
真犯人を庇っている説を真壁(天海祐希)が出した時に、
玉垣(塚地武雅)は闇バイトの観点から、菱本(でんでん)はヤクザの観点から、
春夫(小日向文世)は政治的観点から…そして真壁自身は、女性の観点から考える。
特別目立つ台詞ではないけれど、こういった意見交換のシーンだけでも
その人の得意とする分野や、現在までに至る経緯が読み取れて、
個々のキャラクターが見えてきます。
「(当時の立てこもり時の対応)あれを見て、本物の警察官…?そんな風に思うはずがない」
の後の、「怖い」「おっかねぇ」「背筋が凍るね」という三者三様の反応の仕方も
コミカルちっくで、テンポ感も含めて可笑しかったですね。
本作の事は基本的に、安定して楽しめる作品だと思っていますが、
その理由がどこから来るのかと聞かれれば、
事件・捜査の描写に多少のマンネリ感があったとしても
各々の役割分担が明確で、どの人物にも個性が見える所が
大きいんじゃないかという気がします。
取り調べ自体は、前回で期待していたほどの見応えはなかったのかな?
というのが正直な感想で、
前回で感じた倉持(山本耕史)の口先が達者な、クレバーな部分を、
取り調べでも真壁たちが少し翻弄されるくらいには
もっと堪能したかったかも…とは思いましたが、
彼女たちはもう何年もやっているプロですからね。
利津子(若村麻由美)が「勝手口に、夫が現れたんです」と言ったのを機に
倉持が慌て始め、一気に倉持が不利な状況になる流れは楽しめました。
夫婦は合わせ鏡のようなもの、かぁ…。
でも、倉持家の鏡はもうひび割れてしまっている。
家庭を支えようともせず、息子に口出しばかりする父親に腹を立てるのも分かりますし、
急に家に来られたら迷惑ではありますけど…。
倉持も倉持で、人の意見を聞き入れず自分中心な所がある点では、似た者同士なんですよね。
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