2024年01月一覧

春になったら 1話 感想|日常ってそういうもんだ…と思わせてくれるお話。

 

 

奈緒さんと木梨憲武さんのW主演。

キャストが発表されてから、どんな化学反応が生まれるのかと

楽しみに待っていた作品がようやく始まりました。

 

やっぱり、「あ、これは良さげかも」と思わせてくれる作品って、

開始3分で決まってくるもんなんだなぁ…と、本作を見ながら実感しましたね。

というのも、説明台詞を加えなくとも、瞳(奈緒)が産まれた時のホームビデオや

お正月での父・雅彦(木梨憲武)との会話のやり取りを見ただけで、

その人がどんな人で、日頃からどんな暮らしをしていて、どんな家庭環境にあるのかが

すんなりと理解出来たのです。

 

例えば前者の場合だと、母(妻)を撮っていて雅彦は声のみのビデオになっているんですが、

「頑張って!」「何か手伝う事ある!?」などの積極的な声がけが聞こえてくる辺り、

娘が生まれてくる事をずっと心待ちにしていて、

妻をどれだけ大事にしてきたかも伝わってきましたし。

後者の場合だと、郵便配達員がポストに年賀状を1束投函するカットから

恐らく親子ともども人付き合いを長年欠かさずにしている事、

瞳の「今年のは何?」という、毎年違うおせちを取り寄せているかのような発言から

雅彦が太っ腹な性格(楽しみのためなら出費を惜しまない?)である事、

後ろにさり気なく映る仏壇&2人しか映らないシーンから

現在は母親が他界していて、ずっと2人暮らしをし続けている事が読み取れました。

 

最近はタイムパフォーマンス重視の視聴者が増えたからなのか、

登場人物の抱えている感情や、見ただけで何となく分かりそうな状況まで

全て台詞に書き起こしてしまうドラマが増えてきているだけに、

映像を通して初期設定を簡潔にまとめてみせた本作のアバンはかなり貴重だと思わされます。

 

また、雰囲気自体も、全体的に良い塩梅に収まっているんですよねぇ。

重いテーマを扱っているにもかかわらず、時々流れる軽やかなピアノ調だったり、

ちょっとノリの良い劇伴が物語の引き立て役程度に優しく流れているためか、

不思議と心地良さを覚えて、2人の日常をいつまでも見ていたい気持ちにさせられるんです。

で、その代わりに、映画のような質感の映像で調整を…って所でしょうか。

とりあえず、設定が設定なので今後は辛い展開も待ち構えているとは言え、

お涙頂戴のアイテムにされやすい「病気」「余命」が、

基本的にはほのぼのとしたトーンで描かれていきそうなのには安心しました。

 

脚本面で言えば…父の余命を聞かされてもなお、

その日のうちに助産師として出産に立ち会わなければならない、

いつもの自分に戻らなければならない一連の描写に最も"日常"を感じさせましたね。

そう…ガンだと発覚してからの残り3ヶ月だって、

決して悲しみに暮れる日々ばかりではないはずで。

毎日変わらず仕事はするし、笑い合う日もあるし、ケンカする日もあったりする。

いろんな感情や出来事が散りばめられて出来上がる…日常ってそういうもんなんだろうと、

2人の関係性からもふと考えさせられる初回だったと思います。

 

役者としての木梨憲武さんは、wikipediaで過去の出演作を調べてみたら

世にも奇妙な物語」の「思い出を売る男」で当時お見かけしたっぽい。

切ないラストだった記憶はあるけれど…

どちらかと言うと、某有名アニメ映画のマーリンの方が頭に焼き付いてますね。

なので、連続ドラマで存分に木梨さんの演技を見られる所にかなり新鮮味を感じてますし、

そもそも芸人さんがドラマ出演となるとチョイ役か犯人役が多いだけに、

大御所芸人が主演を…って所も、物珍しさでついつい惹かれてしまいます。

 

声が大きいなぁと思っていたら、実演販売者だと知って合点が行きますし、

ナンバーワンなのもご本人にぴったりで!

オリジナルドラマならではの良さも出ていて、瞳との「お父さんにお笑い分かるの?」

「分かるよ!」の会話には特に笑かされました。(そりゃ大御所ですから!なんてw)

脚本家の福田靖さん…木梨さんを起用して、どんな台詞を言ってもらおうか考えるのが

楽しみでしょうがなかったんだろうなぁ…というのが話の節々から伝わってきて、

私も次、雅彦が何て言うのかワクワクさせられっぱなしでしたし。

そんなひょうきんさだけでなく、ほんの哀愁も滲ませていて、

とても魅力的なキャラクターに映りました。

 

対する奈緒さんは、「ファーストペンギン!」の初回のラストでもあったように、

ふつふつと込み上げてきた感情を爆発させる演技を得意とする女優さんなので、

めちゃくちゃ泣いて笑って、気持ちが揺さぶられる作品になりそうな気がしております。

これも、今後に期待出来そうですね。

 

それにしても…先週の月9の感想でも、重たいテーマ被りについて書きましたけど、

フジテレビとカンテレで会議とかってしないもんなんでしょうかね?

どちらも"死"を扱っているという(苦笑)

カンテレプライム枠は1枠だけだから…枠をいっぱい持っているフジテレビ側が

調整すべきだと思うんですけどねぇ。うーん。

(※ちなみに…月9の感想は辞める事にしました。月10を優先します!)

 

 

↓次回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 


さよならマエストロ〜父と私のアパッシオナート〜 1話 感想|これは期待しても良い…かも?

 

 

ドラマを日頃から積極的に見ているタイプじゃなければ、余計な事もチラつかず

本作を純粋に楽しめたのかもしれませんが…

やっぱり、数年間ドラマを毎日何本も見続けている私からしたら、

どうしてもいろんな作品が頭に過ってしまうものなんですよねぇ。

 

例えば、何の作品に似てる?と聞かれて

一番思い浮かべるのは「リバーサルオーケストラ」でしょう。

廃団寸前の地方オーケストラ、その存続を良しとしない市長の存在、

ヒロインは市役所勤務で元楽器演奏者(過去に何らかのトラウマがあり引退)と

設定もかなり類似しています。

楽団の立て直しを扱っているなら、ある程度方向性が定まってしまうのは仕方ないとは言え、

ちょうど1年後になぜまた同じような作品を放送したのか…という疑問もあるんですけど。

他にも、元々乗り気でなかった主人公が、物事に関わっていくうちに当時の記憶が蘇り、

最終的に一歩踏み出す事を決意するまでの流れは前期の「下剋上球児」でも描かれていたし…

風変わりなカフェは、脚本家の過去作品である「妻、小学生になる。」にもあったし…で、

総じて、つい最近見たと言いたくなるような要素ばかりだったのには

勿体なさを感じてしまっていたんですよね。

 

しかし、途中までは他の作品に似ている事に気を取られながら見ていたのが、

ある時から「お?もしかしたら…」と思い始めてきました。

そう思えた理由が、放送開始から約50分後の俊平(西島秀俊)と古谷(玉山鉄二)、

俊平と内村(久間田琳加)の2組のやり取りにありました。

 

どんなやり取りだったのかをもう少し詳しく書くと…

3月いっぱいで晴見フィルハーモニーが廃団になる知らせを受け、

古谷は俊平に、仕事でいろいろあってもみんなと音を奏でると気持ちが落ち着く事、

自分にとってはホームである事を語り、

一方で内村は、立ち寄ってきてくれた俊平に対して

高校の演奏会の時のトラウマを吐露し始めるのですが、

脇役のエピソードの主人公との絡め方が絶妙だったんですね。

 

この手の群像劇も取り入れた作品は、通常であれば

ある程度役者さんを揃えていて登場人物が多いが故に、

それぞれキャラを立たせたり、見せ場を作ろうとしたりして個々のエピソードを膨らませがち。

その結果、話に充実感は覚えるけれども、

同時に散漫としていて、主人公の存在が霞みやすい。

ですが、本作はそういった群像劇ならではのデメリットを上手く回避していて、

あくまでも脇役のエピソードはさらっと、主人公の次の行動に繋げるように盛り込む事で、

(例えば…・古谷の場合→誰もいないホールに訪れてたくさん書き込まれたホワイトボードを見ては、一生懸命取り組んできた団員たちの顔を思い浮かべて微笑む。

     ・内村の場合→彼女の解釈が面白い!と感じ、有名曲の「運命」にまだ新しい発見があったのかと感動してから、音楽について語る口が止まらなくなる。

…さっきから説明臭くなっちゃいましたが(汗))

本作の主軸は「オーケストラの立て直し」ではなく、

「オーケストラを通しての父と娘の再生」であるのだと強調した作りになっていました。

 

まぁ、まだ正体不明の謎キャラ2人の登場や

古谷の秘密がまさか…な終盤のシーンが用意されている辺り、

今後どう転ぶかは未知数ではありますし、若干の不安もあります。

でも個人的には、脇役のエピソードの処理の仕方だけで、

軸のブレない作品になりそう…という期待の持てる初回となりました。

 

そして、もう1つ優れていたのは、いつものごとく25分拡大だったにもかかわらず、

無駄な描写や引き延ばしがほとんど見当たらなかった所です。

言い換えるなら、25分拡大の初回放送用にきちんと練り上げられた脚本だなぁと思いました。

 

いや別に、他の脚本家が全くそれを考慮していないと言いたい訳じゃないのですが…

拡大版にするのが通常運転の他のドラマの初回をいくつか見ていると、

放送尺を増やした分、その部分を重点的に描写すれば良いのになんで疎かにするんだろうとか、

1時間で収まる話を引き延ばしているのが見え見えだとか

そういった微妙な仕上がりの作品が多かったので、

あまり拡大版の初回で満足出来た試しがなかったんですよね。

 

でも…本作の内容は理路整然としていると言いますか。

何気ない、余分だと思われがちな家庭パートも、後半でしっかり意味を持たせているんです。

特に、家事が全く出来ずパンケーキを何度も真っ黒焦げにしていた俊平が、

団員との関わりがあり、息子・海(大西利空)の「2人で止まっててどうすんの?」

という言葉に強く背中を押されたのを機に、

パッケージに書かれた説明とにらめっこしながら作ってみたら

初めて綺麗に焼けた一連の流れなんかは、

娘と向き合う事を避け続け、音楽の道を閉ざした父の状況と、

そんな父でも再スタートを切ろうと思えばいつだってやり直せるのだという

ほんの希望を想像させて、自然と涙が溢れてしまいました。

 

パンケーキが綺麗に焼けた事で、オファーを引き受ける意思を固め、

まだ終わりだと決めつけたらダメだと痛感した俊平が

諦めモードの団員たちに「終わりが決まったオーケストラでも出来る事はあります。」

「僕は信じてるんです。音楽は…人の心を救う事が出来ると。」と励ます。

…ここも、「〇〇があったから〇〇がある」みたいに、彼が少し頼もしく映ったのにも

説得力を感じさせる展開でした。

 

これは個人の好みの話になっちゃうんですが、

シリアスもハートフルも卒なくこなす演技面だけでなく、

バラエティのご出演時で、変にカッコつけずにお茶目な姿を見せて下さる

普段の西島秀俊さんも好きな私からしたら、

俊平という役が西島さんで良かったなぁとも思います。

本来の自然体さがね…勇気を出して再び指揮者になる

主人公の心境とリンクしている気がするんですよ。

指揮をとっている時の心から楽しそうな表情を見ると、本当、応援したくなるんです(笑)

 

あとは、響が父を頑なに拒絶している理由が見えてこないので、

なるべく早い段階で明かしてくれる事を祈るばかりですね。

最初はいろんな作品が重なれど、

回を重ねるごとに本作にしかない良さが味わえる作品になりますように。

…日曜劇場、今度こそ当たりかな??

 

 

↓次回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 


となりのナースエイド 1話 感想|で、医師免許持ってるんでしょ?

 

 

こんな事言ってしまうのもなんですが…

今期の水曜日は、ドラマを見ない日になるんじゃないかなぁと

視聴前から薄々感じていたんですよね。

と言うのも、"こっち"も"あっち"もイマイチ期待しがたいものがありまして。

「視聴リスト&期待度」でも書いたように、

"こっち"は予告映像を見たり作品概要を読んだりした時点で

軽いタッチで描こうとしているのがプンプン漂っていて、

その演出が少し空回りしていた記憶のある「祈りのカルテ」の原作者の作品を

再び日テレで実写化するとなれば、大丈夫なのかという不安も当然過ぎってしまうし。

"あっち"はあっちで、いろんな意味で、なんでプライム帯でそのドラマを…?

という疑問の方が強かったのです。

 

だから、仮に他のドラマがあればそっちを優先するくらいには

どちらもスルーしたくもなって(基本的にテレ朝の長編シリーズ枠は対象外)。

でも、どちらかと言えばまだ見られそう、まだ可能性がありそうな気がするのは

ドラマでは珍しい職業を取り扱った"こっち"かなぁ…って事で、

とりあえず初回を視聴してみた訳ですが。

そのわずかな期待も崩れ、やっぱりか…という残念感が残る内容になってしまっていました。

 

医療ドラマで対立的なポジションにいる医者は、態度悪く描かれがち。

世間の知名度が低く「縁の下の力持ち」な職業は、医者や看護師から見下されがち。

目立たない職業だからこそ、良いイメージを持たせようとして、

本来だったら医者が気づきそうな事でも全て主人公の手柄になってしまいがち。

主人公を活躍させたいが故に、類似的な職業(本作だったら看護師)の存在が

空気になってしまいがち。

そして、病院内での揉め合いシーンを挿入しがち。

 

ここまで「『この病院は嫌だ』と思える最近の医療ドラマあるある」

を詰め込まれてしまうと、もはや笑うしかないと言いますか(汗)

見所の1つとしてやたら強調していた澪(川栄李奈)の訳ありな過去にしても、

実は医師免許所持者で、ナースエイドの前は優秀な医者で、

婚約者絡みのとある出来事がきっかけで責任とって辞めたんでしょ?と

予測出来てしまうほどには、全体的に既視感しかありませんでした。

 

正直言ってしまうと…最初に「実は人殺しです」と衝撃の告白をしておいて、

真相が「精神的に殺してしまった」「実際は事故だった」となる展開にも、

そればっかりでもう飽きちゃったなぁと。

さっきから「どうせ…」と決めつけてつらつらと書いているので、

違っていたら恥ずかしいですが(苦笑)

本作だけにかかわらず、いっその事、本当に殺意を持って殺してしまっていた

猟奇的な結末で終えるドラマがそろそろあった方が、新鮮味が増すのかもしれませんね。

…まぁその場合、ハッピーエンドはあまり望めないのでしょうけれども。

 

唯一良い意味で想定外だったのといえば、

主人公が過剰にポンコツキャラに描かれなかった所と、

ドタバタよりかは比較的落ち着いた雰囲気だった所くらいでしょうか。

 

澪の真相については、原作アリなら意外なパターンもなきにしもあらずなので

知りたい気持ちもちょっとはあるんですけど、

手術室で自身が医師免許持ちだと報告しなかったシーンを見る限り

しばらくは引っ張るだろうから…。

そうなると、視聴者に考察させたいんだろうな…という制作側の思惑が透けて見えてしまって、

捻くれた私としては、最後まで真相目当てで見続けたら

手のひらの上でまんまと転がされたようで、良い気はしないんですよね。

 

という訳で、次回も一応様子見してみますが、

もしかしたら感想は初回が最後となるかもしれません。

来週は当初見るつもりのなかった"あっち"をリアタイしようかな?

それで面白かったら、めっけもんって事で…。

 

 

1/21追記:

 

2話も録画で見ました。

 

大してスキルもないのに優秀(?)な外科医を引きずり下ろそうとしたり、

本人だけでなく他の患者が聞いているかもしれない店内で

平気で患者の悪口を言ったり、モラハラまがいの態度をとったりする。

 

そんな医者がいて、出番が多いのもあってただでさえ見づらかったのですが、

本来医者が決める手術の代替案を主人公が提案するシーンで、

残念ながら、私の本作への評価は一気に地に落ちました。

(「評価」なんて偉そうなワード、あんまり使いたくなかったのですが(汗))

 

すらすらと医療知識を言える時点で、教授と深い関係である時点で

「医療オタク」キャラを貫き通すのは無理がありますよね。

婚約者や姉の事があったとは言え、どうせ(どうせ)罪を犯した訳でもないのに

なんで医師免許を持っている事を報告しないんだろう。なんで勿体ぶるんだろう。

見ている間、ずっとその疑問で頭がいっぱいでした。

 

専門的な技術に関する会見でも、まるで芸能人の謝罪会見かのような

ゲスな質問が飛んでくるし。

大河(高杉真宙)の描写にしたって、若い女性なら特に

お腹に傷跡が残る事を心配する人が多いだろうに、

年頃のそういった事情をお察しする様子が見当たらない所も違和感。

↑だから、先ほど「優秀(?)な外科医」と書いたのです。

 

次回予告を見る限り、どうやら真相が明かされるっぽいですが、

1話2話通して、主人公を立たせるための物語なんだな…って事が分かったので、

ズルズル引っ張られる前にリタイアさせていただきます。

 

それにしても…本作に不満を抱えた

実際のナースエイドは多いんじゃないでしょうか(汗)

私としても、ナースエイドがどんな仕事をしているのかがよく分からず。

近しい立場にいるであろう看護師との違いを説明する場面をしっかり用意してから、

物語を進めて欲しかったです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 


正直不動産2 1話 感想|新キャラの紹介もしつつ、安定感ある初回!

 

 

永瀬(山下智久)のかつての師匠でもありライバルでもある

神木涼真役にディーン・フジオカさん。

うんうん…まるでドラマ用のオリジナルキャラクターとして

起用されたかと思うくらいには、すっごく適役!

山下さんとはまた違った端正な顔立ちですし、紳士的な佇まいですし、何しろイケボなので、

「悪魔のような営業でお客様の心を鷲掴みにする」人物だと言われるのも頷けます。

軽快なタップダンスを披露しながらの登場の仕方も、様になってしまう。

モンテ…を彷彿とさせる、ヒゲもじゃ姿の頃の神木は

整形前の設定だったんだろうかというのは置いといて(笑)

一見爽やかで非の打ち所のない笑顔の裏に

胡散臭さも滲ませる演技も含めて、強烈な印象を残して下さいました。

 

冒頭から登場人物について触れまくりましたが、内容自体も最後まで見ていくと…

本当に上手〜くまとまっているんですよねぇ。

シーズン2からの新キャラは他にも、登坂不動産に転職してきた藤原(馬場徹)がいて、

永瀬のライバル2人を描こうとすれば、人物紹介で終わってしまいがちなんですけど、

本作の場合はそこに終始せず、2人の設定を絡めながら

最終的に"主人公の物語"に仕立て上げているんです。

 

流れに沿って書くとするなら…

「有名って、それは人が認めたことでしょ。己の目で見て決めなきゃダメ。」

という、今回のテーマを匂わせるかのような石田(山﨑努)の発言があった後に、

藤原の売上成績で差を大きく開かれ、さらに畳みかけるように神木の手強さを描く事で

永瀬がいかに窮地に追い込まれているかをさり気なく提示して。

登坂(草刈正雄)からは「永瀬、お前どこ向いてるんだ」、

月下(福原遥)からは「なんかビビり過ぎです」といった

気遣いの言葉も時々盛り込みながら、彼が今、迷いがあったり不安を抱えたりしている

状態である事を徐々に強調する。

 

でも、神木の仕事ぶりややり口を中盤まで徹底して描いたからこそ

弱点も浮き彫りになってくる訳で…。

1位になる事に取り憑かれているが故に見落としがちなお客様の"本音"に永瀬が気づき、

そこから一気に形勢逆転する痛快撃ももちろん面白かったのですが。

その出来事のお陰で自分に足りないものは自信だと分かり、

ライバルに振り回されずに、これからもお客様に真っ直ぐ向き合おうと

改めて決心する「原点回帰」的なオチは実に初回にふさわしく、

今後の活躍に胸を膨らませたくなる…そんな1時間だったと思います。

 

今夜の放送2時間前に駆け込みで見たSPも、新キャラの登場をチラ見せしていた事、

放送尺が他の枠の初回拡大版と同じ1時間半であった事、

おさらいがてら、シーズン1の頃の回想が適度に差し込まれていた事から

SPというよりかは初回っぽい話だなぁと思いながら見ておりましたが、

これはこれで、ちゃんと物語のスタートを感じさせる"らしい"内容になってましたね。

 

新キャラで言えばもう1人、新人の十影(板垣瑞生)もいますが、

永瀬と藤原も永瀬のライバルの立ち位置で登場してきているだけに、

彼のほどほど志向&マイペースさがちょうど緊迫感を和らげてくれて、

良いアクセントになるのではないでしょうか。

 

シーズン2からはメイン脚本家の根本ノンジさんの他に

初担当の清水匡さん、木滝りまさんも執筆されるそうで、

回によってブレが生じないかと若干心配したりもするのですが…原作がついているので。

とりあえず、今期の中では安心して見られそうな気はしております。

 

 

↓次回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 


君が心をくれたから 1話 感想|なぜ好きになったのか?が大事なのに…

 

 

他の感想でも何度か書いているかと思うんですが…

個人的に恋愛ドラマで何を重視しているかって、

「なぜその人を好きになったのか」が分かる説得力のある描写なんですよね。

それが過不足なく、視聴者にきちんと伝わるように描けていれば、

たとえ設定や展開がベタであっても、登場人物への共感度が増して

自然と応援したくなってしまうものですし。

逆に不足していれば、展開のスピードの速さだけが目立ってついて行けなくなってしまう。

ドラマ全般でも言える事ではあるんですが、

近年の傾向を考えれば、特に「両想いになった2人=物語のゴール」になりやすい

恋愛ドラマにおいては、"過程"が最も大事になってくる気がするんです。

 

この点を踏まえた上で、本作はどっちだったかと聞かれれば…

残念ながら、後者を選ばざるを得ませんでした。

 

理由は簡単で、とにかく時間軸の移動が激し過ぎるんです。

時間を前後させる手法は、頭の整理が中々つかなくて元から苦手ではあったのですが、

本作の場合は、雨(永野芽郁)の置かれた状況と太陽(山田裕貴)の置かれた状況、

さらには過去のエピソードまで盛り込むもんですから、

正直、情報量がパンパンでついて行けなかったんですよね。

内容をふわっと振り返ってみれば、「なぜその人を好きになったのか」が

全く描けていない訳ではないのですが…

上記で挙げた要素を細切れで見せていたために、

1つ1つがとても淡白に映って、印象には残りづらい。

いや、全く描けていない訳では…とは書いたけれども、

「俺(私)、好きな人のためにここまで全力でやってます!」みたいな

熱量たっぷりの台詞や動作で惹きつけようとするばかりで、

心情描写も追いついていなかったのかな。

とにかく、展開のややこしさと諸々の説明不足が物語の没入感の欠如を招いてしまっていて、

本当に勿体なかったです。

 

月9の初回が30分拡大なのは通常運転ですし、今後も変わる事はないでしょう。

だからこそ、まずはじっくり拡大分を使って学生時代のエピソードから掘り下げていれば、

太陽が雨に一途なのも、雨が太陽のために心を捧げようとするのも

もう少し理解出来たのかもしれません。

 

本作の言う"心"の概念については、公式サイトではこう書かれていて。

今作は、永野さん演じる主人公・逢原雨(あいはら・あめ、26歳)が、愛する男性、朝野太陽(あさの・たいよう、28歳/山田裕貴)のために自分の“心”を差し出す宿命を背負うことから始まる、過酷な「奇跡」が引き起こすファンタジーラブストーリー。

事前にこの文章を読んでいて、てっきり、"心=思考・気持ち・感情"を失った

ロボットのような主人公・雨が、太陽との関わりを通して

人間らしい心を徐々に取り戻していく話だと思い込んでいたので、

"心=五感"は同意義にはならないんじゃないかと困惑していたのですが

(五感はそこまで思いを巡らせなくても使えるものだから…という認識)。

まぁでも…見えなくなって、聞こえなくなって、感覚が分からなくなって…と

出来る事が1つずつ減ってしまえば、自ずと考える事を諦めたり辞めたりするだろうから、

それが結果的に「心を失う」に繋がるのかな?と言い聞かせて、なんとか納得。

 

近年の月9だと…と言うべきか、

後ろが空いているにもかかわらず、なんでわざわざ人混みの中を選ぶんだとか、

高速バス停の近くでカウントダウンイベントをやっているのは変だとか、

なぜか所持している爆竹を投げるのは犯罪だとか

いろいろ不自然な部分もありましたし(苦笑)

ここまで書いてきたように、2人の関係性の掘り下げが弱いのは

恋愛ドラマとしてどうなんだろうか…という気持ちではいるんですが。

ただやっぱり、永野芽郁さんと山田裕貴さんの組み合わせは魅力的ですし、

永野さんが1つずつ五感を失うという難しい役を、

中でも、映像では伝わりにくい嗅覚や味覚を失っていく様を

どう演じるのかには興味があるので、最後まで見続けるとは思います。

ただし、感想は…来週から始まる「春になったら」次第かな?

 

それにしても、今期の月曜ドラマはどちらも系統が被ってしまってますね。

ファンタジーとうたうんだから…もう少し可愛らしいか、うっとりする内容だったら

「月曜から暗そうだから」と言って離れる視聴者も減ったかもしれないのに。

 

P.S.

あと超余談で…この感想が2024年初投稿となるんですね。

(書きかけの感想記事があったもんで…書き残したい事があるから完成させなきゃな。)

辛いニュースがあり、今年はお正月のご挨拶記事の投稿は辞めてしまったので

この場をお借りする事になりますが(汗)

今年もどうか、当ブログをよろしくお願いいたしますm(_ _)m

 

 

1/16追記:

 

2話も見ました。

現在と過去を行き来させるのがどうもお好きみたいで…(苦笑)

過去のエピソードをそこまで映像化する必要ある?という疑問もあるんですが。

せめて、どうしても描きたいのであれば、

画面のアスペクト比くらい変えて差別化して欲しいなぁと思えてしまいますね。

 

あと…今回を見ていてめちゃくちゃ気になったのは、本作の物語の方向性。

えーっと、「ファンタジーラブストーリー」で合ってるんですよね?

ラブストーリーをうたっている割には、2人の絡みやツーショットが極端に少ないし。

群像劇と言わんばかりに、太陽にも雨と同等の重たい設定を加えて

1人で行動している描写が多く見受けられるので、

思わず公式サイトに行って、どんな作品なのかを改めて確認しちゃいましたよ(汗)

 

雨の五感が徐々に消えていく件にしたって、

「もっとこうすれば良かった」と後悔するだけで、限りある時間の中で

何か再チャレンジしてみようという必死さがイマイチ伝わってこないと言うか。

今回は味覚で、次は嗅覚が控えている。

短期間で失われれば恐怖を覚えるだろうに、本人はそこまでではなさそうに見えるのは…

設定を活かせていない証拠なんじゃないかと思えてしまいました。

 

全体的に粗があり過ぎるので、終盤の夕陽をバックにマカロンを食べるシーンも、

視聴者をうっとりさせるために用意したシーンなんだろうなぁという

作り手側の意図が見え透いてしまって、あまり惹かれていません。

良くも悪くも、ワンシーンの美しさにこだわろうとする作品なんですよね。本作って。

宇多田ヒカルさんの主題歌をもってしても、カバー出来ていない気がします。

(補足すると、ご本人は悪くありません…。)

 

今日から始まった月10の方が興味深く見られたので、

本作の感想はここで終いにしようと思います。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ