なるほど、今までの描写の積み重ねがこう来るのかぁ…と。
今回の内容を見てみれば、カメレオンティーだけでなく、
ふてぶてリリイのサブエピソードも並行して描かれていたのにも納得。
根岸(福地桃子)の「今まで気にもしてなかったけど、
この小さな一文字があるかどうかで本当に大きな違いがあるんだって知ったよ」という
商標登録に四苦八苦してきた者から出た素朴な言葉には
ハッとさせられるものがありましたし、
この言葉とサブエピソードが、自社商品を世に出す上で挫折を何度も経験した
月夜野の上司たちの想いに立体感を持たせていた気がしました。
そして、序盤のみの登場だったイラストレーター・ハナモ(山崎静代)の件も、
ただの前哨戦かと思いきや、何気に効いているんですよねぇ。
製作物に手塩をかけ続けて生まれる愛着だったり、
いろんな人に愛されて欲しい願いだったり。
それは月夜野ドリンクの面々も根岸も、
世に商品を出すクリエイター側の人間全てに当てはまる共通点なんだけれども、
いざ商品化に向けて行動に移すと、壁にぶち当たる事もしょっちゅうある。
三者三様の事情が描かれたお陰で、私たち消費者は何も知らないだけで
水面下ではライバル企業が発売・発表を阻止するとか、
話し合いの結果、計画が白紙になってしまったりだとかは実際よくある事なのかも…と
しみじみ考えさせられる内容になっていたとも思います。
じゃあ今回はそんな商業界の"リアル"を描いた所で、
ラストは田所(田辺誠一)の悪巧みスマイルで終わるのか?と言ったらそうではなく。
ちゃんと最終回に向けて盛り上がりを感じさせてくれる
締め方になっていたのは良かったですね。
前回と今回の社長(赤井英和)もそうですが…
本作って、キャラクターの見せ場の作り方も上手いんですよねぇ。
彼に吠えたのが、いつも物腰柔らかな熊井(野間口徹)だからこそインパクトも大きくて、
良く言った!って清々しい気持ちにもなれました。
スパイの件に関しては、以前から"前フリ"は施されていたので
やっぱりスパイの話にはなるよね…とは思ったものの、犯人は意外や意外で。
役者さん次第では「この方を起用したのなら絶対何かある」と
裏を読んでしまいそうなものですけど、
あの方に関しては「そういう役なんだ〜」で納得してしまっていたので(笑)
ここはキャスティングの妙でしょうね。
今回の内容と、連続ドラマならではの醍醐味を感じさせる展開を見て、
最終回はきっと納得いく形で終われるんじゃないかな…と思えてきました。
集大成感のある、爽やかな結末を期待しております。
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