あの初回は何だったんだ…と思えるくらいには面白く見られました。
というか、今回こそが、元々視聴者が見たかったであろう内容だったんですよね。
「亜季vs北脇」「亜季vs落合製菓食品」という2つの軸を作りながら
"感情で動いて人の考えに左右されがちな亜季(芳根京子)"を徹底して描いた事に伴い、
演出や劇伴のかかるタイミングも油が乗り始めたような気がします。
前回は全体に漂う社内のギスギスした雰囲気が強くて、
コミカルなお仕事ドラマなのか、それとももう少し現実的なのか?が曖昧で
本作のカラーが掴みづらいまま終わってしまったのが惜しかったですが…
今後も今回の作風で行くんだとしたら、
気軽に見られてちょこっと得した気分にもなれる作品として楽しめそうです。
解決方法も、商品開発も手がける月夜野ドリンクらしい
落とし込み方になっていて、なるほどそう来たか!と。
現実世界ではあんな風にほのぼのとした解決は難しいでしょう…と、
そんな声も上がるかもしれませんが、水10枠ならではとも言えますし。
また、人情・感覚で突き進む亜季と、理屈・理論を重視する北脇(重岡大毅)で
考え方が真逆の2人がどんな結論を出していくのか?といった紆余曲折も
1つの見所だと思っているので、
案件と同じく、お互い葛藤を見せ、やがて相手を尊重しながら歩み寄ろうとするまでの過程が
自然と感情移入出来るように描かれていて、個人的には満足感を覚えました。
あとは…「ほのぼの」とは書いたけれども、ただ優しいだけでなく、
かと言ってパクった会社側を悪者に仕立てて、安易に痛快撃に持っていく訳でもなく。
中小企業が今回のような"地元で好かれている"企業だった場合に大企業が訴訟を起こしたら、
訴えた側の印象が悪くなり、業績悪化に繋がるかもしれない…という
「訴訟を起こす事のリスク」にもちゃんと触れていた所も、
よく出来ているなぁと思わされましたね。
ただ、今回で本作へのイメージが上がった事は間違いないですが、
強いて言うなら…パクリとパロディの違いを説明するための"例"を盛り込み過ぎていて、
逆にややこしい印象を与えているのはちょっと気になりました。
列挙すると、実際の出来事を取り入れた「白い恋人」と「面白い恋人」の他に、
五木(渡辺大知)が「スター・ウォーズ」に関する話題を振ったのがきっかけで出てきた
オマージュとインスパイアの違い。
そして、サブエピソードとして描かれた亜季の友人・根岸(福地桃子)のイラストが
他社にパクられて、自社の商品扱いにされてしまった件。
それぞれがメインエピソードの補足用に用意されたものだとしても、多いんですよね。
特に根岸のエピソードは、イラストにまつわるトラブルは実際よくある事で、
(数回経って再び取り上げるんだと想定しても)結局どうなったんだっけ?と思えるくらい
ヌルッと済ませたのは勿体なかったです。
わざわざ今回の内容に入れなくても…例えば、段階を踏んでいく感じで、
今回の案件でパクリとパロディの違いを学んだ亜季が
何話か後の根岸メイン回でじっくりアドバイスする形をとった方が、
より彼女の"成長"が際立って、初回から見守ってきた視聴者からしたら
感慨深さも増したのではないなぁという気がしました。
(※20:09追記:この辺りの文章は一部カット・変更いたしました。)
もう1つ言えば…社内の登場人物も多くて、あまり個々の役割を果たせていないのを見て、
こんなに人要るの?と時々思わなくもないですが。
でも、今回の内容で、これなら…と期待が持てそうで安心しましたね。
北脇が釜飯を食べる日が来るのかどうか、そこもちょっとだけ楽しみです(笑)
最後に余談で…今回取り上げられた実例「白い恋人」「面白い恋人」についてですが、
訴訟から8年後に、その発売元である吉本興業と
「白い恋人」の製造元である石屋製菓が初コラボ商品「ゆきどけ」を出していたみたいです。
(実際のニュース記事はこちら。現在どうなっているか、後で興味本位で調べてみたんです。)
対立関係が緩んだ事に引っ掛けて、この商品名にしたそうで。
このニュースを読んで、形は違うにしても、何だか今回の案件と重なって
ほっこりさせられてしまいました…。
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