ペンディングトレイン—8時23分、明日 君と 1話 感想|問題はまだまだ山積み

 

 

火山灰が積もった砂漠を3人で歩く映像を見て、

何となく「テセウスの船」を思い出すなどしておりました。そっちは雪山でしたけどね。

上記の作品と言い、近未来を舞台に大災害を描いた「日本沈没」と言い、

クローンを取り扱った「わたしを離さないで」と言い、

少し昔なら…医者×幕末タイムスリップモノの「JIN-仁-」もそうかな?

TBSのドラマは時々、スケール大きめのぶっ飛んだSF作品を生み出している印象です。

 

その今までの経験値が積み重なってなのか…本作の大自然を活かしてのロケーションは

非現実感が溢れていて引き込まれてしまいましたし。

地上波でSF作品を作ってもクオリティに妥協はしないぞ!という

スタッフのこだわりが画面から伝わってきて、そこは良かったですね。

 

では、肝心の内容がどうだったか聞かれたら、う〜ん…緊迫感がありそうでないような?

そんな感じで見終えてしまいました。

初回は直哉を演じる山田裕貴さんの、泣きそうな表情で本音をこぼすシーンだったり、

紗枝(上白石萌歌)のモットーを聞いて心当たりがありそうな素振りだったり、

ふと見え隠れする"脆さ"や"弱さ"の演技に惹かれて最後まで話に興味を持てたのですが、

何にせよ、登場人物が多過ぎるのがネックなんですよねぇ。

初回だけでも中盤からは、主要人物の直哉・優斗(赤楚衛二)・紗枝の

過去を深掘りしていて、既に群像劇仕立てになっていた辺り、

この調子で今後も残りの人々のエピソードを何話かに分けて膨らませるのに加えて、

さらに(「2車両消えた」との事だったので)もし片方の車両の動向にも触れると考えると、

物語の散漫具合がどんどん加速していきそう…という不安はやっぱり拭えません。

 

そして、これも視聴前から感じていた事ですが、キャストの年代の比率が

20〜30代の若者に偏っているのも気になります。

ベテランの役者さんは、松雪泰子さんと杉本哲太さんの2名のみ。

しかもお二方ともトラブルメーカー的な役柄で、

若者側では玲奈(古川琴音)だけがその役を担っているので、

いろんな意味でパワーバランスが悪いと言いますか…。

キャスティングに何か意図があるんだとしたら良いんですが、

今の所は、本来はこの役を別の方にオファーするつもりだったのかなぁ…とか、

そういった大人の事情が絡んでいるようにしか思えないんですね。

 

まぁ、登場人物の多さ・年代の偏り以前に、ツッコミどころ満載だったのは、

どこなのかも、タイムスリップしたのかも分からない未知数な世界に飛んだ割には、

乗客から焦りや動揺がほとんど感じられなかった所でしょうか(苦笑)

確かに現実的に考えれば、今時の人々には「そのうち何とかなるだろう」みたいな

楽観的思考や他力本願の人が多いからっていうのも理解出来るんですけど…それにしてもね。

持ち込んだお弁当を食べているのを見ても、ブツブツ不満を漏らす人がいなくてみんな静か…

大人しく座っている人たちばかり…

先ほど書いた通り、いろいろ不安要素はあるにしても、

とりあえず、乗客の描写をもう少しリアルに寄せるだけでも

「荒廃した世界にタイムワープしてしまう」「サバイバル生活」といったコンセプトに

見合った作品に近づくんじゃないか?という気がしました。

 

物語の見所としては…冒頭で紗枝が赤ちゃんを抱いていたシーンで

日常に戻れる事は確定しております。

あとは、タイムワープした原因は?どうやって戻ってこれたのか?

そして脱落者は出てくるのか?この3つですかね。

果たして全10話(恐らく)も持つのかどうか。しばらく様子見するしかなさそうです。

 

↓次回の感想はこちら↓

 

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