前回と今回を見て思うのは…
本作はあくまでも、日々"生"と向き合う鈴(吉高由里子)と、
日々"死"と向き合う一星(北村匠海)による
「出会い」や「全く違う仕事に携わっているからこそ惹かれ合う2人」を、
日常生活をベースに、フラットに描こうとしているんだな…という所でしょうか。
いや、もちろん、まだまだ引っかかる部分はあるんです。
下ネタの描写にしろ、上記の2つを描く割には
お仕事パートのウエイトが大き過ぎる事にしろ。
例えば…前者に関してだったら、前回より古典的な下ネタ演出は薄まったにしても、
遺品のAVで盛り上がっていたら、私が故人だったらやっぱり嫌な気持ちにはなりますし。
一星の手話の内容がAVだったと知った時に、
鈴が「私も興味ある!」って食い気味に描かれていたのも、
個人的には、えっ…最初に若干引いてから熱弁を聞く流れなら分かるけど…なんて
変な疑問は生まれてしまう訳で。
後者に関しても、妊娠の現実も描いて…深夜(ディーン・フジオカ)の成長物語も含ませて…と、
まるで1話完結型の、産婦人科が舞台の作品を見ているかのような錯覚を覚える
内容になっている辺りに、果たして"恋愛モノ"としてお仕事と恋愛のバランスは
これで良いのかどうか?と思ったりもするのです。
ただ…ポジティブに捉えれば、こうも考えられるのかなと。
ろう者関係なくAVだって普通に見るし、普通に下ネタだって喋る。
そんな「ろう者だから」で特別視しない描き方には好感は持てるんですよね。
(正直、もうちょっと下ネタは抑えて欲しい気持ちはありますが…)
お仕事パートも、妊婦に置き去りにされた赤ちゃんに対する「可哀想」と、
一星の境遇に対する「可哀想」という、マジョリティ側が囚われがちな"固定観念"を重ねて
考えさせられる結末になっていた点では、尺を割いて描くのにも
多少意味の感じられるエピソードに仕上がっていた気がしています。
まぁ…初回の出会いがある以上、一星の第一印象が変質者で、
それは今後も変わる事はないと思いますが(苦笑)
他に気になっていた下ネタ描写とお仕事パートが今回くらいの見せ方だったら、
まだ見続けられそうかな?って感じですね。
っていうか…今回は2人の馴れ初めも、一星の強引さを除けばほぼまともに見られただけに、
なんで初回はあんなに強引にキスさせたり、人のキャンプ場に乗り込んだりさせたんだろうって
勿体なく思っちゃいましたねぇ。
前回と今回の内容を借りるとするなら…斎場に一星が遺品整理士として訪れて、
コミュニケーションをとった事でお互いどことなく相手の顔を覚えていて、
映画を見ていたら、自分は全然泣けないのに隣で号泣している人がいるから気になって、
顔を覗き込んでみたら以前会っていた鈴だった…
で…一星が近くのカフェに誘って会話を…という、
ベタはベタでもごく自然な展開で魅せていれば、脱落者も少なかったでしょうに…(笑)
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