
ミナト(青木柚)と南川(杏花)によるチョウチンアンコウの話、面白かったですね。
南川の言っていた、オスを取り込んで養分にする事は自立に繋がり、
もう1人で頑張らなくても良いって事なのかもしれない…という考え方も素敵だったけれど、
どっちかの名字にしたり、生活スタイルを変えたり、親戚付き合いをしたりといった、
自分が自分じゃいられなくなるというミナトの考え方も理解出来ます。
最初はふらふら遊んでいるイメージがあり、このシーンの前の「本気だったよ」も
聞いた時はあまりしっくり来なかったんですが、彼の考えを聞いてからだと、
彼なりに苦しかったんだろうと同情したくもなります。
元カノと全く気まずくならず、普段通り交流出来ている理由は
あの誠実さから来てるのだとよく分かりました(というか、上手い別れ方をしている)。
外食にしても、外食"で"良いんじゃなくて、"が"良いんですよね。
結婚の意思はない旨を話してくれるだけありがたいものの、
本当はそれが同棲前のタイミングだったらとは思いますが…
人と一緒にいる事に居心地の良さは確かに感じていて、
でもいざ結婚となると、責任感をひしひしと感じてしんどくなってしまうのかもしれません。
若者たちはどうやって生きるか、将来どうしたいかを模索しながら
こうして多様性が浸透しつつある一方で…
勝男(竹内涼真)の両親はザ・昭和の夫婦です。
お味噌汁はフリーズドライのものを使っていても、
ちゃんと良い意味で手抜きが出来る人だったと安堵は出来ず、
「男は強くあれ」「女は家庭に入って俺を支えろ」「料理は出汁からこだわるべし」思考の
旦那のそばで毎日生活していたら、
母親がサスペンスにでもなりそうな殺意を帯びた表情をしていても無理はありません。
自由を求め、尊重されている社会を今の若者世代は生きているけれど、
親世代の人々が若かった頃は「こうあるべし」で固められた不自由な社会を生きてきた。
ミナトと南川、勝男の両親…前後のエピソードからそう読み取れる
世代の描写対比も皮肉なものですが、
それと同時に、親世代も令和時代を過ごしていると、
周囲のようにありのままでいたいのにいられない現実に嫌気が差してくるんだろうな…
という母親側の辛さも感じ取れます。
でも…今回の勝男と鮎美(夏帆)を見ていると、
やはりこの2人は一緒になって欲しいと心から思ってしまうのです。
よくよく見たら、図書館のテラスでせいろに入った小籠包を2人で食べるって
可笑しな光景なんですけどね(笑)
ただ"少数派"繋がりで…勝男も鮎美も、出会って会話をするのが目的で集まっている中で
孤立している状況を見ていただけに、
目の前に想いが通じ合える人がいる、分かってくれる人がいるってだけで
こんなにも心強いものなんだという両者の気持ちを想像したら
じんわり泣けてきてしまうエピソードでした。
料理が出来るようになった勝男は、今度は食べ方にうるさくなったけれども(笑)
それは自覚しているようで、人から勧められたものは何でも実行してみて
凝り性になってしまう可愛い性格ですし(鶏ガラを作っている時の上機嫌な様子は特にw)、
鮎美も1人の生活を始めて、殻を破りかけている所ですし。
自分で考える時間を大事にしている2人なら、きっとこの先も大丈夫だと信じられます。
↓前回の感想はこちら↓