
まだ3話ではありますが、私が本作を見ながらいつも「良いなぁ」と心動かされる時って
大抵、夕焼けのシーンなんですね。
今回の場合は、宇佐美(内野聖陽)と白河(前田拳太郎)を筆頭に、
教官対訓練生たちで服が泥まみれになりながらの相撲。いや〜…青春でした!
夕日をバックに、お互い本音をぶつけ合い全力で戦っている姿を見ると、
王道を通り越してもはや新鮮といいますか。
境遇や環境は違えど、一人前の救難員になる事を目指して、みんなで何かを学び
みんなで助け合い、みんなで目の前の物事に打ち込んでいく…。
嫉妬や足の引っ張り合いもしない、
同じ志を持った仲間が1つの場所で暮らしているという事が、
社会人の私からしたらある意味非日常みたいなもので、
彼らの真っ直ぐさが刺さって魅力的に映るのかもしれません。
「あらら、汚れちゃったヒーロー」と宇佐美が煽っていたけれど、
草が生えている場所もある中であえてぬかるんだ土で相撲をとったのは、
完璧主義であろう白河に、ヒーローは最初から強い訳ではなく、
弱さを自覚して乗り越えてこそ真のヒーローになれるのだと
教えたかったからなんでしょうね。
宇佐美関連でもう1つ言えば、本物の海に飛び込む二度目の訓練で、
派手に登場するのが大好きな人間なのにもかかわらず、
今回はヘリコプターからあえて降りなかった所も印象的でした。
訓練生たちが成長した瞬間を、ずっと見て噛み締めたいんですよね…分かります。
けれども、そういった部分部分のシーンにはうっとり見入っても、
内容全体を踏まえてみれば…白河のトラウマ描写がこれまでの2人と比べたら弱かったような?
やや説得力に欠けていたような?そんな気がしないでもなかったかなと。
白河がヒーローになりたいと思ったきっかけは、少年の頃に参加した相撲大会で優勝して
弟や妹(みたいな存在)たちからそう呼ばれた事から。
で…今回トラウマとして描かれたのは、さやか(石井杏奈)がプール訓練で溺れた際に
足がすくんで助けに行けず、
また同じ失敗をしてしまうのではないかと不安に襲われていた事。
私の中ではこの2つがあまり結びつかなかったんですね。
だって、あの時は彼女とバディでもなかったですし、
状況的に助けられる人が自分しかいないにもかかわらず
ただ見ていただけだった…なら分かるんですけど、他の訓練生たちや教官もいましたし。
ヒーローはヒーローでも、少年の頃に"お兄ちゃん"として
小さな子供が困っている所を助けた経験を何度かして
ある日誰かからそう呼ばれたのではなく、
何か大成を果たして周りの人から称賛される意味合いから来ているので…。
これ以上の言い方が出てきませんが、
そこまで自分を追い込むほどなのか?とは思ってしまったのでした。
描写が弱いと思うのには他にも原因があって、
今回は宇佐美とその家族絡みのエピソードが
いつもより多めに盛り込まれていたのも関係しているのかもしれませんね。
「家族」で白河と対比させていたのでしょうか?
いやでも…宇佐美の家庭パートはほとんどが家族内で、
本筋とは独立した形で展開されていっていましたし、
白河の家族の話は沢井(神尾楓珠)にしか伝えていなかったので…
特に対比にもなっていなかったような(汗)
結果的に、話の進みの遅さも招いていた気がします。
沢井、さやか、白河と、ここまでは1対1で向き合う
熱さ全開青春感強めの1話完結型が続きましたが、
次回は少し味変して、沢井が12年前に救出出来なかった
父・上杉の息子である事にも触れるようです。
面接時にてっきり知っているもんだと思っていたので、気づいていなかったのは意外でした。
苗字が違うので…まぁ確かにピンとは来ないのか。
しかし、個人的にはそのエピソードが現在にもたらす影響よりかは、
宇佐美の膝の方が気になります。いつか絶対大ごとになるでしょ…。
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