東京サラダボウル 1話 感想|食べ物のインパクトが強いけどメッセージは伝わる。

 

 

お正月のSPドラマはまだ録画したままなので…今年初ドラマが、本作。

秀作が生まれやすいNHKドラマだから、

気を引き締めて見なきゃという気持ちに自然とさせられるのはもちろん。

外国人居住者が題材なのもあり、シリアス寄りの作風になるのだろうと想像していたため、

正直、本作を見る前にワンクッション挟んでおきたかったな…とも

思いながら視聴を始めたのですが、意外や意外、サクサクと見られちゃいました。

 

取り調べで刑事に問い質されて、微かに声が震えて、

今にもこの場から抜け出したくてたまらないかのような素振りを見せる中国人女性。

外国人男性がオドオドして何か言いたげにしているうちに、警察に自転車を移動させられ、

職務質問へと誘導させられそうになっている光景。

たくさんの人で混雑している歌舞伎町の映像を流しながら、

外国人移住者の割合が4.8%だと告げられる。

数字にしてみたら僅かに感じるかもしれないけれども、

人数に換算してみたら68万人だそうで、それって結構多いんですよね。

サクサクと見られたとは書きましたが、

「慣れない日本社会で心細い想いをしている人が埋もれないように、手を差し伸べたい」

本作はそんな作品なのだという作り手のメッセージは確かに伝わってくるのです。

 

今回登場したキャンディ(喬湲媛)も、日本社会で危うく埋もれかけた1人でした。

車の窓を開けてみると、多彩な色で光り輝く夜の街に、

アニメのキャラクターが大きく映ったモニターに…

日本でしか味わえない景色を、キラキラとした表情で目いっぱい浴びて、

さっきまで夢のような時間を過ごしていたのに、

言語が通じて心強く思っていた男性に麻薬で嵌められ、急に犯罪に巻き込まれる事になる

キャンディの心境を考えたら…見ている私も胸がキュッとなってしまいました。

やっぱり、"言語の壁"は大きいんでしょうね。

今回は彼女のそばに鴻田(奈緒)と有木野(松田龍平)がいてくれたから解決したけれど、

実際はまともな通訳士をつけてもらえず、疑いを晴らせないまま逮捕されるケースは

よくあるんだろうと思わされます。

周りが日本人ばかりで、自分だけが外国人であるという現状に怯えてしまって、

母語で経緯を説明しようにも、目の前で取り調べをしている相手には

伝わらないんじゃないかという不安が先走って、思うように言葉が出せなくなるとか…きっと。

 

どちらかと言うと、土10で3〜4話くらいで放送されていそうな

作品な気がしていて(個人的には、土10の方が社会派要素が強いイメージ)、

初回視聴後もそのイメージはあまり変わらなかったのですが。

多様性を理解し、尊重し、どんな人も優しさで包み込もうとする点では、

"集団"から"個人"に絞られてはいるものの、

前作の「宙わたる教室」と通ずるテーマなんじゃないかな?と思います。

私自身も本作を見ながら、多様性に触れた瞬間がありました。

麻薬犯罪は中国では重罪にあたるんですね。初耳でした。

外国人居住者が日本の良さも現実も経験するように、

私も本作を通して国の事情を少しずつ知っていけたら…とも思います。

 

劇中で出てくる食べ物は、サソリやカエル肉、牛のペ…など

インパクトの強いものばかりですが、日本では馴染みがないだけで、

中国料理店では当たり前のようにメニューに並んでいるんですよね。

食べ物が本作の象徴にもなっているし、

それを平気で食べている鴻田は、何事にも好奇心旺盛で

常識に囚われない性格であるという事を表しているのかもしれません。

 

奈緒さんと松田龍平さんによって繰り出される、自然体で淡々としたやり取りも好感触。

回によってしんどい展開が待ち受けているかもしれませんが、

今後に期待が持てそうな初回でした。

 

 

↓前回の感想はこちら↓

 

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