
感想を書く他のドラマの録画も溜まってきているため、
最終回まで2話合体感想とさせていただきますm(_ _)m ※しばらくテンプレです
7話(5/13放送分)
「出ていけたら、絶対帰ってくるかと思ってたんですけど」「けど………」
その後の言葉が詰まる弓(中山ひなの)を見て、食らってしまったな…。
バスが来るまでお見送りしてくれたのはさとこ(桜井ユキ)だけだったけれども、
出て行く前に、父がよく喋ったり、母が娘の好物を出したりしながら
あの家族なりに祝ってくれたのかもしれない…という想像は出来る。
私は実家暮らしで、家を離れるという経験はまだしていないけども、
ウザく思えるくらい当たり前にあった日常をもう味わえないと知った途端、
急に懐かしく感じてしまう気持ちも何となく分かる。
私もね…一人暮らしに憧れはあるけど、何やかんやで実家大好きなので…
いざ離れるとなったら本当に寂しくなっちゃうかもなぁ。
そんな弓の様子を見て、バスが出発するのを見届けたのを機に、
団地の部屋をもらおうと決心したさとこ。
しかし決め手は他にも考えられて…
例えば、1話での鈴さん(加賀まりこ)と同じようなアドバイスを
相手に贈っていたのに気づいて、紆余曲折ありながらも前向きな変化を実感出来た事。
昼寝から目覚めたら、体力的に移住を断念せざるを得なかった辛い出来事もあってか
世界に置いてけぼりにされている寂しさをより強く覚えていたのが、
ある日ベランダでの鈴さんと司(宮沢氷魚)の会話が聞こえてきて、
ささやかな幸せを感じたまま再び眠りにつけた事。
唐さん(福士誠司)たちとの会食、
ウズラさん(宮崎美子)と青葉(田畑智子)とのティータイムなど、
人間関係の広がりに刺激をもらえた事。
そして、出会いと別れの季節であり、新しい物事に自然と挑戦したくなる春だった事。
さまざまな要因が、さとこの心を突き動かしていたんじゃないかと思います。
ウズラさんと青葉のティータイムのエピソードは微笑ましかったですね。
みんなでドライフルーツを選んで美味しい!って喜び合った瞬間は
初対面とか年齢の壁を全く感じさせなくて、ただただ"友達"の空間に包まれていました。
「どこかでばったり会うかもしれませんね」そんな再会が出来たら素敵ですよね。
青葉の言葉選びからも誠意や思いやりが伝わってきて…
この3人ならまた今回のような時間が訪れそう。
暖かくなり始める春の季節とリンクして、
大人になっても日常に彩りが増していくような出会いがあるんだなぁ…と
ほのぼのしながら見終えようとしたら、最後の最後にピリッと冷たい風が吹く展開が。
娘は部屋の話を聞かされていなかったんですね。
お金が絡んでいるだけに、一悶着ありそうですね…。
8話(5/20放送分)
2組の親子の話が描かれました。
まずは、鈴と透子について。
団地の建て替えって、1部屋2000万円もかかるんですね。
前回の時点でも、もらったからには住み続けなければならない責任感は感じつつ、
いろんな人との出会いや新しい生活を始める様をそばで見てきて、
ここでの暮らしなら、この先も何かに挑戦できるかもしれないという
さとこの変化が見られた訳ですが、
団地に長く住むという事は思ったよりも大変なんですね…。
しかしこのドラマ…基本温かさに包まれる物語ではあるんですが、
現実的な側面は以前から描かれてはいたんですよね。
"普通に"暮らしているはずでも、栄養を意識した食事をするには野菜の物価が高い、
団地の壁が薄い故に騒音問題でストレスが生まれやすい、
「団地に住む住人たち=アットホームな環境(コミュニティ)」というイメージを利用して、
言葉巧みに騙して町内会に入らせようとする動きなどなど…いろんな壁にぶち当たりやすい。
長く生きていれば老後問題もあります。
ぶち当たった壁に真正面から向き合うと心がしんどくなるから、
人との関わりやご飯で時折癒しをもらい、
そうして気を紛らわせながら少しずつ前を向こうとしている。
その描写は一貫して行われていたと思います。
話が親子から脱線したので戻すとして…
建て替え費用に2000万円かかると知ってからはあっさり引き下がり、
今度は老人ホームを勧めてきた透子。
鈴は鈴でここでずっと暮らしたいと主張するのです。
老人ホームに行ってしまったら自分の味で食べられなくなる…は確かに、
食事や料理を日常の幸せとしてきた人にとってはキツいし、
何より「高齢者はこうあるべし」みたいな固定観念を押し付けられているようで辛い。
双方自分なりの考えはしっかり持っていて、それが他人同士なら共有して次に行けるのに、
肝心の肉親となるとすれ違いが続くばかりなんですよね…。
すれ違いは、さとこと惠子もそう。
私はドラマを見る時、年齢が近そうな主人公につい感情移入してしまうのですが、
ウズラさんの「お母様はお優しい方なのね」というハッとさせられる発言を聞くまで、
親心からあんな事を言っているんだとしても、
なんで娘の話を聞かず否定してばかりなのかな…と思っておりました。
餃子、酢豚、ハンバーグ、エビグラタンという脂っこい組み合わせは、
幼少期のままごとから来ていたんですね。
でも、さとこをいくつだと思ってるんだと心の中でツッコんでしまう私は、
親を経験した事がないからそんな気持ちになってしまうんでしょうか。
「丈夫に産んであげられなくて……」と呟く母親の背中が切なかったです。
娘の病気がいまだに受け入れられない、
娘が元気でいて欲しいという願いが強くなるあまり、現状から目を背けてしまうから
いつもあんな事を言ってしまうのは理解出来たかな…。
透子から母の世話をして欲しいと大金を渡され、
ヤングケアラーだった過去がフラッシュバックしたのか、長い旅に出てしまった司。
さとこと鈴は、小豆粥を一緒に食べる。
2人の食事の様子を後ろから撮っているカメラワークに、
司がいなくなってしまった事で心にぽっかりできた穴を、2人で共有して埋め合っていく様を
そっと見守ってくれている温かさを感じさせました。
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