなそうなキャラだというのを
初回で強く印象づけた事によって、
今後は「歩の成長物語」でもあり「病院立て直し痛快ドラマ」にもなっていくんだろう…
と思える内容にもなっていました。
静の意味深な背景描写、2人の掛け合いもさる事ながら、
看護師寮のパートも"緩急"として良いアクセントになっていて、普通に面白かったです。
「歩ちゃん」呼びには笑わされました。
(個人的には、完璧よりもちょっと抜けている岡田将生さんの方が好きなのです…w)
コミカルもシリアスもミステリーも、全方位で楽しめる要素が散らばっている辺り、
エンターテインメントとしては、何気にしっかり作られているんじゃないでしょうか。
「ドクターX」が長編シリーズになるほど愛されていたのも何となく伺える、
手堅い初回だったと思います。
ただ、実は…次の時間帯に「silent」があって、
そちらの作品の感想執筆にじっくり時間をかけたいがために、
本作が微妙なら感想も書かなくても良いかなぁと思っていたくらいなので、
次回以降は視聴のみに切り替える可能性もあります。
また書きたくなるほど面白ければ、休日の方にズラすかもしれませんし…
他のドラマとの兼ね合いもあるので、まだまだ未定です。
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