う〜ん…なんで「妊娠を通しての出会い」にしちゃったんでしょうねぇ…。
個人的に"火10枠"でシスターフッド(=女性の絆)を題材にしようとしていた事に
微妙にむず痒い感覚を覚えたのって、こういう所にあるんですよね。
アート会社に勤める瞳子(深田恭子)で、お互い"アート"に共通点があって。
有栖はキャリアが豊富な瞳子に影響を受けながら、夢に励んでいって、
一方で瞳子はそんな直向きな有栖に刺激をもらいながら、仕事により邁進していく形で、
その共通点だけでも両者の変化や成長は十分に描けただろうし。
そして、私が今まで見てきた、シスターフッドを取り入れた作品の中では珍しい
年の差設定も含まれているので、最初はひょんな事から一緒に住み始めたものの、
ジェネレーションギャップに悩まされた2人が、徐々に擬似姉妹になっていく…
という流れでも、話を膨らませたんじゃないかと思うのです。
なのに、この枠でやりがちなのは…いつもの"恋愛"、本作の場合は妊娠といった
キャッチーで話題性のある要素を盛り込んだ結果、
じっくり描く事で面白くなりそうな題材もかえって持て余して終わる…というもの。
初回を見た限りでは、いろいろと欲張り過ぎではないか?と思えてしまいました。
2人の恋模様はもちろん、妊娠の設定自体も特に必要には感じませんが、
少なからず、物語の後半辺りに妊娠のくだりを持ってきた方が、
瞳子が人のプライベートに介入してくるのもまだ説得力があった気がするんです。
まぁ、そんな作品は今年の冬クールにもありましたが…年の差で差別化は図れるという事で。
後半であの展開なら、もう2人の関係性は構築されているから、
瞳子の「自分の生きたい人生、諦めないで」「人生これからだから」
などのお説教も心に響くシーンになっていたかもしれません。
逆に、まだ初対面の段階で、どんな人かもあんまり知らない相手から説教されても、
美人で、キャリアがあって、良い会社に勤めてそうな人に自分の何が分かるの…
って感情が先に出てきそうですよね(汗)
クリニックで自分語りを始めるくだりにしたって、そこでコミュニケーションを交わす前に、
例えば、1人で苦しそうにしているのをお互い何度か見かけていたとか、
数年前に何かしらのイベントで関わっていて顔見知りだったとか、
そういった"前提"が用意されていたなら理解出来ますが…
「その子ちょうだい!」発言も、瞳子と加瀬(上杉柊平)の接近も含めて、
全体的に距離の詰め方に強引さを感じたのが残念でした。
話題性で飾り付けをして終わりではなく、中身(主に過程)もしっかり描いて欲しかったです。
胸キュン演出が一切なかったのは、挑戦なんだろうな…とは思いますが、
瞳子の土足で踏み込むキャラクターをもう少し抑え目にしていただかないと
今後見るのがキツくなりそうです…。←この話ばっかりしてますね(汗)
元教師なら話は別ですが(苦笑)いくら何でも、"深キョン"パワーではカバーしきれません。
まぁ、これ以上恋愛パートが悪目立ちしないようにと願いつつ
しばらく様子見してみますが、前時間のドラマの感想を書く事に決めたので、
本作の感想は初回のみとさせていただきます。