最初に、ドラマと関係ない話から。
木曜日ぶりに、夜の時間帯はずっとフジテレビがついていたんですけど、
CMのラインナップが随分変わりましたね。
ちょっと前まではほとんどACジャパンだったのが、
今日見てみたら自社番組の宣伝CMだったり、
ACっぽい内容だけど提供企業はACじゃなかったり(日本民間放送連盟というらしいです)、
たま〜にJAROだったり…かなり激減してました。
本作放送後に調べてみたら、こういった事情がある(のでは?)との事。↓
朝から「ACすら流れないんだが…」フジの“異変”にネットざわつく「ケーブルTVみたい」
フジ AC減らして番組延ばす「いつかスポンサーに戻ってもらうために」現場の“奇策”に経営陣は何思う
(ともにYahoo!ニュース)
極端に言えば、企業CMを放送しないNHKに近くなった感じですね。
私の母親も、道徳的な内容をずっと見せられるとうんざりするようで、
特に某カエルのCMは見たくないからと、
ドラマがない日は積極的にフジテレビ以外のチャンネルに合わせるまでになったので。
AC自体も、当時からしたら随分種類は増えましたが、
やっぱり毎日だと飽きちゃいますよね。
なので、自社番組の宣伝CMが多めなのは得策なんじゃないかな?と思ってます。
いずれにしても、「こんな状況でも視聴者が少しでも楽しんでくれるように」という想いで
日々編集作業に取り掛かられている編成の皆様、本当にお疲れ様です…。
ドラマと関係ない話は、ここまで。
さて、ドラマの感想は…私としては応援の眼差しで本作を見ているんですけど、
回を重ねるごとにゆるやか〜に、「ドラマだから」の許容範囲を
超えてきてしまってはいるんですよね。
兼下が機嫌悪い感じではあるものの、
感情的ではないし腑に落ちる事の方が多かったので全然見られたんですけど、
今回で言えば…指令管制員が分譲住宅地の見学までするの!?という
現実味のなさの方が買ってしまいました。
雪曰く、家の外観がどれも同じ感じで統一されているから、もし今後通報があった際に
表札以外に見分ける方法がなかったら困るだろうって。
まぁその言い分も分からなくはないんですが…
購入・または将来的に購入を視野に入れているお客様のためのイベントなのに、
全く購入するつもりのない人が来て、もし営業の人にあれこれ質問していたら迷惑でしょうし、
分譲住宅地なら人はいるから、助けを呼ぶ声も比較的届きやすいだろうし。
そもそも最終的には消防員や救急隊が駆けつけるので、
わざわざ時間を使って、実際に見に行ってまで情報収集しなければいけないの?
する必要はあるの?という疑問は覚えましたね。
「すいません、美味しい所持ってっちゃって。兼下さんも指令官より現場に…」
と言ってくる消防員も嫌(汗)
これは完全に見下してますよね。
ドラマの題材として初めて取り上げられる指令管制員だから、
世間的には目立たない職業である事を描くためのやり取りだったんでしょうけど、
あ〜分かりやすい職業差別を入れなくても…と、ここは残念に思ってしまったのでした。
そんな訳で、絵に描いたような紗良(見上愛)のキャラも含めて
前半は残念な印象が強かったので、感想はもう書かないで良いかと考えていたんですが…
終盤でちょっとだけ心が動かされる展開がやってきました。
堂島(佐藤浩市)が言うには…仕事中の自分達は通報者の話に耳を傾けるから、
正しい存在でいなきゃいけない。
だから、仕事以外の時間は、くだらない話でガスを抜かなければいつか潰れてしまう訳で、
ずうずうしくても「助けてー!」と声を出せる人が、結果タフなんだと。
みんながみんな、誰かと喋っているのが楽しいと感じる人ではなく、苦痛だと感じる人もいて。
私もどちらかと言うと後者の社交的ではない人間なので、紗良の考えには共感出来て、
彼女のようなコミュニケーションを重視する職業なら尚更、
1人でゆっくりする時間が欲しいだろうな…と思って見ていたんですが。
時には雑談も大事だという堂島のアドバイスに背中を押されて、
今まで、助けを求められずにいた紗良が
通報者への指示を通して「『たすけて』と叫んで!」と声に出せたのには、
何か彼女自身の頑なに守っていたものが解き放たれたかのような安堵感がありました。
今回の解決の仕方も良かったですね。
初回も前回も、指令管制員が現場に出向いたお陰で解決するケースだったので、
消防隊や救急隊と連携を図りながらコールセンターの中で想像を張り巡らせて対応している、
実際にそういった職業に就いている人からしたら
複雑な気持ちなんじゃないかと思う所はあったので…。
今回みたいな、雪は情報収集力で、紗良は言語力でお互い不足している部分を補い合いつつ、
予呉(一ノ瀬颯)と箕輪(前原滉)もどうしたら良いのか一緒に考え、
分からない言葉は兼下が補助してくれ、最終的には紗良が伝える…という、
チームワークが活かされた話はもっと見てみたいです。
コールセンターの中だけで話を繰り広げていった今回…
先ほどの安堵感に加えて、達成感も感じられて、ぐっと引き込まれました。
それにしても、獅子ってあの場合でも、Shishiではなく英語でLionなんですね。
確かに分からない人は多そう…。
飯店=台湾だとホテルを意味するのもそうですが、こういった些細なものでも
言語によるすれ違いって発生してしまうんだと、タメになりました。
私が本作を応援の眼差しで見ていると書いたのは、こういう所にありまして。
初回はいたずら電話、2話は動物の捕獲は119の案件ではないという事、
そして今回は外国人観光客が増えた事による、外国語を話せる日本人の人手不足の現実…と
どこかに必ず社会的な要素が反映されているんですね。
どんな通報が適切なのか。電話の向こう側の人は、どんな状況に置かれて仕事しているのか。
ドラマを通して伝えたいという作り手自身の想いが作品に込められているのは分かるので、
最後まで無事に放送出来ますように…と思っちゃうんですよね。
そう思っているからこそ、勿体ないのは…声優の起用も挙げられますね。
声優が俳優としてドラマに出演されている時は、
演技は気にならないんです(それは演技の上手さもあるけれど)。
でも、明らかに声優だと分かるくらい演技している感が強く出てしまうのは…
ドラマなら表情や体の動きで、アニメなら絵のタッチや良い意味での非日常的な演出で
釣り合って見える(聞こえる)のが、電話の場合だと、相手の判断材料が"声"しかないので、
そこで芝居がかり過ぎていると違和感を覚えるのかな?とも思ってます。
次回予告の「第4話 声のゲスト」とか、あまり強調しない方が良い気がするのですが…。
↓前回の感想はこちら↓