ミュージカルや吉本新喜劇によく通う人だったら、ついて行けるのかなぁ。
個人的には、さっぱり分からないまま終わってしまった…(汗)
笑いのツボって人それぞれな訳で、大衆的に好かれるコメディを作るのは
やっぱり難しい事なのだと実感させられた初回でした。
笑える雰囲気を醸し出してはいるものの、イマイチ笑い所が分からなかったのは、
ぎゅうぎゅうに敷き詰められた台詞量にありますかね。
とにかく膨大な上に、ドラマでは必ずある"間"がほとんど用意されていないのです。
仕切りなしに行われる会話劇は、もう既に各々がどんなキャラクターか
十分に掴めている状態だったら楽しめるのかもしれませんが、
初回で、しかも初期設定の紹介すらされていないまま台詞がどんどん飛び交うので、
全体の雰囲気よりも、1つ1つの台詞を追うのに必死になってしまいます。
で…理解しようとした途端、また次の台詞が被さってくるから内容について行けなくなる。
だから流すしかない…の繰り返し。
普段は感想を書くために、ドラマを見ながらパソコンかスマホでメモを取る事が多いんですが、
パソコンのキーボードを打つ手を止めて、画面をじーっと見ていても、
正直、あんまり頭に入ってきませんでした…。
あと、これは私個人の好みですが…
バラエティ番組でたまに挿入される笑い声や、
誰かが食べている時の「ガブッ」「パクッ」の効果音が好きではありません。
なので、本作の笑い声の効果音風演出も、クドさの方が勝ってしまいました。
"ライブ感"を出したくて取り入れているのは分かるんです。
でも何と言うか、頻繁に挿入されると「はいここで笑ってー!」って
無理強いされている気がして苦手なんですよね…。
"ライブ感"は、舞台の演者と、実際に舞台を見ている観客の関係性があって
初めて成立するものであって、テレビで見ているのとはまた感覚が違います。
そこを前提とするなら…拍手を効果的に使うしかないのかなぁと。
例えば…「笑っていいとも!」でタモリさんが表舞台にお出になって、
指揮をとられた時に行われる"お約束"がありますよね?
本作もそんな感じで、登場人物の誰かで十八番のシーンを作って、
(ルーシー(市川実日子)が毎回変な舞をする…でもアリ)
覚えやすいリズムで視聴者にも手を叩いてもらうよう誘導して
盛り上げていく…という形をとった方が、
家で見ているはずなのになぜかその場で見ているような
不思議な面白さが生まれるんじゃないかと思います。
うーん…金子茂樹脚本だという期待と、笑いのツボに合うかな?という不安
半々での視聴となりましたが、どうやら後者の方に傾いてしまったようですね。
唯一クスッと出来たのは、哲郎(仲野太賀)が敷地内に入ろうとする時に
素早く足を止める桃代(檀れい)のキレの良さくらいでしょうか。
今期の偶然が重なって、
「拾われた男」が役者さんの生き様を撮るドキュメンタリー映像なら、
本作は本番だなぁ…と感じさせる裏表具合は興味深いんですが、
次回も同じような作りだと、感想どころか視聴継続すら難しいかもしれないです。
「俺の話は長い」「コントが始まる」を生み出した金子脚本なので
見続けたいんですけどね…。
回を重ねるごとに、息の合った作品になる事を願うしかありません。
10/30追記:
2話も見ました。印象はほぼ変わりません。
演出に関してもう1つ気づいた事を付け加えるとするなら、
話す側と聞く側…たまに全体 でカメラワークを切り替えるんじゃなくて、
そのやり取りを見ている外野のリアクションをたまに映してみても
面白いんじゃないかと思った次第です。
今期よくお見かけする松尾諭さんと仲野太賀さんの冒頭の共演が、個人的ハイライトでした。
あとは会話が右から左に流れる…そんな感じです。
金子茂樹さんの挑戦は見届けさせていただくつもりですが、
感想はやっぱり初回のみとします。