
このドラマで人目を引きやすいのは、やはり勝男(竹内涼真)のキャラクターなので、
ついつい感想でも彼の言動を真っ先に書いてしまいたくなるのですが…
本作を見ていて、毎回何がこんなに心地良く感じるのかと言えば、
価値観のナチュラルな描写が大きいと思うんですね。
今回はその良さが遺憾なく発揮されていて、「人の気持ちに触れてみる」
「人の真剣な想いは誰かに届く」を描き続けたお話でした。
いつも成績優秀で、父から跡取りを期待されている兄さんは強い!と
思い込んでいた勝男は、その話を聞いた椿(中条あやみ)の
「強いって思われてる人って…本当はただ、そういう風にしか
生きられなかっただけなのかもしれない」という言葉をきっかけに、
もしかしたら兄貴もそうなのかな?とちょっと気になり出す。
兄貴のために何か力になりたいと考える勝男は、
彼の大好物のとり天を作って渡そうと思いつく。
勝男の提案から始まり、後輩2人、鮎美(夏帆)とミナト(青木柚)、
しまいには初登場である白崎の彼女・青子(夏目透羽)もやって来て、
じわじわ協力してくれる流れが、見ていてとても微笑ましいです。
後輩2人に関しては、仕事終わりならすぐ帰りたいだろうに
買い出しから料理まで付き合ってくれるんだから…
勝男は人に恵まれているのは確かなんですけど、
2人に手伝いたいと思わせたのもまた、勝男の著しい成長と、
その上で等身大の悩みを打ち明けてくれた嬉しさあってこそなんですよね。
(でも、自分の時間も大切にしていて、上司にも遠慮なく伝えられる所も素敵。)
鷹広(塚本高史)の前ですすり泣くシーンはねぇ…
弟心がはち切れるような泣き方に、肌着を着ている事を忘れるくらい(←ちょw)
つられ泣きしましたよ。
勝男と同じく「人前で泣くな。男やろうがっ!」と父に言われて育ってきて、
ずっとその呪いを抱えたまま生きてきた兄を、
昔の自分と重ねてしまった部分もあるんでしょう。
前々回でもそうでしたが、勝男の泣き方って、
良い意味で子供みたいな拙さがあるんですね。
感情がどっと溢れてきてしまうんだけど、まだ人前で泣くのに恥ずかしさが残っていて、
それでも涙が止まらなくて。
「兄さんが苦しんでるの、俺は悲しい」
「自分が感じた事とかを、心に閉じ込めないで欲しい」
この2つ、現実的に言えば泣かなくても伝えられる言葉ではあるんですけど、
涙が先行してしまうのは…自分自身が、鮎美の気持ちを知らないまま、知ろうとしないまま
振られてしまった苦い経験も含まれているからなんだと思います。
鮎美と一緒にキッチンに立って料理をする光景も…
白崎(前原瑞樹)の目線同様、良かったねぇ…と思うと同時に、
もし付き合ってた時の勝男が今の勝男だったら、こんな日もあったのだろうかという
ifの世界を見ているようで、切なさもありましたね。
微妙に合わない2人の視線と同時に流れる主題歌のバラードバージョン
「♪ 嫌気がさしていた どこで間違えたんだろう」の歌詞のタイミングよ。
…でも、料理の成長具合と言い、さっき書いた空港での言葉と言い、
鮎美の心の中で大きな変化が生まれていると信じたいです。
(前回でも書いた通り、2人が寄りを戻してハッピーエンドだと思って見ています。)
そんな鮎美は、ミナトにやっと想いを伝えられるんだけども、
後のふとした「結婚」というワードが地雷だったらしく、数分後に別れを告げられる事に。
ミナトは「独占欲」とか「特別感」って言葉を知らないんじゃないかと思えるような人でね…
そこが鮎美と相性が合わなかった要因ではあるんですよねぇ。
双方、自分がこうしたい!を投げかけるばかりで、
折り合いがつけられていなかった印象があります。
しかし、人に影響されやすかった鮎美に、ようやく変化の兆しが見えた気もして。
次回予告を見る限り、いよいよ彼女も殻を破る時が来そうで、楽しみです。
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