
赤池(田中泯)や徳重(松本潤)に影響を受けて総合診療科に転科したものの、
患者に感情移入し過ぎるきらいがある滝野(小芝風花)。
一方、ミスをした時の対処法も機嫌の取り方もものにするほど
自分自身をよく知っているからこそ、
難しい事・出来ない事はすっぱり諦め要領良く生きようとする鹿山(清水尋也)。
そんな両極端な2人に「人を診る」が出来るのか気になって見ていましたが…
今回も徳重の存在感は確かに残していましたね。
「極端に強い面が表に出てる人ほど、その裏に隠された『何か』がある事は多い。
患者さんと向き合う時、一生懸命になればなるほど、
視野がせま〜く、ミクロなレンズで物事を捉えがちになる。」
この言葉がきっかけで、諦めかけていた2人が
まるで舵を切るように変化し、同じ方向を進み始める。
本当に魔法みたいでした。
手で表現する動作も、視野がいかに狭くなるかが目に見えて分かりやすかったです。
今回は今までと違い、若手メイン回ではありますが…
滝野と鹿山の医者としての苦悩を描いた上で、
徳重が上記のようなアドバイスを適度に投げかけてあげる立場に回る事で、
総合診療科の仕事や「人を診る」とは?が理解しやすいだけでなく、
テンポも生み出していた気がします。
夫婦に関しては個人的にはどっちもどっちで、
医者の目の前で「ラスボス」とか言っちゃう妻・早智(倉科カナ)は
自分の意見をガンガン押しつける所があるし(栄養面で努力してるのは分かるけど)、
夫・耕太(浜野謙太)は妻にもクライアントにも気を遣う八方美人で、
両親の現状を見ているにもかかわらずダブルランチ、しかし妻には怒って欲しくないから
1人で抱え込むという、なよっとした性格ではあるんですよね。
でも、夫婦がそうなってしまったのも、徳重の言う通り、
「病気になった時に、気持ちや考え方は揺れ動く」から。
しかし、結果的に離婚せずに済んだのは、
滝野と鹿山がお互いに相手の妻or夫に対するありのままの愛を聞き出す事が出来、
滝野がもう一押しをしてくれたから。
徳重からは、2人を静かに見守り、2人がつまづいている時には手を差し伸べてあげる
ささやかな頼もしさを感じさせましたが。
滝野は滝野で、何とかして患者夫婦の気持ちに寄り添いたいという真摯さが
彼女の良さだと思っていますし、
鹿山も普段からメモをとる習慣をつけていなければ、
患者のモヤモヤを可視化し、原因に辿り着くまでが中々難しかったかもしれません。
それぞれの良い所が束となり、患者夫婦の"病い"を治す事が出来た。
素敵なチームでしたね。
前回気になっていた堀田(津田健次郎)の現在も、少し触れてくれて嬉しかったです。
「最後まで堀田さんの隣にいると約束します」と言ったからには、
その責任を感じさせる描写がどこかには欲しかったんですよね…。
しかも驚いたのは、徳重がネットニュースで彼の記事を見て
頑張っている旨を言及していた所。
今回の見せ方で、患者が今どんな悩みを抱えているのかに耳を傾け、
治療に繋げる事だけが総合診療科の仕事ではないという、
今までの医療ドラマとは違う新しい作品を作るのだという制作陣の本気が伝わってきました。
今後も、今回のようなプチ情報で良いので、
今まで関わってきた患者の"その後"、見てみたいです。
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