テレ朝のこの枠なのに、劇伴が渋かっこいい……
初回を見ていて一番惹かれたのはそこでしたね。
流れ過ぎだとか、音量がデカいとかっていう呟きも見かけましたし、
確かにずっと流れているな〜と思わなくもなかったんですけど、
演出も含めて、木9枠特有の硬派でギラついた雰囲気に若干の苦手意識がある私からしたら
大人びたサックス調の劇伴が聞こえてくる事が新鮮で、
その意外性で最後まで興味深く見られちゃいました。
後で調べてみたら、得田真裕さんが手がけられているとの事で。
この劇伴良いなぁと思って調べると大体が得田さんの音楽なので、
もう好みなんでしょうね(笑)
演出も劇伴に合わせてか、所々遊び心もありながらクールにまとまっている印象。
一見地味だけれど、スルメのごとく徐々に引き込まれてしまうかのような作りは、
本作は「殺人球菌《ギフト》をめぐるノンストップサバイバル医療ミステリー」だそうで、
今回で退場してしまった坂東彌十郎さんなど、
実力派の若手からベテランまで脇もガッツリ固めている辺り、
きっと「あの犯人は誰だ?」なんて考察を視聴者にやらせるのでしょう。
でも、初回を見た限りだと、居酒屋でのやり取りを筆頭に個々の紹介はされているものの、
その会話の内容が藤巻(反町隆史)と妻に関する噂だったり、
1対1のシーンを用意する形で、ほとんどの登場人物を藤巻と関わらせたり。
それぞれの関係性を簡潔にまとめつつ、基本的には主人公中心の物語になっているので、
匂わせ演出満載の犯人探しミステリーに終始しなさそうで
今後に期待出来そうな気はしております。
まぁ、それよりも驚いたのは、かなりの展開の速さなんですけどね…(笑)
いやはや、巧みな構成でしたねぇ。
冒頭はまるで前回のおさらいかのようにスルッと始まって、
新たな病原菌を見つけてそこから物語が大きく動き出すと思ったら
特にそれとは関係のなさそうな妻のエピソードが挿入されて。
手術が出来ない状態だの、娘とは険悪な仲であるだの、
本題は一旦中断させて、プライベートの事で話を広げていく。
なんでこんなに詰め込んだ話にしたんだろうと思いながら見ていたら…
白鳥(佐々木蔵之介)の終盤の言葉
「あなたは奥野理事長の隠蔽工作に加担した。今さら後戻りなんか出来ませんよ。」で
そうか!なるほど!と納得させられましたよ。
矢継ぎ早に進んでいく展開が、「どうせ消えるし、たった一回きりの犯罪だから」
で動いたつもりが、いつの間にかとんでもない事態に巻き込まれてしまっていた
藤巻自身の後悔と動揺を表しているようで、じわじわ面白かったです。
反町さんはすっかりベテラン俳優の地位にいるためか、
ここ最近は社長や弁護士などの敏腕な役を演じる事が多いイメージにあったんですが、
今回はまさかの冴えない病理医役。
若干ボソボソ声なのは、後に権力に取り憑かれる変貌っぷりを
強調するためなのかは分かりませんが、
巻き込まれてからどんな変化を見せるのかも楽しみですね。
これ…今後の展開次第では、序盤こそTOP5くらいの位置にいたものの、
最後まで見ていて、気づけば今期ナンバーワンになっていた…みたいな感じで
大化けしそうな可能性を秘めてますね。
どうか、回を重ねるごとに失速する事がないよう願ってます。
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